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3.盗賊のアジト
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「ひっ、た、助けてくれ。殺さないでくれ」
「助けてやったというのに、随分な言い分だな……」
「へ?助けた?あ、ああ、助かったのか……」
いったい何だと思ったというのか。
確かに俺にとってこいつら人間は虫けらのような存在だが、分別なく殺すほど狂ってはいない。
俺はただ同族がら略奪を働くような虫けらの中でもゴミクズのような存在を掃除しただけに過ぎないのだ。
まあどうでもいい。
俺はただ人間の街への距離が聞ければそれでいい。
「聞きたいことがある」
「な、なんでしょうか」
「人間の街にはこの道をどちらに行ったほうが近いんだ?」
「は、はあ。こちらに馬車で半日ほどの距離にリザールという街がありますけど……」
「そうか。では俺は行く」
俺は人間が指示した方向へ踏み出そうとする。
「お待ちください!」
馬車の中から、呼び止める声がした。
若い女の声だ。
馬車のドアが開き、金髪碧眼の女が出てくる。
若いというよりも幼いという印象の女だ。
人間の寿命は長くても100年くらいだと聞くから、まだ20にもなっていないくらいの年齢だろう。
「私はベロア侯爵家の三女、アレクサンドラです。助けていただきありがとうございました。何かお礼をさせてください」
「必要ない」
「しかし、それでは私の気がすみません。仮にも侯爵家の娘が、助けていただいてお礼もしないというのは……」
「必要ないと言っている」
しつこい女だ。
俺がいらないと言っているのだから、それで納得すればいいものを。
こんなことで多少の金銭をもらったところでありがたいともなんとも思わないというのに。
それよりも長くここに留めらるのが不快だ。
俺は女の言葉を無視して街の方角へ走り去った。
馬車というものを使っても、竜人族の足には追い付けまい。
もう二度と会うこともないかもな。
大体湯が沸くくらいの時間走ると、煙の臭いが強くなった。
おかしい。
街まではまだ遠いはずだ。
馬車というのがどの程度の速さが出るのかわからないが、まさか俺にとって湯が沸くくらい走っただけの距離を半日もかけて走るわけでもあるまい。
ということは、街よりも手前に人間が住んでいる場所があるということか。
煙の臭いは街道をそれた森の中から漂っている。
俺は少し気になったのでそちらに行ってみることにした。
煙の方向に走ること1000歩ほど、やがて人間の気配がしてくる。
人数は10人だ。
6人は女だな。
そして4人が男だ。
しかしわずかに血の匂いを纏っているのはどういうことだ。
まるでさっきの盗賊のような匂いだ。
「ん?何か来る。構えろ!!」
4人の男たちが剣を構える。
しかし構えたところでどうなるわけでもあるまい。
俺は気にせずに人間たちの前に躍り出る。
「な、何者だ!!」
「お前たちこそ何者だ。なぜこんなところで生活している?」
そこには野営用の天幕のようなものが数十連なる小さな村のような場所だった。
天幕からさっきの盗賊の匂いがしてくる。
ここは盗賊のアジトか?
女たちは天幕の中か。
男ばかりの場所に、数人の女がいるということは何をさせられていたかは大体予想がつく。
人間とは胸糞の悪い種族だ。
まるでゴブリンかオークのような醜悪さだな。
「ここに何のようがある?」
「さっきまでは用がなかったが……」
「は?」
「気が変わった。お前たちはここで殺す」
「くっ、ファイヤボール!!」
脆弱な火魔法だ。
俺は手で軽く払い、男の腹に蹴りを叩き込む。
「グベッ」
熟れすぎた果実が潰れるように口から血を吐く男。
次だ。
「ば、化け物がぁ!!」
お前たちが弱すぎるのだ。
俺は男たちがブラブラとゆるく振る剣を軽く避け、顔面を握りつぶしていく。
「ぐぶっ、た、たふけて、くれ……」
「お前、他のやつらよりも血の匂いが濃いな。相当殺しただろ。自分が殺されるのは嫌なのか?わがままなやつめ」
俺はそいつの頭を握りつぶすのをやめた。
手を放すと、地面に落ちた男が逃げようとするので足を折る。
「ぎゃぁぁぁぁ、いてぇぇぇっ。たすけてくれ、たすけてくれよぉ」
「貴様ら、盗賊なら盗ったものをどこかに溜めているだろう。それをよこせ」
「わ、わかった。全部持って行っていい。だから、な?命だけは助けてくれよ」
「さっさと案内しろ」
「わかった。だが、案内したら助けてくれよ?」
俺は返事をしなかった。
男はひとつの天幕に入っていく。
「へへ、ここはボスの天幕なんだよ。ここに盗ったもの全部置いてある。この箱だ」
俺は箱を覗き込む。
そこには何もない。
後ろから男が殴り掛かってくる気配。
「死ねぇぇぇ!!ほぎゃっ」
見え見えの奇襲だ。
男は顔に俺の拳がめり込んで絶命した。
どこまでも間抜けな男だ。
俺はボスの天幕だという天幕内を漁るが、ろくなものがない。
匂いを嗅げばよく嗅げば、ここはボスの部屋などではなくそこに死んでいる間抜けな男の部屋だと分かった。
俺は天幕を出る。
ボスというのが一番いい武器を使っていた男のことだとすれば、その男の匂いのする天幕がボスの天幕だということだ。
俺は一軒一軒匂いを確かめ、ボスのものだと思われる天幕に入る。
そこには色鮮やかな絨毯が敷かれていて、明らかに他の天幕とは違うことがわかる。
この絨毯だけでもそこそこの値段で売れそうだ。
しかし絨毯は嵩張るのでもっていかない。
俺が探しているのは人間の国の通貨や宝石などの換金可能な貴重品だ。
隅のほうに置いてある箱を持ち上げる。
重たい。
この箱は当たりっぽいな。
箱には鎖が巻かれていて、厳つい錠前で開かないようになっている。
俺は鎖を引きちぎった。
人間の鍛えた鉄など俺たち竜人にとっては紙のようなものだ。
中には赤銅色をした貨幣がたくさん詰まっていた。
これは人間の街では一番価値の低い通貨である銅貨というものだな。
もっと価値のある通貨はないものか。
俺は隣の箱も開けてみる。
こちらも鎖と錠前が付いていたので引きちぎった。
こちらには銀色の貨幣が入っていた。
これは銀貨だな。
人間の国ではそこそこ価値のある貨幣だったはずだ。
これだけあれば色々なものを買うことができるだろう。
これだけでも十分な収穫だが、まだ箱はひとつ残っている。
他の箱よりも厳重に鎖が巻かれて錠前も3つ取り付けられていたが、俺にとっては鎖がいくら巻かれようが大差ない。
すべて引きちぎり、箱を開けた。
そこには金色の貨幣である金貨が数枚と宝石が数個、貴金属でできたアクセサリーや短剣などが入っていた。
これは素晴らしい。
俺はすべて袋に詰めて背負おうとするが、重みに袋が耐え切れそうにない。
しかし箱のまま持っていこうにも、箱は3つもある。
重さはさほどでもないが、問題は邪魔になることだ。
しょうがなく俺は金貨や宝石など価値の高い物から順に入るだけ背負い袋に入れ、残りはここに置いていくことにした。
さて、あとは隣の天幕にいる女たちのことだけだ。
「助けてやったというのに、随分な言い分だな……」
「へ?助けた?あ、ああ、助かったのか……」
いったい何だと思ったというのか。
確かに俺にとってこいつら人間は虫けらのような存在だが、分別なく殺すほど狂ってはいない。
俺はただ同族がら略奪を働くような虫けらの中でもゴミクズのような存在を掃除しただけに過ぎないのだ。
まあどうでもいい。
俺はただ人間の街への距離が聞ければそれでいい。
「聞きたいことがある」
「な、なんでしょうか」
「人間の街にはこの道をどちらに行ったほうが近いんだ?」
「は、はあ。こちらに馬車で半日ほどの距離にリザールという街がありますけど……」
「そうか。では俺は行く」
俺は人間が指示した方向へ踏み出そうとする。
「お待ちください!」
馬車の中から、呼び止める声がした。
若い女の声だ。
馬車のドアが開き、金髪碧眼の女が出てくる。
若いというよりも幼いという印象の女だ。
人間の寿命は長くても100年くらいだと聞くから、まだ20にもなっていないくらいの年齢だろう。
「私はベロア侯爵家の三女、アレクサンドラです。助けていただきありがとうございました。何かお礼をさせてください」
「必要ない」
「しかし、それでは私の気がすみません。仮にも侯爵家の娘が、助けていただいてお礼もしないというのは……」
「必要ないと言っている」
しつこい女だ。
俺がいらないと言っているのだから、それで納得すればいいものを。
こんなことで多少の金銭をもらったところでありがたいともなんとも思わないというのに。
それよりも長くここに留めらるのが不快だ。
俺は女の言葉を無視して街の方角へ走り去った。
馬車というものを使っても、竜人族の足には追い付けまい。
もう二度と会うこともないかもな。
大体湯が沸くくらいの時間走ると、煙の臭いが強くなった。
おかしい。
街まではまだ遠いはずだ。
馬車というのがどの程度の速さが出るのかわからないが、まさか俺にとって湯が沸くくらい走っただけの距離を半日もかけて走るわけでもあるまい。
ということは、街よりも手前に人間が住んでいる場所があるということか。
煙の臭いは街道をそれた森の中から漂っている。
俺は少し気になったのでそちらに行ってみることにした。
煙の方向に走ること1000歩ほど、やがて人間の気配がしてくる。
人数は10人だ。
6人は女だな。
そして4人が男だ。
しかしわずかに血の匂いを纏っているのはどういうことだ。
まるでさっきの盗賊のような匂いだ。
「ん?何か来る。構えろ!!」
4人の男たちが剣を構える。
しかし構えたところでどうなるわけでもあるまい。
俺は気にせずに人間たちの前に躍り出る。
「な、何者だ!!」
「お前たちこそ何者だ。なぜこんなところで生活している?」
そこには野営用の天幕のようなものが数十連なる小さな村のような場所だった。
天幕からさっきの盗賊の匂いがしてくる。
ここは盗賊のアジトか?
女たちは天幕の中か。
男ばかりの場所に、数人の女がいるということは何をさせられていたかは大体予想がつく。
人間とは胸糞の悪い種族だ。
まるでゴブリンかオークのような醜悪さだな。
「ここに何のようがある?」
「さっきまでは用がなかったが……」
「は?」
「気が変わった。お前たちはここで殺す」
「くっ、ファイヤボール!!」
脆弱な火魔法だ。
俺は手で軽く払い、男の腹に蹴りを叩き込む。
「グベッ」
熟れすぎた果実が潰れるように口から血を吐く男。
次だ。
「ば、化け物がぁ!!」
お前たちが弱すぎるのだ。
俺は男たちがブラブラとゆるく振る剣を軽く避け、顔面を握りつぶしていく。
「ぐぶっ、た、たふけて、くれ……」
「お前、他のやつらよりも血の匂いが濃いな。相当殺しただろ。自分が殺されるのは嫌なのか?わがままなやつめ」
俺はそいつの頭を握りつぶすのをやめた。
手を放すと、地面に落ちた男が逃げようとするので足を折る。
「ぎゃぁぁぁぁ、いてぇぇぇっ。たすけてくれ、たすけてくれよぉ」
「貴様ら、盗賊なら盗ったものをどこかに溜めているだろう。それをよこせ」
「わ、わかった。全部持って行っていい。だから、な?命だけは助けてくれよ」
「さっさと案内しろ」
「わかった。だが、案内したら助けてくれよ?」
俺は返事をしなかった。
男はひとつの天幕に入っていく。
「へへ、ここはボスの天幕なんだよ。ここに盗ったもの全部置いてある。この箱だ」
俺は箱を覗き込む。
そこには何もない。
後ろから男が殴り掛かってくる気配。
「死ねぇぇぇ!!ほぎゃっ」
見え見えの奇襲だ。
男は顔に俺の拳がめり込んで絶命した。
どこまでも間抜けな男だ。
俺はボスの天幕だという天幕内を漁るが、ろくなものがない。
匂いを嗅げばよく嗅げば、ここはボスの部屋などではなくそこに死んでいる間抜けな男の部屋だと分かった。
俺は天幕を出る。
ボスというのが一番いい武器を使っていた男のことだとすれば、その男の匂いのする天幕がボスの天幕だということだ。
俺は一軒一軒匂いを確かめ、ボスのものだと思われる天幕に入る。
そこには色鮮やかな絨毯が敷かれていて、明らかに他の天幕とは違うことがわかる。
この絨毯だけでもそこそこの値段で売れそうだ。
しかし絨毯は嵩張るのでもっていかない。
俺が探しているのは人間の国の通貨や宝石などの換金可能な貴重品だ。
隅のほうに置いてある箱を持ち上げる。
重たい。
この箱は当たりっぽいな。
箱には鎖が巻かれていて、厳つい錠前で開かないようになっている。
俺は鎖を引きちぎった。
人間の鍛えた鉄など俺たち竜人にとっては紙のようなものだ。
中には赤銅色をした貨幣がたくさん詰まっていた。
これは人間の街では一番価値の低い通貨である銅貨というものだな。
もっと価値のある通貨はないものか。
俺は隣の箱も開けてみる。
こちらも鎖と錠前が付いていたので引きちぎった。
こちらには銀色の貨幣が入っていた。
これは銀貨だな。
人間の国ではそこそこ価値のある貨幣だったはずだ。
これだけあれば色々なものを買うことができるだろう。
これだけでも十分な収穫だが、まだ箱はひとつ残っている。
他の箱よりも厳重に鎖が巻かれて錠前も3つ取り付けられていたが、俺にとっては鎖がいくら巻かれようが大差ない。
すべて引きちぎり、箱を開けた。
そこには金色の貨幣である金貨が数枚と宝石が数個、貴金属でできたアクセサリーや短剣などが入っていた。
これは素晴らしい。
俺はすべて袋に詰めて背負おうとするが、重みに袋が耐え切れそうにない。
しかし箱のまま持っていこうにも、箱は3つもある。
重さはさほどでもないが、問題は邪魔になることだ。
しょうがなく俺は金貨や宝石など価値の高い物から順に入るだけ背負い袋に入れ、残りはここに置いていくことにした。
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