殿方逢瀬(短編集)

九条 いち

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瀬崎さん~口下手な彼~

14※

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瀬崎さんはゆっくりと私の手を拘束していた手を離し、私の顔に手を添える。

「イったんか」

「はい……すいません」

「あやまらんでええ。好きな時にイったらええ」

彼の顔は相変わらずぶっきらぼうで、でも言葉と仕草は甘く、優しい。
その違和感がたまらなく愛しいと思った。

私は瀬崎さんの首に手を回し、キスをねだった。
彼はすぐに応えてくれた。

「……んっ……はぁ、んっ……」

「……悠衣」

瀬崎さんは私の顔の横に左肘をつき、右手で器用にタイツを脱がす。
纏うものがなくなった足に少し肌寒くなった空気に触れる。
私の冷えた足を温めるかのようにかかとから足首、ふくらはぎへと熱の籠った手のひらがつたっていく。

太ももの内側をこねられる。
時折、手が秘部に近づく度に期待でナカが反応し、キュウキュウと締まる。

「指、入れるで」

「……はい」

湿ったショーツを横に寄せ、露わになった秘部に瀬崎さんの太く、筋張った指が入ってくる。

ヌプッ、ヌプ、グチュッ

「んっ……んぅっ……」

圧迫感が全身に走る。
彼の指が根元まで入り、少し私の体になじむまで待ってくれている。

「……」

少し経つとゆっくりと抽挿が始まった。

ズプッ、グチュグチュッ、ヌプッ、ズプッ、グチュグチュッ
「あんっ! ……んっ、あんっ……やぁっ……」

彼の指が中を擦るたびに快感が走り、肉襞がもっと欲しいというように締め付けて彼を離そうとしない。
それを無視して強引に中を抜け、また入ってくる。
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