流行りの異世界とやらに転生しました。

道端の雑草

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プロローグ

異世界...ってなんですか?

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*みなさん初めまして、雑草sです。頭に浮かんだものを適当に書きなぐっています。初投稿なので仕方ないですね() 苦手な方は見なかったことにして他の人の素晴らしい小説を読んで来た方がいいと思いますよ?大丈夫だ、問題ない。という方は一気に流し読みしたあと感想に「(  ・  ∀  ・  )ハッ」
とでも書き込んでみてください。何も変わりません(殴)
それでは、流行りの異世界とやらに転生しました。スタートです。

















「──────!」

「───、────!!」


なんだか・・・騒がしいな・・・?
心地の良い眠りを堪能していた佐々木健斗ササキケントは、体のもちあがる感覚にうっすらと目を開けた。

40歳前後の女性が彼の目にドアップで映り込む。


「ぎゃーーー!!」


彼の上げた悲鳴はなんとも可愛らしい赤子の産声だった。













・・・よーし落ち着け、ゆっくりしんこきゅー。

すーはーーすーはーー。

OK、落ち着いた。
体の感覚に異常なし、これは現実だ落ち着け。

深呼吸を繰り返していた健斗は、再度目を開ける。
巨大かつ形の整った山が健斗の視界を占領している。
美しい谷間に少しピンク色の白い肌。
健斗はそっと現実から目を背けた。


佐々木 健斗童貞(29)♂童貞。

至って普通のサラリーマン。
どこにでもいそうな平凡な顔立ちに平均より少し下辺りの学力を持った日本人。
特筆すべき点は無く、強いて言うのならばゲームやアニメ、漫画に全く触れずに育ったという点か。


ふわりと香る嗅いだことのない匂いで健斗の意識は半場強制的に戻される。
生涯で1度も経験したことの無い、経験すること自体がおかしい現象に健斗はそっと頭を抱えた。

今までの記憶を持ったまま赤子から人生スタート。
しかも目の前にいるのは1度も出会ったことの無い明らかに外人の女性。
とても大きなもの(何がとは言わない)を持ち合わせるその女性はどう考えても健斗の記憶にある親とはかけ離れている。
先程騒がしく入ってきたイケメン(外人)は恐らく女性の夫であろう。(こちらも親とは大きくかけ離れた容姿)

恐らく、彼以外の人間ならばまずこう思うだろう。

転生ですか?と。

残念ながら彼はそんなものに興味を示さなかった人間。
まずその考えにすら至らない。

夢だろう。
健斗はまず、前世が外人の子供でたまたまその記憶を夢で見ているという仮説をたてた。
周りを見ようにも赤子の体では首が座っていないため目の前の美しい芸術作品しか見ることが出来ない。
それは童貞の彼にとってはあまりに危険な代物。
混乱している頭にこれ以上問題を入れるべきではない、と健斗は判断する。

何も判断材料は目だけではなく耳からでも得られる。
そう考えていた彼は数分後には心の中で地面に両手をついて打ちひしがれ、数十分後には疲労に負けて寝息を立てていた。





それから、一週間後・ ・ ・ 


ハイハイできるようになりました(白目)
おかしい、絶対におかしい。

彼の頭の中にあった前世の記憶な説はガラガラと音を立てて崩れ落ちた。

まず、体感時間をはっきり感じられる状態で一週間も夢を見るなんてほとんどありえないだろう。
それと、赤子が一週間でハイハイを始めるなんて聞いたことも無い。
一般常識が通用するのなら赤子がハイハイするまで早くても3ヶ月はかかるはずだ。
そして周りが話す言葉が地球で使われるポピュラーな言語のどれにも当てはまらない。
ヒヤリングだけでは分からないためハイハイしながら色々な場所を覗いて書斎に忍び込んだ。そして確信した。
嫌でも確信させられた。

ここは自分の知る世界ではないかもしれない、と。

自覚した途端、彼の周りで起きていることは地球の非常識に完全にあてはまっていることを証明し始める。

一定の高さでふわふわと飛んでいる謎の光る物体。
時折空を飛んでいる巨大生物。
火種入れた気配もないのに突然火がつく調理場。
大人の手より大きい鱗をもつ謎の魚(の切り身)

探せば家の中にいるだけでもわかる異常さ。
家の作りこそ単純で木造の1階建て・・・だが、日本のようにハイテクな作りではなくどこかの小さな村にありそうな家。
見たところ電気もガスもなく、自給自足に近い生活。
彼のいる書斎もただ本棚と机があるだけで立派なものでは無い。

1部を除けば、とても小さな村でそこ独自の言葉や文化などがある、と強引に思うことも出来たかもしれない。
ただ、彼はその書斎で一冊の本を見つけてしまった。
興味本意に取り出した古びた本のタイトルは──

──『魔法大全』

地球には存在しえないものが記された魔導書なるものだった。

フリーズする健斗。
その頭の中では高校のころに親しかったクラスメイトとの会話が思い出される。


『は~、やっぱ異世界っていいよな~魔法とか使えてなんでもできるしよ~』

『異世界、ね。あまり興味はないな』

『なんでだよ!魔法だぜ、魔法!なんでもできるんだぜ!?異世界行きたくないのか?』

『異世界より現実見た方がいいと思うけどな』


これが噂の異世界と言うやつなのか?
健斗の頭の中はぐちゃぐちゃとして整理がつかなくなる。
なぜかついさっきあった事のように思い出せる日常の会話。
あの時話していたクラスメイトは、元気にしているだろうか?

・・・すまないな、なぜか俺が異世界に来てしまったよ。

なんとなく謝った健斗は、自分が眠る前のことを思い出そうと目をつぶる。


トン


彼の手から本が滑り落ち、木の床に落ちる。
健斗が回想に浸りながらめくっていた本のページは、


過去視ロストメモリー


地球には存在しない文字で書かれた本の1行が淡い水色に光っていた。







ドンッ

宙を舞う男を、健斗はどこか他人事のように見ていた。
10メートルほど吹き飛んだ男は腕や足がありえない方向へ曲がっている。
どう見ても即死。
赤い血が流れ出し、男を真っ赤に染めあげていく。

あれは、俺か。

なぜ、忘れていたんだろう?

佐々木健斗29歳、事故により死亡。
彼の死因はトラックに跳ねられたこと。
トラックの運転手は居眠り運転をしていたらしく、電柱に突っ込んだトラックから奇跡的に助け出されていた。

本当は知るはずのない死んだあとの現場をぼーと眺めながら、健斗はもうひとつ忘れていたことを思いだす。
彼の死体を涙を流しながら見つめる女性。
彼女の子供を健斗は突き飛ばし代わりにトラックに跳ねられた。
彼女の子供も無事なようだが、子供にはあまりに衝撃の強い出来事だっただろうな、と今更になって健斗は反省した。

ぐにゃり

健斗の立っていた空間が歪む。
同時に抗えないほどの眠気が襲ってくる。
耐えきれず崩れ落ちた健斗はゆっくりと目を閉じた。


眠りに落ちる彼の目と、虚ろな彼の死体の目が一瞬交差した。







*はい。最後まで読んでいただきありがとうございます!こんな感じで短い駄文&亀更新ですが、気になった方は「あくしろよ(威圧)」とでも書いてお気に入り登録してみてください。まぁ、投稿速度は変わりません(殴) それでは、また次回会いましょう!(いつになるかわかりませんけどね)
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