ここにエロゲのスキルが3つあります。無双できますか?

兎屋亀吉

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25.捕虜

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「これは酷い……」

 おそらく自分が分泌したであろう白濁液を綺麗に掃除し終わった僕は、ゴブリナの集落を見て回った。
 10軒ほど軒を連ねているゴブリナたちの住居の1軒に、その人たちはまとめて押し込まれていた。
 ゴブリナに拉致されたであろう男の人たちだ。
 当然のように全裸で、顔をボコボコに腫らしてあちこち骨も折れているみたいだ。
 水浴びや入浴もさせてもらっていないようで酷い匂いがしていた。
 奴隷よりも酷い扱いだ。
 ピクピク動いている様子から全員生きているようではあるけれど、満身創痍でいつ息を引き取ってもおかしくない状況だ。
 何か僕にできることはないだろうか。
 こういう時にラノベの主人公だったら治癒魔法なんかでぱっと治しちゃうのだろうけど、僕に使えるのはローション魔法とストッキング魔法だけだ。

「ポーションローション、とかできないよね」

 と思っていたら僕の手からドロリとしたローションが出てきた。
 できるんだ。
 確かにポーションはエリクサーなんかとは違ってこの世界では身近に使われているものだ。
 かなり前だけど、侍従長のグラハムさんが大怪我をしたときに父が使っているのを見たことがある。
 しかしポーションはオーロラソースやらノンシリコンシャンプーなんかとは違って、魔法スキルによって作り出された魔法薬なのだ。
 作り出すには僕の魔力値では全然足りないと思っていた。
 僕の魔力値は1年前で36。
 そこからゴブリンなどの弱い魔物を何度か倒させてもらう機会があったから、少しは上がっていただろう。
 それでもおそらく50には届いていなかったと思う。
 一般的に、ゴブリンの魔力値が30から50の間くらい。
 オークはもう少し高く、80から100の間くらい。
 ワイバーンに至っては600から1000の間くらいはあると言われている。
 文字通り桁が違うわけだ。
 そしてそのワイバーンを容易く屠る父や母の魔力値は2000や3000程度ではないだろう。
 魔法薬を作ることのできる魔法スキル持ちがどの程度の魔力値なのかはわからないけれど、僕の作り出す魔法的効果のあるひんやりローションなどはコップ1杯分程度を作り出すのに30から40くらいの魔力を持っていくことを考えると最低でも100くらいは魔力が必要なのではなかろうか。
 僕の魔力値はかなり大幅に上がっているようだ。

「ポーションローション」

 ドロドロと指先から溢れ出すローションを、僕は倒れている人たちに飲ませていった。
 ネバネバのヌルヌルで喉を通りにくいかもしれないけれど、粘膜から吸収されてくれればそれでいい。
 僕の魔法で作り出されたヌルヌルポーションは驚くほどよく効き、あっという間に満身創痍だった男の人たちが完治してしまった。
 おまけにまだまだ魔力には余裕があるように感じる。
 いったいどれだけ魔力値が上がったのだろうか。
 ゴブリナたちの魔力値を平均するとおそらく800くらいだろうか。
 それを僕は30匹以上も倒したことになるのだから、魔力値が大幅に上がっていてもおかしくはない。
 だけど、魔力値800の魔物を倒したからといって僕の魔力値が800上がるというわけではないのだ。
 もしも魔力値という数値が単純にレベルと同じだったとしたら、レベル50程度の僕がレベル800を超えるような格上を30匹以上も倒したということになりとんでもない量の経験値が入ることになるだろう。
 だけど、魔力値はそういうわけにはいかない。
 あくまでも魔力値というのは魔力の器の大きさなのだ。
 小さな器にいきなり大きな魔力は収まらない。
 僕のような魔力値の小さな子供が、いきなり10倍以上も魔力値の大きな相手を倒しても現在の値から何倍も増えるようなことにはならないはずなのだ。
 常に少しだけ格上の相手を狙うことが魔力値を効率的に上げる最適解だと母は言っていた。
 実際にそうして若くして魔力値を極限まで上げた母が言うのだからそれは間違っていないのだろう。
 ポーションローションで男の人たちを治療して、僕は少なく見積もっても300程度は魔力を消費している。
 それでもまだ、半分以上は魔力が残っているような感じがする。
 つまり僕の魔力値は推定600オーバーということになる。
 ワイバーンの鼻息で吹き飛ばされる雑魚から、一気に好敵手となれる数値だ。
 端的に言ってありえない。
 これもまた、ユニークスキルの力と考えて間違いないだろう。
 予想するに、セッ〇スしている時に限り魔力値の上昇率に大幅補正といったところか。
 つまり僕が効率的に強くなるためにはセッ〇スしている時に魔物を殺せばいいということだね。
 いやもう魔物とセッ〇スすればいいんじゃなかろうか。
 ラミアやアラクネなら歓迎だ。
 セイレーンなんかも捨てがたいかもしれない。

「うぅ……」

 僕が考え事をしている間に、傷の癒えた男の人たちが意識を取り戻したようだ。
 改めて見ると筋骨隆々のマッチョメンばかりだ。
 殴られてボコボコだった顔もすっかり元通りになり、人相の判別が可能となった。
 そろいもそろってゴツイ強面ばかりだ。
 でも僕はこういう雰囲気の人たちを最近見たことがあった。
 グレイスの街の冒険者ギルドで見た冒険者だ。
 顔は怖いけど、今はチン〇ン丸出しだからあまり怖くないね。

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