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プロポーズの夜に~交際ゼロ日婚~(6)

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 ずっと好きだった。
 幼かった恋心だけれど、想いは一途。
 大人になってほかの誰かに抱かれても想うのはいつも彼で、いつも焦がれていた。目を閉じて彼に抱かれていることを想像し、溺れさせられ、いかされた。
 さすがに毎回それだと相手にも悪いと思い、何度も追い出そうとしたけれど、それでもじわじわと浸透してきて、想像のなかで、わたしを好きだと何度もささやいてくれた──。

 密着している肌と肌に汗が浮き出る。
 とにかく暑い。
 シーツの冷たい手触りを求めて手を伸ばすけれど、その手を取られて抑えつけられ、さらに強く打ちつけられた。
 本当に容赦ない。やさしくするなんて嘘ばっかり。それが悔しくて、なるべく声を我慢して、ぎりぎりのところでこらえていた。
 だけど、わたしがどんなにがんばっても彼に敵うことはやっぱり不可能で……。

「あ、あぁっ!」

 身体が持ち上がるほどの衝撃とともに電気みたいなエクスタシーが身体の芯を貫いた。

「勝手にイクなよ」

 彼が動きをゆるめて言った。

「だって、急に……強くするから」
「おまえが先に仕かけてきたんだろう。悪いけど、俺はまだまだ満足してないから」
「えっ、ちょっと!」

 まだ快感がおさまっていないのに、なかをかきまわすように彼は再び動き出す。
 勝手にひとりで達してしまったわたしもわたしだけれど。もう少し女の身体をわかってもよくない?
 熱くなった舌が肌を犯す。ふたつのふくらみをたどり、固くなった先端をいじって甘噛みする。
 あまりの刺激にビクンッとなって声を上げると、すかさず唇をふさがれて、くぐもった喘ぎになった。
 身体の奥のそのまた奥で動いて、さっきよりも大きさを増して、律動とともにわたしをおびやかす。壊れるほどに揺さぶられ、高く高く追い立てられた。

「あっ、もう……やだ……」

 なんでこんな簡単に二度目の予感が訪れるの……?

「愛……」
「ん、もっと……」
「それってどっち? 名前を呼ぶこと? それとも違うほう?」
「両方と言ったら我儘かな?」
「いや、かまわないよ」

 何度も名前を呼ばれ、汗が滴るほどの猛烈な動きがさらなる快感を呼ぶ。彼の背中の汗を指先で確認しながら濡れていくシーツの上で貫かれ、この先に待ち受けている大きな波を想像して、期待してしまっている。

「もう、だめ……また……。お願い、早く……」
「わかってる、俺もそろそろ限界……」

 熱のこもった返事に安堵して、ふっと息をつくと、彼がわたしの脚の間で体勢を整え直す。
 蜜液で満たされているなかを確かめるように出し入れを繰り返し、やがて狙いを定めてスピードを上げた。

「ああっ……はっ、あ……」

 それは身体が仰け反るほど的確で、喘ぎ声を止められない。
 彼のテクニックは、わたしをどこへ連れていこうとしているのだろう。きっと見たことも感じたこともないくらい淫靡いんびで、それでいて神秘的のはず。

 やがて彼が最後に導いてくれた世界は──。

 急降下したまま身体の中心で爆発が起こり、その先に見えたのは真っ白な世界だった。強烈な快感のせいでなにも考えられない。わたしはただひたすらそのなかで溺れ続けた。

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