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瀬崎さん~口下手な彼~
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それから5回、その……頑張った。
でもダメだった。
彼の太くて骨ばった指は2本受け入れられるようになったが、彼のモノは到底入りそうになかった。
でも少しずつ頑張ればきっとできる。
――ピンポーン――
インターホンが鳴り、ビクッと体が硬直する。
すぐに我に返り、急いでモニターの映像を見る。
そこには大好きな瀬崎さんがいた。
私は急いで通話ボタンを押す。
「すぐ開けます。ちょっと待ってください」
『わかった』
通話ボタンを切り、部屋に散らかっているものをさっと片付けて玄関に向かう。
すぐに開けようと鍵に手をかけたが手が止まる。深呼吸し、乱れていた息を整える。
――ガチャッ――
ドアを開けるとそこには神妙な面持ちの瀬崎さんが立っていた。
インターフォン越しには見えなかったからいつもの瀬崎さんが立っていると思っていた私は一瞬動きが止まる。
「ど、どうしたんですか急に。びっくりしました。どうぞ中に入ってください」
「すまんな」
それだけ言って部屋に入っていく瀬崎さん。
何度か訪れたこの部屋には瀬崎さんの席ができていて、彼は迷うことなくその
場所に座る。小さな1ルームのこの部屋には彼は似合わない。
シルバ〇〇ファミリーのお茶会にゴジラのおもちゃが入ってきたような感じと似ている。
私はキッチンでガラスコップに麦茶を入れてから、瀬崎さんの前のローテーブルにお茶を置く。
いつもは容器を置いている最中に「すまんな」や「ありがとう」が頭に飛んでくるのだが今日はない。
玄関での表情といい、いつもの上をいく無口さ加減といい、何かあったなと勘繰るには十分すぎる要素だった。
「私、何か怒らすようなことしましたか?」
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