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終章 松前大舘の姫君 その三
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生まれながらならばやむを得ないが、ある時から、貝が蓋を閉ざすように、心ごと口を開かぬようになってしまった。その日まで、明るい、はっさいな幼女であったのが、一瞬で変わってしまった。ときには自分でももどかしげな様子は見えるのだが、どうにも言葉が口をついて出ないらしい。声を絞り出そうと苦しむさまを、祖父は何度も見た。
(もとはと言えば、あれも蠣崎家のせいではないか。)
老人は口には決して出さぬものの、恨めしく思っている。
南条広継室による毒殺事件の余波は大きかった。
代官家の嫡男があいついで、有力家臣に嫁いだ姉の手で殺されたと言うのだ。個人の怨恨を理由に思った者はひとりもいない。一時は、家じゅうが真っ二つになる騒ぎであった。すべての責めを負った南条広継とその一門が滅びても事態は収拾されず、直接は無関係のはずの家にまで流血の沙汰が広がった。
老人の息子―真汐たちの父は、日頃、南条の人となりをよく知っていた。いかにも不自然な事の成り行きに不審を口にして憚らなかったが、それをめぐっての酒席の言い争いの果てに、発作的に―だと言われたのだ―腹を切ってしまった。
(切らされたも同然ではないか? おやかたさまのご沙汰に疑いを鳴らすなど、不用心が過ぎた。……家中の見せしめにされてしまったのじゃ。)
と言って、代官―おやかたさまから直接に口封じの指示が下りていたのではないだろう、と村上老人は考えている。その場の雰囲気や勢いで、腹の一つや二つ切ってしまうのが、武家である。おそらく息子は、同輩との激論の末に引っ込みがつかなくなり、赤誠をおのれの腸で見せてやる羽目になったのだろう。
ようやく家督を譲る直前であったのに、と老人は落胆したが、それはもう、やむを得ない。むしろ家が絶えなかったのに安堵しなければならなかった。
(が、あの場に真汐がいなくてもよかった……。あれは男の子ではない。武家の者とは言い条、あの齢で、父親が真っ赤な腸を溢れさせ、介錯に首を落とされるのを目に焼きつけてしまえば、……。)
真汐が喋れなくなったのは、父の凄惨な死を見てしまって以来だったのだ。そして、外界がおそろしいのだろうか、しきりに部屋に籠るようになってしまった。喋れなくなれば、友だちとも交流がなくなる。親きょうだいや使用人くらいしか、相手をしてやれない。最近は、成長したからだろうか、かえってそれさえ避けるきらいがあった。
(なんということじゃ。なにが起こった?)
老人は孫娘の小さな両肩を揺らして問い詰めたい気分だが、つい先刻までの暗い様子とはうって変って、表情が静かななかにも明るい。この落ち着いた様子を崩してやりたくない。下手に口を差し挟むのがおそろしい気がして、黙って頷くと、孫娘に続けさせた。
「真汐は、お代官さまのお家の、新三郎さまに嫁ぎたく存じまする。どうか、おやかたさまに、お願いくださいませ。」
「新三郎さま?」
婚姻の話など、意外であった。それも、どうやってこの幼い者に、そんな大人同士の内々の取り決めがもう伝わっているのか、老人にはわからない。
「如何でございましょうか。どうか、真汐の願いをお聞き届けくださりませぬでしょうか。」
真汐は首をやや傾げながら、微笑を浮かべていた。老人は驚かされながらも、それだけでうれしくてならない。
「真汐、真汐。お前、喋れるようになったのじゃなあ。」
「……はい。」
「よかった。さようか、喋れるのか。よかった。」
祖父は涙を浮かべたが、もうよいだろうと思って尋ねてみた。
「ひとつ尋ねるが、なにゆえ新三郎さまに嫁ぎたいと思うた? ……そもそもお前、新三郎さまにお目にかかったこともあるまい? もう五年も松前にお帰りでないのじゃぞ? お噂をうかがったのか?」
「はい、うかがいました。」
真汐はうれしげに笑った。その笑顔は、つい先ほどとも違う年齢相応の屈託のなさで、村上老人はまたうれし泣きしそうになったが、そうか、と尋ねた。
「たれに? 母者か? お代官のお家のお方か?」
少し考えると、幼女は大人びた表情に戻って、
「お爺さまには、またご心配をおかけはせぬかと案じられまするが、まことを申します。少しく、不思議なことにて……。」
先刻の昼下がり、雪がいったんやんだころ、真汐はいつものように、ただ一人の侍女を相手に無言で過ごしていた。何十度となく読み返した草紙を所在なくめくっていたが、ふと外から呼ばれた気がした―と言うのだ。知らぬ女の声だった。
ちょうど侍女は別の用で席を外した。真汐はまた名を呼ぶ声を聞き、それに引かれて、自室から外に出た。屋敷の裏手にひとりで回る。さほど広くもない敷地の中だが、そこには昼間も人けがない。
高貴な佇まいの女性が、白く光る雪の上にひとり立っていた。いや、ひとりではない。胸に生まれたばかりとも見える赤子を大事そうに抱いていた。真汐が来るのを、待っていたようだ。やさしく微笑まれたという。
真汐は反射的に冷たい雪の上に平伏したが、起きよ、顔をあげよ、ときれいな声がした。
(天女さま?)
それに違いなかった。別に後光が差しているわけでも宙に浮いているわけでもない。しかし、どうも、生身の人間ではありえないのがわかった。
「村上の家の、真汐がそちか?」
真汐はなんとか答えようとしたが、やはり声が出ない。無言で頷くと、天女さまはすべておわかりで、むごい目にあったゆえじゃな、と言って下さった―のだそうだ。
「真汐。そちに頼みがあります。蠣崎新三郎慶広どのに、嫁いでおくれ。……お代官の家の、ご三男。会ったこともないじゃろうが、そちが添うべきおひとであるのは、わたくしが知っている。どうか、そちのお爺さまにそれをお願いしておくれ。」
(わたしは口がきけないのです。どうしてお代官さまのお家にお嫁に行けましょうか?)
真汐が頭を振ると、天女さまは心配には及ばない、とまた微笑まれたそうだ。
「案じずともよい。お代官のご三男は、魚になってしもうた者すら、ひとに戻してくれた。そのお方に添えば、言葉を取り戻すなど、造作もない。」
また喋れるようになるのか、ならば是非その新三郎さまに嫁ごう、と少女は決意した。
「まことに有り難く存じます。その、新三郎さまと言われますお方のつまになりましょう。……あ?」
「……ほら、また喋れました。」
天女さまはやさしく笑い、胸の赤子に顔を寄せて、うれしげにあやした。
「真汐。いまひとつ、頼みがあります。これも大事な頼み、聞いてくるれるかえ?」
天女さまが語る望みを聞き、真汐はむしろ喜んで頷いた。
「さようか。かたじけない。礼を言います。」
天女さまはまことにうれしげな表情を示した。そして恐縮する真汐に近づいて、見上げる少女の頭のうえに大事そうに、赤子をかざした。そしてそのまま、白い右手の甲を下し、撫でるようにそっと真汐の髪に置いた。
村上老人は新三郎と孫娘との縁組を願い出たが、不思議な女との話は主君に一切伝えなかった。狐狸や怨霊の類に化かされたと思われてはつまらない上に、気味悪がられて話が壊れてしまいかねない。
(ありがたいお方だったには違いないが、……よしんば狐狸妖怪でも構わぬ。真汐の言葉が戻ったのじゃからな。)
村上老人はそう思っている。
それに、真汐のほうも次の日にはもう不思議な話をしなくなった。本人に尋ねてみても、なにかきょとんとしているくらいだ。それなのに相変わらず喋れているから、老人としては、そのほうがずっとありがたい。
おやかたさまー蠣崎季広は、新三郎のほうか、それでよいのか、と尋ね、村上が強く肯うと、何か納得した表情になった。
胸中では、村上老人の目の確かさに感心する思いがある。だから、何故かとは尋ねなかった。
「あれは、近々にこちらに戻る。……いや、浪岡御所からの使いとのことよ。よい機会だから、許婚者として会わせてみるか?」
「ありがたきご仕儀にて。……お使いでお帰りとは?」
「まだ余所では言うな。これも縁談じゃ。蠣崎家に間を取り持ってもらいたいのじゃと、浪岡御所のお望みがあった。」
(もとはと言えば、あれも蠣崎家のせいではないか。)
老人は口には決して出さぬものの、恨めしく思っている。
南条広継室による毒殺事件の余波は大きかった。
代官家の嫡男があいついで、有力家臣に嫁いだ姉の手で殺されたと言うのだ。個人の怨恨を理由に思った者はひとりもいない。一時は、家じゅうが真っ二つになる騒ぎであった。すべての責めを負った南条広継とその一門が滅びても事態は収拾されず、直接は無関係のはずの家にまで流血の沙汰が広がった。
老人の息子―真汐たちの父は、日頃、南条の人となりをよく知っていた。いかにも不自然な事の成り行きに不審を口にして憚らなかったが、それをめぐっての酒席の言い争いの果てに、発作的に―だと言われたのだ―腹を切ってしまった。
(切らされたも同然ではないか? おやかたさまのご沙汰に疑いを鳴らすなど、不用心が過ぎた。……家中の見せしめにされてしまったのじゃ。)
と言って、代官―おやかたさまから直接に口封じの指示が下りていたのではないだろう、と村上老人は考えている。その場の雰囲気や勢いで、腹の一つや二つ切ってしまうのが、武家である。おそらく息子は、同輩との激論の末に引っ込みがつかなくなり、赤誠をおのれの腸で見せてやる羽目になったのだろう。
ようやく家督を譲る直前であったのに、と老人は落胆したが、それはもう、やむを得ない。むしろ家が絶えなかったのに安堵しなければならなかった。
(が、あの場に真汐がいなくてもよかった……。あれは男の子ではない。武家の者とは言い条、あの齢で、父親が真っ赤な腸を溢れさせ、介錯に首を落とされるのを目に焼きつけてしまえば、……。)
真汐が喋れなくなったのは、父の凄惨な死を見てしまって以来だったのだ。そして、外界がおそろしいのだろうか、しきりに部屋に籠るようになってしまった。喋れなくなれば、友だちとも交流がなくなる。親きょうだいや使用人くらいしか、相手をしてやれない。最近は、成長したからだろうか、かえってそれさえ避けるきらいがあった。
(なんということじゃ。なにが起こった?)
老人は孫娘の小さな両肩を揺らして問い詰めたい気分だが、つい先刻までの暗い様子とはうって変って、表情が静かななかにも明るい。この落ち着いた様子を崩してやりたくない。下手に口を差し挟むのがおそろしい気がして、黙って頷くと、孫娘に続けさせた。
「真汐は、お代官さまのお家の、新三郎さまに嫁ぎたく存じまする。どうか、おやかたさまに、お願いくださいませ。」
「新三郎さま?」
婚姻の話など、意外であった。それも、どうやってこの幼い者に、そんな大人同士の内々の取り決めがもう伝わっているのか、老人にはわからない。
「如何でございましょうか。どうか、真汐の願いをお聞き届けくださりませぬでしょうか。」
真汐は首をやや傾げながら、微笑を浮かべていた。老人は驚かされながらも、それだけでうれしくてならない。
「真汐、真汐。お前、喋れるようになったのじゃなあ。」
「……はい。」
「よかった。さようか、喋れるのか。よかった。」
祖父は涙を浮かべたが、もうよいだろうと思って尋ねてみた。
「ひとつ尋ねるが、なにゆえ新三郎さまに嫁ぎたいと思うた? ……そもそもお前、新三郎さまにお目にかかったこともあるまい? もう五年も松前にお帰りでないのじゃぞ? お噂をうかがったのか?」
「はい、うかがいました。」
真汐はうれしげに笑った。その笑顔は、つい先ほどとも違う年齢相応の屈託のなさで、村上老人はまたうれし泣きしそうになったが、そうか、と尋ねた。
「たれに? 母者か? お代官のお家のお方か?」
少し考えると、幼女は大人びた表情に戻って、
「お爺さまには、またご心配をおかけはせぬかと案じられまするが、まことを申します。少しく、不思議なことにて……。」
先刻の昼下がり、雪がいったんやんだころ、真汐はいつものように、ただ一人の侍女を相手に無言で過ごしていた。何十度となく読み返した草紙を所在なくめくっていたが、ふと外から呼ばれた気がした―と言うのだ。知らぬ女の声だった。
ちょうど侍女は別の用で席を外した。真汐はまた名を呼ぶ声を聞き、それに引かれて、自室から外に出た。屋敷の裏手にひとりで回る。さほど広くもない敷地の中だが、そこには昼間も人けがない。
高貴な佇まいの女性が、白く光る雪の上にひとり立っていた。いや、ひとりではない。胸に生まれたばかりとも見える赤子を大事そうに抱いていた。真汐が来るのを、待っていたようだ。やさしく微笑まれたという。
真汐は反射的に冷たい雪の上に平伏したが、起きよ、顔をあげよ、ときれいな声がした。
(天女さま?)
それに違いなかった。別に後光が差しているわけでも宙に浮いているわけでもない。しかし、どうも、生身の人間ではありえないのがわかった。
「村上の家の、真汐がそちか?」
真汐はなんとか答えようとしたが、やはり声が出ない。無言で頷くと、天女さまはすべておわかりで、むごい目にあったゆえじゃな、と言って下さった―のだそうだ。
「真汐。そちに頼みがあります。蠣崎新三郎慶広どのに、嫁いでおくれ。……お代官の家の、ご三男。会ったこともないじゃろうが、そちが添うべきおひとであるのは、わたくしが知っている。どうか、そちのお爺さまにそれをお願いしておくれ。」
(わたしは口がきけないのです。どうしてお代官さまのお家にお嫁に行けましょうか?)
真汐が頭を振ると、天女さまは心配には及ばない、とまた微笑まれたそうだ。
「案じずともよい。お代官のご三男は、魚になってしもうた者すら、ひとに戻してくれた。そのお方に添えば、言葉を取り戻すなど、造作もない。」
また喋れるようになるのか、ならば是非その新三郎さまに嫁ごう、と少女は決意した。
「まことに有り難く存じます。その、新三郎さまと言われますお方のつまになりましょう。……あ?」
「……ほら、また喋れました。」
天女さまはやさしく笑い、胸の赤子に顔を寄せて、うれしげにあやした。
「真汐。いまひとつ、頼みがあります。これも大事な頼み、聞いてくるれるかえ?」
天女さまが語る望みを聞き、真汐はむしろ喜んで頷いた。
「さようか。かたじけない。礼を言います。」
天女さまはまことにうれしげな表情を示した。そして恐縮する真汐に近づいて、見上げる少女の頭のうえに大事そうに、赤子をかざした。そしてそのまま、白い右手の甲を下し、撫でるようにそっと真汐の髪に置いた。
村上老人は新三郎と孫娘との縁組を願い出たが、不思議な女との話は主君に一切伝えなかった。狐狸や怨霊の類に化かされたと思われてはつまらない上に、気味悪がられて話が壊れてしまいかねない。
(ありがたいお方だったには違いないが、……よしんば狐狸妖怪でも構わぬ。真汐の言葉が戻ったのじゃからな。)
村上老人はそう思っている。
それに、真汐のほうも次の日にはもう不思議な話をしなくなった。本人に尋ねてみても、なにかきょとんとしているくらいだ。それなのに相変わらず喋れているから、老人としては、そのほうがずっとありがたい。
おやかたさまー蠣崎季広は、新三郎のほうか、それでよいのか、と尋ね、村上が強く肯うと、何か納得した表情になった。
胸中では、村上老人の目の確かさに感心する思いがある。だから、何故かとは尋ねなかった。
「あれは、近々にこちらに戻る。……いや、浪岡御所からの使いとのことよ。よい機会だから、許婚者として会わせてみるか?」
「ありがたきご仕儀にて。……お使いでお帰りとは?」
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