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店員さん~?~
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しおりを挟む早めにお店に行ったらお客さんがいないだろうと思って店の前に着いたのが午後五時半。
……開いてなかった。
お客さんが来ない早い時間帯は閉まっているなんて考えてみればわかることなのに。お店の開店の出待ちなんて恥ずかしすぎる。どんだけ欲求不満なんだよとか思われそう。一時間ぐらいどこかで時間を潰そうと踵を返す。
目の前にはこの前の店員さんがいた。相変わらずの笑顔がまぶしい。
「こんばんは。今開けるので待ってくださいね」
「でもオープン前なんじゃ……」
「だいたい六時半ぐらいですけど、あってないようなもんなので」
ニコッとこちらを向いて笑いかける彼に釣られて私も笑顔になる。
「ありがとうございます」
「いえいえ」
彼はポケットから鍵を出し、ドアの上部と下部の鍵を開けていく。彼はブラックのチノパンにベージュのざっくり編まれたニットを着て、グレーのロングコートを羽織っていた。エプロンをつけていない彼は店員さんというよりはモデルのようだった。
「どうぞ」
「ありがとうございます」
お店のドアを開けてくれ、先に中に入る。電気のついていない店内は薄暗く、もの悲しい雰囲気が漂っていた。彼が後ろから入ってくる。
「奥へどうぞ」
店の奥へと消えていく彼に急いで彼の後をついて行った。
店内のすぐ裏側に六帖程の小さな会議室のような部屋に通された。デスクが四つ付きあわされて置かれていた。他には何もなく、窓際のブラインドから夕陽が漏れて入ってきていた。
「どうされました?」
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