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6.父の種
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「先日、シャーロット様にお子様がいるという情報を小耳に挟みました。調べさせたら本当でした」
「なんだと?」
シャーロット様は亡くなった私の母の後に父の正室となった女性です。
後妻ということで少し家格が低めの男爵家から嫁いでいらっしゃった方ですが、いつまで経っても子供が出来なかったために父が怒って一方的に実家に追い返してしまった過去があります。
シャーロット様は父に捨てられて貴族の令嬢としては傷が付いてしまった状態ですのでご実家でも冷遇されたようですが、塞ぎこんでいたところを商家の若旦那と出会って恋に落ち、バツイチでも気にしなかったその方とご結婚なされたのです。
その後子供をご懐妊なされました。
「たまたま兄上とは出来ず、その男とは出来ただけではないのか?」
「お2人に子供が出来たのは結婚してすぐのことだそうです。シャーロット様はそこまで子供の出来難い体質ではなかったのではないでしょうか」
「では……」
「子供が出来なかったのはお父様が原因の可能性があります。確か私が生まれた次の年、流行り病で高熱を出されたと聞きましたが」
「そんな、まさか……」
父はその流行り病で高熱を出した時に、種なしになっていたのかもしれません。
そうなるとアレックスが父の子供である可能性はさらに下がります。
アレックスが誰の子供であるかなどは確かめようがありませんが、これだけの状況証拠がそろっていれば叔父は懐疑的にならざるを得ません。
「そ、そんなの嘘よ!!アレックスはレオナルド様の息子です!!」
「そうだそうだ!!なんなんだよさっきからよ。エレオノーラ、お前調子に乗りすぎじゃないのか?」
「私はただ調査で判明した事実を申し上げているだけです」
今更喚き散らしたところで覆りませんよ。
叔父はただでさえ平民の血が入ったアレックスを次の当主に据えることに抵抗を覚えていたのです。
それが残り半分の貴族の血も怪しいとなってはもはや女でも両親ともに貴族である私のほうが当主としてマシという考えに至るのは必然です。
「アレックス、貴様のような薄汚い平民かもしれん男を次の当主にすることはできん。よって次の当主はエレオノーラとする。もう異議はないな?」
「ありません」
他の分家当主からも異議なしの声が上がります。
「あります異議!!アレックスが当主になれないなんておかしいわ!!」
「そうだそうだ!!異議ありまくりだ!!俺が当主だろうが!!さっきまでそうだったろうが!!!」
アリーシャとアレックスの主張は叔父様に鼻で一笑されて流されました。
そうして私が、次の当主となったのです。
「なんだと?」
シャーロット様は亡くなった私の母の後に父の正室となった女性です。
後妻ということで少し家格が低めの男爵家から嫁いでいらっしゃった方ですが、いつまで経っても子供が出来なかったために父が怒って一方的に実家に追い返してしまった過去があります。
シャーロット様は父に捨てられて貴族の令嬢としては傷が付いてしまった状態ですのでご実家でも冷遇されたようですが、塞ぎこんでいたところを商家の若旦那と出会って恋に落ち、バツイチでも気にしなかったその方とご結婚なされたのです。
その後子供をご懐妊なされました。
「たまたま兄上とは出来ず、その男とは出来ただけではないのか?」
「お2人に子供が出来たのは結婚してすぐのことだそうです。シャーロット様はそこまで子供の出来難い体質ではなかったのではないでしょうか」
「では……」
「子供が出来なかったのはお父様が原因の可能性があります。確か私が生まれた次の年、流行り病で高熱を出されたと聞きましたが」
「そんな、まさか……」
父はその流行り病で高熱を出した時に、種なしになっていたのかもしれません。
そうなるとアレックスが父の子供である可能性はさらに下がります。
アレックスが誰の子供であるかなどは確かめようがありませんが、これだけの状況証拠がそろっていれば叔父は懐疑的にならざるを得ません。
「そ、そんなの嘘よ!!アレックスはレオナルド様の息子です!!」
「そうだそうだ!!なんなんだよさっきからよ。エレオノーラ、お前調子に乗りすぎじゃないのか?」
「私はただ調査で判明した事実を申し上げているだけです」
今更喚き散らしたところで覆りませんよ。
叔父はただでさえ平民の血が入ったアレックスを次の当主に据えることに抵抗を覚えていたのです。
それが残り半分の貴族の血も怪しいとなってはもはや女でも両親ともに貴族である私のほうが当主としてマシという考えに至るのは必然です。
「アレックス、貴様のような薄汚い平民かもしれん男を次の当主にすることはできん。よって次の当主はエレオノーラとする。もう異議はないな?」
「ありません」
他の分家当主からも異議なしの声が上がります。
「あります異議!!アレックスが当主になれないなんておかしいわ!!」
「そうだそうだ!!異議ありまくりだ!!俺が当主だろうが!!さっきまでそうだったろうが!!!」
アリーシャとアレックスの主張は叔父様に鼻で一笑されて流されました。
そうして私が、次の当主となったのです。
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