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最終章 狂酔編
第242話 愛しきものを汚し、尊きものを壊す
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世界は狂気に呑まれつつあった。
友達、恋人、家族、目に映る人間を見境なく傷つけ、自分の大事にしているものを破壊する。
その狂気が病のように広がり、世界の地獄への変貌が着々と進行している。
それでいて笑うのだ。
血の涙を流しながら笑う。
彼らは嬉しいのではない。哀しいのではない。楽しいのではない。怒ってもいない。絶望しているのでもない。
彼らはただ発狂している。それだけだ。
ただ、カケラの狂気は優しくない。
彼らをずっと発狂したままにはせず、一時的に正気に戻す。
そこで人は哀しみ、人によっては怒り、人によっては絶望する。
あるいは人によっては喜び、人によっては楽しむが、それがほかの人をより傷つける。
そしてまた彼らは発狂する。今度は強いられた発狂ではなく、妥当な帰結として発狂するのだ。
ここ、護神中立国は人口が少ない。人口密度にしていえば、公地よりも低い。
それだけ入国するのにふさわしい精神的健常者が少ないということだ。
誠実で、清楚で、真面目で、穏和で、優しい人たち。
ゆえに、生にわずかでも刺激を求める人種というのは、この護神中立国には入国できない場合が多く、入国できたとしても長居する者などいない。
この護神中立国に留まって暮らしているのは、神様への信仰心が強い者だけだ。
護神中立国の人間でも、もちろんカケラの狂気には逆らえない。
ただ、彼らが狂気に染まったとき、ほかの誰かを傷つけるという行為は一件も生じなかった。
彼らが手を出したのは、護神中立国内の建物だ。
この国における建物はすべて神聖なものとされており、それらを傷つけたり破壊する行為は神への冒涜とされている。
ゆえに、彼らが一瞬だけでも正気に戻ったとき、あまりにも罪深い自らの行いを知って、自責の念に押し潰される。極度の精神的ストレスで心臓が止まる者もいれば、自分への罰として自害する者もいる。
その光景を見たアンジュとエンジュは、悲しくて涙が止まらなくなった。
「アンジュ……」
「エンジュ……」
涙を流す双子は、お互いに腕を背中に回して抱きしめ合った。
少しして離れた二人は、互いの顔を見て顔を蒼く染めた。二人とも頬に紅い筋があったのだ。
それは血の涙の跡。
自分たちがさっき目にした光景は、決して他人事ではない。
二人は表層から心の奥底までに段階的に存在する恐怖をすべて引きずり出されたような気がした。
「え……」
そしてさらなる異変が彼女たちを襲う。
体が思うように動かない。いや、正確にいうと、思ってもいない動きを体が勝手にするのだ。理性がそれに抵抗するのだが、体が理性に対して抵抗し、それがだんだんと強くなっていく。
「アンジュ、逃げて! アタイ、もう……」
「ウチももう駄目だよ、エンジュ……」
二人が互いの首に両手を伸ばす。明らかに首を絞めようとしている。
最初は勝手に動く自分の体に対して強い意志をもって逆らおうとしていたが、だんだんと自分の意思が手を動かしているという錯覚に陥っていく。
混乱し、どうすればいいのか分からなくなって、謎の外力に逆らえなくなる。
「しっかりしなさい!」
突如として飛んできた喝にビクッと体が跳ね、その反動で二人の思考から紅いモヤが追い出された。
二人を助けたのはサンディア・グレインだった。
サンディアの面倒見がいいこともあり、魔導学院において風紀委員を務めるアンジュとエンジュは、副風紀委員長であるサンディアに絶大な信頼を寄せている。
生徒会長であるレイジー・デントや風紀委員長であるルーレ・リッヒは魔導学院において絶大な人気と信頼と羨望を集めていたが、アンジュとエンジュはそこにサンディアを加えた三人を三大巨塔として見ていた。
「ごめんなさい。でも、サンディア先輩がこっちに来て大丈夫なんですか? いくら生徒会長とその腹心でも、あんなバケモノにたった二人で挑むなんて……」
アンジュが心配そうにサンディアを見上げ、エンジュは黙って頷いた。
二人は同年代とは思えないくらい幼い見た目をしているので、ついつい甘やかしてしまう。それはサンディアに限ったことではない。
「私は生徒会長と連携経験があまりないから、足をひっぱってしまうわ。それより救える人たちをできるだけ多く救いましょう。できるわね?」
「はい!」
アンジュとエンジュのフィジカルがあまり強くないのは見たままなのだが、二人は魔導師としてもあまり強くない。
アンジュは静電気の発生型魔導師で、エンジュは湿度の操作型魔導師だ。ほぼ無力といってもいい。
二人はただただ魔導学院の生徒会への憧れと、豊かな学院生活を守りたいという想いで風紀委員になったのだった。
「先輩、あれ!」
アンジュが何かに気づいて叫んだ。
サンディアがそちらに目を向けると、五人の男が三方から巨木に斧を打ち込んでいた。
その巨木には大きな切込みが入っていて、いまにも倒れようとしていた。
「木は任せて。あなたたちは彼らを避難させて」
巨木がゆっくりと傾いていく。角度が増していくと倒れるスピードも増す。
サンディアは急いで砂を操作し、巨木に集めた。砂が巨木を支える。
しかしサンディアは魔法の行使力が強くはない。巨木を押し返せず、押しとどめることしかできなかった。
「エンジュ、行くよ!」
アンジュとエンジュは巨木の下敷きになりそうな男の元へ走った。
男は巨木にしがみついていて二人は彼をひっぱるが、なかなか巨木から引き剥がせなかった。
男は完全に気が狂っている。
たとえ自殺願望が強い人間でも、死の瞬間が引き延ばされていつそのときがくるか分からないという恐怖の前には一度は引くものだ。しかしこの男はガンとして巨木から離れない。
「エンジュ、ウチがやる。ちょっと離れて」
アンジュが男の首に手を近づけ、魔法を使った。
バチッと青白い光が迸り、男はしがみついていた巨木から落下した。その衝撃で正気に戻ったようで、どうにか逃がすことに成功した。
アンジュの静電気の魔法は魔法の中でも最弱の部類だが、珍しく状況が整って役に立ったのだった。
「サンディア先輩、もう大丈夫です!」
サンディアは魔法を解除し、巨木を重力に預けて地面に寝かせた。
魔法に必要なのは想像力と集中力。疲労するのは脳。
サンディアを立ちくらみが襲ったが、後輩二人に弱った姿を見せないよう気丈に振舞った。
「狂気に呑まれた人はまだたくさんいるわ。早く次に行きましょう」
巨木を倒していた残りの四人は散り散りに別の何かを壊しにいった。
それにそのほかにも正気を失った人がたくさんいる。
「早く助けなきゃ……」
サンディアは必死だった。人々を救いたいという気持ちはもちろんあるが、それ以上に自分がこちらに来た意味を証明したかった。
レイジーとセクレ、二人を置いてきたことは間違いではなかったと自分に言い聞かせて、彼女は動きつづけた。
狂気に堕ちた人々を全員助け、早く生徒会長たちの元へ戻るために。
友達、恋人、家族、目に映る人間を見境なく傷つけ、自分の大事にしているものを破壊する。
その狂気が病のように広がり、世界の地獄への変貌が着々と進行している。
それでいて笑うのだ。
血の涙を流しながら笑う。
彼らは嬉しいのではない。哀しいのではない。楽しいのではない。怒ってもいない。絶望しているのでもない。
彼らはただ発狂している。それだけだ。
ただ、カケラの狂気は優しくない。
彼らをずっと発狂したままにはせず、一時的に正気に戻す。
そこで人は哀しみ、人によっては怒り、人によっては絶望する。
あるいは人によっては喜び、人によっては楽しむが、それがほかの人をより傷つける。
そしてまた彼らは発狂する。今度は強いられた発狂ではなく、妥当な帰結として発狂するのだ。
ここ、護神中立国は人口が少ない。人口密度にしていえば、公地よりも低い。
それだけ入国するのにふさわしい精神的健常者が少ないということだ。
誠実で、清楚で、真面目で、穏和で、優しい人たち。
ゆえに、生にわずかでも刺激を求める人種というのは、この護神中立国には入国できない場合が多く、入国できたとしても長居する者などいない。
この護神中立国に留まって暮らしているのは、神様への信仰心が強い者だけだ。
護神中立国の人間でも、もちろんカケラの狂気には逆らえない。
ただ、彼らが狂気に染まったとき、ほかの誰かを傷つけるという行為は一件も生じなかった。
彼らが手を出したのは、護神中立国内の建物だ。
この国における建物はすべて神聖なものとされており、それらを傷つけたり破壊する行為は神への冒涜とされている。
ゆえに、彼らが一瞬だけでも正気に戻ったとき、あまりにも罪深い自らの行いを知って、自責の念に押し潰される。極度の精神的ストレスで心臓が止まる者もいれば、自分への罰として自害する者もいる。
その光景を見たアンジュとエンジュは、悲しくて涙が止まらなくなった。
「アンジュ……」
「エンジュ……」
涙を流す双子は、お互いに腕を背中に回して抱きしめ合った。
少しして離れた二人は、互いの顔を見て顔を蒼く染めた。二人とも頬に紅い筋があったのだ。
それは血の涙の跡。
自分たちがさっき目にした光景は、決して他人事ではない。
二人は表層から心の奥底までに段階的に存在する恐怖をすべて引きずり出されたような気がした。
「え……」
そしてさらなる異変が彼女たちを襲う。
体が思うように動かない。いや、正確にいうと、思ってもいない動きを体が勝手にするのだ。理性がそれに抵抗するのだが、体が理性に対して抵抗し、それがだんだんと強くなっていく。
「アンジュ、逃げて! アタイ、もう……」
「ウチももう駄目だよ、エンジュ……」
二人が互いの首に両手を伸ばす。明らかに首を絞めようとしている。
最初は勝手に動く自分の体に対して強い意志をもって逆らおうとしていたが、だんだんと自分の意思が手を動かしているという錯覚に陥っていく。
混乱し、どうすればいいのか分からなくなって、謎の外力に逆らえなくなる。
「しっかりしなさい!」
突如として飛んできた喝にビクッと体が跳ね、その反動で二人の思考から紅いモヤが追い出された。
二人を助けたのはサンディア・グレインだった。
サンディアの面倒見がいいこともあり、魔導学院において風紀委員を務めるアンジュとエンジュは、副風紀委員長であるサンディアに絶大な信頼を寄せている。
生徒会長であるレイジー・デントや風紀委員長であるルーレ・リッヒは魔導学院において絶大な人気と信頼と羨望を集めていたが、アンジュとエンジュはそこにサンディアを加えた三人を三大巨塔として見ていた。
「ごめんなさい。でも、サンディア先輩がこっちに来て大丈夫なんですか? いくら生徒会長とその腹心でも、あんなバケモノにたった二人で挑むなんて……」
アンジュが心配そうにサンディアを見上げ、エンジュは黙って頷いた。
二人は同年代とは思えないくらい幼い見た目をしているので、ついつい甘やかしてしまう。それはサンディアに限ったことではない。
「私は生徒会長と連携経験があまりないから、足をひっぱってしまうわ。それより救える人たちをできるだけ多く救いましょう。できるわね?」
「はい!」
アンジュとエンジュのフィジカルがあまり強くないのは見たままなのだが、二人は魔導師としてもあまり強くない。
アンジュは静電気の発生型魔導師で、エンジュは湿度の操作型魔導師だ。ほぼ無力といってもいい。
二人はただただ魔導学院の生徒会への憧れと、豊かな学院生活を守りたいという想いで風紀委員になったのだった。
「先輩、あれ!」
アンジュが何かに気づいて叫んだ。
サンディアがそちらに目を向けると、五人の男が三方から巨木に斧を打ち込んでいた。
その巨木には大きな切込みが入っていて、いまにも倒れようとしていた。
「木は任せて。あなたたちは彼らを避難させて」
巨木がゆっくりと傾いていく。角度が増していくと倒れるスピードも増す。
サンディアは急いで砂を操作し、巨木に集めた。砂が巨木を支える。
しかしサンディアは魔法の行使力が強くはない。巨木を押し返せず、押しとどめることしかできなかった。
「エンジュ、行くよ!」
アンジュとエンジュは巨木の下敷きになりそうな男の元へ走った。
男は巨木にしがみついていて二人は彼をひっぱるが、なかなか巨木から引き剥がせなかった。
男は完全に気が狂っている。
たとえ自殺願望が強い人間でも、死の瞬間が引き延ばされていつそのときがくるか分からないという恐怖の前には一度は引くものだ。しかしこの男はガンとして巨木から離れない。
「エンジュ、ウチがやる。ちょっと離れて」
アンジュが男の首に手を近づけ、魔法を使った。
バチッと青白い光が迸り、男はしがみついていた巨木から落下した。その衝撃で正気に戻ったようで、どうにか逃がすことに成功した。
アンジュの静電気の魔法は魔法の中でも最弱の部類だが、珍しく状況が整って役に立ったのだった。
「サンディア先輩、もう大丈夫です!」
サンディアは魔法を解除し、巨木を重力に預けて地面に寝かせた。
魔法に必要なのは想像力と集中力。疲労するのは脳。
サンディアを立ちくらみが襲ったが、後輩二人に弱った姿を見せないよう気丈に振舞った。
「狂気に呑まれた人はまだたくさんいるわ。早く次に行きましょう」
巨木を倒していた残りの四人は散り散りに別の何かを壊しにいった。
それにそのほかにも正気を失った人がたくさんいる。
「早く助けなきゃ……」
サンディアは必死だった。人々を救いたいという気持ちはもちろんあるが、それ以上に自分がこちらに来た意味を証明したかった。
レイジーとセクレ、二人を置いてきたことは間違いではなかったと自分に言い聞かせて、彼女は動きつづけた。
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