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序章 神となった青年
三次試練―ピクト
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―神界
「ダラス法神!これはどういうことですか!?」
今回三次試練の担当になったダラスに、私が推薦した人間の試練書を見せ問いただす。
「推薦した人間の試練内容ですが、これは中位神クラスに相当する案件です!しかもよりにもよって…天使どころか下位神でも太刀打ちできなかった魔王”ギルガ・エン”の征伐だなんて」
ダラスは私の方を振り返り、試練の内容について口を開いた。
「君が推薦した奴は人間だろ?人間を神にだなんてたまったもんじゃない」
そしてダラスは続けてこう言う。
「それに、どうせあの女の差し金だろ、そいつが推してる人間を神になんてしたらろくなもんじゃない」
「だから、あの人間の試練だけ高難度に?」
「あいつだけじゃない、今回受けてる人間と元人間の天使にも同様に高難度の試練にした」
「これは…神としてあるまじき行為ですよ?」
試練の事実に怒りを抑えながらも表情に出さすそう問うと、ダラスは言った。
「人間なんかが神聖なる神の務めを果たせるわけがないだろう」
その一言に苛立ちを感じつつも私はダラスに詰め寄る。
「もし、その人間が三次試練を突破したらどうしますか?最終選別で神判を務めるのはあなたではなく最上位に位置する神々が選別します」
対しダラスは不機嫌そうに私に言う。
「最上位の神々であれば私と同意見でしょう、きっと人間、元人間を神になんてさせないだろ」
ダラスはそそくさとその場を去ろうとする、そして私は立ち去るダラスに向かって遠くからでも聞こえる声量で言う。
「あなたみたいな先入観だけで判断する神を最上位の神々と同列にしないでいただきたい、それに私はただ***に頼まれたから推薦したわけではないです、人間にだって、神になれる素質があります、だからこそ私は彼を推薦したんです」
そして最後にこう言ってやった。
「人間を下に見る、だからあなたは最上位の神になれないんですよ」
そう言うとダラスがこちらを振り返り一瞬私を睨む、その後ダラスは何も反論せずそそくさと去っていった。
「名もなき人間よ、かならず神になって、この腐った神界を変えるんだ」
―異世界、ガルシャ連合国ピクト
そろそろ町、ピクトに近づいたところで俺は車を止め降りる。
車はとりあえず異空間の中にしまい、ここからは徒歩でピクトを目指した。
車で街に入ろうとしたら、町の人々が驚くだろうし、あまり目立つのも良くない。
少し歩くと、ピクトの町の門が視認できた。
門付近には特に門番はいないようだが、活気づく人々の声が聞こえるのがわかる。
ピクトは問題なさそうだな。
門をくぐると、町内では店や芸などが並んでおり、多くの人々で賑わっていた。
辺りを見渡す限り、この町は比較的大きな町であることがわかる。
とりあえず店でも回ってみるか。
まず最初に武具店を訪れ、何か使えそうな武器があるか、またついでで旧ヒイラス王国のことを店主や客にさりげなく聞いてみることにした。
「ぃらっしゃい!」
武具店の中は思ってたより少し広く、鎧や槍、剣など色んな武器が店頭に置かれていた。
店頭に並ぶ武器を人通り見ていく。
んー…どれもパッとしないなあ、店主には申し訳ないんだけど。
どれもいい武器なのには変わりないが、正直自分で作ってきた武器の方が性能が高い。
しかし、旧ヒイラス王国について店主にも聞いておきたいため、一個だけでも何か買わないと失礼だ。
「その前に…」
俺は隣にいたおじさんに話しかけた。
「なんだい?お前さん、見ない顔だな?」
「突然話しかけて申し訳ない、実は少しお尋ねしたいことが…」
俺はそのおじさんに、かつて存在していたと思われるヒイラス王国の場所とこの世界の魔王はどのような存在なのかを尋ねた。
おじさんは俺の問いに「うーん」と唸りながら考え込む。
「もしできたら身内でこのこと知ってそうな人とかがいれば助かるんですが…」
「そうだな、わりい、そのヒイラス王国とやらは覚えていないが、魔王のことなら少し話せるぜ」
旧ヒイラス王国については知らなかったようだが、魔王のことは知っているとのことなので、一旦武具店を出て場所を移して話しを聞くことにした。
「魔王はな、俺が確か10才の時、ちょうど30年くらい前だな、見聞にはなるが、その時から突如として現れたらしい…」
「30年前から……」
「ああ、そこから数々の国が滅んでな、その時もしかしたらお前さんが言ってたヒイラス?とかも魔王に滅ぼされたのかもな」
「はい、俺も詳しくはわからないですが、そのヒイラス王国があった場所に今、魔王がいると聞いたので」
そう言うと、おじさんは一瞬目を見開いた表情を浮かべ、その後いつもの顔に戻る。
「お前さん、まさかとは思うが、魔王を探しているのか?」
おじさんの問いに対し俺は「はい」と答える。
「ちょっと色々と事情がありまして」
するとおじさんが「ちょっとこっちに」と手招きし、近づくと小声で俺に耳打ちした。
「実はな、ここからさらに北にあるギルデュア王国、バルア王国、キル公国それぞれ北部は立ち入りが禁止されているんだ、なぜ禁止なのかはわからんが、おそらくそこに魔王がいると俺は考えてる」
「それはなぜ?」
「俺は禁止区域以外の国々をほとんど回り切ってるからな、少なくとも俺が今まで行った国にはまず魔王がいる様子はなかった」
おじさんから有益な情報が得られ、俺は心の中でガッツポーズする。
試練が始まった初日で場所が絞られるのはかなり大きい。
「ありがとう、おかげで魔王を見つけるのが思ってたより早くなりそうだ」
「いや待て、北部だけでもかなり広いぞ、それに、北部に入るにはその国の許可が必要だ」
「大丈夫、それについては行く目処がある」
そう言い、俺は御礼としておじさんに渡そうと胸ポケットから袋を出して中から金貨10枚を取り出した。
「いや、そんないいって、俺はただ知ってることを話しただけだからさ」
「いえ、御礼としてどうか受け取ってください、それに、用事が済んだらもう通貨は使わないですし」
「使わない?」
「じゃ、そういうことで!ありがとな!」
おじさんはポカーンとしていたが、手を振るとおじさんも俺に手を振り返してくれた。
そして俺はピクトから出て、また異空間から車を取り出してエンジンをかける。
「よし、夜までぶっ通しで北へ向かって走らすか」
ここからだと一番最短で着くのはギルデュア王国だ、そこ目掛けてフルスピードでアクセルを踏む。
「禁止区域へどう突破するかは、着いた後で考えるとするか!」
気分がハイッ!なテンションでギルデュア王国付近まで車を運転していった。
「ダラス法神!これはどういうことですか!?」
今回三次試練の担当になったダラスに、私が推薦した人間の試練書を見せ問いただす。
「推薦した人間の試練内容ですが、これは中位神クラスに相当する案件です!しかもよりにもよって…天使どころか下位神でも太刀打ちできなかった魔王”ギルガ・エン”の征伐だなんて」
ダラスは私の方を振り返り、試練の内容について口を開いた。
「君が推薦した奴は人間だろ?人間を神にだなんてたまったもんじゃない」
そしてダラスは続けてこう言う。
「それに、どうせあの女の差し金だろ、そいつが推してる人間を神になんてしたらろくなもんじゃない」
「だから、あの人間の試練だけ高難度に?」
「あいつだけじゃない、今回受けてる人間と元人間の天使にも同様に高難度の試練にした」
「これは…神としてあるまじき行為ですよ?」
試練の事実に怒りを抑えながらも表情に出さすそう問うと、ダラスは言った。
「人間なんかが神聖なる神の務めを果たせるわけがないだろう」
その一言に苛立ちを感じつつも私はダラスに詰め寄る。
「もし、その人間が三次試練を突破したらどうしますか?最終選別で神判を務めるのはあなたではなく最上位に位置する神々が選別します」
対しダラスは不機嫌そうに私に言う。
「最上位の神々であれば私と同意見でしょう、きっと人間、元人間を神になんてさせないだろ」
ダラスはそそくさとその場を去ろうとする、そして私は立ち去るダラスに向かって遠くからでも聞こえる声量で言う。
「あなたみたいな先入観だけで判断する神を最上位の神々と同列にしないでいただきたい、それに私はただ***に頼まれたから推薦したわけではないです、人間にだって、神になれる素質があります、だからこそ私は彼を推薦したんです」
そして最後にこう言ってやった。
「人間を下に見る、だからあなたは最上位の神になれないんですよ」
そう言うとダラスがこちらを振り返り一瞬私を睨む、その後ダラスは何も反論せずそそくさと去っていった。
「名もなき人間よ、かならず神になって、この腐った神界を変えるんだ」
―異世界、ガルシャ連合国ピクト
そろそろ町、ピクトに近づいたところで俺は車を止め降りる。
車はとりあえず異空間の中にしまい、ここからは徒歩でピクトを目指した。
車で街に入ろうとしたら、町の人々が驚くだろうし、あまり目立つのも良くない。
少し歩くと、ピクトの町の門が視認できた。
門付近には特に門番はいないようだが、活気づく人々の声が聞こえるのがわかる。
ピクトは問題なさそうだな。
門をくぐると、町内では店や芸などが並んでおり、多くの人々で賑わっていた。
辺りを見渡す限り、この町は比較的大きな町であることがわかる。
とりあえず店でも回ってみるか。
まず最初に武具店を訪れ、何か使えそうな武器があるか、またついでで旧ヒイラス王国のことを店主や客にさりげなく聞いてみることにした。
「ぃらっしゃい!」
武具店の中は思ってたより少し広く、鎧や槍、剣など色んな武器が店頭に置かれていた。
店頭に並ぶ武器を人通り見ていく。
んー…どれもパッとしないなあ、店主には申し訳ないんだけど。
どれもいい武器なのには変わりないが、正直自分で作ってきた武器の方が性能が高い。
しかし、旧ヒイラス王国について店主にも聞いておきたいため、一個だけでも何か買わないと失礼だ。
「その前に…」
俺は隣にいたおじさんに話しかけた。
「なんだい?お前さん、見ない顔だな?」
「突然話しかけて申し訳ない、実は少しお尋ねしたいことが…」
俺はそのおじさんに、かつて存在していたと思われるヒイラス王国の場所とこの世界の魔王はどのような存在なのかを尋ねた。
おじさんは俺の問いに「うーん」と唸りながら考え込む。
「もしできたら身内でこのこと知ってそうな人とかがいれば助かるんですが…」
「そうだな、わりい、そのヒイラス王国とやらは覚えていないが、魔王のことなら少し話せるぜ」
旧ヒイラス王国については知らなかったようだが、魔王のことは知っているとのことなので、一旦武具店を出て場所を移して話しを聞くことにした。
「魔王はな、俺が確か10才の時、ちょうど30年くらい前だな、見聞にはなるが、その時から突如として現れたらしい…」
「30年前から……」
「ああ、そこから数々の国が滅んでな、その時もしかしたらお前さんが言ってたヒイラス?とかも魔王に滅ぼされたのかもな」
「はい、俺も詳しくはわからないですが、そのヒイラス王国があった場所に今、魔王がいると聞いたので」
そう言うと、おじさんは一瞬目を見開いた表情を浮かべ、その後いつもの顔に戻る。
「お前さん、まさかとは思うが、魔王を探しているのか?」
おじさんの問いに対し俺は「はい」と答える。
「ちょっと色々と事情がありまして」
するとおじさんが「ちょっとこっちに」と手招きし、近づくと小声で俺に耳打ちした。
「実はな、ここからさらに北にあるギルデュア王国、バルア王国、キル公国それぞれ北部は立ち入りが禁止されているんだ、なぜ禁止なのかはわからんが、おそらくそこに魔王がいると俺は考えてる」
「それはなぜ?」
「俺は禁止区域以外の国々をほとんど回り切ってるからな、少なくとも俺が今まで行った国にはまず魔王がいる様子はなかった」
おじさんから有益な情報が得られ、俺は心の中でガッツポーズする。
試練が始まった初日で場所が絞られるのはかなり大きい。
「ありがとう、おかげで魔王を見つけるのが思ってたより早くなりそうだ」
「いや待て、北部だけでもかなり広いぞ、それに、北部に入るにはその国の許可が必要だ」
「大丈夫、それについては行く目処がある」
そう言い、俺は御礼としておじさんに渡そうと胸ポケットから袋を出して中から金貨10枚を取り出した。
「いや、そんないいって、俺はただ知ってることを話しただけだからさ」
「いえ、御礼としてどうか受け取ってください、それに、用事が済んだらもう通貨は使わないですし」
「使わない?」
「じゃ、そういうことで!ありがとな!」
おじさんはポカーンとしていたが、手を振るとおじさんも俺に手を振り返してくれた。
そして俺はピクトから出て、また異空間から車を取り出してエンジンをかける。
「よし、夜までぶっ通しで北へ向かって走らすか」
ここからだと一番最短で着くのはギルデュア王国だ、そこ目掛けてフルスピードでアクセルを踏む。
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