殿方逢瀬（短編集）

店員さん～？～

7

　彼はボウルから小さなローションボトルを取り出す。恐る恐る受け取った私はキャップを開け、手のひらにローションを出す。

「指に絡ませて」

　言われるがままに絡ませる。

「中にゆっくり入れてください」

　スカートに手を入れ、ショーツを掻き分ける。だがこれ以上は彼に見られていると思うと動かなかった。一人でしているところを見られているようで、これならしてもらった方がマシかもしれない。

「どうしました？」

「すいません……してもらってもいいですか？」

「はい」

彼はニコッと笑いローションを指に絡める。彼の指がショーツを掻き分けて入ってくる。

「……んっ」

「ローションいらなさそうですね。このまま広げててもいいですか？」

「はい……」

　クチュクチュッと彼の指が私の中を擦って水音を立てる。彼氏でもない人に声を聞かれるのは恥ずかしいので指を噛んで声を抑える。

「……んぅ……」

「気にしないでください」

　彼に口元の指を優しく外され、歯形が付いた部分をさすられる。彼はその部分を見て顔を顰めていた。

「……どうし、ました、か？」

「いえ、十分そうなので入れましょうか」

　彼はディルドをボウルから取り、一緒に持ってきていたタオルで拭く。ポケットからゴムを取り出し、慣れた手つきで装着する。私のスカートの下にディルドを潜り込ませる。

「挿れますよ」

「……はい」

　ディルドがゆっくりと私の中に入ってきて広げていく。自分で入れた時とは全然違う。すごく気持ちいい。

「んっ……」

　彼がゆっくり抜き差しをする。まだ半分しか入っていないのに入り口辺りを擦られて中が待ちきれずにヒクヒクしてしまう。もっと奥に欲しい。
　ふいに彼を見ると、こっちを見ていた彼と目が合う。

「……っ……」