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第二章 ウワサの"のっぺらぼう"を捕まえろ!
8話
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「ねぇ、『あのウワサ』聞いた?」
「聞いた聞いた! 『増えてる』って、やつでしょ? 二組の友達が言ってた!」
「そう……いつの間にかクラスメイトが『一人増えてる』なんて怖いよねー」
「しかも、その増えてる子に顔を近づけられると、自分の顔を取られちゃうって!」
「きゃー!」
──朝。
そんな話が教室のあちこちから聞こえてきた。
ヒッと声がもれて、私は中に入るのを迷ってしまう。
教室に入らずにいた私に、扉の近くにいた子が「あ、おはよー結花ちゃん」とあいさつしてくれる。
びっくりしちゃって「お、おはようっ」と、ちょっと声がひっくり返ってしまった。
「ねぇねぇ! 結花ちゃんも聞いた?」
「へっ、な、なにを?」
「ウワサだよ、ウワサ! 『クラスメイトが一人増えてる』ってやつ。怖いよねー、うちのクラスも増えてたらどうしようっ!」
そんなウワサがあるなんて知らなかった!
もしかしたら、これってあやかしの仕業……?
烈央くんと星守くんが登校して来たら、聞いてみよう。
私が教室に来てから数分後に、二人は登校してきた。
星守くんはふわぁとあくびをして、まだ眠そうにしている。
「おはよう。烈央くん、星守くん」
「おはよう、結花ちゃん」
「はよー、結花」
二人が席につくなり、私はすぐにウワサを知っているか聞いてみた。
「ねぇねぇ。二人はあのウワサ、聞いた?」
『ウワサ?』
烈央くんと星守くんは、息ぴったりに返してくる。
「なんでも、クラスメイトが一人増えているウワサ話らしくてね……?」
私はさっき聞いた話を二人に話すことに。
──それは、ある日の授業中。
五人一組に分かれる際、どうしても一人残ってしまう子がいた。
そのクラスは全員で三十五人。
なのに何度数えても、三十六人いる。
不思議に思って出席番号順に一番から名前を呼んで数えていくと、ぴったり三十五人。
だけどまた五人一組になろうとすると、一人余ってしまう子が出てしまうらしい……。
「──うん。それはあやかしの仕業だね」
雰囲気を出すために私が暗い声で話し終わると、烈央くんが冷静に一言。
……なんだか恥ずかしくなって、ゴホンッと咳をひとつしておく。
「でもっまだ宇宙人の可能性も……!」
「うーん。さすがに無いかな」
「あるわけないじゃん、結花のおバカさん」
二人に否定されて、私は机につっぷす。
「むぅ。なら、二人はなんだと思うの?」
「そうだね……のっぺらぼう、とかかな」
「たしかにその可能性はありそうだよねぇ。でも目の前に現れたら、ボクの顔の良さに恐れ戦いて逃げちゃうかもよ?」
「やめてくれ星守! 双子の俺まで恥ずかしくなるだろうっ?」
「なあに。あ、ケンソンってやつ?」
「おや……ふまじめな星守がよく知っていたね、そんな言葉」
バチバチと二人の間で、火花が散っている。
「もう! どうしてそう、すぐに喧嘩するのよ二人とも。真面目に考えてよ!」
二人は仲良さげに見えて、意外と小さな言い合いをよくしていることがわかった。
星守くんは、片眉を上げて私を見る。
「だからー、正体は『のっぺらぼう』って烈央が言ったでしょ。──てか、結花」
「へ?」
星守くんが腕をのばし、むぎゅっと私の頬を両手で挟んだ。
「今回はあやかしの仕業だから、ボクたち『送り屋』の出番だよね?」
「ひゃい(うん)」
「……真面目に考えろってボクたちに言うってことは、もちろん結花も解決するのを率先して手伝ってくれるんだよね? ボク、うれしい~。──返事は?」
「……ひゃ、ひゃい。ほほほんへ(は、はい。喜んで)」
ああっ、自分から厄介ごとに首をつっこんじゃった!
私、怖い話が苦手なのにぃ……!!
「聞いた聞いた! 『増えてる』って、やつでしょ? 二組の友達が言ってた!」
「そう……いつの間にかクラスメイトが『一人増えてる』なんて怖いよねー」
「しかも、その増えてる子に顔を近づけられると、自分の顔を取られちゃうって!」
「きゃー!」
──朝。
そんな話が教室のあちこちから聞こえてきた。
ヒッと声がもれて、私は中に入るのを迷ってしまう。
教室に入らずにいた私に、扉の近くにいた子が「あ、おはよー結花ちゃん」とあいさつしてくれる。
びっくりしちゃって「お、おはようっ」と、ちょっと声がひっくり返ってしまった。
「ねぇねぇ! 結花ちゃんも聞いた?」
「へっ、な、なにを?」
「ウワサだよ、ウワサ! 『クラスメイトが一人増えてる』ってやつ。怖いよねー、うちのクラスも増えてたらどうしようっ!」
そんなウワサがあるなんて知らなかった!
もしかしたら、これってあやかしの仕業……?
烈央くんと星守くんが登校して来たら、聞いてみよう。
私が教室に来てから数分後に、二人は登校してきた。
星守くんはふわぁとあくびをして、まだ眠そうにしている。
「おはよう。烈央くん、星守くん」
「おはよう、結花ちゃん」
「はよー、結花」
二人が席につくなり、私はすぐにウワサを知っているか聞いてみた。
「ねぇねぇ。二人はあのウワサ、聞いた?」
『ウワサ?』
烈央くんと星守くんは、息ぴったりに返してくる。
「なんでも、クラスメイトが一人増えているウワサ話らしくてね……?」
私はさっき聞いた話を二人に話すことに。
──それは、ある日の授業中。
五人一組に分かれる際、どうしても一人残ってしまう子がいた。
そのクラスは全員で三十五人。
なのに何度数えても、三十六人いる。
不思議に思って出席番号順に一番から名前を呼んで数えていくと、ぴったり三十五人。
だけどまた五人一組になろうとすると、一人余ってしまう子が出てしまうらしい……。
「──うん。それはあやかしの仕業だね」
雰囲気を出すために私が暗い声で話し終わると、烈央くんが冷静に一言。
……なんだか恥ずかしくなって、ゴホンッと咳をひとつしておく。
「でもっまだ宇宙人の可能性も……!」
「うーん。さすがに無いかな」
「あるわけないじゃん、結花のおバカさん」
二人に否定されて、私は机につっぷす。
「むぅ。なら、二人はなんだと思うの?」
「そうだね……のっぺらぼう、とかかな」
「たしかにその可能性はありそうだよねぇ。でも目の前に現れたら、ボクの顔の良さに恐れ戦いて逃げちゃうかもよ?」
「やめてくれ星守! 双子の俺まで恥ずかしくなるだろうっ?」
「なあに。あ、ケンソンってやつ?」
「おや……ふまじめな星守がよく知っていたね、そんな言葉」
バチバチと二人の間で、火花が散っている。
「もう! どうしてそう、すぐに喧嘩するのよ二人とも。真面目に考えてよ!」
二人は仲良さげに見えて、意外と小さな言い合いをよくしていることがわかった。
星守くんは、片眉を上げて私を見る。
「だからー、正体は『のっぺらぼう』って烈央が言ったでしょ。──てか、結花」
「へ?」
星守くんが腕をのばし、むぎゅっと私の頬を両手で挟んだ。
「今回はあやかしの仕業だから、ボクたち『送り屋』の出番だよね?」
「ひゃい(うん)」
「……真面目に考えろってボクたちに言うってことは、もちろん結花も解決するのを率先して手伝ってくれるんだよね? ボク、うれしい~。──返事は?」
「……ひゃ、ひゃい。ほほほんへ(は、はい。喜んで)」
ああっ、自分から厄介ごとに首をつっこんじゃった!
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