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第四章 大型連休は遊園地デートです!?
28話 秘密の男子会《side魔央》 2
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「父さん。そこは『大きくなったか?』でしょ」
柚瑠のフォローに入るべく、父さんにそう言えば「なるほど」の一言。
父さんは、他人の感情に疎い。
「……タ、タツマさん! 何かマオに用事? ボクたち帰った方がいい?」
「いや、たいしたことじゃない。ゆっくりしていけ」
それだけ言うと、父さんは自分の部屋に帰っていった。
後ろから、少し興奮したような界李の声が聞こえた。
「龍魔さん、久しぶりに見たかも」
「……名前は知っていたが、僕は初めて見た」
「ミカド、初めて見たの? もったいなーい! あんなにカッコよくて、強い人ほかにいないよ!?」
「もちろん、強いのは知っている。……なんせ『黒羽龍魔』は、上位悪魔だからな」
そう俺の父さんは、悪魔のなかでもさらに上の存在。
上位悪魔と呼ばれている。
血のように赤い瞳、闇夜に紛れる黒い髪。
俺は父さんの特徴をよく受け継いでいた。
上位悪魔は、他の悪魔をねじ伏せる、圧倒的強さを持っている。
だから、普段は無表情でたまに天然なところが多いけれど、父さんを尊敬する悪魔は多い。
「タツマさんの、なにがいいってさぁ! ──」
「(また始まった……)」
柚瑠の父さん語りは長いんだよね。
俺はそっと部屋を出て、飲み物を取りに一階のリビングへ向かった。
◇◇◆◇◇
人数分の飲み物をトレーにおいて、二階へと戻る。
両手がふさがっているから、誰かにあけてもらおう。
「ねぇ、誰かあけてくれるー?」
すぐに、ガチャっと扉があいた。
「ありが……と、天内」
「いや別に。これは僕が、テーブルまで運ぼう」
トレーを天内に渡して、後ろ手に扉を閉める。
まさか天内が、扉を開けてくれるとは思っていなかった。
「マオー、トランプしよう?」
部屋にある棚をあさりながら言う柚瑠。
界李は、──俺のベッドで寝てるし。
「作戦会議はどうなったのさ」
「まぁ、まだ夜は長いし良いじゃん!」
今日は金曜日。
たしかに明日は学校は休みだけど、その次の日の日曜日は一華との遊園地デート。
俺としては、体調を万全にしたいところだ。
でもうるうるとした目で見られては、断れない。
「はぁ。……一回だけだよ?」
「やった! ミカド、カードをシャッフルして!」
「僕が?」
「めんどくさ……じゃない、苦手なんだもん! ボクは、カイリを起こすからヨロシク~」
ベッドで寝ている界李の上へ、ドーンっとダイブする柚瑠を横目に。
カードをシャッフルしている天内の向かい側に座って、お茶を一口飲む。
「トランプはなにをするんだ? ババ抜きなのか、神経衰弱なのか」
「あー……。柚瑠、なにからするの?」
「うーん。神経衰弱!」
柚瑠が、眠たそうな界李の腕をひっぱり、全員テーブルに集まった。
「第一回、男だらけのトランプ大会! スタート!」
柚瑠のコールで始まった、男四人のトランプ大会。
ここに一華がいれば、華やかでもっと楽しいだろうに……。
──ま、こういう日も悪くないけどね。
柚瑠のフォローに入るべく、父さんにそう言えば「なるほど」の一言。
父さんは、他人の感情に疎い。
「……タ、タツマさん! 何かマオに用事? ボクたち帰った方がいい?」
「いや、たいしたことじゃない。ゆっくりしていけ」
それだけ言うと、父さんは自分の部屋に帰っていった。
後ろから、少し興奮したような界李の声が聞こえた。
「龍魔さん、久しぶりに見たかも」
「……名前は知っていたが、僕は初めて見た」
「ミカド、初めて見たの? もったいなーい! あんなにカッコよくて、強い人ほかにいないよ!?」
「もちろん、強いのは知っている。……なんせ『黒羽龍魔』は、上位悪魔だからな」
そう俺の父さんは、悪魔のなかでもさらに上の存在。
上位悪魔と呼ばれている。
血のように赤い瞳、闇夜に紛れる黒い髪。
俺は父さんの特徴をよく受け継いでいた。
上位悪魔は、他の悪魔をねじ伏せる、圧倒的強さを持っている。
だから、普段は無表情でたまに天然なところが多いけれど、父さんを尊敬する悪魔は多い。
「タツマさんの、なにがいいってさぁ! ──」
「(また始まった……)」
柚瑠の父さん語りは長いんだよね。
俺はそっと部屋を出て、飲み物を取りに一階のリビングへ向かった。
◇◇◆◇◇
人数分の飲み物をトレーにおいて、二階へと戻る。
両手がふさがっているから、誰かにあけてもらおう。
「ねぇ、誰かあけてくれるー?」
すぐに、ガチャっと扉があいた。
「ありが……と、天内」
「いや別に。これは僕が、テーブルまで運ぼう」
トレーを天内に渡して、後ろ手に扉を閉める。
まさか天内が、扉を開けてくれるとは思っていなかった。
「マオー、トランプしよう?」
部屋にある棚をあさりながら言う柚瑠。
界李は、──俺のベッドで寝てるし。
「作戦会議はどうなったのさ」
「まぁ、まだ夜は長いし良いじゃん!」
今日は金曜日。
たしかに明日は学校は休みだけど、その次の日の日曜日は一華との遊園地デート。
俺としては、体調を万全にしたいところだ。
でもうるうるとした目で見られては、断れない。
「はぁ。……一回だけだよ?」
「やった! ミカド、カードをシャッフルして!」
「僕が?」
「めんどくさ……じゃない、苦手なんだもん! ボクは、カイリを起こすからヨロシク~」
ベッドで寝ている界李の上へ、ドーンっとダイブする柚瑠を横目に。
カードをシャッフルしている天内の向かい側に座って、お茶を一口飲む。
「トランプはなにをするんだ? ババ抜きなのか、神経衰弱なのか」
「あー……。柚瑠、なにからするの?」
「うーん。神経衰弱!」
柚瑠が、眠たそうな界李の腕をひっぱり、全員テーブルに集まった。
「第一回、男だらけのトランプ大会! スタート!」
柚瑠のコールで始まった、男四人のトランプ大会。
ここに一華がいれば、華やかでもっと楽しいだろうに……。
──ま、こういう日も悪くないけどね。
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