殿方逢瀬（短編集）

瀬崎さん～口下手な彼～

25

　もう少し慣れてから瀬崎さんとエッチしようと思ってたけど、いい、よね。多分大丈夫。
　私は背伸びをして瀬崎さんの赤くなった耳元に唇を近づける。

「しませんか」

　彼は私の方を向き、目を合わせると無言でキスをしてきた。

「んっ……」

　私のお腹に瀬崎さんの怒張が当たる。服越しにでも大きくなっているのが伝わってくる。今からこれを受け入れると思うと身体が火照る。
　瀬崎さんに優しくお姫様抱っこされ、ベッドに降ろされる。足をベッドの上に奥っと、優しく押し倒され、キスが降ってくる。おでこ、鼻の頭、頬、唇。彼の唇が触れるところが熱を持っていく。
　彼に部屋着のシャツとズボンを脱がされ、下着だけの姿になる。瀬崎さんは私の首に舌を這わせながら密壺に指を入れる。彼が来るまでディルドを入れていたからかするっと入っていく。彼は指を二本に増やし、抽挿を始める。

「ああん！……んっ……あぅ」

　彼のごつごつとした指が奥の敏感なところを押し、中を擦り上げながら出ていく。彼は更に指を増やす。

「んッ」

彼の太い指が三本入ってくる。ギチギチと入り口が押し広げられる痛みに顔が歪む。
　瀬崎さんは私の声を聞き、すぐに指を引き抜いた。

「すまん、大丈夫か」

　彼は眉をハの字にしてこちらの顔を窺っていた。

「大丈夫です。入れてください」

私は瀬崎さんの首に腕を回してキスをする。安心してほしくて辛そうな彼に笑いかける。

「……悠衣……やっぱりやめておこう」

彼はキスを私の唇にそっと落としてからベッドに横になる。いつもされているからわかる。終わりの合図。でも今日は終わらせたくない。

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「なあ、やめへんか」
「やめません。瀬崎さんは嫌ですか？嫌ならやめます」
「嫌やないけど…」

ベッドの上で、私はオフホワイトの大人っぽい可憐なレースのデザインの下着だけを纏い、彼の腰の上に跨っていた。
彼は焦っていたが、私がいるので上体だけ起こして、片手を床につけていた。
彼のズボンのチャックは私の手によって寛げられている。
私はショーツを横にずらし、ゆっくりと腰を下ろして彼の怒張を中に挿れていく。
あまりの太さに充分慣らしたにも関わらず、私の中に引き裂かれるような痛みが走る。

「…っつ」

痛みで顔が引きつる。

「やめとき、無理せんでええ」

彼は私の肩を掴む。
力を加減してくれているのだろう、肩に痛みはない。
私は彼の忠告を無視してさらに腰を沈める。
グチュッ、グチュッ
中を圧迫されてから随分腰を下ろしたはずなのに、私の腿裏はまだ彼の肌に到達しない。

「んっ、、ちょっと待ってくださいね、、」

根元にいくにつれて太くなる彼の怒張に物怖じして、動けなくなってしまう。
平気を装い、笑顔で彼に微笑みかける。きっと上手く笑えていなかったのだろう、彼の眉根が寄せられていた。

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