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22.最悪の魔物2匹目
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「くぁwせdrftgyふじこlp!!」
重力に任せて上空から自然落下していく僕。
声にならない悲鳴のようなものが口から漏れ出ている。
ついでに下半身からも水分が漏れ出ている。
大きい方を漏らしていないことが奇跡のような状況だ。
今度こそ走馬灯が流れていく。
前世の記憶から順番に、くだらないことや嫌なことばかりが思い出されていく。
僕の人生もっといいことなかったのかな。
あったはずだけど良かったことはすぐに忘れ、嫌な事ばかりが強く記憶に残っている。
思い出せる一番良かった記憶が好きだった子のパンチラ。
本当にしょうもない人生だった。
だから今世はきっといいことあるだろうと思っていたんだ。
また童貞のまま終わるのか。
地面が迫ってくる。
嫌だまだ死にたくない。
人間は空を飛ぶことはできない。
以前操っているローションに乗って空を飛ぶことができるんじゃないかと試してみたことがある。
某NINJA漫画の砂を操るキャラも操っている砂に乗っているだけだと言って悠々と空を飛んでいたから、僕にもできるかもしれないと思ったのだ。
だが僕のローションを操る力はまだまだパワー不足で、子供といえども人間一人を乗せると全く動かなくなってしまった。
地面から10センチくらいは浮いていたとは思うのだけれど、それは空を飛んだとは言えないだろう。
だがその程度の力であっても、落下する人間のスピードを落とすくらいはできるかもしれない。
僕は残りの魔力全て注ぎ込む勢いでローションを撃ちだした。
ローションで幾層もの膜を作り、そこを突き破るようにして落下していく。
眼下に見える落下地点は森。
運が良ければ木の枝がクッションとなり更に落下スピードは落ちるだろう。
僕は覚悟を決めて森の中に突っ込んだ。
「ぐっ、がっ、げっ」
自分の身体が何本もの木の枝をへし折りながら落下していく。
当然激痛である。
木の枝がバキバキ音を立てているのか、自分の骨がバキバキへし折れているのかわからないほどの衝撃が僕の身体を襲い続けた。
ボロ雑巾のようになった僕は、ようやく地面に落下する。
背中を打った衝撃に息が詰まるが、数分間蹲っていると痛みが引いていき動けるようになった。
「いっ、何か所か折れてるかもな」
左腕がぷらんぷらんで力が入らないし、全身がズキズキと痛む。
まさに満身創痍だ。
でも、生きてる。
その事実だけで僕は何もかもが報われたような気がした。
木々の間から見える空にはすでにワイバーンの姿は見えない。
僕が落ちたことにも気が付かずにどこかに飛んでいったのか、それとも森の中では翼が邪魔になるから諦めたのか。
街道に残された他の子供たちのことが心配だけど、今の僕にはもうどうすることもできない。
ワイバーンがあの子たちから興味を無くしてくれているのを願うばかりだ。
「はっ」
いつの間にか気を失ってしまっていたようだ。
あれだけ身体がボロボロになっていれば仕方がない。
だけどここは安全な壁の中ではなく、魔物がひしめく森の中だ。
早急に身を隠して安全を確保しなくてはならない。
「あれ」
身体に力を入れても全く起き上がることができない。
だが神経麻痺のように、全く力が入らないというわけではない。
まるで何かに戒められているかのように力を入れても動くことができないのだ。
奴隷にされたときに付けられた枷が引っ張られているような感覚があることから、枷が何かに引っかかっているのかもしれない。
よく周りを観察してみれば、そこは僕が気を失った森の中ではなかった。
暗くてよくは見えないが、天井のようなものがある。
建物の中なのだろうか。
僕は誰かに助けられた?
いや、そういった好意的な状況ではないかもしれない。
どうにも引っかかっていると思っていた手足の枷が、何かに縛りつけられているようなのだ。
どちらかといえば捕らえられたという表現が正しいだろう。
しかし森で男を攫う魔物なんかいただろうか。
考えられる可能性としては、まず同じ人間。
盗賊かなにかであれば奴隷として人間の子供を捕らえる可能性はある。
現に一度捕まっているからね。
次にゴブリンやオークなどの他種族の女を襲う魔物。
稀に幼い子供や中世的な見た目をした男が攫われて犯されるという被害があるらしい。
もしそうならここから先は地獄だろうな。
死にたくなるほどの屈辱と苦痛を味わうことになるだろう。
そして最後に、アラクネやラミア、ハーピィなどのメスしか存在しない人型の魔物だ。
彼女たちの種族にはオスが生まれない。
全てメスで、他種族の男を攫って犯すことで子種を得る。
まあ子種を絞られた後は殺されてしまうのだけど、美しい人型の魔物とエッチして死ねるなら本望だろう。
ベッドで最強の僕のチートスキルが初めて息をするかもしれないし、僕的にはそのパターンが一番望ましい。
というかそのパターン以外全部地獄だ。
鬼が出るか、蛇が出るか。
頼むから蛇が出て欲しいな。
ラミアに一晩中絞り取られてみたいものだ。
ドキドキしながら待っていると、何か重量級の生き物が歩く音が聞こえてきた。
嫌な予感がしてきました。
ドシドシと重たい音をさせて歩く生き物は、僕の希望的想定の中には存在していない。
この音はオークか、それとももっと大きな種族か。
どちらにしても僕のお尻が大変なことになるやつだ。
僕の顔は冷や汗と涙でぐちゃぐちゃになる。
荒い息を押し殺して待つと、ふいに視界が明るくなる。
優しい魔道具の灯りだ。
おそらく人間から奪ったものだろうが、魔道具を使いこなすとはずいぶんと知能の高い魔物だ。
ゴブリンやオークではない。
近づいてくる足音は重く、人間ではないことは確か。
だがオークでもない。
人間の男を攫う魔物。
僕の頭の中で一つの答えが導き出されると同時に、その答えが顔を見せた。
「グギャギャギャ」
ゴブリナ。
ゴブリンによく似たその魔物は、メスしか生まれず人間の男を襲って犯すのだ。
重力に任せて上空から自然落下していく僕。
声にならない悲鳴のようなものが口から漏れ出ている。
ついでに下半身からも水分が漏れ出ている。
大きい方を漏らしていないことが奇跡のような状況だ。
今度こそ走馬灯が流れていく。
前世の記憶から順番に、くだらないことや嫌なことばかりが思い出されていく。
僕の人生もっといいことなかったのかな。
あったはずだけど良かったことはすぐに忘れ、嫌な事ばかりが強く記憶に残っている。
思い出せる一番良かった記憶が好きだった子のパンチラ。
本当にしょうもない人生だった。
だから今世はきっといいことあるだろうと思っていたんだ。
また童貞のまま終わるのか。
地面が迫ってくる。
嫌だまだ死にたくない。
人間は空を飛ぶことはできない。
以前操っているローションに乗って空を飛ぶことができるんじゃないかと試してみたことがある。
某NINJA漫画の砂を操るキャラも操っている砂に乗っているだけだと言って悠々と空を飛んでいたから、僕にもできるかもしれないと思ったのだ。
だが僕のローションを操る力はまだまだパワー不足で、子供といえども人間一人を乗せると全く動かなくなってしまった。
地面から10センチくらいは浮いていたとは思うのだけれど、それは空を飛んだとは言えないだろう。
だがその程度の力であっても、落下する人間のスピードを落とすくらいはできるかもしれない。
僕は残りの魔力全て注ぎ込む勢いでローションを撃ちだした。
ローションで幾層もの膜を作り、そこを突き破るようにして落下していく。
眼下に見える落下地点は森。
運が良ければ木の枝がクッションとなり更に落下スピードは落ちるだろう。
僕は覚悟を決めて森の中に突っ込んだ。
「ぐっ、がっ、げっ」
自分の身体が何本もの木の枝をへし折りながら落下していく。
当然激痛である。
木の枝がバキバキ音を立てているのか、自分の骨がバキバキへし折れているのかわからないほどの衝撃が僕の身体を襲い続けた。
ボロ雑巾のようになった僕は、ようやく地面に落下する。
背中を打った衝撃に息が詰まるが、数分間蹲っていると痛みが引いていき動けるようになった。
「いっ、何か所か折れてるかもな」
左腕がぷらんぷらんで力が入らないし、全身がズキズキと痛む。
まさに満身創痍だ。
でも、生きてる。
その事実だけで僕は何もかもが報われたような気がした。
木々の間から見える空にはすでにワイバーンの姿は見えない。
僕が落ちたことにも気が付かずにどこかに飛んでいったのか、それとも森の中では翼が邪魔になるから諦めたのか。
街道に残された他の子供たちのことが心配だけど、今の僕にはもうどうすることもできない。
ワイバーンがあの子たちから興味を無くしてくれているのを願うばかりだ。
「はっ」
いつの間にか気を失ってしまっていたようだ。
あれだけ身体がボロボロになっていれば仕方がない。
だけどここは安全な壁の中ではなく、魔物がひしめく森の中だ。
早急に身を隠して安全を確保しなくてはならない。
「あれ」
身体に力を入れても全く起き上がることができない。
だが神経麻痺のように、全く力が入らないというわけではない。
まるで何かに戒められているかのように力を入れても動くことができないのだ。
奴隷にされたときに付けられた枷が引っ張られているような感覚があることから、枷が何かに引っかかっているのかもしれない。
よく周りを観察してみれば、そこは僕が気を失った森の中ではなかった。
暗くてよくは見えないが、天井のようなものがある。
建物の中なのだろうか。
僕は誰かに助けられた?
いや、そういった好意的な状況ではないかもしれない。
どうにも引っかかっていると思っていた手足の枷が、何かに縛りつけられているようなのだ。
どちらかといえば捕らえられたという表現が正しいだろう。
しかし森で男を攫う魔物なんかいただろうか。
考えられる可能性としては、まず同じ人間。
盗賊かなにかであれば奴隷として人間の子供を捕らえる可能性はある。
現に一度捕まっているからね。
次にゴブリンやオークなどの他種族の女を襲う魔物。
稀に幼い子供や中世的な見た目をした男が攫われて犯されるという被害があるらしい。
もしそうならここから先は地獄だろうな。
死にたくなるほどの屈辱と苦痛を味わうことになるだろう。
そして最後に、アラクネやラミア、ハーピィなどのメスしか存在しない人型の魔物だ。
彼女たちの種族にはオスが生まれない。
全てメスで、他種族の男を攫って犯すことで子種を得る。
まあ子種を絞られた後は殺されてしまうのだけど、美しい人型の魔物とエッチして死ねるなら本望だろう。
ベッドで最強の僕のチートスキルが初めて息をするかもしれないし、僕的にはそのパターンが一番望ましい。
というかそのパターン以外全部地獄だ。
鬼が出るか、蛇が出るか。
頼むから蛇が出て欲しいな。
ラミアに一晩中絞り取られてみたいものだ。
ドキドキしながら待っていると、何か重量級の生き物が歩く音が聞こえてきた。
嫌な予感がしてきました。
ドシドシと重たい音をさせて歩く生き物は、僕の希望的想定の中には存在していない。
この音はオークか、それとももっと大きな種族か。
どちらにしても僕のお尻が大変なことになるやつだ。
僕の顔は冷や汗と涙でぐちゃぐちゃになる。
荒い息を押し殺して待つと、ふいに視界が明るくなる。
優しい魔道具の灯りだ。
おそらく人間から奪ったものだろうが、魔道具を使いこなすとはずいぶんと知能の高い魔物だ。
ゴブリンやオークではない。
近づいてくる足音は重く、人間ではないことは確か。
だがオークでもない。
人間の男を攫う魔物。
僕の頭の中で一つの答えが導き出されると同時に、その答えが顔を見せた。
「グギャギャギャ」
ゴブリナ。
ゴブリンによく似たその魔物は、メスしか生まれず人間の男を襲って犯すのだ。
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