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転生したら悪役令嬢の取り巻きだった件
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「はっっ……はぁ……はぁ…はぁ……」
布団から飛び起きて荒い息を吐く。
「夢……だったのかな」
車に轢かれる瞬間がとてつもなくリアルで怖かった。足が救いあげられて頭をぶつける。痛みを感じる暇もなく……なんて。
「ってどこなのここ」
布団も部屋も何もかもが自分の家のものと違う。
ズキンッ
そのことを認識した瞬間、頭に激痛が走る。
そして頭の中に知らない記憶が流れ始めた。
感情までもが流れ込んできて自分が自分じゃないかのような。その記憶が自分のものであったかのように。
どのくらい時間が経ったのだろうか。
私は汗を大量に流していた。
だが、今の状況が少し分かった気がする。
その考えを確実にするために私は鏡の方へと向かった。
「やっぱり……」
その鏡に映っているのは黒髪の日本人ではなく銀髪の美少女だ。
そう。転生しちゃったみたい。さっきの夢も夢じゃなかったのね。
この身体はあの朝まで、やっていたゲームのオリビアというキャラだ。と言っても主要キャラという訳でもなく悪役令嬢であるアルナ・ライゼス公爵令嬢の取り巻きのキャラだった。
ルート分岐点の攻略対象のうちの一人であるルーカス皇子のパーティに出てきて皇子ルートや逆ハーレムルートであればそれ以降は一切出ない。BADENDルートや他のルートであれば主人公に度々嫌がらせに来ていた。何でも自分の婚約者のことを誑かそうとしたからってことだったような気がする。
公爵令嬢の取り巻きの中でも貴族としての位も高く伯爵令嬢で取り巻きは基本私を中心に動いているらしい。
これは記憶の中で知ったことだ。
そして今日はあの皇子のパーティらしく、昨日の夜ドレスを選んでいた記憶がある。
…………
やばいんだけど?!?!
実はそのパーティが運命の分岐点なのだ。ルーカス皇子というこの国の第二皇子なのだが実はアルナの婚約者なのだが皇子ルート、または逆ハーレムルート、つまり皇子が攻略対象になるルートではあればこのパーティで
「ライゼス公爵令嬢よ。お前の行動は目に余るのだ!今日をもって婚約は破棄させてもらう!」
と言われ、婚約破棄されてしまう。
婚約破棄されたら取り巻きの私まで影響受けちゃう!
だから皇子ルートと逆ハーレムルートは私が出なくなってたんだろうし。
その上アルナは私を救ってくれた、この身体の持ち主はずっと恩義を感じている。
そして、目に余る行動というのは主人公をいじめたというものなんだけど。
そんなのアルナはやってない。
取り巻きたちがやってきたことの全ての責任を負わされる形なのだ。それに合わせてこの身体の持ち主のオリビアも恐らく責任を負わされて追い出されたのだろう。だからこそアルナがいなくなったルートには出てこなくなったんだと考えている。
そして、悪役令嬢の真実で見たあの人の性格や可愛さは女の私でも惚れるほど、そしてこれからの攻略に影響が出るのではというほどにかわいそうなものだったのだ。
「今日、どうしよう……」
視た記憶通りならおそらくこの世界は逆ハーレムルートの可能性が高い。
五人もの男に囲まれている風景の記憶があったのだ。
そんなこと逆ハーレム以外ではなかったはず。
やだなやだなぁ。異世界転生なんて、それも乙女ゲーム転生なんてオタクの夢なのに!!
攻略した知識で無双!!とか妄想しちゃうくらいだったのに……
こんな破滅の未来が見えてる状況からなんて思ってなかったよ!!??
布団から飛び起きて荒い息を吐く。
「夢……だったのかな」
車に轢かれる瞬間がとてつもなくリアルで怖かった。足が救いあげられて頭をぶつける。痛みを感じる暇もなく……なんて。
「ってどこなのここ」
布団も部屋も何もかもが自分の家のものと違う。
ズキンッ
そのことを認識した瞬間、頭に激痛が走る。
そして頭の中に知らない記憶が流れ始めた。
感情までもが流れ込んできて自分が自分じゃないかのような。その記憶が自分のものであったかのように。
どのくらい時間が経ったのだろうか。
私は汗を大量に流していた。
だが、今の状況が少し分かった気がする。
その考えを確実にするために私は鏡の方へと向かった。
「やっぱり……」
その鏡に映っているのは黒髪の日本人ではなく銀髪の美少女だ。
そう。転生しちゃったみたい。さっきの夢も夢じゃなかったのね。
この身体はあの朝まで、やっていたゲームのオリビアというキャラだ。と言っても主要キャラという訳でもなく悪役令嬢であるアルナ・ライゼス公爵令嬢の取り巻きのキャラだった。
ルート分岐点の攻略対象のうちの一人であるルーカス皇子のパーティに出てきて皇子ルートや逆ハーレムルートであればそれ以降は一切出ない。BADENDルートや他のルートであれば主人公に度々嫌がらせに来ていた。何でも自分の婚約者のことを誑かそうとしたからってことだったような気がする。
公爵令嬢の取り巻きの中でも貴族としての位も高く伯爵令嬢で取り巻きは基本私を中心に動いているらしい。
これは記憶の中で知ったことだ。
そして今日はあの皇子のパーティらしく、昨日の夜ドレスを選んでいた記憶がある。
…………
やばいんだけど?!?!
実はそのパーティが運命の分岐点なのだ。ルーカス皇子というこの国の第二皇子なのだが実はアルナの婚約者なのだが皇子ルート、または逆ハーレムルート、つまり皇子が攻略対象になるルートではあればこのパーティで
「ライゼス公爵令嬢よ。お前の行動は目に余るのだ!今日をもって婚約は破棄させてもらう!」
と言われ、婚約破棄されてしまう。
婚約破棄されたら取り巻きの私まで影響受けちゃう!
だから皇子ルートと逆ハーレムルートは私が出なくなってたんだろうし。
その上アルナは私を救ってくれた、この身体の持ち主はずっと恩義を感じている。
そして、目に余る行動というのは主人公をいじめたというものなんだけど。
そんなのアルナはやってない。
取り巻きたちがやってきたことの全ての責任を負わされる形なのだ。それに合わせてこの身体の持ち主のオリビアも恐らく責任を負わされて追い出されたのだろう。だからこそアルナがいなくなったルートには出てこなくなったんだと考えている。
そして、悪役令嬢の真実で見たあの人の性格や可愛さは女の私でも惚れるほど、そしてこれからの攻略に影響が出るのではというほどにかわいそうなものだったのだ。
「今日、どうしよう……」
視た記憶通りならおそらくこの世界は逆ハーレムルートの可能性が高い。
五人もの男に囲まれている風景の記憶があったのだ。
そんなこと逆ハーレム以外ではなかったはず。
やだなやだなぁ。異世界転生なんて、それも乙女ゲーム転生なんてオタクの夢なのに!!
攻略した知識で無双!!とか妄想しちゃうくらいだったのに……
こんな破滅の未来が見えてる状況からなんて思ってなかったよ!!??
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