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最終章 狂酔編
第244話 カケララ戦‐護神中立国②
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ともあれ、一瞬で数えられないほどの大石が連続で飛んできたらとても避けられない。
「会長、ビームでなんとかならないですか?」
「破壊できてもせいぜい一個だよ」
「アレ、やるです。いちばん手前の石に全力で撃ってくださいです」
セクレがポケットから大量の紙を取り出し、それを空にまいた。
それはただの紙ではない。白い液体を裏面に染み込ませた銀紙だ。
不透明液体の操作型魔法は、紙に染み込ませることで紙の操作型に成り得る。
非常に綺麗な鏡面の紙で、魔法により紙のシワを伸ばしてから空へと飛ばし、そしてカケララを浮遊する石ごと取り囲む位置に配置した。
石が動きだす前にやらなければセクレの計算が狂ってしまう。レイジーは最速で最大のレーザービームを放った。
いちばん近い石がまず破壊され、セクレが固定した銀紙がビームを反射して別の石を破壊する。
それが繰り返され、すべての石が砕け散って、最後にカケララへと直撃した。
さすがに光の速度には対応できないようで、紅いドレスの腹部にポッカリと穴が開いた。
ただし、穴が開いたのはドレスだけであり、その下にあるマシュマロのように白い肌はちょっと紅潮しただけで、傷にすらなっていない。
「ふーん。痛いじゃない。ちょっとだけど」
カケララの人を見下したような視線が少しだけ変わった。寝起きの目から、それをゴシゴシと指でこすった目くらいのわずかな変化だが、本気度が増したのが分かった。
「セクレ、守りを任せるよ!」
「はいです!」
またさっきみたいに無数の石を操られたら次は対処しきれない。そうでなくても体を操られて捻じ切られても負けだ。
強力な念動力を使うカケララに対しては先手を取るしか勝ち目はない。それも、一回ではなく、先手を取りつづけなければならない。
本気の攻撃でもわずかしかダメージを与えられないのだから、何時間もの持久戦になる。その何時間を攻撃されずに攻撃しつづけなければならない。
レイジーはカケララの周囲に光の玉を発生させた。頭上に八つ、水平方向に八つ、足元に八つ。全部で二十四の光点が球状にカケララを取り囲んでいる。
セクレは銀紙をすべて引いて自分とレイジーの前に並べた。
「いくよ!」
光の玉がいっせいにレーザー光線を放った。
今度は指から放ったわけではないので、レイジーの指を操作しても光の軌道は変えられない。
そのはずだった。
「ふふふ」
二十四のすべての光線が、カケララに届く前にクネッと曲がって方々へ散った。
レイジーやセクレの方に飛んできたものもあったが、セクレの銀紙がそれを別の方向へと弾いた。
「それは、まさか……」
レイジーには身に覚えがある。
それは魔導学院で開催されたバトルフェスティバルの決勝戦、ゲス・エストとの戦いでも同じようなことがあった。
「そう、空気を操作したのよ。空気の密度を変化させることによって光を屈折させる。ああ、この世界の人たちって、そういう理科のお話は理解できるんだっけ?」
レイジーもセクレも後半はもう話を聞いていなかった。それどころではなかった。
空気が操作されることの恐ろしさはよく知っている。
そして悪い予感は、それが脳裏をよぎったころにはすでに的中していたことを知る。
「会長、息が……」
苦しい。息はできる。しかし空気を吸っても吸っても吸った気がしない。
「ふふふふ。あはははは」
カケララは二人を殺すつもりはない。不死を与え、意識を失わないよう加減しながら、苦しみや痛みを与えつづけるのだ。
カケララが地上に降りてきて近接戦闘を仕掛けてきた。セクレはそういった心得がないため、パンチ一発で吹っ飛んだ。
レイジーは護身術をたしなんでいたが、圧倒的なスピードに成すすべがなかった。
一秒で十発くらいのパンチを浴び、地面に這いつくばる。そこを蹴り上げられ、朦朧とする意識で受身も取れずに地面に叩きつけられる。
カケララは明らかに加減していた。レイジーが死なないように、意識が飛ばないように。
本気を出せばもっと速く動けるし、拳一発でレイジーを撲殺することもできる。
レイジーは霞む視界の中に、歩み寄ってくるカケララを捉えた。
その心境は絶望と恐怖。
「あぁ……、レイジーは、間違えたのかな……」
レイジーの脳裏にはエアの顔がよぎった。
これはもう地獄だ。こうなる前に死んでいたほうがよかったのかもしれない。
もういっそのこと、狂気に呑まれてしまったほうが楽だろう。いや、そんなことを考えているうちはまだ狂気とはほど遠いのだ。
いつまで経っても息が絶え絶えなのは、いまだにずっと空気を薄くされているのも手伝っている。
苦しくて、辛くて、痛くて、怖くて、哀しくて、恐ろしくて、悲しくて、耐えきれない。そこに悔しさを抱く隙間はなかった。
レイジーは純粋な苦しみから涙を流していた。
「かい……ちょう……」
遠くでうつ伏せに倒れているセクレがレイジーの方を見て手を伸ばしている。彼女もレイジーと同じように泣いている。
足音が近づいてきて、レイジーは視線をそちらに戻した。
見上げる力も勇気もない。紅い靴と白い脚を視界に入れたまま動けない。
「ねえ、もしかして絶望している? あららら、いけないわ。これはいけない。私が甘すぎた。こんな生ぬるいことしていたなんて、私ったらなんて恥ずかしいのかしら。カケラなら絶望する暇を与えずに恐怖や苦痛を与えつづけられるのに、ね!」
「ゲフッ……」
腹部に一度の衝撃。
これは始まりだ。
レイジーにはもはや声もなく泣くことしかできなかった。
視界の端に、セクレの四肢が捻じれてのたうち回っているのが見えた。
「会長、ビームでなんとかならないですか?」
「破壊できてもせいぜい一個だよ」
「アレ、やるです。いちばん手前の石に全力で撃ってくださいです」
セクレがポケットから大量の紙を取り出し、それを空にまいた。
それはただの紙ではない。白い液体を裏面に染み込ませた銀紙だ。
不透明液体の操作型魔法は、紙に染み込ませることで紙の操作型に成り得る。
非常に綺麗な鏡面の紙で、魔法により紙のシワを伸ばしてから空へと飛ばし、そしてカケララを浮遊する石ごと取り囲む位置に配置した。
石が動きだす前にやらなければセクレの計算が狂ってしまう。レイジーは最速で最大のレーザービームを放った。
いちばん近い石がまず破壊され、セクレが固定した銀紙がビームを反射して別の石を破壊する。
それが繰り返され、すべての石が砕け散って、最後にカケララへと直撃した。
さすがに光の速度には対応できないようで、紅いドレスの腹部にポッカリと穴が開いた。
ただし、穴が開いたのはドレスだけであり、その下にあるマシュマロのように白い肌はちょっと紅潮しただけで、傷にすらなっていない。
「ふーん。痛いじゃない。ちょっとだけど」
カケララの人を見下したような視線が少しだけ変わった。寝起きの目から、それをゴシゴシと指でこすった目くらいのわずかな変化だが、本気度が増したのが分かった。
「セクレ、守りを任せるよ!」
「はいです!」
またさっきみたいに無数の石を操られたら次は対処しきれない。そうでなくても体を操られて捻じ切られても負けだ。
強力な念動力を使うカケララに対しては先手を取るしか勝ち目はない。それも、一回ではなく、先手を取りつづけなければならない。
本気の攻撃でもわずかしかダメージを与えられないのだから、何時間もの持久戦になる。その何時間を攻撃されずに攻撃しつづけなければならない。
レイジーはカケララの周囲に光の玉を発生させた。頭上に八つ、水平方向に八つ、足元に八つ。全部で二十四の光点が球状にカケララを取り囲んでいる。
セクレは銀紙をすべて引いて自分とレイジーの前に並べた。
「いくよ!」
光の玉がいっせいにレーザー光線を放った。
今度は指から放ったわけではないので、レイジーの指を操作しても光の軌道は変えられない。
そのはずだった。
「ふふふ」
二十四のすべての光線が、カケララに届く前にクネッと曲がって方々へ散った。
レイジーやセクレの方に飛んできたものもあったが、セクレの銀紙がそれを別の方向へと弾いた。
「それは、まさか……」
レイジーには身に覚えがある。
それは魔導学院で開催されたバトルフェスティバルの決勝戦、ゲス・エストとの戦いでも同じようなことがあった。
「そう、空気を操作したのよ。空気の密度を変化させることによって光を屈折させる。ああ、この世界の人たちって、そういう理科のお話は理解できるんだっけ?」
レイジーもセクレも後半はもう話を聞いていなかった。それどころではなかった。
空気が操作されることの恐ろしさはよく知っている。
そして悪い予感は、それが脳裏をよぎったころにはすでに的中していたことを知る。
「会長、息が……」
苦しい。息はできる。しかし空気を吸っても吸っても吸った気がしない。
「ふふふふ。あはははは」
カケララは二人を殺すつもりはない。不死を与え、意識を失わないよう加減しながら、苦しみや痛みを与えつづけるのだ。
カケララが地上に降りてきて近接戦闘を仕掛けてきた。セクレはそういった心得がないため、パンチ一発で吹っ飛んだ。
レイジーは護身術をたしなんでいたが、圧倒的なスピードに成すすべがなかった。
一秒で十発くらいのパンチを浴び、地面に這いつくばる。そこを蹴り上げられ、朦朧とする意識で受身も取れずに地面に叩きつけられる。
カケララは明らかに加減していた。レイジーが死なないように、意識が飛ばないように。
本気を出せばもっと速く動けるし、拳一発でレイジーを撲殺することもできる。
レイジーは霞む視界の中に、歩み寄ってくるカケララを捉えた。
その心境は絶望と恐怖。
「あぁ……、レイジーは、間違えたのかな……」
レイジーの脳裏にはエアの顔がよぎった。
これはもう地獄だ。こうなる前に死んでいたほうがよかったのかもしれない。
もういっそのこと、狂気に呑まれてしまったほうが楽だろう。いや、そんなことを考えているうちはまだ狂気とはほど遠いのだ。
いつまで経っても息が絶え絶えなのは、いまだにずっと空気を薄くされているのも手伝っている。
苦しくて、辛くて、痛くて、怖くて、哀しくて、恐ろしくて、悲しくて、耐えきれない。そこに悔しさを抱く隙間はなかった。
レイジーは純粋な苦しみから涙を流していた。
「かい……ちょう……」
遠くでうつ伏せに倒れているセクレがレイジーの方を見て手を伸ばしている。彼女もレイジーと同じように泣いている。
足音が近づいてきて、レイジーは視線をそちらに戻した。
見上げる力も勇気もない。紅い靴と白い脚を視界に入れたまま動けない。
「ねえ、もしかして絶望している? あららら、いけないわ。これはいけない。私が甘すぎた。こんな生ぬるいことしていたなんて、私ったらなんて恥ずかしいのかしら。カケラなら絶望する暇を与えずに恐怖や苦痛を与えつづけられるのに、ね!」
「ゲフッ……」
腹部に一度の衝撃。
これは始まりだ。
レイジーにはもはや声もなく泣くことしかできなかった。
視界の端に、セクレの四肢が捻じれてのたうち回っているのが見えた。
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