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添い寝

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そっと私の髪を梳かす彼の筋ばった指をただじっと見ていた。

宝物に触れるかのようなそれが心地よく、安心する。

彼の手が私の耳と頬を覆う。


「好きですよ」


彼の真っ直ぐな熱い視線に溶かされそうになる。

体温がわかるくらいの距離に彼が近づいてきて、口づけを落とす。

耳の後ろに彼の長い指が入ってきて柔くさする。


「……んっ、……ぁ」

「可愛い」


彼が私を頭から覆うように抱きしめる。


彼の厚い胸板に包まれて彼の胸の鼓動を感じる。安心する――。


肌触りのいいタオル地に顔をうずめると自然に瞼が下りてくる。

橘さんといると気を抜いてしまう。

彼がいると何もかもうまくいく、信頼できるという気持ちにさせてくれる。

夢の世界へと落ちかけていた私の太ももを彼の手が這う。

次第に大きな手は肌を伝い上がってくる。

臀部の感触を確かめるように揉むまれて、背筋が甘く痺れる。


「んっ……橘さ、ん……?」

「男と寝るということはこういうことをするってことですよ」


前髪を分けられ、額に彼の唇が触れる。

彼を見上げると、後頭部に手を添えられ、くちびるを斜めに塞がれる。

息を継ぐと、濡れた熱い舌が侵入してくる。

角度を変えて口内を蹂躙する舌になすがままになる。


「ン……、ぅ……ふぁ」


頭がクラクラして、全身の力が抜けていく。

彼のくちびるが顎を伝って首筋へ降りていく。


「……ん……アアッ、橘さんッ首は弱いッです、から」 

「気持ちよさそうですよ。ほら、ビクビクしてる」


彼は私のうなじを舐めながら答える。


「ンッ、ああッ………アンッ」


彼はいつの間にか私のバスローブの紐に手を掛けていた。

鎖骨にキスをしながら結び目をするりとほどいていく。


「綺麗です………」


彼はランプの小さな灯に照らされた私の下着姿をまじまじと見る。


「そんなっこと……」

「いいえ、すごく綺麗です」


私の耳元でささやくと、彼は鎖骨に口づけを落としながら私の胸を円く揉む。


「はあっ、んッ……」


彼はブラジャーのカップ部分を下に下ろし、私の胸を露わにした。

細かくあしらわれたレース地の上に私の乳房が乗る。

ブラジャーはつけたままなのに、おっぱいと乳首は丸見えになっている卑猥な姿。

そのままベッドに仰向けにされ、彼の指が既に勃ちあがっていた乳首に触れる。

「……んッ」

〝ビクッ〟と身体が強張り、すぐに甘い痺れが走る。

「敏感なんですね」

彼は指で乳首の周りを円を描くようになぞる。

「あっ、ハァッ……んッ……」

焦らされた乳首を優しく引っぱられて喘ぐ声が大きくなる。

「あんっ、だめ……」

もう片方の乳首は指で縒ってから、柔らかな乳房に指先を押し入れられる。

「もっと、感じて……私で気持ち良くなってください」

耳元で囁かれて、とろけそうになる。

乳首に湿った舌が当たる。

突起を口に含まれ、舌で押しつぶされる。

舌を跳ね返すように尖る先を唇で強く吸われると腰が反り上がる。


「あ、アぁっ……ちくび、だめ……すごく、感じちゃ、う……」


彼の頭をどけようとしたが力が入らず、逆に胸に押し付けるような体勢になってしまう。


「ああっ」

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