40 / 53
第六章 おじいさんは神出鬼没?
40話
しおりを挟む
「そうじゃのぉ──……忘れてしまったわい。ほっほっほっ!」
「ええっ!?」
「なんせ昔の話じゃからの。ワシも歳をとったから、ちと記憶力が無くなってしまったわい」
「ううっ、すごく気になります!」
「すまんのぉ。またいつか、思いだしたら話してやろう。ほっほっほっ」
あやかしのおじいさんの「またいつか」なんて、人間の私だとおばあちゃんになってるかもしれない。
「そんなことを言わずに、はやく思いだしてくださいねおじいさん! じゃないと私、おばあちゃんになりますよ……!」
「ほっほっほっ。その時までワシが生きとれば同じジジババ仲間じゃ、話に花が咲くのぉ」
「もうっおじいさん!」
ぷくぅ、と頬をふくらませておじいさんを見れば「可愛いのぉ」と笑うばかり。
でもその横顔が一瞬、とても寂しそうに見えた。
──私はとっさに、おじいさんの手を両手でつつみこむ。
急なことにおじいさんは少しだけ目を見開いてビックリしていた。
「……おじいさんも、長生きできますように。私でよければ、いつでもお話を聞きますからね!」
あやかしだから長生きなのはわかってる。
でも、それでも。
長生きしてほしいって思ったの。
「……お嬢さんは、不思議な子じゃのぉ。こんなおいぼれジジイにも優しくしてくれて。心が元気になったぞい。ほっほっほっ!」
心も、そしてすこしだけ妖力も回復しているんだと思う。
でもそのことについて、おじいさんはなにも言わない。
「ねぇおじいさん。──おじいさんはどうして、滞在期間を過ぎても現世に留まっているの?」
「…………」
おじいさんは、だまりこむ。
それでも私は待った。
むやみやたらに、誰かに迷惑をかけるおじいさんには見えない。
きっとなにか理由があるから、滞在期間を過ぎても現世にいるんじゃないかって思う。
そのナニカがわかれば、隠世に帰ろうとしてくれるはず。
「──探しとるんじゃ」
息を吐きながら、重々しげにおじいさんは言う。
「探してる……。なにをですか?」
「それは言えんよ。ほっほ、当てられたらいいのぉ」
そこから何度聞いても口を割ってくれなくて、これは本当に私たちでなにを探しているのか辿りつく必要が出てきた。
なにか手がかりを探そうと、おじいさんの好きな食べ物や好きな色、好きなことをたくさん聞いてみる。
それらは全部答えてくれたけど、さりげなく「なにを探しているの?」と質問に挟みこむと、はぐらかされてしまった。
むぅ、手強い!
なす術なし……そう思っていた時。
「──はぁ、また逃げられたみたいだね」
「ぬあぁー! また明日も探さないとじゃん! ボク、捕まえられる気がしなーい……」
聞きなれた声がしてふり向くと、タイミングよく烈央くんと星守くんが歩いてきた。
いまおじいさんは、私の隣に居る。
捕まえるならいまが大チャンスだ!!
「烈央くん! 星守くん! いま私の隣におじいさんが居るのっ、はやく来て!」
大きな声を出して二人を呼ぶ。
私に気づいた二人は、きょとんとした顔をして走ってきた。
でも途中で走る速度を落とす。
「二人ともっ、はやくしないとおじいさん逃げちゃうよ!」
まだ不思議そうな顔をしている二人は、ゆったりと歩いて来て私の前に立った。
「さっきから、なにを言ってるの? 結花ちゃん」
「──おじいさんなんて、居ないじゃん」
「え?」
バッとふり向いて隣を確認する。
すると、たしかにさっきまでおじいさんが座っていた場所はもぬけのから。
「消えちゃった……いつのまに!?」
「さっきまでそこに居たのかい?」
「うんっ! たくさん喋ったし、おじいさんがなにかを探しているから現世に留まってるってわかったの!」
「それホント? やるじゃん結花! よし、おじいさんがなにを探してるのかつきとめれば、ボクたちの勝ち!」
「そうだね。結花ちゃんのおかげで、解決しそうだ」
──って話したのが一週間前。
なにかを探してることがわかっても、なにを探しているのか見当もつかなかった。
「──完全にボクたち、遊ばれてるでしょコレェ!」
ぼふんとベッドにダイブする、お怒りの星守くん。
気持ちがわからなくもない。
実際、私もどうしていいかわからなくてお手上げ状態だ。
おじいさんがなにかを探しているとわかったあの日。
なにを探しているのかを突きとめるべく、次の日からおじいさんを見つけたら「教えてください!」と追いかけまわすようになった。
でもいつも、ぬらりくらりと避けられて見失ってしまう。
次の日も、また次の日も。
疲れた私たちが休憩していると、いつのまにか輪に混じってお菓子を頬張っていたりと神出鬼没なおじいさん。
このままじゃダメだと、今日は私の部屋で緊急の作戦会議中だ。
「あのおじいさんは、なにを探してるんだろうか。物なのか人なのかも、まだわかってないから困ったね」
「手がかりがなさすぎるー……。はぁ、おじいさんはホントになにかを探してるって言ったの? 嘘をつかれたんじゃなーい結花」
「『探しとるんじゃ』って言ってたもん。それに私は、おじいさんが嘘をつくようには思えないよ」
うーん、と三人で頭を悩ませる。
いつもおじいさんに会うのは、封鬼小学校周辺。
それも朝と夕方の登下校の時だ。
……私はハッと気づく。
「もしかして……誰かを探しているのかな?」
「ええっ!?」
「なんせ昔の話じゃからの。ワシも歳をとったから、ちと記憶力が無くなってしまったわい」
「ううっ、すごく気になります!」
「すまんのぉ。またいつか、思いだしたら話してやろう。ほっほっほっ」
あやかしのおじいさんの「またいつか」なんて、人間の私だとおばあちゃんになってるかもしれない。
「そんなことを言わずに、はやく思いだしてくださいねおじいさん! じゃないと私、おばあちゃんになりますよ……!」
「ほっほっほっ。その時までワシが生きとれば同じジジババ仲間じゃ、話に花が咲くのぉ」
「もうっおじいさん!」
ぷくぅ、と頬をふくらませておじいさんを見れば「可愛いのぉ」と笑うばかり。
でもその横顔が一瞬、とても寂しそうに見えた。
──私はとっさに、おじいさんの手を両手でつつみこむ。
急なことにおじいさんは少しだけ目を見開いてビックリしていた。
「……おじいさんも、長生きできますように。私でよければ、いつでもお話を聞きますからね!」
あやかしだから長生きなのはわかってる。
でも、それでも。
長生きしてほしいって思ったの。
「……お嬢さんは、不思議な子じゃのぉ。こんなおいぼれジジイにも優しくしてくれて。心が元気になったぞい。ほっほっほっ!」
心も、そしてすこしだけ妖力も回復しているんだと思う。
でもそのことについて、おじいさんはなにも言わない。
「ねぇおじいさん。──おじいさんはどうして、滞在期間を過ぎても現世に留まっているの?」
「…………」
おじいさんは、だまりこむ。
それでも私は待った。
むやみやたらに、誰かに迷惑をかけるおじいさんには見えない。
きっとなにか理由があるから、滞在期間を過ぎても現世にいるんじゃないかって思う。
そのナニカがわかれば、隠世に帰ろうとしてくれるはず。
「──探しとるんじゃ」
息を吐きながら、重々しげにおじいさんは言う。
「探してる……。なにをですか?」
「それは言えんよ。ほっほ、当てられたらいいのぉ」
そこから何度聞いても口を割ってくれなくて、これは本当に私たちでなにを探しているのか辿りつく必要が出てきた。
なにか手がかりを探そうと、おじいさんの好きな食べ物や好きな色、好きなことをたくさん聞いてみる。
それらは全部答えてくれたけど、さりげなく「なにを探しているの?」と質問に挟みこむと、はぐらかされてしまった。
むぅ、手強い!
なす術なし……そう思っていた時。
「──はぁ、また逃げられたみたいだね」
「ぬあぁー! また明日も探さないとじゃん! ボク、捕まえられる気がしなーい……」
聞きなれた声がしてふり向くと、タイミングよく烈央くんと星守くんが歩いてきた。
いまおじいさんは、私の隣に居る。
捕まえるならいまが大チャンスだ!!
「烈央くん! 星守くん! いま私の隣におじいさんが居るのっ、はやく来て!」
大きな声を出して二人を呼ぶ。
私に気づいた二人は、きょとんとした顔をして走ってきた。
でも途中で走る速度を落とす。
「二人ともっ、はやくしないとおじいさん逃げちゃうよ!」
まだ不思議そうな顔をしている二人は、ゆったりと歩いて来て私の前に立った。
「さっきから、なにを言ってるの? 結花ちゃん」
「──おじいさんなんて、居ないじゃん」
「え?」
バッとふり向いて隣を確認する。
すると、たしかにさっきまでおじいさんが座っていた場所はもぬけのから。
「消えちゃった……いつのまに!?」
「さっきまでそこに居たのかい?」
「うんっ! たくさん喋ったし、おじいさんがなにかを探しているから現世に留まってるってわかったの!」
「それホント? やるじゃん結花! よし、おじいさんがなにを探してるのかつきとめれば、ボクたちの勝ち!」
「そうだね。結花ちゃんのおかげで、解決しそうだ」
──って話したのが一週間前。
なにかを探してることがわかっても、なにを探しているのか見当もつかなかった。
「──完全にボクたち、遊ばれてるでしょコレェ!」
ぼふんとベッドにダイブする、お怒りの星守くん。
気持ちがわからなくもない。
実際、私もどうしていいかわからなくてお手上げ状態だ。
おじいさんがなにかを探しているとわかったあの日。
なにを探しているのかを突きとめるべく、次の日からおじいさんを見つけたら「教えてください!」と追いかけまわすようになった。
でもいつも、ぬらりくらりと避けられて見失ってしまう。
次の日も、また次の日も。
疲れた私たちが休憩していると、いつのまにか輪に混じってお菓子を頬張っていたりと神出鬼没なおじいさん。
このままじゃダメだと、今日は私の部屋で緊急の作戦会議中だ。
「あのおじいさんは、なにを探してるんだろうか。物なのか人なのかも、まだわかってないから困ったね」
「手がかりがなさすぎるー……。はぁ、おじいさんはホントになにかを探してるって言ったの? 嘘をつかれたんじゃなーい結花」
「『探しとるんじゃ』って言ってたもん。それに私は、おじいさんが嘘をつくようには思えないよ」
うーん、と三人で頭を悩ませる。
いつもおじいさんに会うのは、封鬼小学校周辺。
それも朝と夕方の登下校の時だ。
……私はハッと気づく。
「もしかして……誰かを探しているのかな?」
0
お気に入りに追加
12
あなたにおすすめの小説
中学生ユーチューバーの心霊スポットMAP
じゅん
児童書・童話
【第1回「きずな児童書大賞」大賞 受賞👑】
悪霊のいる場所では、居合わせた人に「霊障」を可視化させる体質を持つ「霊感少女」のアカリ(中学1年生)。
「ユーチューバーになりたい」幼なじみと、「心霊スポットMAPを作りたい」友達に巻き込まれて、心霊現象を検証することになる。
いくつか心霊スポットを回るうちに、最近増えている心霊現象の原因は、霊を悪霊化させている「ボス」のせいだとわかり――
クスっと笑えながらも、ゾッとする連作短編。

四尾がつむぐえにし、そこかしこ
月芝
児童書・童話
その日、小学校に激震が走った。
憧れのキラキラ王子さまが転校する。
女子たちの嘆きはひとしお。
彼に淡い想いを抱いていたユイもまた動揺を隠せない。
だからとてどうこうする勇気もない。
うつむき複雑な気持ちを抱えたままの帰り道。
家の近所に見覚えのない小路を見つけたユイは、少し寄り道してみることにする。
まさかそんな小さな冒険が、あんなに大ごとになるなんて……。
ひょんなことから石の祠に祀られた三尾の稲荷にコンコン見込まれて、
三つのお仕事を手伝うことになったユイ。
達成すれば、なんと一つだけ何でも願い事を叶えてくれるという。
もしかしたら、もしかしちゃうかも?
そこかしこにて泡沫のごとくあらわれては消えてゆく、えにしたち。
結んで、切って、ほどいて、繋いで、笑って、泣いて。
いろんな不思議を知り、数多のえにしを目にし、触れた先にて、
はたしてユイは何を求め願うのか。
少女のちょっと不思議な冒険譚。
ここに開幕。

こわモテ男子と激あま婚!? 〜2人を繋ぐ1on1、ブザービートからはじまる恋〜
おうぎまちこ(あきたこまち)
児童書・童話
お母さんを失くし、ひとりぼっちになってしまったワケアリ女子高生の百合(ゆり)。
とある事情で百合が一緒に住むことになったのは、学校で一番人気、百合の推しに似ているんだけど偉そうで怖いイケメン・瀬戸先輩だった。
最初は怖くて仕方がなかったけれど、「好きなものは好きでいて良い」って言って励ましてくれたり、困った時には優しいし、「俺から離れるなよ」って、いつも一緒にいてくれる先輩から段々目が離せなくなっていって……。
先輩、毎日バスケをするくせに「バスケが嫌い」だっていうのは、どうして――?
推しによく似た こわモテ不良イケメン御曹司×真面目なワケアリ貧乏女子高生との、大豪邸で繰り広げられる溺愛同居生活開幕!
※じれじれ?
※ヒーローは第2話から登場。
※5万字前後で完結予定。
※1日1話更新。
※第15回童話・児童書大賞用作品のため、アルファポリス様のみで掲載中。→noichigoさんに転載。
小さな王子さまのお話
佐宗
児童書・童話
『これだけは覚えていて。あなたの命にはわたしたちの祈りがこめられているの』……
**あらすじ**
昔むかし、あるところに小さな王子さまがいました。
珠のようにかわいらしい黒髪の王子さまです。
王子さまの住む国は、生きた人間には決してたどりつけません。
なぜなら、その国は……、人間たちが恐れている、三途の河の向こう側にあるからです。
「あの世の国」の小さな王子さまにはお母さまはいませんが、お父さまや家臣たちとたのしく暮らしていました。
ある日、狩りの最中に、一行からはぐれてやんちゃな友達と冒険することに…?
『そなたはこの世で唯一の、何物にも代えがたい宝』――
亡き母の想い、父神の愛。くらがりの世界に生きる小さな王子さまの家族愛と成長。
全年齢の童話風ファンタジーになります。

村から追い出された変わり者の僕は、なぜかみんなの人気者になりました~異種族わちゃわちゃ冒険ものがたり~
めーぷる
児童書・童話
グラム村で変わり者扱いされていた少年フィロは村長の家で小間使いとして、生まれてから10年間馬小屋で暮らしてきた。フィロには生き物たちの言葉が分かるという不思議な力があった。そのせいで同年代の子どもたちにも仲良くしてもらえず、友達は森で助けた赤い鳥のポイと馬小屋の馬と村で飼われている鶏くらいだ。
いつもと変わらない日々を送っていたフィロだったが、ある日村に黒くて大きなドラゴンがやってくる。ドラゴンは怒り村人たちでは歯が立たない。石を投げつけて何とか追い返そうとするが、必死に何かを訴えている.
気になったフィロが村長に申し出てドラゴンの話を聞くと、ドラゴンの巣を荒らした者が村にいることが分かる。ドラゴンは知らぬふりをする村人たちの態度に怒り、炎を噴いて暴れまわる。フィロの必死の説得に漸く耳を傾けて大人しくなるドラゴンだったが、フィロとドラゴンを見た村人たちは、フィロこそドラゴンを招き入れた張本人であり実は魔物の生まれ変わりだったのだと決めつけてフィロを村を追い出してしまう。
途方に暮れるフィロを見たドラゴンは、フィロに謝ってくるのだがその姿がみるみる美しい黒髪の女性へと変化して……。
「ドラゴンがお姉さんになった?」
「フィロ、これから私と一緒に旅をしよう」
変わり者の少年フィロと異種族の仲間たちが繰り広げる、自分探しと人助けの冒険ものがたり。
・毎日7時投稿予定です。間に合わない場合は別の時間や次の日になる場合もあります。

妖精の風の吹くまま~家を追われた元伯爵令嬢は行き倒れたわけあり青年貴族を拾いました~
狭山ひびき@バカふり200万部突破
児童書・童話
妖精女王の逆鱗に触れた人間が妖精を見ることができなくなって久しい。
そんな中、妖精が見える「妖精に愛されし」少女エマは、仲良しの妖精アーサーとポリーとともに友人を探す旅の途中、行き倒れの青年貴族ユーインを拾う。彼は病に倒れた友人を助けるために、万能薬(パナセア)を探して旅をしているらしい。「友人のために」というユーインのことが放っておけなくなったエマは、「おいエマ、やめとけって!」というアーサーの制止を振り切り、ユーインの薬探しを手伝うことにする。昔から妖精が見えることを人から気味悪がられるエマは、ユーインにはそのことを告げなかったが、伝説の万能薬に代わる特別な妖精の秘薬があるのだ。その薬なら、ユーインの友人の病気も治せるかもしれない。エマは薬の手掛かりを持っている妖精女王に会いに行くことに決める。穏やかで優しく、そしてちょっと抜けているユーインに、次第に心惹かれていくエマ。けれども、妖精女王に会いに行った山で、ついにユーインにエマの妖精が見える体質のことを知られてしまう。
「……わたしは、妖精が見えるの」
気味悪がられることを覚悟で告げたエマに、ユーインは――
心に傷を抱える妖精が見える少女エマと、心優しくもちょっとした秘密を抱えた青年貴族ユーイン、それからにぎやかな妖精たちのラブコメディです。
運よく生まれ変われたので、今度は思いっきり身体を動かします!
克全
児童書・童話
「第1回きずな児童書大賞」重度の心臓病のため、生まれてからずっと病院のベッドから動けなかった少年が12歳で亡くなりました。両親と両祖父母は毎日のように妾(氏神)に奇跡を願いましたが、叶えてあげられませんでした。神々の定めで、現世では奇跡を起こせなかったのです。ですが、記憶を残したまま転生させる事はできました。ほんの少しだけですが、運動が苦にならない健康な身体と神与スキルをおまけに付けてあげました。(氏神談)
極甘独占欲持ち王子様は、優しくて甘すぎて。
猫菜こん
児童書・童話
私は人より目立たずに、ひっそりと生きていたい。
だから大きな伊達眼鏡で、毎日を静かに過ごしていたのに――……。
「それじゃあこの子は、俺がもらうよ。」
優しく引き寄せられ、“王子様”の腕の中に閉じ込められ。
……これは一体どういう状況なんですか!?
静かな場所が好きで大人しめな地味子ちゃん
できるだけ目立たないように過ごしたい
湖宮結衣(こみやゆい)
×
文武両道な学園の王子様
実は、好きな子を誰よりも独り占めしたがり……?
氷堂秦斗(ひょうどうかなと)
最初は【仮】のはずだった。
「結衣さん……って呼んでもいい?
だから、俺のことも名前で呼んでほしいな。」
「さっきので嫉妬したから、ちょっとだけ抱きしめられてて。」
「俺は前から結衣さんのことが好きだったし、
今もどうしようもないくらい好きなんだ。」
……でもいつの間にか、どうしようもないくらい溺れていた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる