79 / 210
二の段 蠣崎家のほうへ 誓い(五)
しおりを挟む
……
被さってくる、十四郎の左上胸に大きな傷痕があった。
尋ねるまでもない。
(このお方も、苦しい思いをされた。おつらかった……)
あやめは頭を持ち上げて、男の皮膚を深く穿った痕に唇を当てた。十四郎が、驚いたように軽くのけぞる。
「十四郎さま……痛うございますか?」
「痛くない。ただ、あやめにこんなものを見せたくはなかった。」
「わたくしは、見せていただいて、うれしうございます。わたくしの存知あげない、十四郎さまのお辛い日々を、ほんの少しだけ、知れた気がいたします。」
おれの痛みや苦労などお前にくらべれば、とでもいいたげに、十四郎の目が無言で否定した。
十四郎は、あやめの既に露わになった胸に、自分の唇を寄せた。
今度はあやめが軽い悲鳴をあげて首を後ろに曲げた。
「痛い。十四郎さま、お髭が……」
十四郎の蓄えた髭が乳房の肌を刺す。はじめて知る刺戟にあやめは驚いた。
「すまぬ……。痛かったな。跡が……」
「いえ、……少し、痛いのが気持ちよろしいかもしれませぬ。癖になってしまうかも。」
「えっ?」
「阿呆なこと、いうてるわ。」
あやめはくすりと笑った。いまは自分の地の言葉を使ってみたい。
あやめの目と手は、すでに十四郎の肉が充溢しているのを一瞬、たしかめていた。心中に、軽い安堵感がある。
コハルがあやめの告白を厳に押し止めたとき、こんなこともいっていたからだ。
「殿方は、ああ見えて脆い。驚くべき話を聞いただけで心とともに躰も萎えて、おなごに対して使い物にならぬこともあるのです。女を無理やりに盗まれた、などというときに、女が哀れだ、いとおしいと頭で思っているのに、躰が使えなくなる状態に陥ることもある。御寮人さまは、みずからそんな話を御曹司さまにされようとしているのでございますよ。」
(コハル、心配なかったよ。十四郎さまは、いまわたくしを愛して(かわいがって)くださっている。)
「きれいだ……あやめ。そなたは何も変わっていない。」
あやめの肌を、十四郎の手と唇が撫でていく。
(……おや?)
あやめに違和感があった。記憶と、自分の中での反応が少し違う。
陶酔は近づき、恥しいくらいに豊かに潤いはじめているのだが、躰の奥に何か、引っ掛かりのようなものを感じる。十四郎との記憶のなかはもちろん、最近のあの男との閨でも感じたことがない。
あやめのなかで、十四郎の指が動いている。受け入れて、あやめの息があがりそうになる。そっと男の手を触った。それが合図だった。
いまもそれは十四郎に通じた。十四郎はあやめの伸びた足の間に身体を移す。
そのとき、異変が生じた。
十四郎の肉が近づいたとき、あやめの躰が瘧のように震えだした。刺さり、入っていこうとするものを避けるように、激しく動揺する。
あやめは驚きに目を見開いている。
(どうしたのだ、これは? なに?)
「あやめ、落ち着かれよ。……はじめての時のようだ。あやめ殿。」
十四郎は微笑んだ。
「そんなはずは、ございませぬ。」
震えがようやく収まり、あやめはまた、十四郎を迎える姿勢をとる。
「よろしうございます。」
十分に濡れた部分は十四郎の肉の先端を受け入れた。その瞬間、あやめは低い悲鳴とともに痙攣した。激しく引きつけたようになる。こわばり、息が止まりそうに思える。
「どうした?」
あやめは天の一点を睨んだかのようになって、硬直している。
(そんな……っ! なに? こんなことが?)
「……あやめ、平気ではないな。長旅で、そなたは疲れておられるのだ。今宵は、もう眠ろう。そなたの寝顔を見せてくれ。」
「十四郎さま、お願いでございます。私には、今宵しかない。どうか、どうか今一度、お試しくださいませ。」
あやめは脂汗が滲んでくるのに戸惑いながら、哀願した。
十四郎は途方に暮れた表情になったが、笑顔をつくった。またひとしきり、あやめの柔らかい肌を愛撫する。あやめが切なさを訴えるまで、励ますようにやさしく撫で、舐めた。
「もう、……もう、たいらぎ(治り)ました。平気でございます。どうか、いま一度……」
あやめが目を薄く開いて訴える。十四郎は押し入ろうとしたが、あやめの躰だけが無言で拒絶した。激しくひきつり、息が一瞬とまり、あやめは当惑を通り越して恐怖の表情を浮かべた。
「お願い、お願いにござります。」
あやめは、あの男との夜はできる限り忌避している姿勢までみずからとり、十四郎を導こうとする。だが、無駄だった。あやめの躰は浅く入られると同時にがくがくと激しく震え、より深いつながりを明らかに嫌がった。
無理をして高く上げた尻を抱え込ませるようにして、突き刺すようにと懇願したとき、床に這ったあやめは、ついには吐いた。少量の食べ物を吐き、吐き気が止まらずに胃液まで最後はあげた。
「あやめ、あやめっ。……心配でならぬ。おれはいいんだ。今宵は休もう。」
口を拭わせて、水を、……と立ち上がった十四郎が、まるで立ち去っていくように思えて、あやめは悲鳴をあげた。
「厭っ。厭でございます。厭じゃあっ。」
「そんなことでは……」
吐き気を何とか抑えさせ、脂汗にまみれた躰を拭いてやりながら、十四郎は、あやめがまた哀れでならない。
茫然としたのか、男の手になされるがままになっている。そのあやめの躰が、まだ小刻みに震えているのをみて、十四郎は、その震えをとめられないかと、背中から抱きしめる。
あやめはまた泣き出した。
「どうして……? どうして……?」
「疲れているのだ。」
「……まさか、大舘で薬を盛られているのでしょうか?」
「案じずともよい。そのような薬はあるまい。」
十四郎は蠣崎家の人間としての、ひととおりの毒の知識はある。山丹貿易で入ってくる中国の薬物も知っていた。 そのなかには、たしかにひとの精神に働く恐ろしい薬があるとも聞いていた(誰あろう、新三郎から聞いたのだ)。 だが、あやめのこの様子を、毒などでは説明できないだろう。
「……憑りつかれているのでございましょうか?」
「憑りつく?」
「大舘で、怨霊をみました。」
あやめは、十四郎の長兄たちを毒殺した女の姿を見た経験を話した。
十四郎は戦慄している。
怨霊を恐れてのことではない。この戦国の時代の武士には、割り切った現世的な即物主義の感覚があり、十四郎もそれを共有していた。もちろん近代的な合理主義とは違うものだが、結果的にそれに似たものになる。合戦という現実の殺し合いに身を置く者には、きっと必要だったのであろう。さらに、ほんらい怪力乱神を語らないという、読書階級が幼いうちに触れる道徳もあった。武将にあたる者でもあれば、神仏を信じないではないものの、霊魂や祟りなどよりも、目に見える現実的存在の優先度が高い。
「姉の怨霊など、……心配するに足りぬ。ちゃんと、祀られているのは申した。それに、もしそなたが見たとおりだとすれば、そなたに祟らねばならぬ道理はない。案ずることはない。」
「ならば、なんでえ?……」
あやめは躰を曲げてむせび泣く。
震え続ける肩を抱きながら、十四郎は気づいていた。戦慄したのは、そこだ。
(あやめの心はやぶれている。)
精神が壊れているのだ、と思った。
被さってくる、十四郎の左上胸に大きな傷痕があった。
尋ねるまでもない。
(このお方も、苦しい思いをされた。おつらかった……)
あやめは頭を持ち上げて、男の皮膚を深く穿った痕に唇を当てた。十四郎が、驚いたように軽くのけぞる。
「十四郎さま……痛うございますか?」
「痛くない。ただ、あやめにこんなものを見せたくはなかった。」
「わたくしは、見せていただいて、うれしうございます。わたくしの存知あげない、十四郎さまのお辛い日々を、ほんの少しだけ、知れた気がいたします。」
おれの痛みや苦労などお前にくらべれば、とでもいいたげに、十四郎の目が無言で否定した。
十四郎は、あやめの既に露わになった胸に、自分の唇を寄せた。
今度はあやめが軽い悲鳴をあげて首を後ろに曲げた。
「痛い。十四郎さま、お髭が……」
十四郎の蓄えた髭が乳房の肌を刺す。はじめて知る刺戟にあやめは驚いた。
「すまぬ……。痛かったな。跡が……」
「いえ、……少し、痛いのが気持ちよろしいかもしれませぬ。癖になってしまうかも。」
「えっ?」
「阿呆なこと、いうてるわ。」
あやめはくすりと笑った。いまは自分の地の言葉を使ってみたい。
あやめの目と手は、すでに十四郎の肉が充溢しているのを一瞬、たしかめていた。心中に、軽い安堵感がある。
コハルがあやめの告白を厳に押し止めたとき、こんなこともいっていたからだ。
「殿方は、ああ見えて脆い。驚くべき話を聞いただけで心とともに躰も萎えて、おなごに対して使い物にならぬこともあるのです。女を無理やりに盗まれた、などというときに、女が哀れだ、いとおしいと頭で思っているのに、躰が使えなくなる状態に陥ることもある。御寮人さまは、みずからそんな話を御曹司さまにされようとしているのでございますよ。」
(コハル、心配なかったよ。十四郎さまは、いまわたくしを愛して(かわいがって)くださっている。)
「きれいだ……あやめ。そなたは何も変わっていない。」
あやめの肌を、十四郎の手と唇が撫でていく。
(……おや?)
あやめに違和感があった。記憶と、自分の中での反応が少し違う。
陶酔は近づき、恥しいくらいに豊かに潤いはじめているのだが、躰の奥に何か、引っ掛かりのようなものを感じる。十四郎との記憶のなかはもちろん、最近のあの男との閨でも感じたことがない。
あやめのなかで、十四郎の指が動いている。受け入れて、あやめの息があがりそうになる。そっと男の手を触った。それが合図だった。
いまもそれは十四郎に通じた。十四郎はあやめの伸びた足の間に身体を移す。
そのとき、異変が生じた。
十四郎の肉が近づいたとき、あやめの躰が瘧のように震えだした。刺さり、入っていこうとするものを避けるように、激しく動揺する。
あやめは驚きに目を見開いている。
(どうしたのだ、これは? なに?)
「あやめ、落ち着かれよ。……はじめての時のようだ。あやめ殿。」
十四郎は微笑んだ。
「そんなはずは、ございませぬ。」
震えがようやく収まり、あやめはまた、十四郎を迎える姿勢をとる。
「よろしうございます。」
十分に濡れた部分は十四郎の肉の先端を受け入れた。その瞬間、あやめは低い悲鳴とともに痙攣した。激しく引きつけたようになる。こわばり、息が止まりそうに思える。
「どうした?」
あやめは天の一点を睨んだかのようになって、硬直している。
(そんな……っ! なに? こんなことが?)
「……あやめ、平気ではないな。長旅で、そなたは疲れておられるのだ。今宵は、もう眠ろう。そなたの寝顔を見せてくれ。」
「十四郎さま、お願いでございます。私には、今宵しかない。どうか、どうか今一度、お試しくださいませ。」
あやめは脂汗が滲んでくるのに戸惑いながら、哀願した。
十四郎は途方に暮れた表情になったが、笑顔をつくった。またひとしきり、あやめの柔らかい肌を愛撫する。あやめが切なさを訴えるまで、励ますようにやさしく撫で、舐めた。
「もう、……もう、たいらぎ(治り)ました。平気でございます。どうか、いま一度……」
あやめが目を薄く開いて訴える。十四郎は押し入ろうとしたが、あやめの躰だけが無言で拒絶した。激しくひきつり、息が一瞬とまり、あやめは当惑を通り越して恐怖の表情を浮かべた。
「お願い、お願いにござります。」
あやめは、あの男との夜はできる限り忌避している姿勢までみずからとり、十四郎を導こうとする。だが、無駄だった。あやめの躰は浅く入られると同時にがくがくと激しく震え、より深いつながりを明らかに嫌がった。
無理をして高く上げた尻を抱え込ませるようにして、突き刺すようにと懇願したとき、床に這ったあやめは、ついには吐いた。少量の食べ物を吐き、吐き気が止まらずに胃液まで最後はあげた。
「あやめ、あやめっ。……心配でならぬ。おれはいいんだ。今宵は休もう。」
口を拭わせて、水を、……と立ち上がった十四郎が、まるで立ち去っていくように思えて、あやめは悲鳴をあげた。
「厭っ。厭でございます。厭じゃあっ。」
「そんなことでは……」
吐き気を何とか抑えさせ、脂汗にまみれた躰を拭いてやりながら、十四郎は、あやめがまた哀れでならない。
茫然としたのか、男の手になされるがままになっている。そのあやめの躰が、まだ小刻みに震えているのをみて、十四郎は、その震えをとめられないかと、背中から抱きしめる。
あやめはまた泣き出した。
「どうして……? どうして……?」
「疲れているのだ。」
「……まさか、大舘で薬を盛られているのでしょうか?」
「案じずともよい。そのような薬はあるまい。」
十四郎は蠣崎家の人間としての、ひととおりの毒の知識はある。山丹貿易で入ってくる中国の薬物も知っていた。 そのなかには、たしかにひとの精神に働く恐ろしい薬があるとも聞いていた(誰あろう、新三郎から聞いたのだ)。 だが、あやめのこの様子を、毒などでは説明できないだろう。
「……憑りつかれているのでございましょうか?」
「憑りつく?」
「大舘で、怨霊をみました。」
あやめは、十四郎の長兄たちを毒殺した女の姿を見た経験を話した。
十四郎は戦慄している。
怨霊を恐れてのことではない。この戦国の時代の武士には、割り切った現世的な即物主義の感覚があり、十四郎もそれを共有していた。もちろん近代的な合理主義とは違うものだが、結果的にそれに似たものになる。合戦という現実の殺し合いに身を置く者には、きっと必要だったのであろう。さらに、ほんらい怪力乱神を語らないという、読書階級が幼いうちに触れる道徳もあった。武将にあたる者でもあれば、神仏を信じないではないものの、霊魂や祟りなどよりも、目に見える現実的存在の優先度が高い。
「姉の怨霊など、……心配するに足りぬ。ちゃんと、祀られているのは申した。それに、もしそなたが見たとおりだとすれば、そなたに祟らねばならぬ道理はない。案ずることはない。」
「ならば、なんでえ?……」
あやめは躰を曲げてむせび泣く。
震え続ける肩を抱きながら、十四郎は気づいていた。戦慄したのは、そこだ。
(あやめの心はやぶれている。)
精神が壊れているのだ、と思った。
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説
四代目 豊臣秀勝
克全
歴史・時代
アルファポリス第5回歴史時代小説大賞参加作です。
読者賞を狙っていますので、アルファポリスで投票とお気に入り登録してくださると助かります。
史実で三木城合戦前後で夭折した木下与一郎が生き延びた。
秀吉の最年長の甥であり、秀長の嫡男・与一郎が生き延びた豊臣家が辿る歴史はどう言うモノになるのか。
小牧長久手で秀吉は勝てるのか?
朝日姫は徳川家康の嫁ぐのか?
朝鮮征伐は行われるのか?
秀頼は生まれるのか。
秀次が後継者に指名され切腹させられるのか?
猿の内政官 ~天下統一のお助けのお助け~
橋本洋一
歴史・時代
この世が乱れ、国同士が戦う、戦国乱世。
記憶を失くした優しいだけの少年、雲之介(くものすけ)と元今川家の陪々臣(ばいばいしん)で浪人の木下藤吉郎が出会い、二人は尾張の大うつけ、織田信長の元へと足を運ぶ。織田家に仕官した雲之介はやがて内政の才を発揮し、二人の主君にとって無くてはならぬ存在へとなる。
これは、優しさを武器に二人の主君を天下人へと導いた少年の物語
※架空戦記です。史実で死ぬはずの人物が生存したり、歴史が早く進む可能性があります
織田信長 -尾州払暁-
藪から犬
歴史・時代
織田信長は、戦国の世における天下統一の先駆者として一般に強くイメージされますが、当然ながら、生まれついてそうであるわけはありません。
守護代・織田大和守家の家来(傍流)である弾正忠家の家督を継承してから、およそ14年間を尾張(現・愛知県西部)の平定に費やしています。そして、そのほとんどが一族間での骨肉の争いであり、一歩踏み外せば死に直結するような、四面楚歌の道のりでした。
織田信長という人間を考えるとき、この彼の青春時代というのは非常に色濃く映ります。
そこで、本作では、天文16年(1547年)~永禄3年(1560年)までの13年間の織田信長の足跡を小説としてじっくりとなぞってみようと思いたった次第です。
毎週の月曜日00:00に次話公開を目指しています。
スローペースの拙稿ではありますが、お付き合いいただければ嬉しいです。
(2022.04.04)
※信長公記を下地としていますが諸出来事の年次比定を含め随所に著者の創作および定説ではない解釈等がありますのでご承知置きください。
※アルファポリスの仕様上、「HOTランキング用ジャンル選択」欄を「男性向け」に設定していますが、区別する意図はとくにありません。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
剣客逓信 ―明治剣戟郵便録―
三條すずしろ
歴史・時代
【第9回歴史・時代小説大賞:痛快! エンタメ剣客賞受賞】
明治6年、警察より早くピストルを装備したのは郵便配達員だった――。
維新の動乱で届くことのなかった手紙や小包。そんな残された思いを配達する「御留郵便御用」の若者と老剣士が、時に不穏な明治の初めをひた走る。
密書や金品を狙う賊を退け大切なものを届ける特命郵便配達人、通称「剣客逓信(けんかくていしん)」。
武装する必要があるほど危険にさらされた初期の郵便時代、二人はやがてさらに大きな動乱に巻き込まれ――。
※エブリスタでも連載中
浅葱色の桜
初音
歴史・時代
新選組の局長、近藤勇がその剣術の腕を磨いた道場・試衛館。
近藤勇は、子宝にめぐまれなかった道場主・周助によって養子に迎えられる…というのが史実ですが、もしその周助に娘がいたら?というIfから始まる物語。
「女のくせに」そんな呪いのような言葉と向き合いながら、剣術の鍛錬に励む主人公・さくらの成長記です。
時代小説の雰囲気を味わっていただくため、縦書読みを推奨しています。縦書きで読みやすいよう、行間を詰めています。
小説家になろう、カクヨム、エブリスタでも載せてます。
西涼女侠伝
水城洋臣
歴史・時代
無敵の剣術を会得した男装の女剣士。立ち塞がるは三国志に名を刻む猛将馬超
舞台は三國志のハイライトとも言える時代、建安年間。曹操に敗れ関中を追われた馬超率いる反乱軍が涼州を襲う。正史に残る涼州動乱を、官位無き在野の侠客たちの視点で描く武侠譚。
役人の娘でありながら剣の道を選んだ男装の麗人・趙英。
家族の仇を追っている騎馬民族の少年・呼狐澹。
ふらりと現れた目的の分からぬ胡散臭い道士・緑風子。
荒野で出会った在野の流れ者たちの視点から描く、錦馬超の実態とは……。
主に正史を参考としていますが、随所で意図的に演義要素も残しており、また武侠小説としてのテイストも強く、一見重そうに見えて雰囲気は割とライトです。
三國志好きな人ならニヤニヤ出来る要素は散らしてますが、世界観説明のノリで注釈も多めなので、知らなくても楽しめるかと思います(多分)
涼州動乱と言えば馬超と王異ですが、ゲームやサブカル系でこの2人が好きな人はご注意。何せ基本正史ベースだもんで、2人とも現代人の感覚としちゃアレでして……。
鬼を討つ〜徳川十六将・渡辺守綱記〜
八ケ代大輔
歴史・時代
徳川家康を天下に導いた十六人の家臣「徳川十六将」。そのうちの1人「槍の半蔵」と称され、服部半蔵と共に「両半蔵」と呼ばれた渡辺半蔵守綱の一代記。彼の祖先は酒天童子を倒した源頼光四天王の筆頭で鬼を斬ったとされる渡辺綱。徳川家康と同い歳の彼の人生は徳川家康と共に歩んだものでした。渡辺半蔵守綱の生涯を通して徳川家康が天下を取るまでの道のりを描く。表紙画像・すずき孔先生。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる