17 / 18
5章.憧れと、「憎い」
5.憶測という永遠に答えの出ない議論
しおりを挟む
「豊臣って‥日本からの荷物なんかを持ってきてくれたりしてくれる豊臣? 」
僕が首を傾げるとおじ様が頷いた。優しい目で僕をゆったりと見る。
「鳴門君にとって豊臣ってどんな風に見えてる? 正直に言って」
質問をされてるんだけど、僕はそれに対して急いで答えなければ‥とは思わない。おじ様と話していて、そういう焦りを一切感じたことはない。おじ様はいつも、僕が答えるのをゆったりと待ってくれる。
いつだって、僕にとっておじ様は、余裕のある大人だ。
それが心強くもあり、すこし‥悔しくもある。(子供扱いされてるようで、ちょっとね)
子供扱いされて悔しくもあるが、だけど、僕は事実子供だ。
無理に大人ぶった答えを口にしようとか知った振りしようなんて思わない。
わかるか分からないか。
シンプルにそれだけだ。知ってたら言うし、知らなかったら聞く。‥それだけだ。
「どう見える‥」
僕は考えを纏めるために、呟いた。
だけど、考えを纏めるどころか‥別に何の考えも浮かんでこない。僕は苦笑いして肩を竦め
「どうって‥面倒くさいところだよねって思うだけです」
思ったままを口にした。
「面倒くさい? 」
おじ様の目がキランと光った気がした。おじ様の目が僕を見ている。その目が‥何かを期待している。
ええ‥期待するようなこと‥言ったか?? 期待されても‥僕はそんな期待に応える様な答えは持ち合わせておりませんが??
‥でも、仕方がない。
「ええ。里の人間でありながら、日本政府に税金を払って、学校にいって就職して‥。
でも、日本政府にはアカラサマに危険人物扱いされてて‥
他の里の人たちと同じように暮らした方が楽だのにな‥って思います」
僕は「素直に」そう説明した。(さっきも言ったけど、大人ぶっても仕方がないからね)
おじさまはちょっと目を見開いて驚いた表情をして、次の瞬間ふふって微笑んだ。
「ああ‥そういう「面倒」ね」
‥やっぱり、違いますよね。ご期待に沿えませんでしたよね‥。
おじ様は僕が日本政府にとって、もしくは里にとって「面倒な存在」って言ったのかと思ったのだろう。つまり、それが「期待通りの答え」だったってわけだ。
‥まあ‥それは想像はつく。だけど、そんな大人みたいなこと‥僕は言いませんよ。仮に(かっこつけて)言ってみたところで「どう面倒な存在なんだい? 」って聞かれたらもう答えに窮するじゃないか。‥それって‥もっとダサいよね?
おじ様は姿勢を少し崩して、ゆったりとした口調で
「面倒‥そうだね、その話からしていこうか」
って言った。
「例えば、里にとって豊臣という存在はどう面倒か。
役割の話じゃないよ。
役割としては、豊臣はなくてはならない存在だからね。
外界(日本)との交流を断っている里と外界との唯一の接点は豊臣だけだからね」
僕は頷く。
「里に豊臣が日本からの荷物を持ってこれるのは、豊臣は「日本人」で日本人としての権利を総て持っているからだ。免許も取れる、パスポートも取得できる。日本人としての権利を持っているってことはそう言うことだ。
例えば、日本に住んでいる限り買い物は出来る。お金を持っていれば一晩の宿をとることだってできるだろう。だけど、借家を借りようと思ったら自分が何者であるかっていう保証がいる。家を建てようと思ったらなおさらだ。つまり、豊臣はお金さえあればこの国のどこでも過ごすことが可能ってことだ。
反対に戸籍がない我々はここを離れたらどこに住むこともできない。
戸籍がないってことはそう言うことだ」
僕はまた頷く。
「この国において戸籍を取得するってことは、子供が産まれて出生届を役所‥日本政府に提出する。だけどそもそも、その親が誰かってことが戸籍で証明されてなきゃいけないよね。急に「子供が産まれました。戸籍に乗せてください」じゃダメだ。私にはよくは分からないが‥そういうことだと思う」
何でも知ってるおじ様が分からないってことが意外だったけど、‥でもまあ、戸籍すらない僕たちには無関係な話だから知らなくてもおかしくないかなって。(それ以前に、ほんとに興味がないんだろう)
「‥話を元に戻すと、豊臣は日本人だから免許も取れるし、海外にも行ける。
里にとっても、そういう存在は必要なんだ。
免許やらパスポートを違法に取得することは出来ようが、そういうことをすれば日本政府に攻撃の切っ掛けを与えてしまう。重ねていうが、我々は影であって違法集団ではない。
‥昔は、日本政府がそこら辺のことを手配してくれていたんだ。
表立ってではなく、人を使ってね。それが豊臣の役割だった」
だけど、「日本政府寄りだった」昔とは違って、今の豊臣は里寄りだ。代を重ね、次第に影に対する恩義を忘れた日本政府にとって影はいつしか邪魔な存在になった。‥そうなると、豊臣は必要なくなった。
で、そんな豊臣を拾ったのが里だったってわけだ」
かなりざっくりとおじ様は今の豊臣の状況について説明してくれた。
つまり、日本政府は薄情で、豊臣は恩を忘れない義理堅い家だってこと。
「豊臣は、だから日本政府に疎まれてるの? 」
僕が尋ねるとおじ様は「たぶんね」って言った。
「マークされている。だけど、表向きは豊臣は一日本国民だ。
日本人としての権利を認め、また日本人としての義務を果たさなければいけない。国民の三大義務「教育、勤労、納税」だ。
納税の為に働かなければいけないけど、日本政府にマークされている豊臣は仕事が選べない。一般企業はまず嫌がる。
だから、今豊臣の人たちは保険の仕事をしている。政府が推奨している「助け合い保険」だ。保険を勧めたり、説明したり、何かあったら対処したり‥そういう仕事をしているらしい。
飼い主であり、エサを与えて安全を保障しているのは里なのに、政府に首輪をつけられ監視され(しかも労役を強いられている! )犬。‥丁度そんな状態だ。(※ なぜ犬に例えた~と思うが、それほど不条理な状態といいたかったんだろう)
‥税金を払ってるのに、目をつけられるなんて、不条理で‥鳴門君の言葉を借りればホントに面倒だね」
おじ様がちょっと眉を寄せて苦笑いする。
僕は「う~ん」と首を傾げて「それもそうだけど‥寧ろ」って呟く。
それもあるんだけど、寧ろね
「いや、僕は学校に行くってのが面倒だなって。日本の子供は、生きていく上で直接必要でもない知識を「皆同じ様に」教育されるって聞きました。そういうのが‥無駄だなって‥。
確かに僕らでもね、共通して学ぶ学問はある。
文字を覚える。計算を覚える。毒についての知識を得るため‥化学を学ぶ。あと、天気の勉強。雲と風を読み、天気を予想する。それから、語学。もっとも大事なのが護身術。
‥だけど、その進捗状況は人によって違うわけじゃないですか。誰もが同じペースで覚えられるわけがない。得意不得意がある。‥だけど、覚えないと生活していく上で困るから覚えるんですよね。だから、僕らに「落ちこぼれ」はいない。落ちこぼれて、置き去りにされる子はいない。
だけど‥日本の子供たちはそれを「皆同じペースで、同じ様に」学ぶんでしょ? ‥考えられませんよ」
ふう‥とため息をつく。おじ様は苦笑いしてるだけ、「そうだね」って同意することもせず、ただ僕の話をじっと聞いてるだけだ。
その間、相槌も打たないおじ様だけど、でも、聞いてないと疑うことはない。
僕は一方的に話を続けた。
「基本的な学問は勿論大切ですが、専門的な学問も学ばなければいけないですよね?
‥例えば、暗殺者の家系は暗殺術を学ぶ。鍛冶職人は刀について学んだり、その使い方を学ぶ。
‥人はそれぞれ学ばなければいけないことが違うわけでしょ? なのに、9年間も皆一緒に机を並べて同じことを学ぶとか‥面倒でしかない。我慢を学ぶ時間ですか? それなら、座禅でも組んだ方が意味がありますよね? 」
僕はこれが面倒だって思うワケ。
学校って何じゃって思うよ。義務教育で9年? 何? なんの時間? 大人になるために必要な知識を得るって‥9年もいる? その理由が「将来の就職について考える時間」って‥
9年もいる??
職業を選ぶとか‥僕たちにはない概念だからよくわからない。
「さあてなあ‥我々は日本政府のいう教育を受けたことないから何とも言えないね。憶測で批判するのは良くないよね」
もしかしたら、それが「有能な人材」を育成する為の最も効率的なプロセスなのかもしれない。
どんな性格の人間であれ「これが当たり前のルーティンだ」って言われたら、余程ひねくれた人間でない限り「そういうものか」と従うだろう。
周りと同じにするのが当たり前だって思うだろう。
9年間かけて、社会(日本政府)にとっての常識と、日本政府にとって有益な知識を習得させ、日本政府に従順な人材を育成する。‥そういうことではないだろうか?
9年間の義務教育とは? それは本当に最良な教育方針なのか?
そんなことを数分間二人で話したが、答えは勿論でるわけもなく‥
「‥何か怖いですね」
鳴門が小さくため息をついてその話は終わった。
「‥それで、何の話をしてましたっけ‥。
ああ、豊臣の話‥おじ様は豊臣をどういう風に考えていますか? 」
僕は、さっきまでの話の「纏め」に入るであろう質問をおじ様にぶつけた。
これがきっと‥おじ様が僕に今日最もしたかった話だって思うから。
そして、それはおそらく正解だったのだろう。おじ様はふっと目元を緩め、ゆったりと微笑んだ。
「そうさね‥」
僕が首を傾げるとおじ様が頷いた。優しい目で僕をゆったりと見る。
「鳴門君にとって豊臣ってどんな風に見えてる? 正直に言って」
質問をされてるんだけど、僕はそれに対して急いで答えなければ‥とは思わない。おじ様と話していて、そういう焦りを一切感じたことはない。おじ様はいつも、僕が答えるのをゆったりと待ってくれる。
いつだって、僕にとっておじ様は、余裕のある大人だ。
それが心強くもあり、すこし‥悔しくもある。(子供扱いされてるようで、ちょっとね)
子供扱いされて悔しくもあるが、だけど、僕は事実子供だ。
無理に大人ぶった答えを口にしようとか知った振りしようなんて思わない。
わかるか分からないか。
シンプルにそれだけだ。知ってたら言うし、知らなかったら聞く。‥それだけだ。
「どう見える‥」
僕は考えを纏めるために、呟いた。
だけど、考えを纏めるどころか‥別に何の考えも浮かんでこない。僕は苦笑いして肩を竦め
「どうって‥面倒くさいところだよねって思うだけです」
思ったままを口にした。
「面倒くさい? 」
おじ様の目がキランと光った気がした。おじ様の目が僕を見ている。その目が‥何かを期待している。
ええ‥期待するようなこと‥言ったか?? 期待されても‥僕はそんな期待に応える様な答えは持ち合わせておりませんが??
‥でも、仕方がない。
「ええ。里の人間でありながら、日本政府に税金を払って、学校にいって就職して‥。
でも、日本政府にはアカラサマに危険人物扱いされてて‥
他の里の人たちと同じように暮らした方が楽だのにな‥って思います」
僕は「素直に」そう説明した。(さっきも言ったけど、大人ぶっても仕方がないからね)
おじさまはちょっと目を見開いて驚いた表情をして、次の瞬間ふふって微笑んだ。
「ああ‥そういう「面倒」ね」
‥やっぱり、違いますよね。ご期待に沿えませんでしたよね‥。
おじ様は僕が日本政府にとって、もしくは里にとって「面倒な存在」って言ったのかと思ったのだろう。つまり、それが「期待通りの答え」だったってわけだ。
‥まあ‥それは想像はつく。だけど、そんな大人みたいなこと‥僕は言いませんよ。仮に(かっこつけて)言ってみたところで「どう面倒な存在なんだい? 」って聞かれたらもう答えに窮するじゃないか。‥それって‥もっとダサいよね?
おじ様は姿勢を少し崩して、ゆったりとした口調で
「面倒‥そうだね、その話からしていこうか」
って言った。
「例えば、里にとって豊臣という存在はどう面倒か。
役割の話じゃないよ。
役割としては、豊臣はなくてはならない存在だからね。
外界(日本)との交流を断っている里と外界との唯一の接点は豊臣だけだからね」
僕は頷く。
「里に豊臣が日本からの荷物を持ってこれるのは、豊臣は「日本人」で日本人としての権利を総て持っているからだ。免許も取れる、パスポートも取得できる。日本人としての権利を持っているってことはそう言うことだ。
例えば、日本に住んでいる限り買い物は出来る。お金を持っていれば一晩の宿をとることだってできるだろう。だけど、借家を借りようと思ったら自分が何者であるかっていう保証がいる。家を建てようと思ったらなおさらだ。つまり、豊臣はお金さえあればこの国のどこでも過ごすことが可能ってことだ。
反対に戸籍がない我々はここを離れたらどこに住むこともできない。
戸籍がないってことはそう言うことだ」
僕はまた頷く。
「この国において戸籍を取得するってことは、子供が産まれて出生届を役所‥日本政府に提出する。だけどそもそも、その親が誰かってことが戸籍で証明されてなきゃいけないよね。急に「子供が産まれました。戸籍に乗せてください」じゃダメだ。私にはよくは分からないが‥そういうことだと思う」
何でも知ってるおじ様が分からないってことが意外だったけど、‥でもまあ、戸籍すらない僕たちには無関係な話だから知らなくてもおかしくないかなって。(それ以前に、ほんとに興味がないんだろう)
「‥話を元に戻すと、豊臣は日本人だから免許も取れるし、海外にも行ける。
里にとっても、そういう存在は必要なんだ。
免許やらパスポートを違法に取得することは出来ようが、そういうことをすれば日本政府に攻撃の切っ掛けを与えてしまう。重ねていうが、我々は影であって違法集団ではない。
‥昔は、日本政府がそこら辺のことを手配してくれていたんだ。
表立ってではなく、人を使ってね。それが豊臣の役割だった」
だけど、「日本政府寄りだった」昔とは違って、今の豊臣は里寄りだ。代を重ね、次第に影に対する恩義を忘れた日本政府にとって影はいつしか邪魔な存在になった。‥そうなると、豊臣は必要なくなった。
で、そんな豊臣を拾ったのが里だったってわけだ」
かなりざっくりとおじ様は今の豊臣の状況について説明してくれた。
つまり、日本政府は薄情で、豊臣は恩を忘れない義理堅い家だってこと。
「豊臣は、だから日本政府に疎まれてるの? 」
僕が尋ねるとおじ様は「たぶんね」って言った。
「マークされている。だけど、表向きは豊臣は一日本国民だ。
日本人としての権利を認め、また日本人としての義務を果たさなければいけない。国民の三大義務「教育、勤労、納税」だ。
納税の為に働かなければいけないけど、日本政府にマークされている豊臣は仕事が選べない。一般企業はまず嫌がる。
だから、今豊臣の人たちは保険の仕事をしている。政府が推奨している「助け合い保険」だ。保険を勧めたり、説明したり、何かあったら対処したり‥そういう仕事をしているらしい。
飼い主であり、エサを与えて安全を保障しているのは里なのに、政府に首輪をつけられ監視され(しかも労役を強いられている! )犬。‥丁度そんな状態だ。(※ なぜ犬に例えた~と思うが、それほど不条理な状態といいたかったんだろう)
‥税金を払ってるのに、目をつけられるなんて、不条理で‥鳴門君の言葉を借りればホントに面倒だね」
おじ様がちょっと眉を寄せて苦笑いする。
僕は「う~ん」と首を傾げて「それもそうだけど‥寧ろ」って呟く。
それもあるんだけど、寧ろね
「いや、僕は学校に行くってのが面倒だなって。日本の子供は、生きていく上で直接必要でもない知識を「皆同じ様に」教育されるって聞きました。そういうのが‥無駄だなって‥。
確かに僕らでもね、共通して学ぶ学問はある。
文字を覚える。計算を覚える。毒についての知識を得るため‥化学を学ぶ。あと、天気の勉強。雲と風を読み、天気を予想する。それから、語学。もっとも大事なのが護身術。
‥だけど、その進捗状況は人によって違うわけじゃないですか。誰もが同じペースで覚えられるわけがない。得意不得意がある。‥だけど、覚えないと生活していく上で困るから覚えるんですよね。だから、僕らに「落ちこぼれ」はいない。落ちこぼれて、置き去りにされる子はいない。
だけど‥日本の子供たちはそれを「皆同じペースで、同じ様に」学ぶんでしょ? ‥考えられませんよ」
ふう‥とため息をつく。おじ様は苦笑いしてるだけ、「そうだね」って同意することもせず、ただ僕の話をじっと聞いてるだけだ。
その間、相槌も打たないおじ様だけど、でも、聞いてないと疑うことはない。
僕は一方的に話を続けた。
「基本的な学問は勿論大切ですが、専門的な学問も学ばなければいけないですよね?
‥例えば、暗殺者の家系は暗殺術を学ぶ。鍛冶職人は刀について学んだり、その使い方を学ぶ。
‥人はそれぞれ学ばなければいけないことが違うわけでしょ? なのに、9年間も皆一緒に机を並べて同じことを学ぶとか‥面倒でしかない。我慢を学ぶ時間ですか? それなら、座禅でも組んだ方が意味がありますよね? 」
僕はこれが面倒だって思うワケ。
学校って何じゃって思うよ。義務教育で9年? 何? なんの時間? 大人になるために必要な知識を得るって‥9年もいる? その理由が「将来の就職について考える時間」って‥
9年もいる??
職業を選ぶとか‥僕たちにはない概念だからよくわからない。
「さあてなあ‥我々は日本政府のいう教育を受けたことないから何とも言えないね。憶測で批判するのは良くないよね」
もしかしたら、それが「有能な人材」を育成する為の最も効率的なプロセスなのかもしれない。
どんな性格の人間であれ「これが当たり前のルーティンだ」って言われたら、余程ひねくれた人間でない限り「そういうものか」と従うだろう。
周りと同じにするのが当たり前だって思うだろう。
9年間かけて、社会(日本政府)にとっての常識と、日本政府にとって有益な知識を習得させ、日本政府に従順な人材を育成する。‥そういうことではないだろうか?
9年間の義務教育とは? それは本当に最良な教育方針なのか?
そんなことを数分間二人で話したが、答えは勿論でるわけもなく‥
「‥何か怖いですね」
鳴門が小さくため息をついてその話は終わった。
「‥それで、何の話をしてましたっけ‥。
ああ、豊臣の話‥おじ様は豊臣をどういう風に考えていますか? 」
僕は、さっきまでの話の「纏め」に入るであろう質問をおじ様にぶつけた。
これがきっと‥おじ様が僕に今日最もしたかった話だって思うから。
そして、それはおそらく正解だったのだろう。おじ様はふっと目元を緩め、ゆったりと微笑んだ。
「そうさね‥」
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
リインカーネーション
たかひらひでひこ
SF
いく度もの転生、再びの出会いを繰り返す、えにしの者たち。
それぞれが綾なす人生は、どう移り変わっていくのか。
オレは、新しき出会いに、めまぐるしく運命を変遷させる。
Wanderer’s Steel Heart
蒼波
SF
もう何千年、何万年前の話だ。
数多くの大国、世界中の力ある強者達が「世界の意思」と呼ばれるものを巡って血を血で洗う、大地を空の薬莢で埋め尽くす程の大戦争が繰り広げられた。命は一発の銃弾より軽く、当時、最新鋭の技術であった人型兵器「強き心臓(ストレングス・ハート)」が主軸を握ったこの惨禍の果てに人類は大きくその数を減らしていった…
SEVEN TRIGGER
匿名BB
SF
20xx年、科学のほかに魔術も発展した現代世界、伝説の特殊部隊「SEVEN TRIGGER」通称「S.T」は、かつて何度も世界を救ったとされる世界最強の特殊部隊だ。
隊員はそれぞれ1つの銃器「ハンドガン」「マシンガン」「ショットガン」「アサルトライフル」「スナイパーライフル」「ランチャー」「リボルバー」を極めたスペシャリストによって構成された部隊である。
その中で「ハンドガン」を極め、この部隊の隊長を務めていた「フォルテ・S・エルフィー」は、ある事件をきっかけに日本のとある港町に住んでいた。
長年の戦場での生活から離れ、珈琲カフェを営みながら静かに暮らしていたフォルテだったが、「セイナ・A・アシュライズ」との出会いをきっかけに、再び戦いの世界に身を投じていくことになる。
マイペースなフォルテ、生真面目すぎるセイナ、性格の合わない2人はケンカしながらも、互いに背中を預けて悪に立ち向かう。現代SFアクション&ラブコメディー
お騒がせ銀河婦警セラとミーチャ♡百合の華咲く捜査線
YHQ337IC
SF
―絶対正義を振りかざす者は己の窮地など夢想だにしないか、敢えて無視することでゆるぎなく力を行使するのであろう。
それは、信仰と呼び換えてもいい。だから、イオナ・フローレンスは人を殺すことにした。
超長距離移民船団に悪役宣教師令嬢が爆誕した。彼女は己の正義を実行すべく移民政策の破壊を企てる。巻き添えも厭わない大胆不敵な女刑事セラは狂信的テロ教団を追う。
十万トン級の航空戦艦を使役する女捜査官たちの事件簿
BLUE TONIC 【1巻】
平木明日香
SF
西暦2111年。
謎のウィルスが蔓延した世界。
人は体内に埋め込まれたナノマシンによって管理、統制されていた。
通称クラウドシステムと呼ばれるこの「制御プログラム」は、人類の増加による地球環境の悪化によって計画された極秘プロジェクトだった。
全人類へナノマシンを埋め込むために用いられた人工ウィルス「CB」は、脳幹細胞へと侵入し、“自己人格“を破壊する。
人類は「自己」という生物学的にプログラムされた知覚を失ったことで、争いのない平和な世界を手に入れていた。
変化のない生活。
永遠に繰り返される「日常」を。
しかし、ナノマシンの制御プログラムにもバグが存在し、自己人格を取り戻すイレギュラーな人間も存在する。
そういった人間たちによって立ち上げられた組織、『ブルーアーカイブス』は、統制された世界から「自由」を取り戻すため、影から世界をコントロールしている国際組織『ICBM』の破壊を目論んでいた。
自己人格を取り戻しつつあった少年、水崎潤平は、ブルーアーカイブスの隊員、猪本サツキと出会う。
彼らは世界の“日常“を取り戻すため、共に戦うことを決意した。
——その先に待ち受けていたものとは?
ロボゲー最強の俺がゲーム中に転移した事故
ヤート
SF
SF型MMORPG「ギャラクシー・ジャイアント」
2265年にリリースされ、宇宙を舞台とした広大な世界観、自由な操作性、リアルタイムなアクションや機体のカスタムや開発など当時爆発的な人気を誇っていたそのカーマインも時代とともに忘れ去られサービス終了日に1人ログインしていたプレイヤーがいた。
最期のひと時を過ごすハズがー
ワークロボット社
シュレディンガーのうさぎ
SF
舞台は2180年で、人間そっくりなアンドロイドが世界に普及しているという設定です。
そんな世界でアンドロイド業界を支配する会社『ワークロボット社』に秘書(セクレ)として勤めることになった人間、サラがその会社のCEOや従業員たちと絆を深めながら、アンドロイドと人間がどのような関係であるべきかを模索していきます。
*気が向いたら続きを書くという感じになります。
地球が蒼に染まる時、空に鳴く
藍染木蓮 一彦
SF
竜と少年たち、前時代の文明崩壊の後、全力で生きる───。
地殻変動により、海底から吹き出したガスの中に電気エネルギーにかわるシアグル粒子が発見される。
龍の襲来、白の巨塔に住む人間と、外で戦う軍人。
少年たちは白の巨塔から逃げて、世界に飛び出す。
※BLのタグをつけていますが、その判断は読者様にお任せします
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる