1 / 62
1.恋をしましょう!
001
しおりを挟む
八月最終日の金曜日。午後七時過ぎ。
本日最後のお客様をお見送りするために花屋の店先に出る。
黒の半袖ポロシャツに白のパンツというラフな格好の男性。だけど手には有名ブランドのビジネストートバッグを持っている。キャメル色のレザーは大事に使い込んだ色合いだった。
年齢は二十代後半ぐらいだろうか。いや、かなり落ち着いた雰囲気だから、もしかしたら三十代かもしれない。
二ヶ月ほど前から来店するようになり、三回目の来店のとき、「樫村《かしむら》といいます」と自ら名乗ってくれた。
バッグを持つ手とは反対の手には、今しがたうちの店で買い求めてくださった、さわやかな青い色をしたデルフィニウムの小さな花束がある。
奥様へのプレゼントかな。でも結婚指輪はしていない。なら恋人にあげるのかもしれない。
奥様なのか、恋人なのかはわからないけれど、彼女はきっと幸せに包まれた穏やかな生活を送っているんだろうな。
樫村さんの素朴なやさしい笑顔を見ながら、今日もそんなことを思った。
「いつもありがとうございます」
「また寄らせてもらいます」
「はい、お待ちしています」
すっきりとした短髪のうしろ姿は細身。背筋がすっと伸びて姿勢がいいので、さほど背は高くないのにそれを感じさせない。
樫村さんは足取り軽く、駅のほうへ歩いていった。
「最近よくいらしてますね、樫村さん」
そう言ったのは、アルバイトの榎本正親《えのもとまさちか》くん。
「ありがたいよね。ああいうお客様も一人ひとり大切にしていかないと、うちみたいな小さいお店は潰れちゃうから」
「でも最近は固定客もついてきてますし、売り上げも少しずつ伸びてきてるじゃないですか」
「ううん、まだまだだよ。もっともっとがんばらないと」
売り上げが伸びてきているといっても、それまでがひどかっただけで、経営は今も厳しいものがある。
「大丈夫ですって。咲都《さと》さんのアレンジメント、じわじわ人気が出てますから」
店先に並べてある鉢物を店内にしまいながら、榎本くんが言う。
榎本くんは高校を卒業してからも定職に就かず、ずっとフリーター生活をしている。
年齢はわたしよりも四つ下の二十二歳。うちの店で働きはじめて三年ほどになる。
車の運転もできるから配達もこなすし、花のアレンジメントもうまい。茶髪で見た目も言動もチャラいけれど、仕事に取り組む姿勢はまじめで欠勤もしないので、すごく頼りになるし、大事な即戦力だ。
『FLORAL《フローラル》はるな』
それがうちの店の名前。名字が春名《はるな》なので、それが由来。
現在、わたしと塔子《とうこ》さんと榎本くんの三人で店を切り盛りしている。
塔子さんは基本的に早番。榎本くんには遅番をお願いしている。
塔子というのはわたしの実の母。お客様の手前、店では名前で呼んでいる。
店は三階建ての雑居ビルの一階。都内のオフィス街のメインストリートから一本奥の路地裏にある小さな商店街にひっそりと佇んでいる。
駅までは歩いて十分もかからないし、オフィス街が近いので、立地はそれほど悪いとは思っていない。けれど駅前に大きな花屋ができて、お客のほとんどはそちらに流れてしまっている。
そんなわけで、残念ながら現実は花の持つ華々しさや艶《あで》やかさとは正反対。地味に細々と営業をしている。それでも経営できているのは、商店街の人たちがご贔屓《ひいき》にしてくれるのと、この辺りの企業からの依頼がちらほらとあるからだ。
「ちょっと思ったんですけど、あのお客様、咲都さん狙いじゃないですか? 咲都さんに会うために花を買いにきてるって感じですよ」
「そんなわけないでしょう。毎回お花を買っていくだけだよ。誘われたことも一度もないんだから」
「まじめそうな人だから、言い出せないだけかもしれませんよ。あっ、俺がいたから誘えなかったのかも」
「ばかなこと言わないの」
そんなことあるわけない。髪を振り乱し、メイクも落ちて、泥やら樹液やらで汚れたエプロンを身につけた色気のないパンツスタイルのわたしを、きれいだとか可愛いとか思う男性なんているわけない。
「咲都さん、ずっと彼氏いないんですよね?」
「……べ、別にほしいとも思ってないもん」
「そんなこと言わないで、恋をしましょうよ。咲都さんってまだ二十六でしょう」
「恋なんて……。どこにそんな暇あるの?」
これでも一応オーナー店長。朝から晩まで働きづめ。オフィス街にあるから定休日は日曜日だけれど、その日曜日だって花や鉢物の世話があるから、店に顔を出すことも多い。
「そんなこと言ってたら、この先もずっとひとり身ですよ」
「もう……放っておいてよ。榎本くんに心配してもらわなくても大丈夫。それよりほら、さっさと店じまいするよ」
わたしも榎本くんと一緒に鉢物を店のなかに運ぶ。
今は恋愛することは考えられない。この店を維持していくだけでいっぱいいっぱいで、恋なんてとてもとても……。そもそも出会いすらないんだから。
もともとこの店は父が独身時代にオープンさせ、それから数年後、塔子さんと結婚して一緒に営んでいた。だけど三年前に父が病気で亡くなり、しばらくは塔子さんがオーナー店長としてなんとか守ってきた。
もちろん、わたしも必死に塔子さんを支える努力をした。中学生の頃から店を手伝ってきたので、基本的な知識と経験はあった。
でもやがて限界がきてしまう。そのため父が亡くなって一年半後、わたしはそれまで勤めていた会社を退職し、花屋を継ぐ決意をした。
大学卒業後、二年間勤めていた会社を退職しようと決意したのは、塔子さんに店をまかせておけなかったから。
この仕事は肉体労働で、とにかく忙しい。今はわたしと塔子さんと榎本くんの三人でまわしているけれど、はっきりいって人手が足りない。だけどアルバイトの人を追加で雇うことは予算的に無理な話で、それだけぎりぎりの経営状態の店を、塔子さんはかつて潰しかけてしまった。
残念ながら、塔子さんには商才がなかった。接客やアレンジメントは立派にこなせても、仕入れや経理はほとんど父が行っていたため、店の経営の仕方を知らなかったのだ。
わたしはどうしてもこの店を守りたかった。父の残してくれたこの店を。そして、まだ四十代後半の塔子さんの生きがいを失くすわけにもいかなかった。
本日最後のお客様をお見送りするために花屋の店先に出る。
黒の半袖ポロシャツに白のパンツというラフな格好の男性。だけど手には有名ブランドのビジネストートバッグを持っている。キャメル色のレザーは大事に使い込んだ色合いだった。
年齢は二十代後半ぐらいだろうか。いや、かなり落ち着いた雰囲気だから、もしかしたら三十代かもしれない。
二ヶ月ほど前から来店するようになり、三回目の来店のとき、「樫村《かしむら》といいます」と自ら名乗ってくれた。
バッグを持つ手とは反対の手には、今しがたうちの店で買い求めてくださった、さわやかな青い色をしたデルフィニウムの小さな花束がある。
奥様へのプレゼントかな。でも結婚指輪はしていない。なら恋人にあげるのかもしれない。
奥様なのか、恋人なのかはわからないけれど、彼女はきっと幸せに包まれた穏やかな生活を送っているんだろうな。
樫村さんの素朴なやさしい笑顔を見ながら、今日もそんなことを思った。
「いつもありがとうございます」
「また寄らせてもらいます」
「はい、お待ちしています」
すっきりとした短髪のうしろ姿は細身。背筋がすっと伸びて姿勢がいいので、さほど背は高くないのにそれを感じさせない。
樫村さんは足取り軽く、駅のほうへ歩いていった。
「最近よくいらしてますね、樫村さん」
そう言ったのは、アルバイトの榎本正親《えのもとまさちか》くん。
「ありがたいよね。ああいうお客様も一人ひとり大切にしていかないと、うちみたいな小さいお店は潰れちゃうから」
「でも最近は固定客もついてきてますし、売り上げも少しずつ伸びてきてるじゃないですか」
「ううん、まだまだだよ。もっともっとがんばらないと」
売り上げが伸びてきているといっても、それまでがひどかっただけで、経営は今も厳しいものがある。
「大丈夫ですって。咲都《さと》さんのアレンジメント、じわじわ人気が出てますから」
店先に並べてある鉢物を店内にしまいながら、榎本くんが言う。
榎本くんは高校を卒業してからも定職に就かず、ずっとフリーター生活をしている。
年齢はわたしよりも四つ下の二十二歳。うちの店で働きはじめて三年ほどになる。
車の運転もできるから配達もこなすし、花のアレンジメントもうまい。茶髪で見た目も言動もチャラいけれど、仕事に取り組む姿勢はまじめで欠勤もしないので、すごく頼りになるし、大事な即戦力だ。
『FLORAL《フローラル》はるな』
それがうちの店の名前。名字が春名《はるな》なので、それが由来。
現在、わたしと塔子《とうこ》さんと榎本くんの三人で店を切り盛りしている。
塔子さんは基本的に早番。榎本くんには遅番をお願いしている。
塔子というのはわたしの実の母。お客様の手前、店では名前で呼んでいる。
店は三階建ての雑居ビルの一階。都内のオフィス街のメインストリートから一本奥の路地裏にある小さな商店街にひっそりと佇んでいる。
駅までは歩いて十分もかからないし、オフィス街が近いので、立地はそれほど悪いとは思っていない。けれど駅前に大きな花屋ができて、お客のほとんどはそちらに流れてしまっている。
そんなわけで、残念ながら現実は花の持つ華々しさや艶《あで》やかさとは正反対。地味に細々と営業をしている。それでも経営できているのは、商店街の人たちがご贔屓《ひいき》にしてくれるのと、この辺りの企業からの依頼がちらほらとあるからだ。
「ちょっと思ったんですけど、あのお客様、咲都さん狙いじゃないですか? 咲都さんに会うために花を買いにきてるって感じですよ」
「そんなわけないでしょう。毎回お花を買っていくだけだよ。誘われたことも一度もないんだから」
「まじめそうな人だから、言い出せないだけかもしれませんよ。あっ、俺がいたから誘えなかったのかも」
「ばかなこと言わないの」
そんなことあるわけない。髪を振り乱し、メイクも落ちて、泥やら樹液やらで汚れたエプロンを身につけた色気のないパンツスタイルのわたしを、きれいだとか可愛いとか思う男性なんているわけない。
「咲都さん、ずっと彼氏いないんですよね?」
「……べ、別にほしいとも思ってないもん」
「そんなこと言わないで、恋をしましょうよ。咲都さんってまだ二十六でしょう」
「恋なんて……。どこにそんな暇あるの?」
これでも一応オーナー店長。朝から晩まで働きづめ。オフィス街にあるから定休日は日曜日だけれど、その日曜日だって花や鉢物の世話があるから、店に顔を出すことも多い。
「そんなこと言ってたら、この先もずっとひとり身ですよ」
「もう……放っておいてよ。榎本くんに心配してもらわなくても大丈夫。それよりほら、さっさと店じまいするよ」
わたしも榎本くんと一緒に鉢物を店のなかに運ぶ。
今は恋愛することは考えられない。この店を維持していくだけでいっぱいいっぱいで、恋なんてとてもとても……。そもそも出会いすらないんだから。
もともとこの店は父が独身時代にオープンさせ、それから数年後、塔子さんと結婚して一緒に営んでいた。だけど三年前に父が病気で亡くなり、しばらくは塔子さんがオーナー店長としてなんとか守ってきた。
もちろん、わたしも必死に塔子さんを支える努力をした。中学生の頃から店を手伝ってきたので、基本的な知識と経験はあった。
でもやがて限界がきてしまう。そのため父が亡くなって一年半後、わたしはそれまで勤めていた会社を退職し、花屋を継ぐ決意をした。
大学卒業後、二年間勤めていた会社を退職しようと決意したのは、塔子さんに店をまかせておけなかったから。
この仕事は肉体労働で、とにかく忙しい。今はわたしと塔子さんと榎本くんの三人でまわしているけれど、はっきりいって人手が足りない。だけどアルバイトの人を追加で雇うことは予算的に無理な話で、それだけぎりぎりの経営状態の店を、塔子さんはかつて潰しかけてしまった。
残念ながら、塔子さんには商才がなかった。接客やアレンジメントは立派にこなせても、仕入れや経理はほとんど父が行っていたため、店の経営の仕方を知らなかったのだ。
わたしはどうしてもこの店を守りたかった。父の残してくれたこの店を。そして、まだ四十代後半の塔子さんの生きがいを失くすわけにもいかなかった。
1
お気に入りに追加
376
あなたにおすすめの小説
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
月城副社長うっかり結婚する 〜仮面夫婦は背中で泣く〜
白亜凛
恋愛
佐藤弥衣 25歳
yayoi
×
月城尊 29歳
takeru
母が亡くなり、失意の中現れた謎の御曹司
彼は、母が持っていた指輪を探しているという。
指輪を巡る秘密を探し、
私、弥衣は、愛のない結婚をしようと思います。
ウブな政略妻は、ケダモノ御曹司の執愛に堕とされる
Adria
恋愛
旧題:紳士だと思っていた初恋の人は私への恋心を拗らせた執着系ドSなケダモノでした
ある日、父から持ちかけられた政略結婚の相手は、学生時代からずっと好きだった初恋の人だった。
でも彼は来る縁談の全てを断っている。初恋を実らせたい私は副社長である彼の秘書として働くことを決めた。けれど、何の進展もない日々が過ぎていく。だが、ある日会社に忘れ物をして、それを取りに会社に戻ったことから私たちの関係は急速に変わっていった。
彼を知れば知るほどに、彼が私への恋心を拗らせていることを知って戸惑う反面嬉しさもあり、私への執着を隠さない彼のペースに翻弄されていく……。
自信家CEOは花嫁を略奪する
朝陽ゆりね
恋愛
「あなたとは、一夜限りの関係です」
そのはずだったのに、
そう言ったはずなのに――
私には婚約者がいて、あなたと交際することはできない。
それにあなたは特定の女とはつきあわないのでしょ?
だったら、なぜ?
お願いだからもうかまわないで――
松坂和眞は特定の相手とは交際しないと宣言し、言い寄る女と一時を愉しむ男だ。
だが、経営者としての手腕は世間に広く知られている。
璃桜はそんな和眞に憧れて入社したが、親からもらった自由な時間は3年だった。
そしてその期間が来てしまった。
半年後、親が決めた相手と結婚する。
退職する前日、和眞を誘惑する決意をし、成功するが――
【書籍化により12/31で引き下げ】千年前の恋を忘れずにいたら、高貴な御曹司の最愛になりました。
汐埼ゆたか
恋愛
書籍化により【2024/12/31】いっぱいで引き下げさせていただきます。
詳しくは近況ボードに書きましたのでご一読いただけたら幸いです。
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
୨୧┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈୨୧
美緒は生まれてから二十六年間誰もすきになったことがない。
その事情を話し『友人としてなら』と同僚男性と食事に行ったが、関係を迫られる。
あやうく部屋に連れ込まれかけたところに現れたのは――。
「僕と恋をしてみないか」
「きっと君は僕をすきになる」
「君が欲しい」
――恋は嫌。
あんな思いはもうたくさんなの。
・*:.。 。.:*・゚✽.。.:*・゚ ✽.。. 。.:*・゚✽.。.
旧財閥系東雲家 御曹司『ECアーバン開発』社長
東雲 智景(しののめ ちかげ)33歳
×
東雲商事子会社『フォーミー』総務課
滝川 美緒(たきがわ みお)26歳
・*:.。 。.:*・゚✽.。.:*・゚ ✽.。. 。.:*・゚✽.。.
「やっと捕まえた。もう二度と手放さない」
※他サイトでも公開中
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
元貧乏貴族の大公夫人、大富豪の旦那様に溺愛されながら人生を謳歌する!
楠ノ木雫
恋愛
貧乏な実家を救うための結婚だった……はずなのに!?
貧乏貴族に生まれたテトラは実は転生者。毎日身を粉にして領民達と一緒に働いてきた。だけど、この家には借金があり、借金取りである商会の商会長から結婚の話を出されてしまっている。彼らはこの貴族の爵位が欲しいらしいけれど、結婚なんてしたくない。
けれどとある日、奴らのせいで仕事を潰された。これでは生活が出来ない。絶体絶命だったその時、とあるお偉いさんが手紙を持ってきた。その中に書いてあったのは……この国の大公様との結婚話ですって!?
※他サイトにも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる