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瀬崎さん~口下手な彼~
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しおりを挟む「……! 悠衣」
彼のズボンには硬く滾ったモノが今にも出たそうにビクビクとしていた。
「どうして、やめちゃうんですか? もっと……したいです」
「! ……悠衣あんま煽らんでくれ」
下も反応しているのに、
彼がどうしてしたくないのかさっぱりわからなかった。
考えられるとしたら、一つだけ。
「私と……したくない、ですよね」
言いながら目頭が熱くなる。
私は顔が見えないように彼の厚い胸に顔をうずめる。
ダメだ。泣いたらめんどくさい女だと思われてしまう。
出てきそうになる涙を堪えながら、何もないかのように声を出す。
「すいません。付き合わせちゃって。ありがとうございました。気持ちよかったで――」
瀬崎さんに顔を上に向けられる。
彼の真剣な目と合い、何も喋ることができなくなる。
「……泣いてるんか」
彼に聞かれてギクッとしたが、まだ涙は出ていない。
大丈夫だと自分に言い聞かせる。
「いいえ、たくさんイっちゃいましたから。その時に潤んだんだと思います。」
彼は眉間にしわを寄せる。
彼がそうするのは、普通の人のように不快な時にする時もあれば、真剣な時もする。いつもは大体後者だが、今は不快だと咎められているように感じた。
嫌悪感を抱かせてしまっただろうか。
きっと今日でこの関係は終わってしまう。
こんな風に途中で終わって次がある可能性なんて0同然だ。
でも、瀬崎さんは私の憧れの人だ。このままでは終わりたくない。
私はバレないように素早くシーツで涙を拭き、彼の方に向き直す。
「それじゃあ、目隠しをしましょう」
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