鬼ごっこ

再来

12
眩い光に誘われるかの様に、包まれ、呑み込まれた。
はじめは心地良かった。
しかし、徐々に襲われる不安、焦燥感、浮遊感
当て所なく襲ってくる感情に只耐えていた。
そこに広がっていたのは、どこか身に覚えのある場所。
足元には、ブランコの破片、滑り台の階段、壊れたベンチ、剥き出しになった鉄の棒。
目の前には、ニコリと笑みを浮かべ、こちらを見つめる
黒スーツ姿の男。
「　」
何かこちらに向けて話しているが、どういう理屈か、
全く耳に入ってこない。
「　」「　」「　」「　」……「　　　…？」
ゆるりと体を揺らしながらこちらに近づいてくる。
「……ｯﾄ…ﾔｯﾄ…ﾎﾞｸ…僕を…見つけてたね」
開けた視界の一面が、スーツ姿の男でいっぱいになる。

パチンｯｯ‼︎‼︎

その瞬間破裂音と共に、視界がグニャリと捻じ曲がった。

ふと気がつくと僕は毛布に包まれていた。
いつも見る天井が眼前に広がる。
いつもと同じ朝だ。