27 / 30
25.捕虜
しおりを挟む
「これは酷い……」
おそらく自分が分泌したであろう白濁液を綺麗に掃除し終わった僕は、ゴブリナの集落を見て回った。
10軒ほど軒を連ねているゴブリナたちの住居の1軒に、その人たちはまとめて押し込まれていた。
ゴブリナに拉致されたであろう男の人たちだ。
当然のように全裸で、顔をボコボコに腫らしてあちこち骨も折れているみたいだ。
水浴びや入浴もさせてもらっていないようで酷い匂いがしていた。
奴隷よりも酷い扱いだ。
ピクピク動いている様子から全員生きているようではあるけれど、満身創痍でいつ息を引き取ってもおかしくない状況だ。
何か僕にできることはないだろうか。
こういう時にラノベの主人公だったら治癒魔法なんかでぱっと治しちゃうのだろうけど、僕に使えるのはローション魔法とストッキング魔法だけだ。
「ポーションローション、とかできないよね」
と思っていたら僕の手からドロリとしたローションが出てきた。
できるんだ。
確かにポーションはエリクサーなんかとは違ってこの世界では身近に使われているものだ。
かなり前だけど、侍従長のグラハムさんが大怪我をしたときに父が使っているのを見たことがある。
しかしポーションはオーロラソースやらノンシリコンシャンプーなんかとは違って、魔法スキルによって作り出された魔法薬なのだ。
作り出すには僕の魔力値では全然足りないと思っていた。
僕の魔力値は1年前で36。
そこからゴブリンなどの弱い魔物を何度か倒させてもらう機会があったから、少しは上がっていただろう。
それでもおそらく50には届いていなかったと思う。
一般的に、ゴブリンの魔力値が30から50の間くらい。
オークはもう少し高く、80から100の間くらい。
ワイバーンに至っては600から1000の間くらいはあると言われている。
文字通り桁が違うわけだ。
そしてそのワイバーンを容易く屠る父や母の魔力値は2000や3000程度ではないだろう。
魔法薬を作ることのできる魔法スキル持ちがどの程度の魔力値なのかはわからないけれど、僕の作り出す魔法的効果のあるひんやりローションなどはコップ1杯分程度を作り出すのに30から40くらいの魔力を持っていくことを考えると最低でも100くらいは魔力が必要なのではなかろうか。
僕の魔力値はかなり大幅に上がっているようだ。
「ポーションローション」
ドロドロと指先から溢れ出すローションを、僕は倒れている人たちに飲ませていった。
ネバネバのヌルヌルで喉を通りにくいかもしれないけれど、粘膜から吸収されてくれればそれでいい。
僕の魔法で作り出されたヌルヌルポーションは驚くほどよく効き、あっという間に満身創痍だった男の人たちが完治してしまった。
おまけにまだまだ魔力には余裕があるように感じる。
いったいどれだけ魔力値が上がったのだろうか。
ゴブリナたちの魔力値を平均するとおそらく800くらいだろうか。
それを僕は30匹以上も倒したことになるのだから、魔力値が大幅に上がっていてもおかしくはない。
だけど、魔力値800の魔物を倒したからといって僕の魔力値が800上がるというわけではないのだ。
もしも魔力値という数値が単純にレベルと同じだったとしたら、レベル50程度の僕がレベル800を超えるような格上を30匹以上も倒したということになりとんでもない量の経験値が入ることになるだろう。
だけど、魔力値はそういうわけにはいかない。
あくまでも魔力値というのは魔力の器の大きさなのだ。
小さな器にいきなり大きな魔力は収まらない。
僕のような魔力値の小さな子供が、いきなり10倍以上も魔力値の大きな相手を倒しても現在の値から何倍も増えるようなことにはならないはずなのだ。
常に少しだけ格上の相手を狙うことが魔力値を効率的に上げる最適解だと母は言っていた。
実際にそうして若くして魔力値を極限まで上げた母が言うのだからそれは間違っていないのだろう。
ポーションローションで男の人たちを治療して、僕は少なく見積もっても300程度は魔力を消費している。
それでもまだ、半分以上は魔力が残っているような感じがする。
つまり僕の魔力値は推定600オーバーということになる。
ワイバーンの鼻息で吹き飛ばされる雑魚から、一気に好敵手となれる数値だ。
端的に言ってありえない。
これもまた、ユニークスキルの力と考えて間違いないだろう。
予想するに、セッ〇スしている時に限り魔力値の上昇率に大幅補正といったところか。
つまり僕が効率的に強くなるためにはセッ〇スしている時に魔物を殺せばいいということだね。
いやもう魔物とセッ〇スすればいいんじゃなかろうか。
ラミアやアラクネなら歓迎だ。
セイレーンなんかも捨てがたいかもしれない。
「うぅ……」
僕が考え事をしている間に、傷の癒えた男の人たちが意識を取り戻したようだ。
改めて見ると筋骨隆々のマッチョメンばかりだ。
殴られてボコボコだった顔もすっかり元通りになり、人相の判別が可能となった。
そろいもそろってゴツイ強面ばかりだ。
でも僕はこういう雰囲気の人たちを最近見たことがあった。
グレイスの街の冒険者ギルドで見た冒険者だ。
顔は怖いけど、今はチン〇ン丸出しだからあまり怖くないね。
おそらく自分が分泌したであろう白濁液を綺麗に掃除し終わった僕は、ゴブリナの集落を見て回った。
10軒ほど軒を連ねているゴブリナたちの住居の1軒に、その人たちはまとめて押し込まれていた。
ゴブリナに拉致されたであろう男の人たちだ。
当然のように全裸で、顔をボコボコに腫らしてあちこち骨も折れているみたいだ。
水浴びや入浴もさせてもらっていないようで酷い匂いがしていた。
奴隷よりも酷い扱いだ。
ピクピク動いている様子から全員生きているようではあるけれど、満身創痍でいつ息を引き取ってもおかしくない状況だ。
何か僕にできることはないだろうか。
こういう時にラノベの主人公だったら治癒魔法なんかでぱっと治しちゃうのだろうけど、僕に使えるのはローション魔法とストッキング魔法だけだ。
「ポーションローション、とかできないよね」
と思っていたら僕の手からドロリとしたローションが出てきた。
できるんだ。
確かにポーションはエリクサーなんかとは違ってこの世界では身近に使われているものだ。
かなり前だけど、侍従長のグラハムさんが大怪我をしたときに父が使っているのを見たことがある。
しかしポーションはオーロラソースやらノンシリコンシャンプーなんかとは違って、魔法スキルによって作り出された魔法薬なのだ。
作り出すには僕の魔力値では全然足りないと思っていた。
僕の魔力値は1年前で36。
そこからゴブリンなどの弱い魔物を何度か倒させてもらう機会があったから、少しは上がっていただろう。
それでもおそらく50には届いていなかったと思う。
一般的に、ゴブリンの魔力値が30から50の間くらい。
オークはもう少し高く、80から100の間くらい。
ワイバーンに至っては600から1000の間くらいはあると言われている。
文字通り桁が違うわけだ。
そしてそのワイバーンを容易く屠る父や母の魔力値は2000や3000程度ではないだろう。
魔法薬を作ることのできる魔法スキル持ちがどの程度の魔力値なのかはわからないけれど、僕の作り出す魔法的効果のあるひんやりローションなどはコップ1杯分程度を作り出すのに30から40くらいの魔力を持っていくことを考えると最低でも100くらいは魔力が必要なのではなかろうか。
僕の魔力値はかなり大幅に上がっているようだ。
「ポーションローション」
ドロドロと指先から溢れ出すローションを、僕は倒れている人たちに飲ませていった。
ネバネバのヌルヌルで喉を通りにくいかもしれないけれど、粘膜から吸収されてくれればそれでいい。
僕の魔法で作り出されたヌルヌルポーションは驚くほどよく効き、あっという間に満身創痍だった男の人たちが完治してしまった。
おまけにまだまだ魔力には余裕があるように感じる。
いったいどれだけ魔力値が上がったのだろうか。
ゴブリナたちの魔力値を平均するとおそらく800くらいだろうか。
それを僕は30匹以上も倒したことになるのだから、魔力値が大幅に上がっていてもおかしくはない。
だけど、魔力値800の魔物を倒したからといって僕の魔力値が800上がるというわけではないのだ。
もしも魔力値という数値が単純にレベルと同じだったとしたら、レベル50程度の僕がレベル800を超えるような格上を30匹以上も倒したということになりとんでもない量の経験値が入ることになるだろう。
だけど、魔力値はそういうわけにはいかない。
あくまでも魔力値というのは魔力の器の大きさなのだ。
小さな器にいきなり大きな魔力は収まらない。
僕のような魔力値の小さな子供が、いきなり10倍以上も魔力値の大きな相手を倒しても現在の値から何倍も増えるようなことにはならないはずなのだ。
常に少しだけ格上の相手を狙うことが魔力値を効率的に上げる最適解だと母は言っていた。
実際にそうして若くして魔力値を極限まで上げた母が言うのだからそれは間違っていないのだろう。
ポーションローションで男の人たちを治療して、僕は少なく見積もっても300程度は魔力を消費している。
それでもまだ、半分以上は魔力が残っているような感じがする。
つまり僕の魔力値は推定600オーバーということになる。
ワイバーンの鼻息で吹き飛ばされる雑魚から、一気に好敵手となれる数値だ。
端的に言ってありえない。
これもまた、ユニークスキルの力と考えて間違いないだろう。
予想するに、セッ〇スしている時に限り魔力値の上昇率に大幅補正といったところか。
つまり僕が効率的に強くなるためにはセッ〇スしている時に魔物を殺せばいいということだね。
いやもう魔物とセッ〇スすればいいんじゃなかろうか。
ラミアやアラクネなら歓迎だ。
セイレーンなんかも捨てがたいかもしれない。
「うぅ……」
僕が考え事をしている間に、傷の癒えた男の人たちが意識を取り戻したようだ。
改めて見ると筋骨隆々のマッチョメンばかりだ。
殴られてボコボコだった顔もすっかり元通りになり、人相の判別が可能となった。
そろいもそろってゴツイ強面ばかりだ。
でも僕はこういう雰囲気の人たちを最近見たことがあった。
グレイスの街の冒険者ギルドで見た冒険者だ。
顔は怖いけど、今はチン〇ン丸出しだからあまり怖くないね。
10
お気に入りに追加
1,100
あなたにおすすめの小説


クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

スキル【アイテムコピー】を駆使して金貨のお風呂に入りたい
兎屋亀吉
ファンタジー
異世界転生にあたって、神様から提示されたスキルは4つ。1.【剣術】2.【火魔法】3.【アイテムボックス】4.【アイテムコピー】。これらのスキルの中から、選ぶことのできるスキルは一つだけ。さて、僕は何を選ぶべきか。タイトルで答え出てた。

転生した体のスペックがチート
モカ・ナト
ファンタジー
とある高校生が不注意でトラックに轢かれ死んでしまう。
目覚めたら自称神様がいてどうやら異世界に転生させてくれるらしい
このサイトでは10話まで投稿しています。
続きは小説投稿サイト「小説家になろう」で連載していますので、是非見に来てください!

転生ヒロインは不倫が嫌いなので地道な道を選らぶ
karon
ファンタジー
デビュタントドレスを見た瞬間アメリアはかつて好きだった乙女ゲーム「薔薇の言の葉」の世界に転生したことを悟った。
しかし、攻略対象に張り付いた自分より身分の高い悪役令嬢と戦う危険性を考え、攻略対象完全無視でモブとくっつくことを決心、しかし、アメリアの思惑は思わぬ方向に横滑りし。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。


魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します
怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。
本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。
彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。
世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。
喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる