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11.女神クエスト

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 口をゆすいで顔を拭き、もう一度ステータスをじっくりと見る。
 やはり増えている。
 神託という項目と女神クエストという項目、そしてSPという項目だ。
 神託というとおそらくJK神様からのメッセージということだよな。
 俺はまず神託という項目をタップした。


 使徒1号さんへ

 お久しぶりです。
 オクモトさんの活躍はたまに見ています。
 とても素晴らしいと思います。
 島に転移してから半月もしないうちに生態系の頂点であるジャイアントボアの子供に出会ってしまった時はもうダメかと思いましたが、生き延びてくれて本当にありがとうございます。
 手に汗を握って見ていました。
 私のあげたスキルがしょぼくて、ジャイアントボアに全く刃が立たなかったことに責任を感じてしまいました。
 オクモトさんは最近スキルのレベルを上げようと頑張っていますよね。
 そんなオクモトさんに今更こんなことを伝えるのは心苦しいのですが、スキルはたくさん持っているほどレベルが上がりづらいのです。
 この世界では持って生まれたスキルは大体一人につき1つか2つで、初めから5つも持っている人はかなり稀有な存在です。
 パワーバランスを保つためなのか、持って生まれたスキルの数が多い人ほど成長速度が遅いというルールになっているのです。
 それでも私にもっと力があれば成長補正系の強力なスキルをあげられたのですが、何もお力添えできず申し訳ないです。
 私のために頑張ってくれているオクモトさんのために何かしてあげたくて、この度ステータスに女神クエストというものを付与させていただきました。
 クエストをこなしていただくとスキルポインが手に入り、それを使ってスキルの成長を早めることができるというシステムです。
 私にできるのはこのような回りくどいことだけで申し訳ない。
 それでは、このへんで失礼します。
 くれぐれもお体に気を付けてくださいね。
P.S.私はいつも見ているわけではないので気にせず〇〇〇〇ピーしてくださいね。溜めすぎは身体に悪いですよ。


 色々な内容が書いてあって頭がごちゃごちゃするが、一番重要な部分は一か所だろう。

「あのイノシシ、あの大きさで子供なのかよ……」

 確かに野生動物としてはやけに警戒心の足りない行動をしていると思った。
 しかしまさかあの体格で子供だと思わないだろ。
 まあ子供だったからといってあいつを倒すのは変わらないがな。
 子供の次は大人のイノシシを倒すという新たな目標ができただけだ。
 子供であの大きさだから大人になったらどのくらいの大きさになるのかは想像もできないのだが、この島を人の住める場所にするためにはいつか戦わなければならない相手だろう。
 そのためにはスキルのレベルを上げる必要がある。
 JK神様の女神クエストというものはかなりありがたい。
 一番下のSPという項目はスキルポイントのことだったんだな。
 JK神様のもたらすクエストというのをこなせばこのスキルポイントがたまり、スキルを成長させることができると。
 さっそくクエストを拝見してみよう。
 俺はステータスの女神クエストの項目をタップした。

 女神クエスト
  ①女神像を作ろう:私の像を作ってください。可愛く作ってね。おっぱいは二割増しでお願いします。
  ②祠を建てよう:女神像を祭るための祠を建ててください。雨風が凌げれば小さくて構いません。
  ③魔石を奉納しよう:モンスターの体内にある魔石を祠に奉じてください。

 新着クエストはこの3件みたいだな。
 順序的に女神像を作って、祠を建ててそこにご神体の女神像を祭り、供物として魔石を奉納するという感じか。
 魔石以外はなんとかなりそうだがな。
 魔石っていうのはラノベなんかで読んだとおり、モンスターの身体の中にあるらしい。
 JK神様はなぜかそれが欲しいらしい。
 しかしJK神様に奉納するにはモンスターを倒さなければならないんだよな。
 この島にイノシシ以外のモンスターなんかいるのかね。
 まあとりあえず、女神像を作るとしますか。
 JK神様はおっぱい二割増しをお望みだ。
 それにしても、本当に〇〇〇〇ピーしてもJK神様見てないのかな。
 見てたとしても、それはそれで興奮するけどな。






 ナニはともあれ、まずはJK神様の像を作らなければならない。
 俺は料理は下手だが手先の器用さには自信がある。
 図工、美術は小中高と悪い成績を取ったことはない。
 女神像だろうが裸婦像だろうが可愛く作ってやろうじゃないか。
 さすがにJK神様の見た目年齢で裸婦像というのは犯罪臭が凄いので、服は着た状態のを作るけどね。
 中世や近世の作品なんかでは裸の少女をモデルにした作品も多いから、芸術家というのは大変罪深い職業だったことが伺える。
 芸術だから、性的な目で見てないから、とか言って自宅に連れ込んだ裸の少女をナニもせずに帰したジェントルマンがどれほどいるのか。
 馬鹿と天才は紙一重だというが、芸術分野においては天才と変態は紙一重なのかもしれない。
 つまり、いい作品を作るためには強い性的エネルギーが必要になるということだ。 
 俺はまず、服を脱ぎ全裸になった。
 気候的に寒くはないし、ここは無人島だ。
 誰が見ているわけでもない。
 いやJK神様は見ているかもしれないが、それはそれで(ry。
 こんな無人島で、下着から上下まできっちり服を着ているなんて俺は何を文明人ぶっていたのだろうか。
 気取った文明人にいい作品なんか作れっこないのだ。
 もっと〇〇〇ピー〇〇〇ピーを洗い、〇〇〇ピー〇〇〇ピーをぶっ込むような強いパッションが必要だ。
 芸術は爆発なのだ。
 俺は煩悩を爆発させた。
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