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店員

指導開始

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「中の滑りをよくするためにローションを使いますね」


彼の手が私の膝まであるスカートの中に入ってくる。

ゾワゾワッとした感覚とともに冷静さを取り戻す。

「えっ、ちょっ」

「お嫌ですか?」


嫌では……。

ってダメだ。流されそうになる。


「そういう訳ではないんですけど……。その、自分でしますんで」

「わかりました。それじゃあ、これ、使ってください」


彼はボウルから小さなローションボトルを取り出す。ボトルをおそるおそる受け取る。

キャップを開け、手のひらにローションを出していく。

お湯で温められた液体はとろとろと私の手の平に下りてくる。

夕陽に照らされてオレンジ色に見えるそれは、はちみつのようだった。



「指に絡ませて」



彼に言われるがまま、自分の指に絡ませていく。


「中にゆっくり入れてください」


スカートに手を入れ、ショーツを掻き分ける。密壺の入り口に指があたる。

だが、これ以上は彼に見られていると思うと動かなかった。


「どうしました?」

「すいません……」

彼が私の顔を覗き込む。
彼は眉をハの字に寄せて心配そうに私の表情をうかがっていた。

指を動かさないと、ナカを慣らさないといけないのに、体が動かない……。


「僕が、しましょうか?」


せっかく開店前に教えてもらっているのに、前に進まないのは申し訳なかった。


「すいません……お願いします……」

「はい」


彼はニコッと笑い、私の指についたローションを自分の指に絡める。

指と指が淫らに絡み合い、蜜を絡め取っていく。

濡れて、てらてらと輝く彼の指がスカートに潜り込む。

すぐに見つけられたショーツを横に掻き分けて彼の指の腹が秘園の入り口に触れる。


「んっ」

「……これだとローションいらなさそうですね。このまま広げてもいいですか?」

「んぅ……、はい……」


密壺にゆっくりと彼の筋張った指が入ってくる。

不規則に動かれる度にナカから蜜が溢れ出てきているのが自分でもわかった。

クチュクチュッと彼の指が私の中を擦って水音を立てる。

声が出そうになって、指を噛んで声を抑える。


「……んぅ……」

「声、出していいですよ」

 彼に口元の指を優しく外され、歯形が付いた部分をさすられる。

彼は赤くなった指を見て、顔を顰{しか}めた。


「どうし、ました、か?」

「……いえ、十分そうなので入れましょうか」


彼はディルドをボウルから取り、一緒に持ってきていたタオルで拭く。

手際よくポケットからゴムを取り出し、慣れた手つきで装着する。



ディルドを持った彼の手がスカートの中に潜り込んでくる。


「挿れますよ」

「……はい」


温かいモノがゆっくりと私の中に入ってきて広げていく。

自分で入れた時とは全然違う。

腰のあたりに快感が走って身体が火照ってくる。


「んっ……あん、ンっ……」


次第にゆっくり抜き差しをされ、呼吸が荒くなっていく。

まだ少ししか入っていないのに感じてしまう。

入り口付近を擦られて、ナカが待ちきれずにヒクヒクしてしまう。

もっと奥に欲しい。


彼の肩に縋りつき、後ろに倒れてしまいそうな身体をなんとか支える。

すると、逞しい腕が背中に回り込み、抱き寄せられる。

代わりに身体を支えてくれたのだろうか。

彼の欲の香る吐息が聞こえた気がして、彼を見る。

こっちを見ていた彼と目が合う。


「……ッ!」


彼が噛みつくようにキスをしてきた。

そのまま後ろに倒れ込み、机に仰向けに倒される。

彼は私の顔の横に腕を置き、口内を貪る。


「んっ……店員さ……」

「……拓己《たくみ》です。拓己って呼んで」


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