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瀬崎さん~口下手な彼~
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「なあ悠衣。これって動くんか」
「! 何やってるんですか!」
私が目を覚ますと瀬崎さんがさっきのディルドを持ってボタンらしきものを探していた。私は急いで彼から奪おうとするが、彼が腕を私の体の反対側に持って行ってしまってとることができない。
「なんや、そんなにこいつがお気に入りなんか」
「なっ! そういうことじゃないです! 返してください!」
「しゃあないなあ」
私が必死に抵抗するものだから瀬崎さんは渋々と返してくれた。私はディルドを瀬崎さんとは反対の方のベッドの下に置く。
「そういえば、瀬崎さん、なんでディルド知っていたんですか?」
「ああ、そういうのが好きなヤツがおってな。そいつが聞いてもないのにぺらぺら喋るもんやから覚えてしもたんや」
「へぇー。面白そうな人ですね。今度ぜひ」
「会わせん」
「えー、なんでですか」
「ろくなことにならんからや」
口を尖らせる私に瀬崎さんはキスをしてきた。驚く私に彼は片方の口角を上げる。
「俺のだけでは不満か?」
「不満……じゃない、です……」
「ええ子や」
瀬崎さんはわしゃわしゃと私の頭を撫でる。
「不満って言ったらどうしたんですか?」
「……なんや不満なんか」
「違いますよ! ちょっと気になっただけです」
彼は少し考えて私の耳元で囁く。
「ディルドと二人で手打ちにして貰うわ」
「フフッ。なんですかそれー」
「ええ案やろ」
「全然よくないです!」
私たちはお昼になるまでずっと話し込んでいた。すれ違っていた時間を取り戻すように。
END
「! 何やってるんですか!」
私が目を覚ますと瀬崎さんがさっきのディルドを持ってボタンらしきものを探していた。私は急いで彼から奪おうとするが、彼が腕を私の体の反対側に持って行ってしまってとることができない。
「なんや、そんなにこいつがお気に入りなんか」
「なっ! そういうことじゃないです! 返してください!」
「しゃあないなあ」
私が必死に抵抗するものだから瀬崎さんは渋々と返してくれた。私はディルドを瀬崎さんとは反対の方のベッドの下に置く。
「そういえば、瀬崎さん、なんでディルド知っていたんですか?」
「ああ、そういうのが好きなヤツがおってな。そいつが聞いてもないのにぺらぺら喋るもんやから覚えてしもたんや」
「へぇー。面白そうな人ですね。今度ぜひ」
「会わせん」
「えー、なんでですか」
「ろくなことにならんからや」
口を尖らせる私に瀬崎さんはキスをしてきた。驚く私に彼は片方の口角を上げる。
「俺のだけでは不満か?」
「不満……じゃない、です……」
「ええ子や」
瀬崎さんはわしゃわしゃと私の頭を撫でる。
「不満って言ったらどうしたんですか?」
「……なんや不満なんか」
「違いますよ! ちょっと気になっただけです」
彼は少し考えて私の耳元で囁く。
「ディルドと二人で手打ちにして貰うわ」
「フフッ。なんですかそれー」
「ええ案やろ」
「全然よくないです!」
私たちはお昼になるまでずっと話し込んでいた。すれ違っていた時間を取り戻すように。
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