3 / 7
閑話 国王視点
しおりを挟む
「へ、陛下!城壁の外に軍勢が集結しております!!」
「な、なんだと!!」
「急ぎ城門を閉めて様子を見ておりますが、どうやら複数の貴族が兵を率いて王都を包囲しているようです」
どういうことだ、何がなんだかわからんぞ。
クーデターの兆しなどは全くなかったはずだ。
「どこの貴族かはわかるか?」
「はっ、レグルス辺境伯爵を筆頭にエンリケ伯爵、リーゼル伯爵、ミュラー子爵、イノウエ男爵、ケイネス男爵の旗は確認しております」
「くそっ、武闘派ばかりじゃないか」
いったい何が彼らを駆り立てたというのだ。
全くわからん。
特にレグルス辺境伯といえば我が息子であるアドルフの婚約者の実家だ。
攻めてくる理由が無いように思える。
そういえば昨日は例のパーティの日だったな。
息子に初めてパーティの主催を任せたが、まさか何かやらかしてはおらんだろうな。
パーティといっても子供たちだけで楽しむお遊びのようなパーティだ、何かあってもそう大したことではないと思うが、なぜか猛烈に嫌な予感がするのだ。
英雄王である父から唯一受け継いでいると言って過言ではないのがこの勘だ。
馬鹿にはできない。
たしか宰相であるヘリオスの息子や騎士団長アイザックの息子も一緒に出席しているはずだ。
何があったのか聞いているやもしれぬ。
「ヘリオス、そういえば昨日のパーティはどうだったか君の息子から何か聞いてないか?」
「昨日のパーティですか。そういえば聞いていませんね。何も報告がないというのもおかしな話です。息子たちを呼んで聞いてみますか」
「いや、まずは使用人たちにそれとなく聞いて下調べをするんだ。おそらく昨日のパーティは何かがあった。本人たちに話を聞くのは最後だ。場合によっては罰を与えねばならんかもしれんからな」
「はっ、ではそのように」
私の勘が間違いであってくれればいいのだがな。
「な、なんだと!!」
「急ぎ城門を閉めて様子を見ておりますが、どうやら複数の貴族が兵を率いて王都を包囲しているようです」
どういうことだ、何がなんだかわからんぞ。
クーデターの兆しなどは全くなかったはずだ。
「どこの貴族かはわかるか?」
「はっ、レグルス辺境伯爵を筆頭にエンリケ伯爵、リーゼル伯爵、ミュラー子爵、イノウエ男爵、ケイネス男爵の旗は確認しております」
「くそっ、武闘派ばかりじゃないか」
いったい何が彼らを駆り立てたというのだ。
全くわからん。
特にレグルス辺境伯といえば我が息子であるアドルフの婚約者の実家だ。
攻めてくる理由が無いように思える。
そういえば昨日は例のパーティの日だったな。
息子に初めてパーティの主催を任せたが、まさか何かやらかしてはおらんだろうな。
パーティといっても子供たちだけで楽しむお遊びのようなパーティだ、何かあってもそう大したことではないと思うが、なぜか猛烈に嫌な予感がするのだ。
英雄王である父から唯一受け継いでいると言って過言ではないのがこの勘だ。
馬鹿にはできない。
たしか宰相であるヘリオスの息子や騎士団長アイザックの息子も一緒に出席しているはずだ。
何があったのか聞いているやもしれぬ。
「ヘリオス、そういえば昨日のパーティはどうだったか君の息子から何か聞いてないか?」
「昨日のパーティですか。そういえば聞いていませんね。何も報告がないというのもおかしな話です。息子たちを呼んで聞いてみますか」
「いや、まずは使用人たちにそれとなく聞いて下調べをするんだ。おそらく昨日のパーティは何かがあった。本人たちに話を聞くのは最後だ。場合によっては罰を与えねばならんかもしれんからな」
「はっ、ではそのように」
私の勘が間違いであってくれればいいのだがな。
1,478
お気に入りに追加
1,191
あなたにおすすめの小説

お父様、お母様、わたくしが妖精姫だとお忘れですか?
サイコちゃん
恋愛
リジューレ伯爵家のリリウムは養女を理由に家を追い出されることになった。姉リリウムの婚約者は妹ロサへ譲り、家督もロサが継ぐらしい。
「お父様も、お母様も、わたくしが妖精姫だとすっかりお忘れなのですね? 今まで莫大な幸運を与えてきたことに気づいていなかったのですね? それなら、もういいです。わたくしはわたくしで自由に生きますから」
リリウムは家を出て、新たな人生を歩む。一方、リジューレ伯爵家は幸運を失い、急速に傾いていった。

お姉ちゃん今回も我慢してくれる?
あんころもちです
恋愛
「マリィはお姉ちゃんだろ! 妹のリリィにそのおもちゃ譲りなさい!」
「マリィ君は双子の姉なんだろ? 妹のリリィが困っているなら手伝ってやれよ」
「マリィ? いやいや無理だよ。妹のリリィの方が断然可愛いから結婚するならリリィだろ〜」
私が欲しいものをお姉ちゃんが持っていたら全部貰っていた。
代わりにいらないものは全部押し付けて、お姉ちゃんにプレゼントしてあげていた。
お姉ちゃんの婚約者様も貰ったけど、お姉ちゃんは更に位の高い公爵様との婚約が決まったらしい。
ねぇねぇお姉ちゃん公爵様も私にちょうだい?
お姉ちゃんなんだから何でも譲ってくれるよね?

田舎娘をバカにした令嬢の末路
冬吹せいら
恋愛
オーロラ・レンジ―は、小国の産まれでありながらも、名門バッテンデン学園に、首席で合格した。
それを不快に思った、令嬢のディアナ・カルホーンは、オーロラが試験官を買収したと嘘をつく。
――あんな田舎娘に、私が負けるわけないじゃない。
田舎娘をバカにした令嬢の末路は……。

わたくし、残念ながらその書類にはサインしておりませんの。
朝霧心惺
恋愛
「リリーシア・ソフィア・リーラー。冷酷卑劣な守銭奴女め、今この瞬間を持って俺は、貴様との婚約を破棄する!!」
テオドール・ライリッヒ・クロイツ侯爵令息に高らかと告げられた言葉に、リリーシアは純白の髪を靡かせ高圧的に微笑みながら首を傾げる。
「誰と誰の婚約ですって?」
「俺と!お前のだよ!!」
怒り心頭のテオドールに向け、リリーシアは真実を告げる。
「わたくし、残念ながらその書類にはサインしておりませんの」

今、目の前で娘が婚約破棄されていますが、夫が盛大にブチ切れているようです
シアノ
恋愛
「アンナレーナ・エリアルト公爵令嬢、僕は君との婚約を破棄する!」
卒業パーティーで王太子ソルタンからそう告げられたのは──わたくしの娘!?
娘のアンナレーナはとてもいい子で、婚約破棄されるような非などないはずだ。
しかし、ソルタンの意味ありげな視線が、何故かわたくしに向けられていて……。
婚約破棄されている令嬢のお母様視点。
サクッと読める短編です。細かいことは気にしない人向け。
過激なざまぁ描写はありません。因果応報レベルです。

結婚したけど夫の不倫が発覚して兄に相談した。相手は親友で2児の母に慰謝料を請求した。
window
恋愛
伯爵令嬢のアメリアは幼馴染のジェームズと結婚して公爵夫人になった。
結婚して半年が経過したよく晴れたある日、アメリアはジェームズとのすれ違いの生活に悩んでいた。そんな時、机の脇に置き忘れたような手紙を発見して中身を確かめた。
アメリアは手紙を読んで衝撃を受けた。夫のジェームズは不倫をしていた。しかも相手はアメリアの親しい友人のエリー。彼女は既婚者で2児の母でもある。ジェームズの不倫相手は他にもいました。
アメリアは信頼する兄のニコラスの元を訪ね相談して意見を求めた。

実家に帰ったら平民の子供に家を乗っ取られていた!両親も言いなりで欲しい物を何でも買い与える。
window
恋愛
リディア・ウィナードは上品で気高い公爵令嬢。現在16歳で学園で寮生活している。
そんな中、学園が夏休みに入り、久しぶりに生まれ育った故郷に帰ることに。リディアは尊敬する大好きな両親に会うのを楽しみにしていた。
しかし実家に帰ると家の様子がおかしい……?いつものように使用人達の出迎えがない。家に入ると正面に飾ってあったはずの大切な家族の肖像画がなくなっている。
不安な顔でリビングに入って行くと、知らない少女が高級なお菓子を行儀悪くガツガツ食べていた。
「私が好んで食べているスイーツをあんなに下品に……」
リディアの大好物でよく召し上がっているケーキにシュークリームにチョコレート。
幼く見えるので、おそらく年齢はリディアよりも少し年下だろう。驚いて思わず目を丸くしているとメイドに名前を呼ばれる。
平民に好き放題に家を引っかき回されて、遂にはリディアが変わり果てた姿で花と散る。

婚約者が私以外の人と勝手に結婚したので黙って逃げてやりました〜某国の王子と珍獣ミミルキーを愛でます〜
平川
恋愛
侯爵家の莫大な借金を黒字に塗り替え事業を成功させ続ける才女コリーン。
だが愛する婚約者の為にと寝る間を惜しむほど侯爵家を支えてきたのにも関わらず知らぬ間に裏切られた彼女は一人、誰にも何も告げずに屋敷を飛び出した。
流れ流れて辿り着いたのは獣人が治めるバムダ王国。珍獣ミミルキーが生息するマサラヤマン島でこの国の第一王子ウィンダムに偶然出会い、強引に王宮に連れ去られミミルキーの生態調査に参加する事に!?
魔法使いのウィンロードである王子に溺愛され珍獣に癒されたコリーンは少しずつ自分を取り戻していく。
そして追い掛けて来た元婚約者に対して少女であった彼女が最後に出した答えとは…?
完結済全6話
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる