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「エリファ」
玲瓏な声が静かに名を呼んで、エリファレットはひゅっと息を飲んだ。今は出ていないはずの尻尾が反応し、ピンっと立ったような錯覚を覚える。
街を離れてディノクルーガーの森に向かい、数日経つ。ディノクルーガーの森までは遠い道のりだが、ラウは途中まで行けば迎えが来ると言う。
エリファレットたちはその迎えが来るエンハ渓谷へと向かっていた。
てっきり徒歩での移動かと思ってきたエリファレットは、移動手段が馬だと聞いて目を輝かせた。エリファレットは銀の狼族だ。馬を駆ることがない。そもそも草食動物はエリファレットたち狼族を怖がる。ところがラウの馬は、エリファレットをすんなりと背中に乗せた。あの時の感動と言ったらなかった。
一人で馬に乗れないエリファレットは、基本ラウに抱えられての移動だった。馬上からの景色は素晴らしく、エリファレットは目を輝かせてはしゃいだ。ただ腹に回るラウの手と背中に感じる温もりが、ひどくエリファレットを落ち着かなくさせていた。
そして今のように静かな声で呼ばれると、胸の奥がきゅっと小さく鳴る。心臓が早鐘を打ち、頬が上気する。ラウを真っ直ぐ見られなくなって、近付くのも尻込みしてしまう。
だがこうして名前を呼ばれると、エリファレットは逆らえない。引き寄せられるように、ふらふらとラウに近付く。
綺麗な顔の造りをした人間だと思う。丁寧で繊細に作り込まれ、歪みがない。表情が浮かばない時など、まるで精巧で精緻な人形のようだ。見惚れるほど綺麗だが、エリファレットは笑った時の方が好きだ。深い水を湛えた青色が、ゆったりと細められて笑う。精巧な人形に命が宿るようだ。
エリファレットは引き寄せられるままにラウのそばで膝を付き、両肩にそっと手を置く。
ラウに口付けるのは、毒の中和のためだ。エリファレットはそれを躊躇ったことはない。そもそも、エリファレットはそのためにいる。あのおぞましき氷雪の魔物から助けられた恩返しとして、毒が埋まるラウの体を中和している。
それなのに、旅立ってからエリファレットはそれを戸惑う。おとなしく待ってくれているラウを前に、唇が震え羞恥がじわりと胸を焼く。
(どうしよう……ドキドキする……)
そっと唇に触れると、ラウの体から毒が抜けるのがわかる。
軽く触れて離れると、ラウの青の瞳と間近で視線が絡む。冷たく凪いだ青色なのに、水底に何か違うものを隠しているようで、身が竦む。
じんわりと顔に熱が集まり、思わず視線を落とすと、ラウの片手がエリファレットの腰を抱き寄せる。頬に触れる手は剣士らしく堅く筋張って、指先は熱帯びている。顔を上げるように促す所作に従えば、すぐにラウの唇が降ってくる。
「……ん……ぁ……ふっ……ぁん……」
するりと入り込んでくる舌が歯列をなぞり、舌を絡めて擦られる。鼻にかかった声が甘えたように漏れて、知らずに体が揺れる。
ラウはエリファレットが拐われたあの日から、時折こうして触れるようになった。いつ再び口を吸われるかわからないので、エリファレットは毎回ドキドキしてラウに触れる。
くちっと舌を吸われて、唾液を絡ませて唇を合わせると、エリファレットの思考はすぐにぼんやりとしてしまう。治療とは違う意味のこれが恥ずかしくて、それでいてひどく気持ち良い。
「……ぁ……ん……」
好きに口内を荒らした舌が抜かれると、ラウの水を湛えた青色が満足そうに細まる。
射竦められるでもないのに、その眼差しだけで、追い詰められた小動物のように身動き叶わなくなる。捕らえられたように目が離せなくて、ゾクゾクする。
今までどうやってラウに触れていたのか、どうして気軽に触れられていたのか、突然わからなくなる。だがこうして唇を吸うことも、ラウの毒が全て中和されればなくなる。
「いっ……!」
不意に、ズキっと背中に鋭い痛みが走ってエリファレットは声を上げだ。驚いたラウが背中を丸めて呻いたエリファレットを覗き込む。
「どうした?」
「いえ……背中が今ちくっとしました……」
内側から突き上げるような痛みだった。エリファレットは見えもしない背中に首を巡らせ、痛んだ場所を確認しようとする。
ラウの手がエリファレットの視線を追うように背中を滑るが、痛んだのはわずかな間だった。
「……地面で寝るのが慣れないか?」
背中を気にするエリファレットに、ラウが尋ねる。
街を経って以降、夜は野宿だ。体に負担がかからないようになるべく平坦な場所を選び、柔らかいものを敷いて寝てはいるが、寝心地は良いとは言えない。ラウは慣れているので体に変調を来すことはないが、エリファレットには慣れないか。変な体勢で寝れば、当然体は痛むものだ。
心配に、エリファレットは慌てて首を振った。
「いえ、大丈夫です。と言うより、僕は仰向けには寝てないので」
街を離れた辺りから、エリファレットは夜寝る時だけは狼の姿に戻っている。ラウの家では人型で寝ることもあったが、外で寝るなら狼の姿が当然いい。地面に顎をつき、伏して寝る。そうすれば、何者の接近にも一早く気付けるし動きやすい。獣として、正しい姿だ。
エリファレットが今更背中を痛める理由がない。
首を振って否定すると、ラウは確かにそうだと納得して、エリファレットの背中から手を離した。
先の余韻を感じさせないように、テキパキと夜を明かす準備を始める。
ラウの手際は素晴らしく良い。火を起こして料理を作り、寝床を作る。腹を満たした後は体を清め、火を消さないように注意しながら眠る。
エリファレットはただ言われた通りに動くだけで、何もしていない。
(この能力が何で実生活に活かせないのかな、この人……)
ラウの壊滅的な生活能力の欠落を知るだけに、エリファレットには不思議でならなかった。
警戒しなければならない外ではこれほど頼りになるのに、自分が安全圏だと認めた領域内ではてんでダメになるのだ。エリファレットと、果たしてどちらが獣に近いだろうか。
「エリファ」
寝る準備が出来たと、ラウがエリファレットを呼ぶ。
家では真逆だった男を不思議に思いながら、エリファレットは狼の姿になってラウのすぐそばで体を伏せた。
ゆらゆらと揺らめく炎が、子守歌のようにエリファレットを夢の中へと誘っていった。
玲瓏な声が静かに名を呼んで、エリファレットはひゅっと息を飲んだ。今は出ていないはずの尻尾が反応し、ピンっと立ったような錯覚を覚える。
街を離れてディノクルーガーの森に向かい、数日経つ。ディノクルーガーの森までは遠い道のりだが、ラウは途中まで行けば迎えが来ると言う。
エリファレットたちはその迎えが来るエンハ渓谷へと向かっていた。
てっきり徒歩での移動かと思ってきたエリファレットは、移動手段が馬だと聞いて目を輝かせた。エリファレットは銀の狼族だ。馬を駆ることがない。そもそも草食動物はエリファレットたち狼族を怖がる。ところがラウの馬は、エリファレットをすんなりと背中に乗せた。あの時の感動と言ったらなかった。
一人で馬に乗れないエリファレットは、基本ラウに抱えられての移動だった。馬上からの景色は素晴らしく、エリファレットは目を輝かせてはしゃいだ。ただ腹に回るラウの手と背中に感じる温もりが、ひどくエリファレットを落ち着かなくさせていた。
そして今のように静かな声で呼ばれると、胸の奥がきゅっと小さく鳴る。心臓が早鐘を打ち、頬が上気する。ラウを真っ直ぐ見られなくなって、近付くのも尻込みしてしまう。
だがこうして名前を呼ばれると、エリファレットは逆らえない。引き寄せられるように、ふらふらとラウに近付く。
綺麗な顔の造りをした人間だと思う。丁寧で繊細に作り込まれ、歪みがない。表情が浮かばない時など、まるで精巧で精緻な人形のようだ。見惚れるほど綺麗だが、エリファレットは笑った時の方が好きだ。深い水を湛えた青色が、ゆったりと細められて笑う。精巧な人形に命が宿るようだ。
エリファレットは引き寄せられるままにラウのそばで膝を付き、両肩にそっと手を置く。
ラウに口付けるのは、毒の中和のためだ。エリファレットはそれを躊躇ったことはない。そもそも、エリファレットはそのためにいる。あのおぞましき氷雪の魔物から助けられた恩返しとして、毒が埋まるラウの体を中和している。
それなのに、旅立ってからエリファレットはそれを戸惑う。おとなしく待ってくれているラウを前に、唇が震え羞恥がじわりと胸を焼く。
(どうしよう……ドキドキする……)
そっと唇に触れると、ラウの体から毒が抜けるのがわかる。
軽く触れて離れると、ラウの青の瞳と間近で視線が絡む。冷たく凪いだ青色なのに、水底に何か違うものを隠しているようで、身が竦む。
じんわりと顔に熱が集まり、思わず視線を落とすと、ラウの片手がエリファレットの腰を抱き寄せる。頬に触れる手は剣士らしく堅く筋張って、指先は熱帯びている。顔を上げるように促す所作に従えば、すぐにラウの唇が降ってくる。
「……ん……ぁ……ふっ……ぁん……」
するりと入り込んでくる舌が歯列をなぞり、舌を絡めて擦られる。鼻にかかった声が甘えたように漏れて、知らずに体が揺れる。
ラウはエリファレットが拐われたあの日から、時折こうして触れるようになった。いつ再び口を吸われるかわからないので、エリファレットは毎回ドキドキしてラウに触れる。
くちっと舌を吸われて、唾液を絡ませて唇を合わせると、エリファレットの思考はすぐにぼんやりとしてしまう。治療とは違う意味のこれが恥ずかしくて、それでいてひどく気持ち良い。
「……ぁ……ん……」
好きに口内を荒らした舌が抜かれると、ラウの水を湛えた青色が満足そうに細まる。
射竦められるでもないのに、その眼差しだけで、追い詰められた小動物のように身動き叶わなくなる。捕らえられたように目が離せなくて、ゾクゾクする。
今までどうやってラウに触れていたのか、どうして気軽に触れられていたのか、突然わからなくなる。だがこうして唇を吸うことも、ラウの毒が全て中和されればなくなる。
「いっ……!」
不意に、ズキっと背中に鋭い痛みが走ってエリファレットは声を上げだ。驚いたラウが背中を丸めて呻いたエリファレットを覗き込む。
「どうした?」
「いえ……背中が今ちくっとしました……」
内側から突き上げるような痛みだった。エリファレットは見えもしない背中に首を巡らせ、痛んだ場所を確認しようとする。
ラウの手がエリファレットの視線を追うように背中を滑るが、痛んだのはわずかな間だった。
「……地面で寝るのが慣れないか?」
背中を気にするエリファレットに、ラウが尋ねる。
街を経って以降、夜は野宿だ。体に負担がかからないようになるべく平坦な場所を選び、柔らかいものを敷いて寝てはいるが、寝心地は良いとは言えない。ラウは慣れているので体に変調を来すことはないが、エリファレットには慣れないか。変な体勢で寝れば、当然体は痛むものだ。
心配に、エリファレットは慌てて首を振った。
「いえ、大丈夫です。と言うより、僕は仰向けには寝てないので」
街を離れた辺りから、エリファレットは夜寝る時だけは狼の姿に戻っている。ラウの家では人型で寝ることもあったが、外で寝るなら狼の姿が当然いい。地面に顎をつき、伏して寝る。そうすれば、何者の接近にも一早く気付けるし動きやすい。獣として、正しい姿だ。
エリファレットが今更背中を痛める理由がない。
首を振って否定すると、ラウは確かにそうだと納得して、エリファレットの背中から手を離した。
先の余韻を感じさせないように、テキパキと夜を明かす準備を始める。
ラウの手際は素晴らしく良い。火を起こして料理を作り、寝床を作る。腹を満たした後は体を清め、火を消さないように注意しながら眠る。
エリファレットはただ言われた通りに動くだけで、何もしていない。
(この能力が何で実生活に活かせないのかな、この人……)
ラウの壊滅的な生活能力の欠落を知るだけに、エリファレットには不思議でならなかった。
警戒しなければならない外ではこれほど頼りになるのに、自分が安全圏だと認めた領域内ではてんでダメになるのだ。エリファレットと、果たしてどちらが獣に近いだろうか。
「エリファ」
寝る準備が出来たと、ラウがエリファレットを呼ぶ。
家では真逆だった男を不思議に思いながら、エリファレットは狼の姿になってラウのすぐそばで体を伏せた。
ゆらゆらと揺らめく炎が、子守歌のようにエリファレットを夢の中へと誘っていった。
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