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お題:オムライスから見たあの子
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『いつかオムライス記念日』
「どうしたの?」
遠くで声が聞こえた。
僕を作ってくれた人の声。
そのあとしばらくの間、僕を作ってくれた人が誰かに一方的に話しかける声が聞こえてきた。
どうしてと、疑問を投げかける声。
困らせないでって、憤る声。
何にもない日じゃないって、涙まじりの声。
僕を作ってくれた人は悲痛な声で誰かに話しかけていたけれど、返事はなかった。
そのうちに、僕を作ってくれた人は泣いてどこかへ行ってしまった。
リビングにぽつんと置かれていた僕はカレンダーを見た。
今日は6月1日。
何にもない日だって、僕を作ってくれた人は言っていた。
でも、今日が何にもない日なんかじゃないって、僕は知っている。
僕が作られている間、つけっぱなしだったリビングのテレビ。
放送されていた朝のニュース番組で、今日は電波の日とか、気象記念日ですとか紹介されていた。
けれど、僕が言いたいのはそれじゃない。
別にunbirthday partyをしろって言っているんじゃない。
あんな馬鹿げたお茶会をしたって、ちっともおもしろくはない。
あなたにとってなんでもない日でも、誰かにとっての大切な日。
だから配慮して生きようねとか、そういうことを言いたいわけでもない。
だって、知らない誰かの記念日なんて祝う義理はない。
実はね、今日はデリバリー弁当の日なんだ。
だからね、しょうがないよ。
今日は手作りのお弁当じゃなくて、デリバリーのお弁当を食べたほうが良い日だった。
君が僕を食べなかったのが悪いんじゃない。
今日の僕はお呼びじゃなかっただけ。
間が悪かっただけなんだ。
そんなわけだから、三角コーナーにいる僕を見て悲しむことはない。
あ、でもね。
作ってくれた人に罪悪感を覚えるのはいいんじゃないかな。
悪気があって作ったわけじゃないと思うし。
デリバリー弁当の日なんて、知らなかったでしょ。
こんなこと、オムライスの僕じゃなきゃわからないよ。
ところで、明日はなんの日か知っているかな。
明日はなんとオムレツの日。
まあ、厳密に言うと僕はオムライスでオムレツじゃないし。
そこはしっかり区別してほしいけど、今回は特別だ。
オムライスのオムは、オムレツのことだからね。
6月2日。
6と2でオム(06)レツ(02)なんだ。
栄養たっぷりの卵で愛情を包み込んだ料理のオムレツを通して、家族愛と健康を育む日なんだよ。
だからね、明日はこのことを僕を作った人に教えてあげなよ。
またオムライスを作ってほしいって、伝えてみるんだ。
それで君の気持ちは伝わると思うから。
ゴミになりたいなんて、そこまで辛い思いをしている君の気持ちは痛いほど伝わるはずだから。
もしかしたら明日の朝も起き上がるのが辛いかもしれない。
それはそれでしかたないさ。
そうなったら、別の日にお願いしたらいい。
だって、明日はオムレツの日であって、オムライスの日じゃないから。
絶対に明日じゃなきゃいけないなんてことはないからさ。
君が僕を食べたいなって思ったときに、お願いしてみるといい。
そうだ、その日をオムライス記念日にしようか。
楽しみだな。いつまた君に会えるかな。
特別な記念日に、会えることを楽しみにしているよ。
「どうしたの?」
遠くで声が聞こえた。
僕を作ってくれた人の声。
そのあとしばらくの間、僕を作ってくれた人が誰かに一方的に話しかける声が聞こえてきた。
どうしてと、疑問を投げかける声。
困らせないでって、憤る声。
何にもない日じゃないって、涙まじりの声。
僕を作ってくれた人は悲痛な声で誰かに話しかけていたけれど、返事はなかった。
そのうちに、僕を作ってくれた人は泣いてどこかへ行ってしまった。
リビングにぽつんと置かれていた僕はカレンダーを見た。
今日は6月1日。
何にもない日だって、僕を作ってくれた人は言っていた。
でも、今日が何にもない日なんかじゃないって、僕は知っている。
僕が作られている間、つけっぱなしだったリビングのテレビ。
放送されていた朝のニュース番組で、今日は電波の日とか、気象記念日ですとか紹介されていた。
けれど、僕が言いたいのはそれじゃない。
別にunbirthday partyをしろって言っているんじゃない。
あんな馬鹿げたお茶会をしたって、ちっともおもしろくはない。
あなたにとってなんでもない日でも、誰かにとっての大切な日。
だから配慮して生きようねとか、そういうことを言いたいわけでもない。
だって、知らない誰かの記念日なんて祝う義理はない。
実はね、今日はデリバリー弁当の日なんだ。
だからね、しょうがないよ。
今日は手作りのお弁当じゃなくて、デリバリーのお弁当を食べたほうが良い日だった。
君が僕を食べなかったのが悪いんじゃない。
今日の僕はお呼びじゃなかっただけ。
間が悪かっただけなんだ。
そんなわけだから、三角コーナーにいる僕を見て悲しむことはない。
あ、でもね。
作ってくれた人に罪悪感を覚えるのはいいんじゃないかな。
悪気があって作ったわけじゃないと思うし。
デリバリー弁当の日なんて、知らなかったでしょ。
こんなこと、オムライスの僕じゃなきゃわからないよ。
ところで、明日はなんの日か知っているかな。
明日はなんとオムレツの日。
まあ、厳密に言うと僕はオムライスでオムレツじゃないし。
そこはしっかり区別してほしいけど、今回は特別だ。
オムライスのオムは、オムレツのことだからね。
6月2日。
6と2でオム(06)レツ(02)なんだ。
栄養たっぷりの卵で愛情を包み込んだ料理のオムレツを通して、家族愛と健康を育む日なんだよ。
だからね、明日はこのことを僕を作った人に教えてあげなよ。
またオムライスを作ってほしいって、伝えてみるんだ。
それで君の気持ちは伝わると思うから。
ゴミになりたいなんて、そこまで辛い思いをしている君の気持ちは痛いほど伝わるはずだから。
もしかしたら明日の朝も起き上がるのが辛いかもしれない。
それはそれでしかたないさ。
そうなったら、別の日にお願いしたらいい。
だって、明日はオムレツの日であって、オムライスの日じゃないから。
絶対に明日じゃなきゃいけないなんてことはないからさ。
君が僕を食べたいなって思ったときに、お願いしてみるといい。
そうだ、その日をオムライス記念日にしようか。
楽しみだな。いつまた君に会えるかな。
特別な記念日に、会えることを楽しみにしているよ。
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