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一の段 あやめも知らぬ 春を待つ(二)
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「おかしら様よ。おれは、うれしくてならんぜ。」
「なにがかね。」
「あのお二人よ。」
真夜中の、人みな寝静まった、寺の本堂である。コハルと寺男は雪あかりに照らされた闇のなかで、この場の主人然と座っている。
すでに厳冬の極みになっていたが、こうした者たちの身体はどうなっているのか。コハルは何か着込んではいたが、寺男は布をまとっているだけだ。そのコハルにしたところで、この深い雪の中を、たいして濡れもせずにどうやって巨体を夜道に運んできたものか。
「あのお二人は、よいのう。お守りしていると、胸が温かくなる心持ちよ。」
この稼業が長い者にありがちな、冷笑の声色でもない。
「柄にもないことをいいおる。」
「おかしらとて、そうなのであろう。」
「儂はこうみえて、三十年来、今井様の家の者じゃ。忠義を尽くすは本来が仕事。で、おぬしに頼んでおる仕事に、ぬかりはあるまいか、その様子では、いくらか気にかかるの。」
「ご心配あるな。毒はあれ以来、ない。一度だけだな。しかも、腹を下したのは、ご住持様だ。」
大舘から慰労にと送られた水あめが、運悪く痛んでいたようなのである。だが、それを舐めて腹を壊した者には、なにやら入っていたように思われてならなかった。いずれにせよ命に別状はないが、蠣崎家の出家した四男はひどく意気
「それよ。」
「……喋りたくてならぬようだな。よい、聴いてやろう。」
「三度目の逢瀬のさいに……」
「そこまでさかのぼるか。」
「御曹司さまが、宙にむかっていわれたのよ。お役目苦労、礼を申す。ただこれから拙者は御寮人さまといささか物語りがある、しばし、席をはずしては貰えぬか、と。御寮人さまは真っ赤になられて、消え入らんばかりであったな。承り候、とだけ言いおいておれが去ると、お気遣いはご不要でしたのです、わたくしから申しておきましたので、などといって、御曹司さまのお袖をしきりに引かれるさまが、まことに」
「待て。おぬし、ちゃんとご遠慮申し上げたのか。去ってはおらんではないか。どこまでおった?」
「……仕事だぜ。」
「儂は、おまえに、生きているあぶな画をみせてやるつもりはない。しかも、我が主人ぞ。」
「そうこわい顔をされても困る。御曹司さまのお心がわりが起こらぬかを注意怠るな、ともお命じであったろう。大舘では、御曹司さまを当分は生殺し、春になればご放逐と決まった。それ以上は、まずないと見える。とすれば、肝心なのは、かのお人のお心だけではないか。それを探るは、御逢瀬の段どりよりも肝心な役目ではあろうぜ。」
「……続けるがよい。聞きたくもないことは聞かぬぞ。」
「さすがのおれも喋りはしねえ。お二人に、悪いからな。」
ある宵、そのことが済んだあと、ふたりは寄り添って座り、じっと手を握りあっていた。
帰りたくない、という思いが、陶酔から醒めた後も、あやめの心を一杯にしていた。
たがいの手を柔らかく握りあうと、温かみが伝わってきて、別れが哀しい。
(このお指が、さきほど、わたくしを……)
やさしい愛撫で息も絶え絶えにし、したたかに酔わせた。思い出すと恥ずかしく、熱の去った躰が、まだあのときの感じをおぼえている。
繋がったとき、躰に痛みはまだあるが、今宵などは、もう何かが変わりつつあるのが、自分でもわかる。この指一本で、すでにどれほど喘がされたことか。
(もう娘ではないのだ。わたくしは、変わってしまった。)
「いとおしい、憎らしい、お指……。」
「夜も更け申した。お帰りにならねばならぬ。」
あやめは黙って首を振る。十四郎も黙って、もう一度あやめの肩を引き寄せた。あやめは手を離さない。
「また、店にお越しくださるわけにはいきませぬの?」
「しばらくは、無理でござろう。」
「今夜、お連れ申したいくらいでございますのに……」
両手で大事に包んだ男の手を前にかざして、
「このお指だけでも、店に持って帰りたい。」
指を持って帰りたい、とそのあとも何度も繰り返した。
「また、泣かれたかな。」
「お心のうちは知れぬが、寂しそうに笑っておっしゃったとおぼえているが。」
「そのお顔は、……あのお顔は、おぬしもよく見たであろうな。」
「左様。おかしらのお気持ちは、ようわかるわ。」
ふん、とコハルはいなして、
「お仲睦まじいのは、何よりじゃ。」
「御寮人さまのあのお顔だがな。ご不安もおありじゃ。そうしたときにこそ、あのようにお笑いになるな。」
「それは、おぬしよりも儂はよく知っておるが、……聞かせて貰おう。」
十四郎はあやめの上で動いていた。
突き上げられ、揺り動かされ、幾たびか内部からの快感に打たれて、おのれの躰に戸惑うあやめは、指を噛んで、高い声が漏れるのを抑えている。
十四郎の動きがにわかに強まった。若者は、女の胎内にある自分の高ぶりがもう抑えきれない。あやめの指を噛んでいた口が開き、小さな悲鳴が漏れた。
「あやめ殿。よいか?」
あやめは返事ができない。十四郎はそれを見て、よし、というような顔になる。
あやめは十四郎が放つときに、足を絡めてより深く入らせ、精を貰うのが無意識の常になりかけていた。出される、と突き詰めた陶酔のなかで、開いたまま投げ出していた両足が上にあがる。
ところが、
(ああっ?)
そこで慌てたのは、十四郎が、腕のはがいを振りほどくように体を起こし、密着を解いたからだ。下半身のつながりも急ぎ抜く。肉のこすれが衝撃となり、あやめは激しくのけぞった。
(あっ、なぜっ……?)
十四郎はあやめの汗に濡れた白い腹に、精を放った。あやめは荒い息のなかで、自分の腹に白い雨が滴るのをみつめ、肌に暖かいものがはりつく感触に茫然とした。
放ち終えた十四郎は、張りつめた胸をまだ上下させているあやめの横に臥した。息の落ち着く間もおかず、布であやめの液に濡れた腹や下腹部を拭ってくれる。
「えっ……十四郎さま、なぜ? なぜでございます?」
なぜ、胎内ではじけさせなかったのか。まだよく動けないので、つい、されるままになりながら、あやめは顎をあげて尋ねた。
「……よろしかったので、ございますか。」
「よいのだ。……子ができてはならぬだろう。拙者だけがいつも恣いままにしてはならぬの。」
十四郎は説明しない。自分の身の不安定を思えば、ここで納屋の御寮人さまが自分の子を孕んでしまってはいけない、とはいわない。さらにいわなかったことがあるのは、子を孕み、産むこと自体が女の生死にかかわる危険と隣り合わせであるのを悟っていたことである。自分の母親がいないのは、産褥で死んだからだと聞いていた。
また、女を抱きたいという気持ちと、その女に子を産ませたいという気持ちとは、そもそも若者のなかで結びついていないのだ。
その点はあやめとて、似たようなものであったが、
「何を仰るのでございますか。」
躰を起こした、あやめは微笑んでいる。動揺や哀しみを抑え込む、いつもの静かな笑いだ。
「……いいの。もしもいま、お子を授かっても、あやめは、ようございます。」
「そうはいかぬ。」
「ひとりで育てられまするよ。」
「……」
「たとえ、これからあなた様がどうなられようと……どうされようと、どこへ、……どこへ行ってしまわれようと、……いいの。ひとりになってしまえば、お子をいただいておりましたほうが、うれしい。も、もしも、……ひとりになってしまっても……」
微笑みながら、あやめの目はやはり潤んでいる。
「そんなことをいうなっ。」
十四郎は震えはじめているあやめの躰を抱きしめた。
「拙者は、堺に行く。あやめ殿は、ひとりになど、ならぬ。」
十四郎の顔も上気している。
「いいのでございますよ。……わたくしのことで、お悩みになど、なられなくても。」
「悩んでなど。」
「存じておりまする。北の蝦夷地でも、十四郎さまならばきっと、すぐにはかなくなってしまわれたりしない。アイノに囲まれ、立派に生きていかれる。松前にはお帰りになれないが、それも大舘のお考え次第でいずれ変わるやも知れぬ。流人ですら許されるときもあるのでございますからね。……いま堺にお逃がしするなど、単にわたくしの自儘かも。あやめなどの我が儘で、あなた様に蝦夷島を捨てろ、お武家を捨てろなどと申し上げるのは……」
(ずっと、ひとりだったのじゃ、わたくしは。これからも、ひとりで、仕方がないではないか。)
あやめは涙が流れないように、天井を振り仰いだ。
「わたしは、そなたと一緒にいたいのだ。それを疑われるか。」
(あっ。)
あやめは十四郎を強く、固く抱いた。十四郎はそれを受け止め、また強く抱き返す。
「そのお言葉をうかがい、それだけで、もう、わたくしは……」
「言葉だけではない。」
十四郎は力を少し抜き、あやめの髪の匂いを嗅ぐ。
「あやめ殿と離れたくない。離れられるわけがない。」
あやめは喜びに胸を上下させた。
「ああ、御礼を申し上げます。有り難い、なんと有り難いお言葉。うれしいっ。」
「礼など。礼なら、拙者こそが申す。」
「そんな、もったいない。……いけませぬ。うれしいと、泣いてしまいますること。」
「うれしいのなら、嬉し泣きなら、泣かれよ。構わぬ。」
「御曹司さまは、そういわれたか。堺にいく、そなたと離れたくはない、と。」
(嘘ではあるまいが……。)
「なにがかね。」
「あのお二人よ。」
真夜中の、人みな寝静まった、寺の本堂である。コハルと寺男は雪あかりに照らされた闇のなかで、この場の主人然と座っている。
すでに厳冬の極みになっていたが、こうした者たちの身体はどうなっているのか。コハルは何か着込んではいたが、寺男は布をまとっているだけだ。そのコハルにしたところで、この深い雪の中を、たいして濡れもせずにどうやって巨体を夜道に運んできたものか。
「あのお二人は、よいのう。お守りしていると、胸が温かくなる心持ちよ。」
この稼業が長い者にありがちな、冷笑の声色でもない。
「柄にもないことをいいおる。」
「おかしらとて、そうなのであろう。」
「儂はこうみえて、三十年来、今井様の家の者じゃ。忠義を尽くすは本来が仕事。で、おぬしに頼んでおる仕事に、ぬかりはあるまいか、その様子では、いくらか気にかかるの。」
「ご心配あるな。毒はあれ以来、ない。一度だけだな。しかも、腹を下したのは、ご住持様だ。」
大舘から慰労にと送られた水あめが、運悪く痛んでいたようなのである。だが、それを舐めて腹を壊した者には、なにやら入っていたように思われてならなかった。いずれにせよ命に別状はないが、蠣崎家の出家した四男はひどく意気
「それよ。」
「……喋りたくてならぬようだな。よい、聴いてやろう。」
「三度目の逢瀬のさいに……」
「そこまでさかのぼるか。」
「御曹司さまが、宙にむかっていわれたのよ。お役目苦労、礼を申す。ただこれから拙者は御寮人さまといささか物語りがある、しばし、席をはずしては貰えぬか、と。御寮人さまは真っ赤になられて、消え入らんばかりであったな。承り候、とだけ言いおいておれが去ると、お気遣いはご不要でしたのです、わたくしから申しておきましたので、などといって、御曹司さまのお袖をしきりに引かれるさまが、まことに」
「待て。おぬし、ちゃんとご遠慮申し上げたのか。去ってはおらんではないか。どこまでおった?」
「……仕事だぜ。」
「儂は、おまえに、生きているあぶな画をみせてやるつもりはない。しかも、我が主人ぞ。」
「そうこわい顔をされても困る。御曹司さまのお心がわりが起こらぬかを注意怠るな、ともお命じであったろう。大舘では、御曹司さまを当分は生殺し、春になればご放逐と決まった。それ以上は、まずないと見える。とすれば、肝心なのは、かのお人のお心だけではないか。それを探るは、御逢瀬の段どりよりも肝心な役目ではあろうぜ。」
「……続けるがよい。聞きたくもないことは聞かぬぞ。」
「さすがのおれも喋りはしねえ。お二人に、悪いからな。」
ある宵、そのことが済んだあと、ふたりは寄り添って座り、じっと手を握りあっていた。
帰りたくない、という思いが、陶酔から醒めた後も、あやめの心を一杯にしていた。
たがいの手を柔らかく握りあうと、温かみが伝わってきて、別れが哀しい。
(このお指が、さきほど、わたくしを……)
やさしい愛撫で息も絶え絶えにし、したたかに酔わせた。思い出すと恥ずかしく、熱の去った躰が、まだあのときの感じをおぼえている。
繋がったとき、躰に痛みはまだあるが、今宵などは、もう何かが変わりつつあるのが、自分でもわかる。この指一本で、すでにどれほど喘がされたことか。
(もう娘ではないのだ。わたくしは、変わってしまった。)
「いとおしい、憎らしい、お指……。」
「夜も更け申した。お帰りにならねばならぬ。」
あやめは黙って首を振る。十四郎も黙って、もう一度あやめの肩を引き寄せた。あやめは手を離さない。
「また、店にお越しくださるわけにはいきませぬの?」
「しばらくは、無理でござろう。」
「今夜、お連れ申したいくらいでございますのに……」
両手で大事に包んだ男の手を前にかざして、
「このお指だけでも、店に持って帰りたい。」
指を持って帰りたい、とそのあとも何度も繰り返した。
「また、泣かれたかな。」
「お心のうちは知れぬが、寂しそうに笑っておっしゃったとおぼえているが。」
「そのお顔は、……あのお顔は、おぬしもよく見たであろうな。」
「左様。おかしらのお気持ちは、ようわかるわ。」
ふん、とコハルはいなして、
「お仲睦まじいのは、何よりじゃ。」
「御寮人さまのあのお顔だがな。ご不安もおありじゃ。そうしたときにこそ、あのようにお笑いになるな。」
「それは、おぬしよりも儂はよく知っておるが、……聞かせて貰おう。」
十四郎はあやめの上で動いていた。
突き上げられ、揺り動かされ、幾たびか内部からの快感に打たれて、おのれの躰に戸惑うあやめは、指を噛んで、高い声が漏れるのを抑えている。
十四郎の動きがにわかに強まった。若者は、女の胎内にある自分の高ぶりがもう抑えきれない。あやめの指を噛んでいた口が開き、小さな悲鳴が漏れた。
「あやめ殿。よいか?」
あやめは返事ができない。十四郎はそれを見て、よし、というような顔になる。
あやめは十四郎が放つときに、足を絡めてより深く入らせ、精を貰うのが無意識の常になりかけていた。出される、と突き詰めた陶酔のなかで、開いたまま投げ出していた両足が上にあがる。
ところが、
(ああっ?)
そこで慌てたのは、十四郎が、腕のはがいを振りほどくように体を起こし、密着を解いたからだ。下半身のつながりも急ぎ抜く。肉のこすれが衝撃となり、あやめは激しくのけぞった。
(あっ、なぜっ……?)
十四郎はあやめの汗に濡れた白い腹に、精を放った。あやめは荒い息のなかで、自分の腹に白い雨が滴るのをみつめ、肌に暖かいものがはりつく感触に茫然とした。
放ち終えた十四郎は、張りつめた胸をまだ上下させているあやめの横に臥した。息の落ち着く間もおかず、布であやめの液に濡れた腹や下腹部を拭ってくれる。
「えっ……十四郎さま、なぜ? なぜでございます?」
なぜ、胎内ではじけさせなかったのか。まだよく動けないので、つい、されるままになりながら、あやめは顎をあげて尋ねた。
「……よろしかったので、ございますか。」
「よいのだ。……子ができてはならぬだろう。拙者だけがいつも恣いままにしてはならぬの。」
十四郎は説明しない。自分の身の不安定を思えば、ここで納屋の御寮人さまが自分の子を孕んでしまってはいけない、とはいわない。さらにいわなかったことがあるのは、子を孕み、産むこと自体が女の生死にかかわる危険と隣り合わせであるのを悟っていたことである。自分の母親がいないのは、産褥で死んだからだと聞いていた。
また、女を抱きたいという気持ちと、その女に子を産ませたいという気持ちとは、そもそも若者のなかで結びついていないのだ。
その点はあやめとて、似たようなものであったが、
「何を仰るのでございますか。」
躰を起こした、あやめは微笑んでいる。動揺や哀しみを抑え込む、いつもの静かな笑いだ。
「……いいの。もしもいま、お子を授かっても、あやめは、ようございます。」
「そうはいかぬ。」
「ひとりで育てられまするよ。」
「……」
「たとえ、これからあなた様がどうなられようと……どうされようと、どこへ、……どこへ行ってしまわれようと、……いいの。ひとりになってしまえば、お子をいただいておりましたほうが、うれしい。も、もしも、……ひとりになってしまっても……」
微笑みながら、あやめの目はやはり潤んでいる。
「そんなことをいうなっ。」
十四郎は震えはじめているあやめの躰を抱きしめた。
「拙者は、堺に行く。あやめ殿は、ひとりになど、ならぬ。」
十四郎の顔も上気している。
「いいのでございますよ。……わたくしのことで、お悩みになど、なられなくても。」
「悩んでなど。」
「存じておりまする。北の蝦夷地でも、十四郎さまならばきっと、すぐにはかなくなってしまわれたりしない。アイノに囲まれ、立派に生きていかれる。松前にはお帰りになれないが、それも大舘のお考え次第でいずれ変わるやも知れぬ。流人ですら許されるときもあるのでございますからね。……いま堺にお逃がしするなど、単にわたくしの自儘かも。あやめなどの我が儘で、あなた様に蝦夷島を捨てろ、お武家を捨てろなどと申し上げるのは……」
(ずっと、ひとりだったのじゃ、わたくしは。これからも、ひとりで、仕方がないではないか。)
あやめは涙が流れないように、天井を振り仰いだ。
「わたしは、そなたと一緒にいたいのだ。それを疑われるか。」
(あっ。)
あやめは十四郎を強く、固く抱いた。十四郎はそれを受け止め、また強く抱き返す。
「そのお言葉をうかがい、それだけで、もう、わたくしは……」
「言葉だけではない。」
十四郎は力を少し抜き、あやめの髪の匂いを嗅ぐ。
「あやめ殿と離れたくない。離れられるわけがない。」
あやめは喜びに胸を上下させた。
「ああ、御礼を申し上げます。有り難い、なんと有り難いお言葉。うれしいっ。」
「礼など。礼なら、拙者こそが申す。」
「そんな、もったいない。……いけませぬ。うれしいと、泣いてしまいますること。」
「うれしいのなら、嬉し泣きなら、泣かれよ。構わぬ。」
「御曹司さまは、そういわれたか。堺にいく、そなたと離れたくはない、と。」
(嘘ではあるまいが……。)
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