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第六章 試練編
第212話 天空遺跡
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見渡す限りの海。見渡す限りの空。
快晴と呼べるほど雲は少なく疎らだった。
そんな澄み渡った青空の中にポツンと黒い点が漂っている。
それこそが天空遺跡だった。
俺とエアは顔を見合わせて頷くと、重力とは反対方向にビューンと飛んだ。
辿り着くまでには三分ほどかかった。俺たちのスピードで三分もかかるということは、この遺跡は相当な高度にあるということだ。感覚的には時速百五十キロくらいだったので、ざっくり計算すると約三万キロの高さということになる。
黒い点に見えていた遺跡を間近で見ると、ピラミッドのようなカラシ色の大石の連なりであることが分かった。
全景は立方体を斜めにして角を天と地に向けたような構造だが、それがあまりにも巨大で、諸島連合の島一つ分という話が大袈裟ではなかったことを知る。
水平方向の角に穴が開いており、そこが入り口になっているようだった。
この遺跡は迷路になっているらしいが、いかにも罠が待ち構えている雰囲気があり、ワクワクと不安がないまぜになる。
「エア、慎重に行くぞ」
「うん。分かってる」
俺は空間把握モードを展開した。遺跡の中にある空気への魔法リンクをどんどんつなげていき、探知網を張り巡らせていく。
中はそうとう厄介な迷路になっていて、紙に描き起こしたとしてもかなり苦戦する迷路だった。
「暗いな。エア、いちおう明かりを頼めるか?」
「空間把握モードの探知に集中したほうがよくない?」
「情報量は多いほうがいい。視覚でしか捉えられないものもあるからな」
エアは遺跡に入りながら指先に光を灯した。
指先に浮く小さな光の玉を俺に渡そうと振り向いた彼女は、俺の後方に目をやった。
「本当だ……、逃げて!」
俺も後ろを振り向くと、そこには入り口を塞ぐほどの大きさの黒い球体があった。
後方には空気の操作リンクを張っていなかったが、張ろうとしてもなぜか張れなかった。
輪郭がぼやけてはっきりと形を確認できないが、なんとなく球体状をしているらしい黒い塊が、俺たちの方へと近寄ってきていることだけは分かった。
「エア、何か投げてみろ。アレの性質を知りたい」
エアが球体へ向けて指先から光線を放った。
しかし球体に変化はない。光を吸収したのか、かき消したのか、それともただ通り抜けたのか、ぜんぜん分からなかった。
俺たちは前方へと飛んで進みながら後方の黒い球体を警戒しつづけた。
「石を出せるか?」
「うん」
エアは今度は手のひらに石を生み出し、それを黒い球体に向けて投げた。すると、球体に近づいた石はバラバラに分解されて黒い球体に飲み込まれた。
「ブラックホールか!」
もちろん本物のブラックホールではなく、似たような性質を持つ何かだろう。
しかし同等の恐怖がそこにはあった。俺たちを飲み込もうと近づいてくるそれは、生命ではなく現象だからこそ恐ろしい。
「早く逃げよう、エスト」
「待て。これだけ試させてくれ」
これが神の用意した試練のうちに含まれるのであれば、このブラックホールも神が創ったものであり、同じく神が創った神器級のものであれば干渉できるかもしれない。
俺は神器・ムニキスを鞘から抜いた。そして鞘のほうをブラックホールに近づけた。もちろん、刀本体のほうが分解されたら困るから鞘を使ったのだ。
「お……」
結果、鞘は分解されず、吸い込まれもしなかった。
俺はいけると確信した。魔法のリンクを斬る神器・ムニキスの力でこのブラックホールは消せる。
俺は鞘を腰に戻して刀を握った。そしてブラックホールを斬りつける。
「――ッ!?」
結果、ブラックホールは消えなかった。それどころか加速した。
心臓が跳ねる中でとっさに後方へ飛んだ。かなり接近していたが、どうにか離れられた。
「エスト、危ない!」
エアの叫び。俺はその声に反応しきれなかった。
空気鎧越しではあるが、背中に何かがぶつかる衝撃を受けた。
「ぐわっ」
この四角い洞窟のような穴を梁が横断していた。
空気による探知はずっとしていた。ついさっきまではなかったものだ。この梁は突如として張り出してきたのだ。
「ヤバイ、ヤバイ、ヤバイ!」
梁が邪魔で後ろに下がれない。空気でへし折ろうにもビクともしない。
そんな梁に阻まれて俺は動けない中、ブラックホールが加速しながら迫ってくる。
「うっ」
俺の体はグイッとひっぱられた。下方へ、その後に後方へ。
エアが梁の下から俺の足首を掴んでひっぱったのだ。
髪が少し吸われた気がしたが、どうにか生き延びた。
「もう大丈夫だ!」
俺とエアは次から次へと張り出す梁をかわしながら奥へと進む。
ブラックホールは梁をすり抜けて追いかけてくる。遺跡には干渉しないようだ。
「もうすぐ最初の分岐点だ。右に行くぞ」
「分かった」
遺跡はゴゴゴゴ、ゴロゴロゴロという音を立てだした。
嫌な予感がする。
俺とエアはY字路に差しかかった。そして迷わず右へと進んだ。
俺はもう迷路を覚えている。ゴールは中央の大部屋だ。
「エスト!」
「マズイ、マズイ、マズイ!」
通路が動いている。壁がグリグリと回転し、遺跡の内部が変形していく。
石のこすれる音がすべてやんだと思ったら、俺とエアの通路は一本道になり、その先にあるのは行き止まりだった。
後ろからはブラックホールが追いかけてくる。加速している。
俺たちも壁に向かって加速するしかない。
壁がどんどん近づいて目前まで迫っている。
「エア、闇、外!」
俺は必要最小限の言葉で指示を出し、おそらく同じ考えを持っていたであろうエアがそれを実行に移す。
エアは影を正面に伸ばして広げ、それをワープゾーンにした。そこへ二人で飛び込む。
「…………」
俺とエアは遺跡の外にいた。ワープゾーンはもう消えており、ブラックホールも追いかけてこない。
「振り出しね」
「ワープで一気にゴールまで行くことはできないのか?」
「無理。さっきワープホールを作って分かったけれど、遺跡の外側には移動できても内側には移動できないみたい。また入り口からやり直すしかないわ」
「そうか。いや、まあ、情報は増えた。次は少しじっくりと確認する」
「私は少し休むね」
「ああ」
俺は遺跡の中に空間把握モードを展開し、そのまましばし待機することにした。
快晴と呼べるほど雲は少なく疎らだった。
そんな澄み渡った青空の中にポツンと黒い点が漂っている。
それこそが天空遺跡だった。
俺とエアは顔を見合わせて頷くと、重力とは反対方向にビューンと飛んだ。
辿り着くまでには三分ほどかかった。俺たちのスピードで三分もかかるということは、この遺跡は相当な高度にあるということだ。感覚的には時速百五十キロくらいだったので、ざっくり計算すると約三万キロの高さということになる。
黒い点に見えていた遺跡を間近で見ると、ピラミッドのようなカラシ色の大石の連なりであることが分かった。
全景は立方体を斜めにして角を天と地に向けたような構造だが、それがあまりにも巨大で、諸島連合の島一つ分という話が大袈裟ではなかったことを知る。
水平方向の角に穴が開いており、そこが入り口になっているようだった。
この遺跡は迷路になっているらしいが、いかにも罠が待ち構えている雰囲気があり、ワクワクと不安がないまぜになる。
「エア、慎重に行くぞ」
「うん。分かってる」
俺は空間把握モードを展開した。遺跡の中にある空気への魔法リンクをどんどんつなげていき、探知網を張り巡らせていく。
中はそうとう厄介な迷路になっていて、紙に描き起こしたとしてもかなり苦戦する迷路だった。
「暗いな。エア、いちおう明かりを頼めるか?」
「空間把握モードの探知に集中したほうがよくない?」
「情報量は多いほうがいい。視覚でしか捉えられないものもあるからな」
エアは遺跡に入りながら指先に光を灯した。
指先に浮く小さな光の玉を俺に渡そうと振り向いた彼女は、俺の後方に目をやった。
「本当だ……、逃げて!」
俺も後ろを振り向くと、そこには入り口を塞ぐほどの大きさの黒い球体があった。
後方には空気の操作リンクを張っていなかったが、張ろうとしてもなぜか張れなかった。
輪郭がぼやけてはっきりと形を確認できないが、なんとなく球体状をしているらしい黒い塊が、俺たちの方へと近寄ってきていることだけは分かった。
「エア、何か投げてみろ。アレの性質を知りたい」
エアが球体へ向けて指先から光線を放った。
しかし球体に変化はない。光を吸収したのか、かき消したのか、それともただ通り抜けたのか、ぜんぜん分からなかった。
俺たちは前方へと飛んで進みながら後方の黒い球体を警戒しつづけた。
「石を出せるか?」
「うん」
エアは今度は手のひらに石を生み出し、それを黒い球体に向けて投げた。すると、球体に近づいた石はバラバラに分解されて黒い球体に飲み込まれた。
「ブラックホールか!」
もちろん本物のブラックホールではなく、似たような性質を持つ何かだろう。
しかし同等の恐怖がそこにはあった。俺たちを飲み込もうと近づいてくるそれは、生命ではなく現象だからこそ恐ろしい。
「早く逃げよう、エスト」
「待て。これだけ試させてくれ」
これが神の用意した試練のうちに含まれるのであれば、このブラックホールも神が創ったものであり、同じく神が創った神器級のものであれば干渉できるかもしれない。
俺は神器・ムニキスを鞘から抜いた。そして鞘のほうをブラックホールに近づけた。もちろん、刀本体のほうが分解されたら困るから鞘を使ったのだ。
「お……」
結果、鞘は分解されず、吸い込まれもしなかった。
俺はいけると確信した。魔法のリンクを斬る神器・ムニキスの力でこのブラックホールは消せる。
俺は鞘を腰に戻して刀を握った。そしてブラックホールを斬りつける。
「――ッ!?」
結果、ブラックホールは消えなかった。それどころか加速した。
心臓が跳ねる中でとっさに後方へ飛んだ。かなり接近していたが、どうにか離れられた。
「エスト、危ない!」
エアの叫び。俺はその声に反応しきれなかった。
空気鎧越しではあるが、背中に何かがぶつかる衝撃を受けた。
「ぐわっ」
この四角い洞窟のような穴を梁が横断していた。
空気による探知はずっとしていた。ついさっきまではなかったものだ。この梁は突如として張り出してきたのだ。
「ヤバイ、ヤバイ、ヤバイ!」
梁が邪魔で後ろに下がれない。空気でへし折ろうにもビクともしない。
そんな梁に阻まれて俺は動けない中、ブラックホールが加速しながら迫ってくる。
「うっ」
俺の体はグイッとひっぱられた。下方へ、その後に後方へ。
エアが梁の下から俺の足首を掴んでひっぱったのだ。
髪が少し吸われた気がしたが、どうにか生き延びた。
「もう大丈夫だ!」
俺とエアは次から次へと張り出す梁をかわしながら奥へと進む。
ブラックホールは梁をすり抜けて追いかけてくる。遺跡には干渉しないようだ。
「もうすぐ最初の分岐点だ。右に行くぞ」
「分かった」
遺跡はゴゴゴゴ、ゴロゴロゴロという音を立てだした。
嫌な予感がする。
俺とエアはY字路に差しかかった。そして迷わず右へと進んだ。
俺はもう迷路を覚えている。ゴールは中央の大部屋だ。
「エスト!」
「マズイ、マズイ、マズイ!」
通路が動いている。壁がグリグリと回転し、遺跡の内部が変形していく。
石のこすれる音がすべてやんだと思ったら、俺とエアの通路は一本道になり、その先にあるのは行き止まりだった。
後ろからはブラックホールが追いかけてくる。加速している。
俺たちも壁に向かって加速するしかない。
壁がどんどん近づいて目前まで迫っている。
「エア、闇、外!」
俺は必要最小限の言葉で指示を出し、おそらく同じ考えを持っていたであろうエアがそれを実行に移す。
エアは影を正面に伸ばして広げ、それをワープゾーンにした。そこへ二人で飛び込む。
「…………」
俺とエアは遺跡の外にいた。ワープゾーンはもう消えており、ブラックホールも追いかけてこない。
「振り出しね」
「ワープで一気にゴールまで行くことはできないのか?」
「無理。さっきワープホールを作って分かったけれど、遺跡の外側には移動できても内側には移動できないみたい。また入り口からやり直すしかないわ」
「そうか。いや、まあ、情報は増えた。次は少しじっくりと確認する」
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