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第一章 悲しみのエンパシー
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めぐるのクラスは一年一組。教室に入ると、先に席に着いていた伊央がいつものようにじっと窓の外を見ていた。窓際から一列目のうしろから三番目が彼の席だ。
伊央は読書をしていないときはいつも窓の外を見ている。無表情のままじっと動かない。せいぜい瞬きをする程度で、近くから見ても人形かと思うくらい生命力を感じない。
「──さん。聞こえてる? 高比良さん?」
ふと、名前を呼ばれていることに気がつき、めぐるは周囲を見まわした。
「こっちだよ、うしろうしろ」
そう言われ、振り向くと、さわやか優等生の 遠峯 聖吾がにこやかな顔でめぐるを見おろしていた。遠峯はめぐるの席の後方で数人の男子と立ち話をしていたようだ。
「あっ、ごめん」
「よかった。シカトされてんのかと思った」
「ちょっと、ボーッとしてただけだよ」
「でもいつもだよね。人の話を聞いてないこと多くない?」
「そんなことないって。ちゃんと聞いてるよ」
めぐるはいつものように笑顔を作り、言葉を返す。
いつものようにというのは、こんなセリフを言われるのは初めてではないからだ。これまでに何度も、「ちょっと聞いてる?」とか「無視しないでよ」などと言われたことがあった。ひどいときには相手の機嫌を損ねてしまうことも。そんな過去もあり、めぐるは“集団”というものが苦手で、人の輪のなかで会話することにいつも不安を覚える。笑顔はそんな自分をごまかすための手段のひとつだった。
クラスメイトには打ち明けていないことだが、めぐるは左耳が重い難聴だった。聴力検査によると、かすかに音は拾っているようなのだが、ほぼ聞こえていない。
そのため左側から話しかけられると気がつかなかったり、言葉を聞き取れなかったりすることがある。音がどの方向から聞こえてくるのかもわからないし、雑音があると人の声はかき消され届かない。四人以上が集まってしゃべり出すと、頭がパンクしそうになるのだ。
だけど両耳が聞こえる人間に片耳が聞こえない不便さを理解してもらうための説明は難しい。日常生活に支障がない程度に聞こえているのに不便だと力説しても説得力がないし、所詮他人の感覚なのでうまくは伝わらないだろう。
そのため、めぐるはいつも伝えるのをあきらめてしまうのだが、伝えない理由はそれだけでない。わざわざ口に出すなんて、同情してくださいと言っているようなものだし、気を使わせるのも申し訳ない気持ちになるのだ。
「それで、なんの話?」
遠峯は機嫌を損ねることなく話を続けた。
「体育祭の打ちあげの出欠だよ。高比良さんの返事をまだもらってないから」
「ああ、それね。忘れてた」
明日とあさっての二日に渡り、毎年恒例の体育祭がある。二日目の最終日にバイキングレストランで打ちあげをやろうということになっていた。しかし、めぐるは気が進まず、返事をはぐらかしていた。「行く」と言わなければ、欠席扱いになるだろうと思っていたのだが。
「来るだろう?」
面と向かって言われると断りにくい。
「あの、えっと……」
「出席でお願いしまーす!」
「ちょっと 莉々亜、勝手に返事しないでよ!」
めぐるの気持ちなんておかまいなしに、小学校からの友人である 野垣莉々亜が答えた。
天真爛漫という言葉があてはまる。莉々亜はめぐるとは正反対で、いつも無邪気で明るい。
正反対なのは性格だけでない。丸顔でおとなしめの顔立ちのめぐるに対し、莉々亜はシャープな輪郭の華やかな美少女だ。
莉々亜はメジャーアイドルを目指している。
だが残念ながら、有名どころのオーディションはことごとく落ち、唯一引っかかったのが今年の五月にこのM市で受けたローカルアイドルのオーディションだった。『マカロン☆ハニーガール』というグループ名で、総勢八名。彼女らはM市の観光大使も 担い、地元を中心に活動している。
この学園は、基本的にアルバイトはOKなのだが、前代未聞の芸能活動に一部の教員から反対意見が出て、学園内で大問題になった。けれど芸能活動といっても休日を利用しての地域イベント──つまり町おこしのような活動が主だということがわかり、とりあえず様子を見ながらの許可ということに落ち着いたのだった。
「クラスのみんなで集まる機会なんてめったにないんだよ。めぐるは消極的すぎ。もっとたくさん遊んで人生を楽しまなきゃ」
莉々亜にかわいらしい笑顔をされると、なおさら断りにくくなる。
めぐるは大人数で集まるということに抵抗があった。左耳の難聴のせいもあるし、大勢でわいわいすることも好きではない。屋内で静かにのんびり過ごすことを好むタイプだった。
「高比良さん、本当に参加でいいの?」
遠峯はめぐるの顔色をうかがいながらたずねる。
「う、うん」
めぐるは仕方なく、参加することにした。莉々亜はにこにこと茶目っけある笑顔を向けていたが、その瞳は「欠席は許さないからね!」と言わんばかりにめぐるをじっと見据えていた。
「ねえ、雫石くんはどうする?」
話の流れで、遠峯が伊央にもたずねた。けれど伊央は一瞬だけ視線を窓からはずしただけで、遠峯の問いに答えることはない。
「雫石くーん、無視しないでって」
遠峯がおどけるように言っても、伊央はしっかりと無視を決め込んだ。
どうしてここまで拒絶しているのか、遠峯もめぐるもわからない。観念した遠峯は眉尻をさげ、苦笑したのだった。
さらに伊央は立ちあがると、教室を出ていこうとする。
「雫石くん?」
めぐるは心配になって声をかけるが、やはり伊央はかたくなに口を引き結んだままだった。
けれどその理由はなんとなく想像がついた。今日の一限目は保健体育なのだ。伊央は保健体育の授業のときは必ず行方をくらます。
授業を欠席するときは原則見学、もしくは教室で自習していなければならないのだが、伊央は見学したこともなければ、教室にもいない。次の授業がはじまる頃にはちゃんと戻ってくるのだが、担任も保健体育の教諭もとくに注意をしている様子はなく、それを快く思っていないクラスメイトもいた。
保健体育の授業を欠席するのは、どんな理由があるのだろう。色白の肌を見る限り、ひどく不健康そうなので病弱という可能性がある。それなら夏なのに長袖の服を着ているのはなんとなく合点がいった。
伊央は読書をしていないときはいつも窓の外を見ている。無表情のままじっと動かない。せいぜい瞬きをする程度で、近くから見ても人形かと思うくらい生命力を感じない。
「──さん。聞こえてる? 高比良さん?」
ふと、名前を呼ばれていることに気がつき、めぐるは周囲を見まわした。
「こっちだよ、うしろうしろ」
そう言われ、振り向くと、さわやか優等生の 遠峯 聖吾がにこやかな顔でめぐるを見おろしていた。遠峯はめぐるの席の後方で数人の男子と立ち話をしていたようだ。
「あっ、ごめん」
「よかった。シカトされてんのかと思った」
「ちょっと、ボーッとしてただけだよ」
「でもいつもだよね。人の話を聞いてないこと多くない?」
「そんなことないって。ちゃんと聞いてるよ」
めぐるはいつものように笑顔を作り、言葉を返す。
いつものようにというのは、こんなセリフを言われるのは初めてではないからだ。これまでに何度も、「ちょっと聞いてる?」とか「無視しないでよ」などと言われたことがあった。ひどいときには相手の機嫌を損ねてしまうことも。そんな過去もあり、めぐるは“集団”というものが苦手で、人の輪のなかで会話することにいつも不安を覚える。笑顔はそんな自分をごまかすための手段のひとつだった。
クラスメイトには打ち明けていないことだが、めぐるは左耳が重い難聴だった。聴力検査によると、かすかに音は拾っているようなのだが、ほぼ聞こえていない。
そのため左側から話しかけられると気がつかなかったり、言葉を聞き取れなかったりすることがある。音がどの方向から聞こえてくるのかもわからないし、雑音があると人の声はかき消され届かない。四人以上が集まってしゃべり出すと、頭がパンクしそうになるのだ。
だけど両耳が聞こえる人間に片耳が聞こえない不便さを理解してもらうための説明は難しい。日常生活に支障がない程度に聞こえているのに不便だと力説しても説得力がないし、所詮他人の感覚なのでうまくは伝わらないだろう。
そのため、めぐるはいつも伝えるのをあきらめてしまうのだが、伝えない理由はそれだけでない。わざわざ口に出すなんて、同情してくださいと言っているようなものだし、気を使わせるのも申し訳ない気持ちになるのだ。
「それで、なんの話?」
遠峯は機嫌を損ねることなく話を続けた。
「体育祭の打ちあげの出欠だよ。高比良さんの返事をまだもらってないから」
「ああ、それね。忘れてた」
明日とあさっての二日に渡り、毎年恒例の体育祭がある。二日目の最終日にバイキングレストランで打ちあげをやろうということになっていた。しかし、めぐるは気が進まず、返事をはぐらかしていた。「行く」と言わなければ、欠席扱いになるだろうと思っていたのだが。
「来るだろう?」
面と向かって言われると断りにくい。
「あの、えっと……」
「出席でお願いしまーす!」
「ちょっと 莉々亜、勝手に返事しないでよ!」
めぐるの気持ちなんておかまいなしに、小学校からの友人である 野垣莉々亜が答えた。
天真爛漫という言葉があてはまる。莉々亜はめぐるとは正反対で、いつも無邪気で明るい。
正反対なのは性格だけでない。丸顔でおとなしめの顔立ちのめぐるに対し、莉々亜はシャープな輪郭の華やかな美少女だ。
莉々亜はメジャーアイドルを目指している。
だが残念ながら、有名どころのオーディションはことごとく落ち、唯一引っかかったのが今年の五月にこのM市で受けたローカルアイドルのオーディションだった。『マカロン☆ハニーガール』というグループ名で、総勢八名。彼女らはM市の観光大使も 担い、地元を中心に活動している。
この学園は、基本的にアルバイトはOKなのだが、前代未聞の芸能活動に一部の教員から反対意見が出て、学園内で大問題になった。けれど芸能活動といっても休日を利用しての地域イベント──つまり町おこしのような活動が主だということがわかり、とりあえず様子を見ながらの許可ということに落ち着いたのだった。
「クラスのみんなで集まる機会なんてめったにないんだよ。めぐるは消極的すぎ。もっとたくさん遊んで人生を楽しまなきゃ」
莉々亜にかわいらしい笑顔をされると、なおさら断りにくくなる。
めぐるは大人数で集まるということに抵抗があった。左耳の難聴のせいもあるし、大勢でわいわいすることも好きではない。屋内で静かにのんびり過ごすことを好むタイプだった。
「高比良さん、本当に参加でいいの?」
遠峯はめぐるの顔色をうかがいながらたずねる。
「う、うん」
めぐるは仕方なく、参加することにした。莉々亜はにこにこと茶目っけある笑顔を向けていたが、その瞳は「欠席は許さないからね!」と言わんばかりにめぐるをじっと見据えていた。
「ねえ、雫石くんはどうする?」
話の流れで、遠峯が伊央にもたずねた。けれど伊央は一瞬だけ視線を窓からはずしただけで、遠峯の問いに答えることはない。
「雫石くーん、無視しないでって」
遠峯がおどけるように言っても、伊央はしっかりと無視を決め込んだ。
どうしてここまで拒絶しているのか、遠峯もめぐるもわからない。観念した遠峯は眉尻をさげ、苦笑したのだった。
さらに伊央は立ちあがると、教室を出ていこうとする。
「雫石くん?」
めぐるは心配になって声をかけるが、やはり伊央はかたくなに口を引き結んだままだった。
けれどその理由はなんとなく想像がついた。今日の一限目は保健体育なのだ。伊央は保健体育の授業のときは必ず行方をくらます。
授業を欠席するときは原則見学、もしくは教室で自習していなければならないのだが、伊央は見学したこともなければ、教室にもいない。次の授業がはじまる頃にはちゃんと戻ってくるのだが、担任も保健体育の教諭もとくに注意をしている様子はなく、それを快く思っていないクラスメイトもいた。
保健体育の授業を欠席するのは、どんな理由があるのだろう。色白の肌を見る限り、ひどく不健康そうなので病弱という可能性がある。それなら夏なのに長袖の服を着ているのはなんとなく合点がいった。
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