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9.魔物のスキル
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底辺を這いずる貧乏冒険者から一足飛びにお金持ちの世界へと足を踏み入れた俺だったが、未だに毎日ダンジョンには潜っている。
今までは金を稼ぐために仕方なく潜っていたのだが、今はスキルを得るために潜っているのだ。
幼い頃に肉棒術という卑猥なスキルを与えられた俺はかっこよくて強いスキルへのあこがれがひと際強い。
武器を使ってかっこよく戦う武術系のスキルや、手から火の玉や風の刃を放つ魔法系スキルなど、欲しいスキルは山ほどある。
一生遊んで暮らせるだけの金は持っているわけだからあとは好きなことをやって生きたらいいのだが、そんな理由から俺は冒険者時代と同じように毎日ダンジョンに潜っているのだった。
しかし金のために嫌々潜っていたときとは全く気分が違う。
せこせこと宝箱を探しては慎重に開ける冒険者を見かけても、あいつらは毎日働かなけりゃいけなくて可哀そうだなと上から目線で哀れむことすらできてしまう。
なんという充足感だろうか。
これが勝ち組か。
普段なら嫌悪感しか抱かないゴブリンの顔も今日は少し愛嬌があるような気がするから不思議だ。
まあ迷わずぶっコロなんだがな。
俺は手のひらから触手ノズルを生やし、ゴブリンに向かって溶解液の噴射を浴びせた。
ジュージューと音を立てて内臓丸見えになっていくゴブリン。
相変わらずグロいな。
そしてすごい威力だ。
ゴブリンは断末魔の声すら発することなく骨まで溶けて液体になってしまった。
下手に長引くほうがゴブリンにとっては地獄だ。
痛みも感じる間もなく溶けてしまうくらいのほうが幸せなのかもしれなかった。
俺は触手を伸ばし、液体になったゴブリンを吸収する。
ゴブリンの肉は食っても美味くないことは有名で、俺はおそらく飢えて死にそうな状況でも食わなかっただろう。
触手に味を感じる機能が無くてよかった。
『スキル【絶倫】を獲得しました』
500匹以上吸収してようやくか。
長かったな。
それにしても、また下関係のスキルかよ。
俺って呪われてんのかな。
金持ちになって3カ月、俺は毎日ダンジョンに通って魔物を狩っていた。
そして新たにスキルを手に入れるのはこれで3度目だった。
1つ目はコボルトから得た【超嗅覚】。
これはその名のとおり嗅覚を強化するスキルで、遠く離れた人や魔物の匂いを追跡したりすることもできるとても優れたスキルだ。
このスキルはいい。
とてもいいスキルだと思う。
だがもう一つ手に入れたスキルというのがオークジェネラルという魔物から手に入れた【強制絶頂】だったのだ。
このスキルもまた名前のとおりのスキルだ。
名前の通り生き物を強制的に絶頂させる力を持っている。
正直強いスキルだとは思う。
何せどんな相手であろうと強制的に絶頂させられるのだ。
女だろうが男だろうがメスだろうがオスだろうが両性具有だろうが無性生物だろうが強制的に真っ白な快感に包まれて勝手に身体が痙攣し、色々な汁を垂れ流す。
こんなに無防備な姿はないだろうというような姿を晒してしまうのだ。
しかしこのスキルには2つ問題がある。
1つは発動するための条件が厳しいこと。
このスキルは相手の身体に触れたまま状態で15秒待たなければ発動しない。
戦闘時にそんなに長い時間相手の身体に触れていられるはずもなく、結局これもベッドの上で使うのが正しい使い方みたいだ。
問題2つ目はやはり外聞が悪すぎることだろう。
俺はただでさえ肉棒術の使い手だ。
そんなおっさんが強制絶頂のスキルを手に入れ、更には今絶倫のスキルを手に入れた。
完全にエロ特化のおじさんになってしまっている。
普段から女にはゴミを見るような目で見られているんだから勘弁してほしいものだ。
「はぁ、なんかかっこいいスキルを持った魔物とかいねえのかな。ギルドに行って調べてみるか」
確か冒険者ギルドには魔物の情報を記した資料のようなものもあったような気がする。
それにどんなスキルを持っているのかなども載っていたら欲しいスキルを持った魔物を狙うことができるかもしれない。
そこまで詳しく書いてなくとも攻撃のパターンなどからどのようなスキルを持っているのかを予想することができるだろう。
コツコツ調べものといきますか。
冒険者ギルドにはいつでも飲んだくれのカスみたいな冒険者たちがたむろしているので近寄るのはあまり気が進まないのだが、良いスキルを得るためには仕方がないだろう。
俺は踵を返し転移門のある方向へ行こうとするも、通路の向こうからは5匹のゴブリンが向かってきていた。
「面倒だな。もうスキルは手に入れたのに」
俺は手早く触手を伸ばし、溶解液で溶かしていく。
1匹にかかる時間は1秒にも満たない。
これを面倒と言ったら他の冒険者に怒られてしまうな。
俺は溶けたゴブリンを放置することも考えたが、謎の水たまりが他の冒険者に見つかると面倒なことになる気がするのでいつもどおり吸収した。
『スキル【棍棒術】を獲得しました』
「ほう」
【絶倫】という卑猥なスキルをすでに手に入れているはずのゴブリンから、新しいスキルが手に入った。
これが何を示すのか。
魔物はスキルをいっぱい持っている?
今までは金を稼ぐために仕方なく潜っていたのだが、今はスキルを得るために潜っているのだ。
幼い頃に肉棒術という卑猥なスキルを与えられた俺はかっこよくて強いスキルへのあこがれがひと際強い。
武器を使ってかっこよく戦う武術系のスキルや、手から火の玉や風の刃を放つ魔法系スキルなど、欲しいスキルは山ほどある。
一生遊んで暮らせるだけの金は持っているわけだからあとは好きなことをやって生きたらいいのだが、そんな理由から俺は冒険者時代と同じように毎日ダンジョンに潜っているのだった。
しかし金のために嫌々潜っていたときとは全く気分が違う。
せこせこと宝箱を探しては慎重に開ける冒険者を見かけても、あいつらは毎日働かなけりゃいけなくて可哀そうだなと上から目線で哀れむことすらできてしまう。
なんという充足感だろうか。
これが勝ち組か。
普段なら嫌悪感しか抱かないゴブリンの顔も今日は少し愛嬌があるような気がするから不思議だ。
まあ迷わずぶっコロなんだがな。
俺は手のひらから触手ノズルを生やし、ゴブリンに向かって溶解液の噴射を浴びせた。
ジュージューと音を立てて内臓丸見えになっていくゴブリン。
相変わらずグロいな。
そしてすごい威力だ。
ゴブリンは断末魔の声すら発することなく骨まで溶けて液体になってしまった。
下手に長引くほうがゴブリンにとっては地獄だ。
痛みも感じる間もなく溶けてしまうくらいのほうが幸せなのかもしれなかった。
俺は触手を伸ばし、液体になったゴブリンを吸収する。
ゴブリンの肉は食っても美味くないことは有名で、俺はおそらく飢えて死にそうな状況でも食わなかっただろう。
触手に味を感じる機能が無くてよかった。
『スキル【絶倫】を獲得しました』
500匹以上吸収してようやくか。
長かったな。
それにしても、また下関係のスキルかよ。
俺って呪われてんのかな。
金持ちになって3カ月、俺は毎日ダンジョンに通って魔物を狩っていた。
そして新たにスキルを手に入れるのはこれで3度目だった。
1つ目はコボルトから得た【超嗅覚】。
これはその名のとおり嗅覚を強化するスキルで、遠く離れた人や魔物の匂いを追跡したりすることもできるとても優れたスキルだ。
このスキルはいい。
とてもいいスキルだと思う。
だがもう一つ手に入れたスキルというのがオークジェネラルという魔物から手に入れた【強制絶頂】だったのだ。
このスキルもまた名前のとおりのスキルだ。
名前の通り生き物を強制的に絶頂させる力を持っている。
正直強いスキルだとは思う。
何せどんな相手であろうと強制的に絶頂させられるのだ。
女だろうが男だろうがメスだろうがオスだろうが両性具有だろうが無性生物だろうが強制的に真っ白な快感に包まれて勝手に身体が痙攣し、色々な汁を垂れ流す。
こんなに無防備な姿はないだろうというような姿を晒してしまうのだ。
しかしこのスキルには2つ問題がある。
1つは発動するための条件が厳しいこと。
このスキルは相手の身体に触れたまま状態で15秒待たなければ発動しない。
戦闘時にそんなに長い時間相手の身体に触れていられるはずもなく、結局これもベッドの上で使うのが正しい使い方みたいだ。
問題2つ目はやはり外聞が悪すぎることだろう。
俺はただでさえ肉棒術の使い手だ。
そんなおっさんが強制絶頂のスキルを手に入れ、更には今絶倫のスキルを手に入れた。
完全にエロ特化のおじさんになってしまっている。
普段から女にはゴミを見るような目で見られているんだから勘弁してほしいものだ。
「はぁ、なんかかっこいいスキルを持った魔物とかいねえのかな。ギルドに行って調べてみるか」
確か冒険者ギルドには魔物の情報を記した資料のようなものもあったような気がする。
それにどんなスキルを持っているのかなども載っていたら欲しいスキルを持った魔物を狙うことができるかもしれない。
そこまで詳しく書いてなくとも攻撃のパターンなどからどのようなスキルを持っているのかを予想することができるだろう。
コツコツ調べものといきますか。
冒険者ギルドにはいつでも飲んだくれのカスみたいな冒険者たちがたむろしているので近寄るのはあまり気が進まないのだが、良いスキルを得るためには仕方がないだろう。
俺は踵を返し転移門のある方向へ行こうとするも、通路の向こうからは5匹のゴブリンが向かってきていた。
「面倒だな。もうスキルは手に入れたのに」
俺は手早く触手を伸ばし、溶解液で溶かしていく。
1匹にかかる時間は1秒にも満たない。
これを面倒と言ったら他の冒険者に怒られてしまうな。
俺は溶けたゴブリンを放置することも考えたが、謎の水たまりが他の冒険者に見つかると面倒なことになる気がするのでいつもどおり吸収した。
『スキル【棍棒術】を獲得しました』
「ほう」
【絶倫】という卑猥なスキルをすでに手に入れているはずのゴブリンから、新しいスキルが手に入った。
これが何を示すのか。
魔物はスキルをいっぱい持っている?
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