殿方逢瀬(短編集)

九条 いち

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篠宮さん~飄々とした年上男性~

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私と篠宮さんは篠宮さんのオフィスに来ていた。
誰にも見つからない部屋。
今はまだ整理されてなくて物置のようになっている。


「悠衣ちゃん…」

彼は部屋に入ってすぐ私をきつく抱きしめた。
30秒ぐらい、ずっと抱きしめてた。

私がここにいるのを確かめているかのようだった。

少し体を離し、私の顎を上げ、キスをする。
優しくて、甘いキス

「ごめんね。余裕なくなっちゃってるね。」

篠宮さんは少し照れくさそうに笑う。

「いえ、余裕のない篠宮さんなんてめったに見れないので新鮮で楽しいです」

「楽しんでるの?笑」

「少し」

「悪い子だ」

そう言って彼は再び優しくキスをする。軽く、何回も。


チュッ、、チュッ、チュッ、、

次第に彼の唇は私の耳へ。

チュッ

「んっ、、」

「悠衣ちゃん、、」

耳元で囁かれ、感じてしまう。

「んっ、、」

「耳、感じるの?」

「んっ、篠宮さん、、あんッ」

「かわいい」

彼は耳を軽く噛み、舌で愛撫し、低い声で囁く。

くすぐったさと感じてしまう感覚とで変になりそう。

私が必死で耐えていると、
舌が徐々に首筋に下りてくる。

「んっ、ちょっと、まって、、しのみやさ、、」

「悠衣ちゃんのここ、すごくいいにおいがする」

彼は私の首筋を優しく愛撫する。
舐められ、時折吸われる。


チュッ、チュッ、チュッ、、

「んんっ、、あぁ、」

彼の唇が離れる。

彼が立ち上がって私を見ている。

あらためて近くに立って篠宮さんを見ると、彼との身長差をより感じる。

色気のある男性が上から微笑んでいて、
今からこの男性に抱かれるんだと思うと身体が熱くなった。

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