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9.飴玉
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「はぁ、腹が減ったのう」
「そうですね。朝も夜も雑炊ばかりで力が出ない」
「握り飯が食いたいですな」
俺と勘左衛門さんと吉兵衛さんは車座に座り、どうでもいいことを話し合いながら休憩を取る。
今はちょうど正午くらいだと思うが、この時代は昼ごはんが無いからな。
食べてる人もいると思うんだけど、殿は自他共に認める貧乏武士だから俺達家臣も節約のために昼は塩分補給用の梅干と水で我慢する。
どうしても動けなくなりそうなほど腹が減ったときは、ご飯を干した保存食である干し飯を口に含んで水で流し込むくらいだ。
塩分多目の梅干を口に放り込むと、酸味と塩味でご飯が欲しくなる。
ぐぅと鳴る腹を騙すように竹の水筒から水を飲むと、違う意味でお腹がグルグルとなりそうになる。
水のがぶ飲みは腹に良くないな。
「行軍中とはいえ、朝と晩くらいはもう少しまともなものでも食えんもんか」
「雑穀が半分以上入った雑炊じゃからな」
この時代は雑炊ひとつとっても金持ちと貧乏人では全く異なってくる。
殿に聞いた話では、藤吉郎さんの陣営で頂いた雑炊には雑穀が少なくて近隣の村から買った野菜が入っていたそうだ。
それに比べて俺達が食べている雑炊は半分以上が雑穀で、その他には芋のツルを味噌で漬けたものを乾燥させた芋がら縄と呼ばれる保存食に、道に生えていた野草。
まあ健康的な雑炊なんだけど、ちょっと野性味が強いかな。
貧乏でも強く生きようってことが伝わってくるような雑炊だ。
こっそり俺が米を足しているのは内緒だよ。
この戦から帰ればね、大殿からのご褒美とかお給料アップとかあるはずなんだ。
頑張って行軍しよう。
それにしても腹減った。
そういえば、今朝のガチャで飴玉が出たんだったな。
「とても良い物を持っているのを忘れていました」
「とても良い物?」
「なんじゃ?」
俺は荷物を漁るふりをして、収納の指輪から飴玉の入った壺を取り出す。
「飴玉です。砂糖やらなんやらを固めたものですよ。薬として持っていたのですが、これは嗜好品としても美味しい」
俺は一応薬師として雇われたことになっているからね。
砂糖は昔は薬として海外から輸入されていたらしいし、飴玉だってギリギリセーフ。
少なくとも傷が一晩で塞がる薬よりは理解できるものだ。
「ほう、しかし砂糖などとても高価なものではないのか?」
「俺は薬師ですよ?砂糖を小量ですが作ることができるんですよ」
「なんと、砂糖の作り方を知っているとは。殿はすごい御仁を召抱えたものじゃ」
「殿の見る目は確かだということですな」
なんか自分の力ではないのにこれほど褒め称えられると居心地が悪いな。
それだけ砂糖というのがこの時代では貴重だということなのだろうけど。
俺は壺の中から飴玉を3つ取り出し、2つを2人の前に差し出す。
「どうぞ。口の中に入れて噛まずに舐めてみてください」
「では、遠慮なく」
「某もいただきます」
2人は飴玉を口の中に入れ、コロコロと転がす。
俺も残りの1個を口に放り込み、舌の上で転がした。
蜂蜜のような優しい甘さが口の中に広がり、微かな柑橘類の香りと酸味が後から追いかけてくる。
蜂蜜レモン味だったか。
戦国時代に染まりかけた舌が引き戻されるのを感じる。
やっぱり俺は現代人だ。
戦国の味じゃ我慢できない。
「これは、なんと甘美な味じゃ」
「この世にこれほどの美味があると思っておりませんでした」
俺はまだこちらの世界に来てからそれほどの時間が経っていないが、この人たちは生まれてから今までずっとこの時代を生きてきたんだ。
飴玉一つにこれほどの賛美が飛び出す時代を、俺はこれから生きなければならないとはな。
辛い現実だ。
「しかし、これは我らだけで食するのが申し訳なくなるほどの味」
「あ、そういえば。俺ちょっと殿にも差し上げてきますね」
殿を放っておいて家臣たちだけで甘味を楽しんでしまうとは。
家臣にあるまじき失敗。
たまにならそういうのもいいかもしれないが、同じ粗末な飯を食って耐えている今は殿が少し可哀想だ。
そういうのは殿だけ大殿や藤吉郎さんにお呼ばれしたりして、ずるいなって思ったときにやるべきだ。
今は軍議に行っているだけで、食事に行っているわけではない。
脳みそが疲れているだろうし、軍議が終わるのを見計らってそっと飴玉を差し出してあげよう。
軍議が行われている広場から、少し離れた場所で殿を待つ。
あそこには織田軍の首脳が集まっているわけで、あまり近づきすぎると怖いお侍さんに叩き切られても文句は言えないからね。
少しすると、軍議が終わったようでぞろぞろと強面の武士たちが散っていく。
殿はどこかなと。
殿はそこまで威圧感の無い、この時代にはあまり居ないタイプの武士だ。
近づいたら切られそうな武士の中にあっては、逆に目立つというもの。
すぐに殿を見つけた俺は殿の進行方向に回りこんで待つ。
「お、善次郎。なんじゃ、こんなところで待っておったのか?」
「ええ、殿がお疲れかと思いまして。これを差し上げようかと」
「ほう、なんじゃ。薬か?」
「疲れに効く薬の一種ですが、食べると美味しいので。噛まずに舐めてください」
「そうか。じゃあいただくぞ」
殿は飴玉を口に放り込み、美味しそうに口の中で転がす。
「これは美味い。なんと甘いのじゃ」
「砂糖が入っていますからね」
「砂糖が?食ってよかったのか?」
「大丈夫ですよ。俺は砂糖の作り方を知っていますから」
「それはすごいな。今度砂糖も買わせてくれ」
「分かりました」
なんか売り込みにきたみたいになってしまった。
殿は戦国武将にしては人が良いというか、なんというか。
普通家臣の物は俺の物って感じだと思うんだけどな。
まあそんな人だったらさっさと逃げてるけど。
「お主、たしか山内伊右衛門と申したな。猿の与力を命じた記憶がある」
「こ、これはお屋形様。御自ら某のような者にお声をかけくださるとは。恐悦至極にござります」
殿が突然ひざまづいたので、俺も真似しておく。
ちらっとしか顔を見られなかったけれど、この人って殿がお屋形様って呼んでるってことは織田信長かな。
すごい威圧感だ。
なんか雰囲気ある人だな。
「手筒山城攻めでは顔に矢傷を受けながらも勇猛果敢に戦ったと聞いておるぞ。それほどの手傷を負いながらも此度の退却戦では猿の与力としてしんがりに同行するとはあっぱれじゃ。褒美は期待しておるとよい」
「はっ、ありがたき幸せにござります」
「ところで伊右衛門、お主の家臣が持っておるものはなんじゃ?」
「砂糖を固めたものらしいです」
「ひとつもらってもいいかの?」
殿は申し訳無さそうに俺の顔を見る。
いや、飴玉くらい別にいいけどね。
俺は飴玉の入った壺ごと殿に渡す。
殿はいいのか?という顔をしたが、俺は別になんでもないという顔で頷く。
「お、お屋形様に献上いたします」
「そうか。すまないな」
織田信長は壺を受け取ると、おもむろに手を突っ込み一粒取り出して口に入れた。
「あ、噛まずに舐めるそうです」
「そうなのか」
織田信長は意外に素直に言うことを聞いて、コロコロと舐め始めた。
「これは、美味いな。素晴らしい味じゃ。褒美は奮発するぞ」
「ありがたき幸せ!」
殿は俺の背中をバンバン叩いて喜んだ。
痛いって。
雑穀が少ない雑炊が食べられるようになるといいね。
「そうですね。朝も夜も雑炊ばかりで力が出ない」
「握り飯が食いたいですな」
俺と勘左衛門さんと吉兵衛さんは車座に座り、どうでもいいことを話し合いながら休憩を取る。
今はちょうど正午くらいだと思うが、この時代は昼ごはんが無いからな。
食べてる人もいると思うんだけど、殿は自他共に認める貧乏武士だから俺達家臣も節約のために昼は塩分補給用の梅干と水で我慢する。
どうしても動けなくなりそうなほど腹が減ったときは、ご飯を干した保存食である干し飯を口に含んで水で流し込むくらいだ。
塩分多目の梅干を口に放り込むと、酸味と塩味でご飯が欲しくなる。
ぐぅと鳴る腹を騙すように竹の水筒から水を飲むと、違う意味でお腹がグルグルとなりそうになる。
水のがぶ飲みは腹に良くないな。
「行軍中とはいえ、朝と晩くらいはもう少しまともなものでも食えんもんか」
「雑穀が半分以上入った雑炊じゃからな」
この時代は雑炊ひとつとっても金持ちと貧乏人では全く異なってくる。
殿に聞いた話では、藤吉郎さんの陣営で頂いた雑炊には雑穀が少なくて近隣の村から買った野菜が入っていたそうだ。
それに比べて俺達が食べている雑炊は半分以上が雑穀で、その他には芋のツルを味噌で漬けたものを乾燥させた芋がら縄と呼ばれる保存食に、道に生えていた野草。
まあ健康的な雑炊なんだけど、ちょっと野性味が強いかな。
貧乏でも強く生きようってことが伝わってくるような雑炊だ。
こっそり俺が米を足しているのは内緒だよ。
この戦から帰ればね、大殿からのご褒美とかお給料アップとかあるはずなんだ。
頑張って行軍しよう。
それにしても腹減った。
そういえば、今朝のガチャで飴玉が出たんだったな。
「とても良い物を持っているのを忘れていました」
「とても良い物?」
「なんじゃ?」
俺は荷物を漁るふりをして、収納の指輪から飴玉の入った壺を取り出す。
「飴玉です。砂糖やらなんやらを固めたものですよ。薬として持っていたのですが、これは嗜好品としても美味しい」
俺は一応薬師として雇われたことになっているからね。
砂糖は昔は薬として海外から輸入されていたらしいし、飴玉だってギリギリセーフ。
少なくとも傷が一晩で塞がる薬よりは理解できるものだ。
「ほう、しかし砂糖などとても高価なものではないのか?」
「俺は薬師ですよ?砂糖を小量ですが作ることができるんですよ」
「なんと、砂糖の作り方を知っているとは。殿はすごい御仁を召抱えたものじゃ」
「殿の見る目は確かだということですな」
なんか自分の力ではないのにこれほど褒め称えられると居心地が悪いな。
それだけ砂糖というのがこの時代では貴重だということなのだろうけど。
俺は壺の中から飴玉を3つ取り出し、2つを2人の前に差し出す。
「どうぞ。口の中に入れて噛まずに舐めてみてください」
「では、遠慮なく」
「某もいただきます」
2人は飴玉を口の中に入れ、コロコロと転がす。
俺も残りの1個を口に放り込み、舌の上で転がした。
蜂蜜のような優しい甘さが口の中に広がり、微かな柑橘類の香りと酸味が後から追いかけてくる。
蜂蜜レモン味だったか。
戦国時代に染まりかけた舌が引き戻されるのを感じる。
やっぱり俺は現代人だ。
戦国の味じゃ我慢できない。
「これは、なんと甘美な味じゃ」
「この世にこれほどの美味があると思っておりませんでした」
俺はまだこちらの世界に来てからそれほどの時間が経っていないが、この人たちは生まれてから今までずっとこの時代を生きてきたんだ。
飴玉一つにこれほどの賛美が飛び出す時代を、俺はこれから生きなければならないとはな。
辛い現実だ。
「しかし、これは我らだけで食するのが申し訳なくなるほどの味」
「あ、そういえば。俺ちょっと殿にも差し上げてきますね」
殿を放っておいて家臣たちだけで甘味を楽しんでしまうとは。
家臣にあるまじき失敗。
たまにならそういうのもいいかもしれないが、同じ粗末な飯を食って耐えている今は殿が少し可哀想だ。
そういうのは殿だけ大殿や藤吉郎さんにお呼ばれしたりして、ずるいなって思ったときにやるべきだ。
今は軍議に行っているだけで、食事に行っているわけではない。
脳みそが疲れているだろうし、軍議が終わるのを見計らってそっと飴玉を差し出してあげよう。
軍議が行われている広場から、少し離れた場所で殿を待つ。
あそこには織田軍の首脳が集まっているわけで、あまり近づきすぎると怖いお侍さんに叩き切られても文句は言えないからね。
少しすると、軍議が終わったようでぞろぞろと強面の武士たちが散っていく。
殿はどこかなと。
殿はそこまで威圧感の無い、この時代にはあまり居ないタイプの武士だ。
近づいたら切られそうな武士の中にあっては、逆に目立つというもの。
すぐに殿を見つけた俺は殿の進行方向に回りこんで待つ。
「お、善次郎。なんじゃ、こんなところで待っておったのか?」
「ええ、殿がお疲れかと思いまして。これを差し上げようかと」
「ほう、なんじゃ。薬か?」
「疲れに効く薬の一種ですが、食べると美味しいので。噛まずに舐めてください」
「そうか。じゃあいただくぞ」
殿は飴玉を口に放り込み、美味しそうに口の中で転がす。
「これは美味い。なんと甘いのじゃ」
「砂糖が入っていますからね」
「砂糖が?食ってよかったのか?」
「大丈夫ですよ。俺は砂糖の作り方を知っていますから」
「それはすごいな。今度砂糖も買わせてくれ」
「分かりました」
なんか売り込みにきたみたいになってしまった。
殿は戦国武将にしては人が良いというか、なんというか。
普通家臣の物は俺の物って感じだと思うんだけどな。
まあそんな人だったらさっさと逃げてるけど。
「お主、たしか山内伊右衛門と申したな。猿の与力を命じた記憶がある」
「こ、これはお屋形様。御自ら某のような者にお声をかけくださるとは。恐悦至極にござります」
殿が突然ひざまづいたので、俺も真似しておく。
ちらっとしか顔を見られなかったけれど、この人って殿がお屋形様って呼んでるってことは織田信長かな。
すごい威圧感だ。
なんか雰囲気ある人だな。
「手筒山城攻めでは顔に矢傷を受けながらも勇猛果敢に戦ったと聞いておるぞ。それほどの手傷を負いながらも此度の退却戦では猿の与力としてしんがりに同行するとはあっぱれじゃ。褒美は期待しておるとよい」
「はっ、ありがたき幸せにござります」
「ところで伊右衛門、お主の家臣が持っておるものはなんじゃ?」
「砂糖を固めたものらしいです」
「ひとつもらってもいいかの?」
殿は申し訳無さそうに俺の顔を見る。
いや、飴玉くらい別にいいけどね。
俺は飴玉の入った壺ごと殿に渡す。
殿はいいのか?という顔をしたが、俺は別になんでもないという顔で頷く。
「お、お屋形様に献上いたします」
「そうか。すまないな」
織田信長は壺を受け取ると、おもむろに手を突っ込み一粒取り出して口に入れた。
「あ、噛まずに舐めるそうです」
「そうなのか」
織田信長は意外に素直に言うことを聞いて、コロコロと舐め始めた。
「これは、美味いな。素晴らしい味じゃ。褒美は奮発するぞ」
「ありがたき幸せ!」
殿は俺の背中をバンバン叩いて喜んだ。
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