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けじめ
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「…………そろそろ街へ戻りますか?」
すっかりクロードの姿は見えなくなっていた。
だというのに、ライラがいつまでもぼんやりと突っ立っていると、ふいにエリクに声をかけられた。
ライラはエリクの言葉に返答をする前に、どっとその場に崩れ落ちた。
「――ど、どうかなさいましたか⁉」
とつぜんライラが音を立てて地面に膝をついたので、エリクは何事かと慌てふためいている。
「ああ、なんだかすっごく疲れたわ」
深くため息をついて、ライラは地べたに座りこむ。
ライラは口では疲れたと言ってはいるが、清々しい気持ちだったので朗らかに笑っていた。
そんなライラの姿に気が付いて、エリクはほっと胸を撫でおろしたあと、一緒になって笑顔を浮かべた。
「……ずっと心の中に抑え込んでいた気持ちを、ようやく伝えられたのですね」
「うん、そうなのよ。気持ちを伝えるってこんなに疲れるのね」
「言葉を口にするだけと言ってしまえば簡単なことのようですが、気持ちを伝えるというのは難しいですからね。お疲れにはなったでしょうが、すっきりしたのでは?」
「ええ、すっごくすっきりした。なんだかね、これでようやくけじめのようなものをつけられた気がするの」
この土地に流れてきてずいぶんと時間が経ってしまった。だが、これでやっと新しい一歩を踏み出せる気がする。
「……私の人生、ここからもう一度やり直しね……」
ライラは目を閉じると、おもいきり頬を叩いた。
パンと、大きな乾いた音が耳に届く。
「――――よし! それじゃ、帰りましょうか」
ライラは目をかっと見開くと、勢いよく立ちあがった。
「そうですね。きっと皆さんお待ちかねですよ」
「ええ、早く帰りましょう」
イルシアやファルが心配して待っているだろう。
きっとマスターには嫌味を言われる。
ライラはクロードが去っていった王都の方角へ背を向ける。
皆が待つ街に向かって、しっかりと自分の足で一歩を踏みだした。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――――――――――――――――
これにて終了でございます。
お付き合いくださいました皆さま、ありがとうございます。
本当にありがとうございます!!
次の作品の参考にしたいので、感想をいただけるとすごく嬉しいです。
よろしくお願いいたします!
約一年に渡りお話を公開させていただきました。
途中お休みをしてしまいましたが、最後までお付き合いくださいました皆さま、
ありがとうございます!
本当に本当に、ありがとうございます!!
公開当初、HOTランキング1位になったときはもうびっくりでございまして……。
おもわずスマホでスクショなんてしたりしておりました。
本当に本当にありがたいかぎりでございます。
感謝感激しております。
すべての感想にお返事ができておりませんが、ひとつひとつ大切に目を通させて頂いております。
ありがとうございます。
このお話に目を通していただいたすべての皆さまに感謝の気持ちが伝わりますように……。
それでは、失礼いたします。
2022/09/29
すっかりクロードの姿は見えなくなっていた。
だというのに、ライラがいつまでもぼんやりと突っ立っていると、ふいにエリクに声をかけられた。
ライラはエリクの言葉に返答をする前に、どっとその場に崩れ落ちた。
「――ど、どうかなさいましたか⁉」
とつぜんライラが音を立てて地面に膝をついたので、エリクは何事かと慌てふためいている。
「ああ、なんだかすっごく疲れたわ」
深くため息をついて、ライラは地べたに座りこむ。
ライラは口では疲れたと言ってはいるが、清々しい気持ちだったので朗らかに笑っていた。
そんなライラの姿に気が付いて、エリクはほっと胸を撫でおろしたあと、一緒になって笑顔を浮かべた。
「……ずっと心の中に抑え込んでいた気持ちを、ようやく伝えられたのですね」
「うん、そうなのよ。気持ちを伝えるってこんなに疲れるのね」
「言葉を口にするだけと言ってしまえば簡単なことのようですが、気持ちを伝えるというのは難しいですからね。お疲れにはなったでしょうが、すっきりしたのでは?」
「ええ、すっごくすっきりした。なんだかね、これでようやくけじめのようなものをつけられた気がするの」
この土地に流れてきてずいぶんと時間が経ってしまった。だが、これでやっと新しい一歩を踏み出せる気がする。
「……私の人生、ここからもう一度やり直しね……」
ライラは目を閉じると、おもいきり頬を叩いた。
パンと、大きな乾いた音が耳に届く。
「――――よし! それじゃ、帰りましょうか」
ライラは目をかっと見開くと、勢いよく立ちあがった。
「そうですね。きっと皆さんお待ちかねですよ」
「ええ、早く帰りましょう」
イルシアやファルが心配して待っているだろう。
きっとマスターには嫌味を言われる。
ライラはクロードが去っていった王都の方角へ背を向ける。
皆が待つ街に向かって、しっかりと自分の足で一歩を踏みだした。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――――――――――――――――
これにて終了でございます。
お付き合いくださいました皆さま、ありがとうございます。
本当にありがとうございます!!
次の作品の参考にしたいので、感想をいただけるとすごく嬉しいです。
よろしくお願いいたします!
約一年に渡りお話を公開させていただきました。
途中お休みをしてしまいましたが、最後までお付き合いくださいました皆さま、
ありがとうございます!
本当に本当に、ありがとうございます!!
公開当初、HOTランキング1位になったときはもうびっくりでございまして……。
おもわずスマホでスクショなんてしたりしておりました。
本当に本当にありがたいかぎりでございます。
感謝感激しております。
すべての感想にお返事ができておりませんが、ひとつひとつ大切に目を通させて頂いております。
ありがとうございます。
このお話に目を通していただいたすべての皆さまに感謝の気持ちが伝わりますように……。
それでは、失礼いたします。
2022/09/29
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