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彼女は手を振って一歩下がる。
「そんなっ、私たちで間に合っております故、 あなたのような方にの手を煩わせるわけにも参りません」
どうしてここまで謙遜されるかわからなかった。
不思議に思い、彼女の視線をたどると私の着ている着物に目がいった。今朝与えられた着物は柑子色で帯は白百合色、そのどちらにも細かな蔦の刺繍が入っている。
二組の着物を与えられて、あまり柄が派手でない方の着物を選んできたつもりだった。だが厨房にいた彼女たちと比べると明らかに高そうな着物だろう。
「いやっ、これは、その……っとにかく、やりたいんです。やらしてください」
「ほんとに大丈夫ですからっ」
「持ってきたよ!」
男の子は同じくらいの歳の友達を三人連れてきていた。
彼らも同じように思っていたのだろう。目を輝かせながら私のもとに器を持ってくる。
「すいません。少しだけ火を使うので、最初の火付けだけしてもらえませんか」
「っええ、もちろんです」
暖まった釜に彼らのお米を入れていく。少し待っている間、魚の骨と身を分けていく。 卵焼きも箸でつぶしていくと、辛そうな顔をする母親に胸が痛んだが、何も言わずに作業を続けていく。
釜のご飯につぶした卵焼き魚を入れ混ぜていくきれいに混ざったところで塩を入れ、最後に少しだけ醤油を入れて混ぜ合わせていく。
お茶碗にできたご飯を詰めていき、魚が乗せられていた皿の上にポンッと茶碗を裏返して置くと、半球体のご飯の山が出来上がる。
「できました」
「なにこれーっ!」
男の子たちは初めて見る料理をさまざまな角度から見ていた。
「食べてみて」
男の子たちがゆっくりとご飯を口に運んでいく。何度も作ったことがある料理だが彼らの反応がわかるまで緊張する。
「どう?」
「おいしーッ!」
「なんて言うのこれ⁉︎」
「チャーハンって言うんだよ」
「へえーすごい!」
「ずっとこれがいい!」
次々と箸で掬って口に運んでいく男の子達。
……よかった。ほんとによかった。安心して方がほころぶ。男の子の母親を見ると、彼女も嬉しそうにその様子を見ていた。
「よかったら……」
余っていたチャーハンの残りをよそって箸と一緒に彼女に手渡す。
彼女は恐る恐る受け取って、一匙を口に運ぶ。
「……うん……美味しいです」
口角の上がった彼女と顔を合わせて微笑む。
「わあっ!」
男の子の声に驚いた彼女が戸の方を見て目を大きく見開いた。彼女の視線の方向を私も見る。
「っ!」
戸にはびっしりと人がいて、こちらの様子を見ていた。
何かまずいことをしてしまっただろうか。
どうしようかと彼女を見ると、彼女は私に向かって優しく微笑んだ。
「みんな食べたいみたいそうです。 私たちも手伝いますので、よろしければもう一度作っていただけますでしょうか?」
「もちろんです!」
私は空になった釜にもう一度油をひき、彼女らのご飯を釜に入れた。
「沙理っ!」
朝食用に厨で作った大量のおにぎりを持って沙理の下に行く。彼女はお城の広場で訓練をしていた。
「おおっ椿! よし、では休憩にしよう」
「はい!」
訓練をしていた若い女性達の元に行き、おにぎりを配って回る。空になった箱を持って沙理のところへ行くと、彼女は下顎を出して文句を言った。
「拙者のがないんだがー」
「フフーン」
私は袖から特大のおにぎりを三つ出した。
「沙理専用のおにぎり作って参りました」
「おおっ!」
沙理は勢いよく竹皮を開けておにぎりに齧り付く。
「塩が効いていて美味い! 普通のは塩が薄い気がするからこれぐらいがいいんだよ! さすが椿!」
「塩を多めにしただけでそこまで言われるほどじゃないよ」
「いやー塩加減こそ大変で大事だからね。すごいよ」
「ふふっ、ありがとう」
もぐもぐと口一杯におにぎりを頬張る沙理を眺める。彼女は少し濃いめの味付けが好みだ。自分と違う味付けの好みを持つ沙理の美味しいと感じるものを作るのには苦労したが、今では、『これ好きそう』と彼女のための味付けを思いつくこともあるまでになった。
木陰でおにぎりを食べている女性たちの様子も伺う。
うん。よかった、ちゃんと美味しそうだ。
彼女たちが食べている木陰が、以前通政さんと行ったお寺の境内にすごく似ていた。通政さんもあの時、すごく懐かしそうにしていた。 彼もここで稽古をしたりしていたのだろうか。
だとしたら彼の昔を垣間見れたような気がして口角が自然と上がる。
「なになに⁉︎ すごく楽しそうな顔してー」
「そんな顔してた⁉︎」
「うん。ニヤニヤしてた」
「恥ずかしい……」
ニヤけた顔が元に戻るように、私も自分のおにぎりを出して食べる。合間に遠くから流れてくる爽やかな風が心地よかった。
「それにしても沙理は凄いねぇ。いきなり見張り槍部隊の隊長になるんだもん」
「一時期ハマって動画サイト見ながら練習してたからなあ。画面の向こうの師範代に感謝だな」
「沙理の元々のセンスも大きそうだけどね」
「才能と言ってくれたまえ椿君」
低い声で選ぶる沙理に「はいはい、才能です」と答える。
元々剣道をしていたとは言え、沙理の適応力には驚かされる。隊の女性達にも慕われていて、とても仲が良さそうだ。
沙理が『動きにくい!』と言って作ってもらった新しい服は現代服の様に動きやすそうだった。それに着物の生地が加わり、色とりどりの服を皆が着ていた。その様子はとても美しく、見ているだけで楽しくなった。
「厨はどう? お昼のメニューにチャーハンが入った所を見ると大丈夫そうだとは思うけど」
「うん、まあぼちぼちだね。仕事は限られているから」
こんな仕事は私たちがやりますからあまり作業を手伝わせてくれてはいなかった。そのかわり新しいメニューを考えたりとか飾り付けとか楽しい事は出来をいっぱいやらせてもらっている。すごく嬉しいし感謝しているけど、みんなと同じように同じ作業をしたい。何とか彼女たちの手伝いもできないか模索しているところだ。
「それに……」
「それに?」
沙理はおにぎりの最後の一口を食べながら横目で私を見た。
****
「こんなよく分からないものを作ったのは誰⁉︎」
「めぐ様!」
厨の中にいたみんながすぐに頭を下げた。
「私です」
手を上げてめぐさんを見る。彼女はニヤッと笑った。
「椿さんね。こんな奇抜な物食べられません。今までの食事に戻してください。私のお婆さまが慣れない食事で体調を崩してしまうわ。そうなったらあなたに責任取れるの⁉︎」
「……すいません」
「何て⁉︎」
「申し訳ありませんでした」
私とめぐさん以外の厨の全員が一斉に深く頭を下げた。急いで私も同じように頭を下げる。
「っ……、わかればいいのよ! 全く」
めぐさんが出ていった後、厨に沈黙が続く。
「申し訳ありませんでした」
みんなに向かって深く頭を下げた。
「頭を上げてください。私達は気にしていませんから」
言葉ではそう言っていたが明らかに困惑していた。
実際には違うけれど、町全体が混乱している今、自分は高い身分になっている。高い身分の人が内と外にいて板挟みになっていたらひどく仕事がしづらいだろう。なんとか手助けになればと思っていたが、彼女達の負担にしかなっていない。
明日からは厨に行くのは朝のすごく忙しい時間帯だけにしよう。その方が彼女達の負担もきっと減るはず。
****
「私の周りでは椿の考えた料理好評だったけどなあ」
「ありがとう」
沙理に両頬をつねられる。
「ひはい……」
『痛い』がうまく言えない。なぜつねられているのか分からないまま口をパクパクさせることしかできない。
「っふ。かわいい」
やっと沙理が手を離してくれた。
「なんでつねったのお!」
「無理に笑ったから」
「えっ?」
「私の前でまで取り繕われるのは傷つくよ」
沙理に心配をかけまいと『そこまで気にしていない』ように振る舞ったのだが、彼女には見抜かれていた。それに彼女まで傷つけてしまっていたなんて。自分の浅はかさに心が沈む。
「ごめん」
「わかれば良いのさっ!」
沙理は勢いよく立ち上がる。
「もっと話をしていたいけど、あいつらを扱かねばならぬからな」
「ふふっ。わかった」
沙理は練習用の薙刀を持って練習場に戻っていく。
「さあ淑女達! 訓練再開だ!」
「はいっ!」
沙理の背中は細かったが、とても逞しく見えた。
「後少しで終わるー」
「椿は器用だなあ。私は半分もいってないよ」
『じゃあどうするんですか⁉︎』
『あなたも考えたらどうなんです⁉︎』
広間から大きな怒鳴り声が聞こえてきて、二人して顔を見合わせる。揉め事が起こっているのだろうか。
自室で裁縫していた私たちはみんなに紹介するために作っていたTシャツを置いて部屋を出た。声のする方に近づくにつれて切迫している様子が伝わってくる。
広間に着いて襖を勢いよく開けると人がでごった返していた。百人ほど入る大きな広間に二百人はいるだろう。ぎゅうぎゅうになってそれぞれの意見を言い合っていて、私たちが入ってきたことには誰も気づいていなかった。
とりあえず二人で聞き耳を立てる。
「……だが前線はいっぱいいっぱいで誰も行くことができない。それなら私たちが行くしかないでしょう」
「でもどうやって人を決めるのです。死ねと言っているようなものです。誰が喜んでいきましょう?」
「ですが我々が行かないと彼らも全滅してしまいかねません。今の戦況は五分五分といったところです」
「どうしてそこまで追い詰められたのか」
「そんなっ、私たちで間に合っております故、 あなたのような方にの手を煩わせるわけにも参りません」
どうしてここまで謙遜されるかわからなかった。
不思議に思い、彼女の視線をたどると私の着ている着物に目がいった。今朝与えられた着物は柑子色で帯は白百合色、そのどちらにも細かな蔦の刺繍が入っている。
二組の着物を与えられて、あまり柄が派手でない方の着物を選んできたつもりだった。だが厨房にいた彼女たちと比べると明らかに高そうな着物だろう。
「いやっ、これは、その……っとにかく、やりたいんです。やらしてください」
「ほんとに大丈夫ですからっ」
「持ってきたよ!」
男の子は同じくらいの歳の友達を三人連れてきていた。
彼らも同じように思っていたのだろう。目を輝かせながら私のもとに器を持ってくる。
「すいません。少しだけ火を使うので、最初の火付けだけしてもらえませんか」
「っええ、もちろんです」
暖まった釜に彼らのお米を入れていく。少し待っている間、魚の骨と身を分けていく。 卵焼きも箸でつぶしていくと、辛そうな顔をする母親に胸が痛んだが、何も言わずに作業を続けていく。
釜のご飯につぶした卵焼き魚を入れ混ぜていくきれいに混ざったところで塩を入れ、最後に少しだけ醤油を入れて混ぜ合わせていく。
お茶碗にできたご飯を詰めていき、魚が乗せられていた皿の上にポンッと茶碗を裏返して置くと、半球体のご飯の山が出来上がる。
「できました」
「なにこれーっ!」
男の子たちは初めて見る料理をさまざまな角度から見ていた。
「食べてみて」
男の子たちがゆっくりとご飯を口に運んでいく。何度も作ったことがある料理だが彼らの反応がわかるまで緊張する。
「どう?」
「おいしーッ!」
「なんて言うのこれ⁉︎」
「チャーハンって言うんだよ」
「へえーすごい!」
「ずっとこれがいい!」
次々と箸で掬って口に運んでいく男の子達。
……よかった。ほんとによかった。安心して方がほころぶ。男の子の母親を見ると、彼女も嬉しそうにその様子を見ていた。
「よかったら……」
余っていたチャーハンの残りをよそって箸と一緒に彼女に手渡す。
彼女は恐る恐る受け取って、一匙を口に運ぶ。
「……うん……美味しいです」
口角の上がった彼女と顔を合わせて微笑む。
「わあっ!」
男の子の声に驚いた彼女が戸の方を見て目を大きく見開いた。彼女の視線の方向を私も見る。
「っ!」
戸にはびっしりと人がいて、こちらの様子を見ていた。
何かまずいことをしてしまっただろうか。
どうしようかと彼女を見ると、彼女は私に向かって優しく微笑んだ。
「みんな食べたいみたいそうです。 私たちも手伝いますので、よろしければもう一度作っていただけますでしょうか?」
「もちろんです!」
私は空になった釜にもう一度油をひき、彼女らのご飯を釜に入れた。
「沙理っ!」
朝食用に厨で作った大量のおにぎりを持って沙理の下に行く。彼女はお城の広場で訓練をしていた。
「おおっ椿! よし、では休憩にしよう」
「はい!」
訓練をしていた若い女性達の元に行き、おにぎりを配って回る。空になった箱を持って沙理のところへ行くと、彼女は下顎を出して文句を言った。
「拙者のがないんだがー」
「フフーン」
私は袖から特大のおにぎりを三つ出した。
「沙理専用のおにぎり作って参りました」
「おおっ!」
沙理は勢いよく竹皮を開けておにぎりに齧り付く。
「塩が効いていて美味い! 普通のは塩が薄い気がするからこれぐらいがいいんだよ! さすが椿!」
「塩を多めにしただけでそこまで言われるほどじゃないよ」
「いやー塩加減こそ大変で大事だからね。すごいよ」
「ふふっ、ありがとう」
もぐもぐと口一杯におにぎりを頬張る沙理を眺める。彼女は少し濃いめの味付けが好みだ。自分と違う味付けの好みを持つ沙理の美味しいと感じるものを作るのには苦労したが、今では、『これ好きそう』と彼女のための味付けを思いつくこともあるまでになった。
木陰でおにぎりを食べている女性たちの様子も伺う。
うん。よかった、ちゃんと美味しそうだ。
彼女たちが食べている木陰が、以前通政さんと行ったお寺の境内にすごく似ていた。通政さんもあの時、すごく懐かしそうにしていた。 彼もここで稽古をしたりしていたのだろうか。
だとしたら彼の昔を垣間見れたような気がして口角が自然と上がる。
「なになに⁉︎ すごく楽しそうな顔してー」
「そんな顔してた⁉︎」
「うん。ニヤニヤしてた」
「恥ずかしい……」
ニヤけた顔が元に戻るように、私も自分のおにぎりを出して食べる。合間に遠くから流れてくる爽やかな風が心地よかった。
「それにしても沙理は凄いねぇ。いきなり見張り槍部隊の隊長になるんだもん」
「一時期ハマって動画サイト見ながら練習してたからなあ。画面の向こうの師範代に感謝だな」
「沙理の元々のセンスも大きそうだけどね」
「才能と言ってくれたまえ椿君」
低い声で選ぶる沙理に「はいはい、才能です」と答える。
元々剣道をしていたとは言え、沙理の適応力には驚かされる。隊の女性達にも慕われていて、とても仲が良さそうだ。
沙理が『動きにくい!』と言って作ってもらった新しい服は現代服の様に動きやすそうだった。それに着物の生地が加わり、色とりどりの服を皆が着ていた。その様子はとても美しく、見ているだけで楽しくなった。
「厨はどう? お昼のメニューにチャーハンが入った所を見ると大丈夫そうだとは思うけど」
「うん、まあぼちぼちだね。仕事は限られているから」
こんな仕事は私たちがやりますからあまり作業を手伝わせてくれてはいなかった。そのかわり新しいメニューを考えたりとか飾り付けとか楽しい事は出来をいっぱいやらせてもらっている。すごく嬉しいし感謝しているけど、みんなと同じように同じ作業をしたい。何とか彼女たちの手伝いもできないか模索しているところだ。
「それに……」
「それに?」
沙理はおにぎりの最後の一口を食べながら横目で私を見た。
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「こんなよく分からないものを作ったのは誰⁉︎」
「めぐ様!」
厨の中にいたみんながすぐに頭を下げた。
「私です」
手を上げてめぐさんを見る。彼女はニヤッと笑った。
「椿さんね。こんな奇抜な物食べられません。今までの食事に戻してください。私のお婆さまが慣れない食事で体調を崩してしまうわ。そうなったらあなたに責任取れるの⁉︎」
「……すいません」
「何て⁉︎」
「申し訳ありませんでした」
私とめぐさん以外の厨の全員が一斉に深く頭を下げた。急いで私も同じように頭を下げる。
「っ……、わかればいいのよ! 全く」
めぐさんが出ていった後、厨に沈黙が続く。
「申し訳ありませんでした」
みんなに向かって深く頭を下げた。
「頭を上げてください。私達は気にしていませんから」
言葉ではそう言っていたが明らかに困惑していた。
実際には違うけれど、町全体が混乱している今、自分は高い身分になっている。高い身分の人が内と外にいて板挟みになっていたらひどく仕事がしづらいだろう。なんとか手助けになればと思っていたが、彼女達の負担にしかなっていない。
明日からは厨に行くのは朝のすごく忙しい時間帯だけにしよう。その方が彼女達の負担もきっと減るはず。
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「私の周りでは椿の考えた料理好評だったけどなあ」
「ありがとう」
沙理に両頬をつねられる。
「ひはい……」
『痛い』がうまく言えない。なぜつねられているのか分からないまま口をパクパクさせることしかできない。
「っふ。かわいい」
やっと沙理が手を離してくれた。
「なんでつねったのお!」
「無理に笑ったから」
「えっ?」
「私の前でまで取り繕われるのは傷つくよ」
沙理に心配をかけまいと『そこまで気にしていない』ように振る舞ったのだが、彼女には見抜かれていた。それに彼女まで傷つけてしまっていたなんて。自分の浅はかさに心が沈む。
「ごめん」
「わかれば良いのさっ!」
沙理は勢いよく立ち上がる。
「もっと話をしていたいけど、あいつらを扱かねばならぬからな」
「ふふっ。わかった」
沙理は練習用の薙刀を持って練習場に戻っていく。
「さあ淑女達! 訓練再開だ!」
「はいっ!」
沙理の背中は細かったが、とても逞しく見えた。
「後少しで終わるー」
「椿は器用だなあ。私は半分もいってないよ」
『じゃあどうするんですか⁉︎』
『あなたも考えたらどうなんです⁉︎』
広間から大きな怒鳴り声が聞こえてきて、二人して顔を見合わせる。揉め事が起こっているのだろうか。
自室で裁縫していた私たちはみんなに紹介するために作っていたTシャツを置いて部屋を出た。声のする方に近づくにつれて切迫している様子が伝わってくる。
広間に着いて襖を勢いよく開けると人がでごった返していた。百人ほど入る大きな広間に二百人はいるだろう。ぎゅうぎゅうになってそれぞれの意見を言い合っていて、私たちが入ってきたことには誰も気づいていなかった。
とりあえず二人で聞き耳を立てる。
「……だが前線はいっぱいいっぱいで誰も行くことができない。それなら私たちが行くしかないでしょう」
「でもどうやって人を決めるのです。死ねと言っているようなものです。誰が喜んでいきましょう?」
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