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瀬崎さん~口下手な彼~
17※
しおりを挟む私は起き上がり、ベッドの近くにあるテーブルの上にあったタオルを手に取る。
昨日の夜、畳んでそのまま机の上に置き忘れていたんだと思う。
いつもはズボラな自分が嫌になるが、この時だけはありがたく感じてしまった。
「なんでや」
彼のお腹の辺りに体重をかけないようにして跨り、縦に丸めたタオルを彼の目に覆い、後ろで縛る。
瀬崎さんは特に抵抗もせず従ってくれるが、困惑していた。私の意図を掴みかねているようだった。
彼の怒張をジーンズ越しにさする。
「瀬崎さん、私は瀬崎さんとしたいです」
彼の怒張がピクピクと反応する。それを手で感じて安心する。
「瀬崎さんの体もしたそうです。でも、瀬崎さんはそうじゃないですよね」
「っ! そんなことは――「いいんです」
「瀬崎さんは好きな人を想像しててください」
「悠衣……」
「大丈夫です。瀬崎さんは気持ちよくなってください、さっきのお礼です」
彼のベルトを外し、ジーンズの前をくつろげる。
その時、彼が急に起き上がり、私の体を掴む。彼の目にはタオルはなかった。
「悠衣、そんなことしたらいかん。自分が傷つくだけや」
「大丈夫ですよ」
「俺は嫌や」
瀬崎さんにはっきりと嫌だと言われてしまった。
「悠衣、大丈夫か」
彼は枕元に振り返り、さっき外したタオルを取って私の目元を拭う。
ああ、涙抑えきれなかったんだ。
傷つくことは何となくわかってた。でも、それ以上に瀬崎さんとの思い出が欲しかった。
男の人はHできたらとりあえずする。っていうのをどこかで聞いたことがあったから、できるかなって思ったけど、私が浅はかだった。
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