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ギルド

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 門兵にギルドの場所を教えて貰ったが、門を潜って目の前だった。とてもわかりやすい。
三階建てで一階は石造り、その上は木造って感じの洋風建築だ。
ファンタジックなコスプレの男女が出入りしているので流れに乗ってみる。

中に入るとカウンターに美人のお姉さんが座ってる。美人の一人と目が合うとニコリとしてくれるので、この人はプロだと確信しそちらに向かう。

「こんにちは、本日はどのようなご要件でいらっしゃいましたか?」

「冒険者の登録をしに来たのだがこのカウンターで良かったかな?」

「はい、構いませんよ。ではこちらの…」

登録はすんなり終わった。
紙に名前と使用武器と公表できるスキルを書いて、板に血を垂らすだけ。その板を謎の機械に突っ込んで出て来た板を受け取った。
無くすと銀貨三枚だそうな。
他にもいろいろ説明を受けた。依頼の受け方とか回収品の買取の仕方とか。図書室の存在も有難い。

美人の前で長居すると良くない事が起こる気がしたのですぐに買取カウンターへ向かう。だがこちらも美人さんだ。

「買い取りでしたら机の上にどうぞ」

「売れるか解らないけど取り敢えず見ておくれ」

使ってないブフリムのナイフとタマゲルの核に拾った矢、金は多少あるのでウロの実とワタウリも出しておこう。

「どう?売れる?」

「ナイフは八本で三十二ヤン、矢は三本で九ヤン、タマゲルの核は十個で五十ヤンですね。ウロの実七個で三百五十ヤン、ワタウリは種の数を確認しないといけないのですが、割ってみても良いですか?」

お金の単位はヤンと言うのか。

「良いよー。それにしてもウロの実って結構高いんだな。ワタウリの種ならまだあるよ」

ワタウリの種も全部出してしまう。

「若いですが結構良い種ですね。発芽できない種だと買い取れないので、一番良いのは割れる直前の状態なのですよ。ちなみにこの種はどうしたのですか?」

「空腹に耐えかねてわたわたを食ったんだ」

「…ちなみにお味は?」

「歯ごたえシャクシャク、仄かな酸味と甘み。ウロの実より美味し」

「…仄かな…、ワタを食べる人なんて初めてですが…私も食べてみてよろしいですか?」

「売れるのは種だから構わないよ」

「では種取りして参りますのでしばらくお掛けになってお待ち下さい」

「あ、それなら図書室で本読んでても良いかな?」

「構いませんよ。作業が終わり次第お呼び致します。」


 よろしくどうぞとその場を離れ、二階の図書室に向かう。
それにしても、苦労したナイフより虐殺した核の方が高いとか…。あの不味いウロの実クコの実もどきが一粒五十ヤン?な~ぜ~?

何故か解った。本に書いてあった。ポーションの原料の一つだそうな。
ワタウリは本当に綿として使われてるんだと。そりゃあ食う人居ないわな。
で、可愛い可愛いタマゲルなのだが、畑の作物を食べちゃうので害モンスターの扱いらしい。とは言えあの性格なのでペットにしたり、何でも食べるので生ゴミや屎尿処理させたりと役に立つ一面もあるのだとか。

取り敢えず、金になりそうな品物をいくつかピックアップしておこう。
肌着にボールペンでメモっとく。

ウロの実 50ヤン ポーションの原料
ワタウリの種(完熟) 30ヤン 綿
ボルオの葉(鮮度良) 50ヤン ポーションの原料
フォレストウォリス(犬っぽい奴)の皮 300ヤン
同犬歯(上のみ) 50ヤン
同肉(鮮度良) 1ナリ100ヤン 1ナリ1キロ?
ブフリムの核 5ヤン

ウロの実は数が取れれば嵩張らなくて良い金になるな。
ワタウリは種がいっぱい入ってるので単価は安いが美味そうだ。
ボルオの葉は鮮度次第なので今はスルーかな?
犬っぽい奴は肉が鮮度次第だが、十ナリくらい取れるらしいので持って帰れば千四百ヤンは堅い。犬程の大きさを持って帰れればだが。
ウロの実二十八個の軽さに比べると薄味か?
ブフリムはナイフ四ヤン核五ヤン。不味いけど襲ってくるから仕方なくヤる感じ?剥ぎ取りしないでスルーかも。

そうこうしているうちに時が過ぎ、買い取りの美人さんが呼びに来てくれた。
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