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光の魔法
しおりを挟む今日はキスで目覚めた。舌を入れられビクッとした途端、俺の身体に激痛走る。言わずもがな、筋肉痛だ。布団を退かす事も出来ず《い》と《て》を連呼してしまう。
「筋肉痛?」
癒しの笑みで凝り固まった体の一部を女の又の力で撫でさすってくれるが、そこに筋肉は無いぞ。
「じっとしてて」
動こうにもバキバキで動けないのだが。
ボッキボキなコイツにアイツのソイツがぬるぬるぬめり付く。
我慢虚しく小さな掌に吐き出された分身達を、躊躇う事無く舌で転がし喉の奥へ流し込むアイツ。
「ほんとはココに欲しいの…」
「住める家が出来てからだな」
「だね」
「賃貸でも良いなら毎日ハメまくるぞ」
「心揺れる提案」
「とにかくこの筋肉痛を何とかせんと」
ブツブツ何かの呪文を唱えると、イゼッタの手から光が溢れる。
「キュアー」
イゼッタよ、光の魔法を掛けて貰って言うのもなんだが、何故そこに集中してキュアるのか?
癒しても硬くはならんぞ?にぎにぎしてもリラックスしてふにゃふにゃだ。
結果、血流が良くなり体の痛みは取れたけど、何だか解せぬ。
回復したので朝飯食べて、装備を整え出発だ。大きく迂回し森の中から街までやって来た。途中、ポーションや薬の原料を小遣い稼ぎ感覚で採って行く。南側から行ったのでまたかっこいい名前のあの熊に会ったが、今度は警戒して近づいて来なかった。ほっ…。
ギルドの買取カウンターに薬草等を納品し、三万二千ヤンの稼ぎ。買い物の足しになった。
雑貨屋で毛布四枚買ったら嵩張って何も持てなくなった。これではいかんと背負子を買って布帯で括りつけた。後は木の栓ができる掌大の壺を三つと蓋付きの鍋一つ、塩と香辛料は多目に二セット買った。
買ったは良いが風呂屋にこれ、持って行けないぞ?荷物の預かり屋、なんて出来たら流行るだろうな。宿を取って荷物を置くにも銀貨数枚飛んでくし。先に買い物してしまった俺の失態だ。くっ!
「帰ろ?」
無言で撫でた。ええ子や…。
「下着買って帰るか」
「うん!」
ちょっと良い下着買ってやった。
串焼き買い食いした後は、行きと大体同じルートで島に戻る。時間は午後をだいぶ過ぎたけど、もう少しだけ頑張るのじゃ。
出来れば風呂を作りたかったけどこの時間じゃ到底無理なので、丸太を敷き詰める作業を少しやってテントに戻る。夕飯の支度を手伝おうとしたら水浴びして来いと追い出された。
冷えた体に生干し肉の炙りと山葡萄もどき、そして甘いお湯。
水飴を壺に入れた後の鍋に水を入れて沸かしたお湯だそうな。やりくり上手か。
生干し肉はちょっと塩分強目だけど脂がじわっとして美味かった。酒飲みには堪らないだろうな。
夕食後、イゼッタが水浴びしてる合間に新しい鍋でお湯を沸かしといたら喜んでくれた。
暖かいタオルで背中を拭いて、前も拭いて、下も拭いた。
買って来た毛布を葉っぱの上に敷いて、更に掛け布団にして二人薄着で抱き合いチュッチュしたり揉み揉みしながら寝た。
早く快適な住処を作らねば…。
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