殿方逢瀬（短編集）

店員さん～？～

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　チリンとドアにつけてあった鈴が鳴る音が聞こえる。誰かが入ってきたみたいだった。急に恥ずかしくなった私は急いで彼に言う。

「これもお願いします」

「えっ、説明は……はい、かしこまりました」

　急いで予約の商品を確かめ、袋に詰めてもらう。商品は外から見えない淡い水色の袋に包み、真っ白の紙袋の中に入れ、上をシールで留めてくれる。

「お待たせしました。また、何かありましたらお気軽にお越しください」

　笑顔で言う彼を横目に早々と紙袋を二つもらって出ていく。すれ違った客は私が終わるのを待っていたようですぐに彼に話しかけに行っている様だった。

　真由美の家に寄ってから帰宅。今日はなんだか疲れてしまった。早く寝たい……。私は紙袋をクローゼットの前に置いて、浴室へ向かった。

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『それで、使ったの？』

『何を？』

『あのお店で買ったやつ』

『あー、まだ開けてない』

『えーもったいないよ！』

　真由美とチャットしていて思い出した。そういえば買ってから一週間くらい経ってる。

　……Ｈなこと考えたらムラムラしてきてしまった。

　携帯を置いてベッドから下りる。クローゼットの前で開封する。
ん？　どうやって使うのこれ……。

ディルドと充電コードが入っているだけだった。説明書は特になく、外の箱にも何も書いていない。充電用の穴にコードを刺して充電してみる。他には何も見当たらない。電気がいるってことは何かしら動くと思うんだけど……。

――ちょっとコツがあるので説明しますね――

店員さんが説明しようとしたのを遮ったんだった……。しょうがない。
とりあえず本体を持ってベッドに戻る。携帯で色々調べて、やってみる。

……いいかも。

「……んっ……いいづかさん……あんっ」

　イッてから乱れた呼吸を整える。結局電源はつかなかったので自分の手で中を刺激した。

でも、少し物足りない。明日、お店に行って使い方を聞いて帰ってこよう。疲れた私はすぐに眠りに落ちた。