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26.後装式シングルアクション拳銃
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殿が葛西なにがしを斬ってから1週間が経った。
意外と問題にはならなかった。
卑怯な手段で人を殺したのであれば問題になるが、武士が武士を正面から正々堂々斬るのはあまり問題にならないらしい。
殿は減俸3か月くらいの処分となった。
織田信長が留守なので沙汰を下したのは城代の俺の知らない武士だったけど、本当なら褒美を与えたいくらいだと沙汰の後に呼ばれた茶室で言われた。
この時代は武勇に優れる人というのは無条件で尊敬されるものなんだ。
多勢に無勢の状況を刀一本で切り抜けた俺と殿は、そこそこリスペクトされた。
逆に2人相手に全員切られてしまった葛西家は滅びてしかるべきという考えだ。
しかし葛西なにがしは木っ端とはいえ織田家の傍系の直臣だったようで、表向き処分を下さなければならなかったようだ。
城代様は自らお茶を立ててくれて、帰り際に刀までくれた。
キレた殿によって刀はひどい有様だったし、俺の刀もあれだけ人を斬れば刃こぼれはする。
ありがたく2本の刀をいただいて帰ってきた。
結構いい刀だったので殿も喜んでいた。
俺は使うのがもったいないので家に飾ってある。
正直Bランクの武器のほうが品物としては上質なのだが、刀っていうのは誰からもらったとかも結構重要なものだから。
公式の行事などに出かけるときには腰に差しておけばくれた人も悪い気はしないだろう。
まあことの顛末はそんな感じで、今日もガチャを引くとしようかな。
Sランク
なし
Aランク
・後装式シングルアクション拳銃×10
Bランク
・八方手裏剣×100
Cランク
・小麦粉×10
・砂糖×10
・日本酒×10
・寸胴
Dランク
・手鏡
・靴ベラ
・絹糸
・耳かき
今日はなかなかにガチャ運が来ているな。
Aランクが1つにBランクも1つ出るとは。
ただ、どちらも数でランクが上がっている物みたいだ。
単品だったらワンランク下がってしまうような品物だね。
手裏剣はまあいいとして、後装式シングルアクション拳銃が10丁か。
まあまあ使えそうなものが出た。
後装式シングルアクション拳銃とは、いわゆる中折れ式の単発銃のことだ。
具体的にはコンテンダーとかって呼ばれている銃だね。
シンプルな構造をしていて銃身を簡単に入れ替えられるので、色々な口径の銃弾を撃つことができるのが特徴だ。
ガチャで出た銃弾でいえば、20口径ロングライフル弾や30口径ウィンチェスター弾などが使えそうだ。
9ミリ拳銃よりも少し威力は落ちるけど、この時代にそんな威力は必要ないだろう。
10丁も出たから雪さんに1丁あげようかな。
雪さんには前から何か自衛のための武器を持っていて欲しいと思っていたんだ。
今はたまに一人で出かけるときは9ミリ拳銃を持っていくようにしてもらっているけど、あれはオーバーテクノロジーすぎる。
後装式シングルアクション拳銃ならこの時代の銃の面影がまだ残っているし、1発1発弾込めの手間がある分誤魔化しがきく。
たぶん練習すれば雪さんなら弾込めの時間も3秒くらいまで縮められるはずだ。
問題は善住坊さんや殿に渡すかどうか、だけど。
まず殿はダメだな。
殿は銃が下手くそだ。
どこか変なところに弾が飛んでいっても危ないので殿には銃は渡さない。
善住坊さんはどうしようかな、一応俺の弟子ということになっている人だけど。
彼は俺の剣を見て盗むために俺に弟子入りしているけれど、本来はかなりの銃の名手なんだ。
おそらく武芸全般がかなり高い水準にある人だと思う。
本人いわく忍の里で叩き込まれた技術だと。
そんなわけで銃がかなり得意な善住坊さんだけど、俺が未来から来た人間であることは知らない。
未来の技術で作られた銃も、今のところは保留ということにしておこうかな。
いつか必要になったときにもう一度考えてみよう。
今は雪さんの護身用以外の銃はしまっておく。
「雪さん、これあげるよ」
「これは?」
「後装式シングルアクション拳銃っていうんだ」
「銃ですか」
「雪さんの護身用にどうかと思って」
「はぁ、善次郎さん。私の身を案じてくれるのはありがたいのですが、女としては銃をもらうよりもそちらの美しい手鏡をいただくほうが心が躍るものなのですけど」
雪さんはしきりに溜息をつく。
どうやら女心というやつを見誤ってしまったようだ。
俺は慌ててガチャから出た品々を漁って手鏡を探す。
ステンレス製の持ち手が付いた手鏡が出てくる。
俺からしてみたら飾り気の無い普通の鏡だけど、この時代では貴重なものだろう。
俺はAランクとBランクが出たことに浮かれて、完全に見逃してしまっていた。
「あ、こ、こんなものもあったんだ。へ、へー。うん、これもあげるよ」
「はぁ、善次郎さん。もし側室を迎える気があるのであれば女心をもう少しお勉強なさいな」
「は、はい。でも、側室なんて迎える気は無いから別にいいかな、なんて……」
「まったく、あなたという人は……」
雪さんは軽く呆れてながらも、少しだけ口元に笑みを見せる。
女心は分からない。
「それで、これはどう使うのですか?使い方を教えてください」
「わかった。じゃあゆきまるの散歩がてら、どこかの山中で撃ってみようか」
「はい」
この時代はどこに行っても人の居ない山なんて結構あるものだけど、なんとなく気分で長野の山中に来てみた。
この時代で言ったら信濃の国か。
長野はいいよね。
標高の高い場所はこの時期でも涼しいし、温泉はいたるところに出てるし。
「ゆきまる、あの人の居なさそうな渓谷に下りてくれ」
「ワフワフッ」
山深い渓谷だ。
多少銃を撃ったとて、そうそう人に見られることは無いだろう。
俺は渓谷沿いに着地したゆきまるに酒を与えて、テレポートで雪さんを連れてくる。
「すごい、こんな山奥に一瞬で来られるなんて……」
雪さんは海は何度も見たことがあっても、こんな山奥に来たことは無かったようで以前小笠原諸島に行ったときよりもはしゃいでいる。
こんなことなら、BBQも海じゃなくて山ですればよかったかもしれない。
でもあの島に行ってなかったら睦ちゃんは助けられることなく海外で売られていと思うので、あれはあれでよかったかな。
「じゃあ俺がまず撃ってみせるから、真似してやってみて」
「はい」
雪さんにはとやかく口で説明するよりも、一度見せてやるのが一番だろう。
俺は後装式シングルアクション拳銃を取りだし、弾を込めた。
「9ミリ拳銃の弾とは少し形が違っていますね」
「これは30口径ウィンチェスター弾といって、拳銃の弾よりも少し威力は落ちる弾なんだ。撃った感じも違ってくると思うから、気をつけて撃ってね」
撃鉄をガチャリと上げ、トリガーを引く。
耳をつんざく銃声が響き、標的の木偶人形が砕けた。
「この距離だとあまり威力の違いが分かりませんね。でも1度撃ったらいちいち弾を込めないといけないんですね」
「まあ護身にはちょっと使いづらいかもしれないけど、そこは我慢して欲しい。この時代の銃よりは弾込めに時間はかからないと思うから」
「なんでも武器は使いようですよ。習熟すれば9ミリ拳銃と同じくらいのスピードで撃てるようになるかもしれません。弾を100発くらい出してもらえますか?」
「え、あ、はい」
雪さんは凝り出したら止まらない人なのだ。
俺は大人しく30口径の弾をケースごと取り出した。
耳と目を保護するための耳栓と伊達眼鏡もだ。
専用のゴーグルじゃないので隙間が空いてしまうが、無いよりはいいだろう。
黒縁の伊達眼鏡をかけた雪さんはいつもと違った雰囲気で、少しドキドキする。
雪さんが射撃練習を始めたので、俺も耳栓をしてゆきまるの耳を手で塞ぎながら見守る。
5分ほどで発砲音に慣れた俺は、いつしかうとうとし始めた。
カクリカクリと船をこぐ。
はっと意識が覚醒したときには、雪さんの放つ30口径の音が聞こえなくなっていた。
「ん?撃ち終わったの?」
「いえ、善次郎さん。あの、人が……」
「え?」
雪さんの指差すほうを見ると、そこには一人の男が驚いたような顔でこちらを見ていたのだった。
意外と問題にはならなかった。
卑怯な手段で人を殺したのであれば問題になるが、武士が武士を正面から正々堂々斬るのはあまり問題にならないらしい。
殿は減俸3か月くらいの処分となった。
織田信長が留守なので沙汰を下したのは城代の俺の知らない武士だったけど、本当なら褒美を与えたいくらいだと沙汰の後に呼ばれた茶室で言われた。
この時代は武勇に優れる人というのは無条件で尊敬されるものなんだ。
多勢に無勢の状況を刀一本で切り抜けた俺と殿は、そこそこリスペクトされた。
逆に2人相手に全員切られてしまった葛西家は滅びてしかるべきという考えだ。
しかし葛西なにがしは木っ端とはいえ織田家の傍系の直臣だったようで、表向き処分を下さなければならなかったようだ。
城代様は自らお茶を立ててくれて、帰り際に刀までくれた。
キレた殿によって刀はひどい有様だったし、俺の刀もあれだけ人を斬れば刃こぼれはする。
ありがたく2本の刀をいただいて帰ってきた。
結構いい刀だったので殿も喜んでいた。
俺は使うのがもったいないので家に飾ってある。
正直Bランクの武器のほうが品物としては上質なのだが、刀っていうのは誰からもらったとかも結構重要なものだから。
公式の行事などに出かけるときには腰に差しておけばくれた人も悪い気はしないだろう。
まあことの顛末はそんな感じで、今日もガチャを引くとしようかな。
Sランク
なし
Aランク
・後装式シングルアクション拳銃×10
Bランク
・八方手裏剣×100
Cランク
・小麦粉×10
・砂糖×10
・日本酒×10
・寸胴
Dランク
・手鏡
・靴ベラ
・絹糸
・耳かき
今日はなかなかにガチャ運が来ているな。
Aランクが1つにBランクも1つ出るとは。
ただ、どちらも数でランクが上がっている物みたいだ。
単品だったらワンランク下がってしまうような品物だね。
手裏剣はまあいいとして、後装式シングルアクション拳銃が10丁か。
まあまあ使えそうなものが出た。
後装式シングルアクション拳銃とは、いわゆる中折れ式の単発銃のことだ。
具体的にはコンテンダーとかって呼ばれている銃だね。
シンプルな構造をしていて銃身を簡単に入れ替えられるので、色々な口径の銃弾を撃つことができるのが特徴だ。
ガチャで出た銃弾でいえば、20口径ロングライフル弾や30口径ウィンチェスター弾などが使えそうだ。
9ミリ拳銃よりも少し威力は落ちるけど、この時代にそんな威力は必要ないだろう。
10丁も出たから雪さんに1丁あげようかな。
雪さんには前から何か自衛のための武器を持っていて欲しいと思っていたんだ。
今はたまに一人で出かけるときは9ミリ拳銃を持っていくようにしてもらっているけど、あれはオーバーテクノロジーすぎる。
後装式シングルアクション拳銃ならこの時代の銃の面影がまだ残っているし、1発1発弾込めの手間がある分誤魔化しがきく。
たぶん練習すれば雪さんなら弾込めの時間も3秒くらいまで縮められるはずだ。
問題は善住坊さんや殿に渡すかどうか、だけど。
まず殿はダメだな。
殿は銃が下手くそだ。
どこか変なところに弾が飛んでいっても危ないので殿には銃は渡さない。
善住坊さんはどうしようかな、一応俺の弟子ということになっている人だけど。
彼は俺の剣を見て盗むために俺に弟子入りしているけれど、本来はかなりの銃の名手なんだ。
おそらく武芸全般がかなり高い水準にある人だと思う。
本人いわく忍の里で叩き込まれた技術だと。
そんなわけで銃がかなり得意な善住坊さんだけど、俺が未来から来た人間であることは知らない。
未来の技術で作られた銃も、今のところは保留ということにしておこうかな。
いつか必要になったときにもう一度考えてみよう。
今は雪さんの護身用以外の銃はしまっておく。
「雪さん、これあげるよ」
「これは?」
「後装式シングルアクション拳銃っていうんだ」
「銃ですか」
「雪さんの護身用にどうかと思って」
「はぁ、善次郎さん。私の身を案じてくれるのはありがたいのですが、女としては銃をもらうよりもそちらの美しい手鏡をいただくほうが心が躍るものなのですけど」
雪さんはしきりに溜息をつく。
どうやら女心というやつを見誤ってしまったようだ。
俺は慌ててガチャから出た品々を漁って手鏡を探す。
ステンレス製の持ち手が付いた手鏡が出てくる。
俺からしてみたら飾り気の無い普通の鏡だけど、この時代では貴重なものだろう。
俺はAランクとBランクが出たことに浮かれて、完全に見逃してしまっていた。
「あ、こ、こんなものもあったんだ。へ、へー。うん、これもあげるよ」
「はぁ、善次郎さん。もし側室を迎える気があるのであれば女心をもう少しお勉強なさいな」
「は、はい。でも、側室なんて迎える気は無いから別にいいかな、なんて……」
「まったく、あなたという人は……」
雪さんは軽く呆れてながらも、少しだけ口元に笑みを見せる。
女心は分からない。
「それで、これはどう使うのですか?使い方を教えてください」
「わかった。じゃあゆきまるの散歩がてら、どこかの山中で撃ってみようか」
「はい」
この時代はどこに行っても人の居ない山なんて結構あるものだけど、なんとなく気分で長野の山中に来てみた。
この時代で言ったら信濃の国か。
長野はいいよね。
標高の高い場所はこの時期でも涼しいし、温泉はいたるところに出てるし。
「ゆきまる、あの人の居なさそうな渓谷に下りてくれ」
「ワフワフッ」
山深い渓谷だ。
多少銃を撃ったとて、そうそう人に見られることは無いだろう。
俺は渓谷沿いに着地したゆきまるに酒を与えて、テレポートで雪さんを連れてくる。
「すごい、こんな山奥に一瞬で来られるなんて……」
雪さんは海は何度も見たことがあっても、こんな山奥に来たことは無かったようで以前小笠原諸島に行ったときよりもはしゃいでいる。
こんなことなら、BBQも海じゃなくて山ですればよかったかもしれない。
でもあの島に行ってなかったら睦ちゃんは助けられることなく海外で売られていと思うので、あれはあれでよかったかな。
「じゃあ俺がまず撃ってみせるから、真似してやってみて」
「はい」
雪さんにはとやかく口で説明するよりも、一度見せてやるのが一番だろう。
俺は後装式シングルアクション拳銃を取りだし、弾を込めた。
「9ミリ拳銃の弾とは少し形が違っていますね」
「これは30口径ウィンチェスター弾といって、拳銃の弾よりも少し威力は落ちる弾なんだ。撃った感じも違ってくると思うから、気をつけて撃ってね」
撃鉄をガチャリと上げ、トリガーを引く。
耳をつんざく銃声が響き、標的の木偶人形が砕けた。
「この距離だとあまり威力の違いが分かりませんね。でも1度撃ったらいちいち弾を込めないといけないんですね」
「まあ護身にはちょっと使いづらいかもしれないけど、そこは我慢して欲しい。この時代の銃よりは弾込めに時間はかからないと思うから」
「なんでも武器は使いようですよ。習熟すれば9ミリ拳銃と同じくらいのスピードで撃てるようになるかもしれません。弾を100発くらい出してもらえますか?」
「え、あ、はい」
雪さんは凝り出したら止まらない人なのだ。
俺は大人しく30口径の弾をケースごと取り出した。
耳と目を保護するための耳栓と伊達眼鏡もだ。
専用のゴーグルじゃないので隙間が空いてしまうが、無いよりはいいだろう。
黒縁の伊達眼鏡をかけた雪さんはいつもと違った雰囲気で、少しドキドキする。
雪さんが射撃練習を始めたので、俺も耳栓をしてゆきまるの耳を手で塞ぎながら見守る。
5分ほどで発砲音に慣れた俺は、いつしかうとうとし始めた。
カクリカクリと船をこぐ。
はっと意識が覚醒したときには、雪さんの放つ30口径の音が聞こえなくなっていた。
「ん?撃ち終わったの?」
「いえ、善次郎さん。あの、人が……」
「え?」
雪さんの指差すほうを見ると、そこには一人の男が驚いたような顔でこちらを見ていたのだった。
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