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第六章 試練編
第207話 身の程を思い知る②
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「なぜここに!? どうやって?」
俺の声は上ずっていた。対して、紅い狂気は不敵な笑みを浮かべている。
「あら、私はずっと後ろにいたわよ。ただ、私は気配を完全に消していたから気づかないのは当然よね。それに、あなたたちが後ろを振り向かないように思考を操作していたもの。もちろん、番人たちも私の存在に気づいていないわ」
「何が目的だ!」
「ふふふ。名前をもらえなくても、そいつの生の支配を使えば私は限りなく本物に近づける」
そういうことか!
俺はまんまとしてやられたらしい。暁寮で紅い狂気と対峙したとき、紅い狂気が俺たちを見逃したのは、俺が神に会うことを利用して自分が神に会うためだったのだ。
紅い狂気が神に対して何らかの手段を講じれば、本物と同じ名前を得ることと同等の力を得られるようだ。
いよいよ世界が地獄へと変貌する。俺の責任だ。全力で阻止する!
「エア!」
俺は力を借りるべくエアに呼びかけた。
俺とエアは視線を合わせ頷きあった。
俺は即座に柔剛を兼ね備える空気鎧をまとい、執行モードとなった。
紅い狂気は相手の心を読んでくる。心を読んでも対処しきれないくらいに素早く仕掛ければ勝機はあるはず。
俺は硬い空気で覆った拳を、肘部の空気の膨張で加速させた。自身の肉体への負担は大きいが、自滅覚悟で紅い狂気へと拳を打ち込む。
しかし、拳は紅い狂気には届かなかった。いまのシャイルはポニーテールではない。髪は縛られていないが、俺の拳の風圧ではまったくなびかなかった。つまり紅い狂気にはわずかのダメージも与えられていないということだ。
だが、紅い狂気が俺の攻撃を防いでいるということは、いまはエアに対してノーマークになっているはず。エアなら俺より強力な攻撃が繰り出せる。ここでエアが……。
「エア!?」
後方へ振り向いた俺は目を疑った。
エアの腕は筋肉が入っていないかのようにダランと垂れているし、首が頭を支えきれずにうな垂れている。半開きの口からはヨダレが糸を引いて零れ落ちる。虚ろな目はただ地面を見つめていた。まるで電池が切れたロボットのようだ。
「貴様! エアに何をした!」
「ふふふ。自分が何をされているかについてはいいの?」
突如、俺の身体が浮く。俺が自分で空気を操作しているのではない。空気が勝手に俺を持ち上げているのだ。
空中で逆さ吊りにされ、両腕と両脚を捻じられ、首を絞められている。
空気が俺の操作を受けつけない。紅い狂気が空気を操っているのか。
いや、俺は確かに空気にリンクを張っている。俺がリンクを張っている空気は俺にしか操れないはず。
「ま……ざ……がぁ……」
「そうね。そのまさかで合っているわよ。私はあなたを操っているの」
俺は紅い狂気に操られて空気で自分を締め上げているのだ。
それを知った俺の口が、意思に反して激しい歯軋りを始めた。これは空気でどうこうしているのではない。俺の体そのものが動かされている。
「ぐぐぐ、うぐぐぐ」
歯が削れてなくなりそうだ。早く止めなければ。
いや、それよりも首の絞まりをなんとかしなければ息ができない。腕と脚もすごく痛い。
意識が飛びそうな状況なのに、意識はクリアだ。これも紅い狂気の仕業だろう。苦痛を全霊で味わえと。
滅茶苦茶だ。まるで全知全能の神に罰を与えられているようだ。
「はあっ!」
突如、俺の腹に鋭い衝撃が走った。
気づいたら、先ほど本殿から出てきた少年の掌底が俺の腹に減り込んでいた。
俺は腹が爆発したように背中側へ吹き飛ばされたが、意識がクリアだったおかげでリンクの切れた空気にリンクを張りなおすことに成功した。
俺は空中で止まり、少年の近くに戻った。
「助かった。エアも頼む」
「これは僕には無理かな。彼女は記憶の扉を潜っている。途中で呼び戻せるのはあいつだけさ。でも大丈夫だよ。いずれは戻ってくる」
俺は内心、エアの心配どころではなかった。
自分の身に起こることへの恐怖。また紅い狂気に操られて苦痛を強制されることが怖くて仕方がなかった。
だが、紅い狂気はすでに本来の標的に意識を向けているようだった。
神と思しき少年も紅い狂気の前に歩み出る。
不用意に近づくべきではないと俺が後ろから声をかけようとしたら、少年は右手を挙げてそれを制止した。
紅い狂気に対峙する少年の背中は、あまり頼もしくはなかった。紅いオーラが滲み出ている紅い狂気に対し、少年には何もない。
だが、それでいいのだと俺は知る。
「紅い狂気さん。残念ながら君の望みは果たされないよ。僕も本物じゃないんだ。ただの精霊。だから生の支配の力なんて持っていないんだ。僕には最初から君が見えていたけれど、その上でここへ降臨したんだよ」
紅い狂気は目を細めて少年をしばらく見ていたが、目を閉じてゆっくりと首を振った。
「用心深いわね、アイツ。生の力を与えないだけでなく、想力そのものを弱く設定するなんてね。あんたみたいな雑魚を何体刻んだって楽しくもないし意味もないってこと、よく分かっているじゃないの」
紅い狂気は両手を肩まで挙げて短い溜息をついた。そして、あっけなく踵を返した。
紅い狂気は歩きだす前に、俺に向けて言った。
「ゲス・エスト。私はあなたを騙してはいないわよ。あなたが強くなって私に立ち向かう《その刻》を楽しみに待っているわ。ちゃんと名前も考えておくのよ。三文字でね」
紅い狂気が歩きはじめたかと思ったら、次の瞬間にはこつぜんと姿を消した。
エアが膝から崩れ落ち、両手を地に着いて肩で息をしている。
「大丈夫か、エア」
「これ、キツイ……」
エアの全身が汗でびっしょりになっていた。口から垂れるヨダレはいまだに拭われない。
「少し休憩してから話そうか」
少年は本殿まで歩いていき、階段に腰をかけた。脚を開き、両脚にそれぞれ腕を乗せ、目を閉じた。
瞑想する彼の息遣いは、優しい波の音のように俺たちに安息を与えた。
俺の声は上ずっていた。対して、紅い狂気は不敵な笑みを浮かべている。
「あら、私はずっと後ろにいたわよ。ただ、私は気配を完全に消していたから気づかないのは当然よね。それに、あなたたちが後ろを振り向かないように思考を操作していたもの。もちろん、番人たちも私の存在に気づいていないわ」
「何が目的だ!」
「ふふふ。名前をもらえなくても、そいつの生の支配を使えば私は限りなく本物に近づける」
そういうことか!
俺はまんまとしてやられたらしい。暁寮で紅い狂気と対峙したとき、紅い狂気が俺たちを見逃したのは、俺が神に会うことを利用して自分が神に会うためだったのだ。
紅い狂気が神に対して何らかの手段を講じれば、本物と同じ名前を得ることと同等の力を得られるようだ。
いよいよ世界が地獄へと変貌する。俺の責任だ。全力で阻止する!
「エア!」
俺は力を借りるべくエアに呼びかけた。
俺とエアは視線を合わせ頷きあった。
俺は即座に柔剛を兼ね備える空気鎧をまとい、執行モードとなった。
紅い狂気は相手の心を読んでくる。心を読んでも対処しきれないくらいに素早く仕掛ければ勝機はあるはず。
俺は硬い空気で覆った拳を、肘部の空気の膨張で加速させた。自身の肉体への負担は大きいが、自滅覚悟で紅い狂気へと拳を打ち込む。
しかし、拳は紅い狂気には届かなかった。いまのシャイルはポニーテールではない。髪は縛られていないが、俺の拳の風圧ではまったくなびかなかった。つまり紅い狂気にはわずかのダメージも与えられていないということだ。
だが、紅い狂気が俺の攻撃を防いでいるということは、いまはエアに対してノーマークになっているはず。エアなら俺より強力な攻撃が繰り出せる。ここでエアが……。
「エア!?」
後方へ振り向いた俺は目を疑った。
エアの腕は筋肉が入っていないかのようにダランと垂れているし、首が頭を支えきれずにうな垂れている。半開きの口からはヨダレが糸を引いて零れ落ちる。虚ろな目はただ地面を見つめていた。まるで電池が切れたロボットのようだ。
「貴様! エアに何をした!」
「ふふふ。自分が何をされているかについてはいいの?」
突如、俺の身体が浮く。俺が自分で空気を操作しているのではない。空気が勝手に俺を持ち上げているのだ。
空中で逆さ吊りにされ、両腕と両脚を捻じられ、首を絞められている。
空気が俺の操作を受けつけない。紅い狂気が空気を操っているのか。
いや、俺は確かに空気にリンクを張っている。俺がリンクを張っている空気は俺にしか操れないはず。
「ま……ざ……がぁ……」
「そうね。そのまさかで合っているわよ。私はあなたを操っているの」
俺は紅い狂気に操られて空気で自分を締め上げているのだ。
それを知った俺の口が、意思に反して激しい歯軋りを始めた。これは空気でどうこうしているのではない。俺の体そのものが動かされている。
「ぐぐぐ、うぐぐぐ」
歯が削れてなくなりそうだ。早く止めなければ。
いや、それよりも首の絞まりをなんとかしなければ息ができない。腕と脚もすごく痛い。
意識が飛びそうな状況なのに、意識はクリアだ。これも紅い狂気の仕業だろう。苦痛を全霊で味わえと。
滅茶苦茶だ。まるで全知全能の神に罰を与えられているようだ。
「はあっ!」
突如、俺の腹に鋭い衝撃が走った。
気づいたら、先ほど本殿から出てきた少年の掌底が俺の腹に減り込んでいた。
俺は腹が爆発したように背中側へ吹き飛ばされたが、意識がクリアだったおかげでリンクの切れた空気にリンクを張りなおすことに成功した。
俺は空中で止まり、少年の近くに戻った。
「助かった。エアも頼む」
「これは僕には無理かな。彼女は記憶の扉を潜っている。途中で呼び戻せるのはあいつだけさ。でも大丈夫だよ。いずれは戻ってくる」
俺は内心、エアの心配どころではなかった。
自分の身に起こることへの恐怖。また紅い狂気に操られて苦痛を強制されることが怖くて仕方がなかった。
だが、紅い狂気はすでに本来の標的に意識を向けているようだった。
神と思しき少年も紅い狂気の前に歩み出る。
不用意に近づくべきではないと俺が後ろから声をかけようとしたら、少年は右手を挙げてそれを制止した。
紅い狂気に対峙する少年の背中は、あまり頼もしくはなかった。紅いオーラが滲み出ている紅い狂気に対し、少年には何もない。
だが、それでいいのだと俺は知る。
「紅い狂気さん。残念ながら君の望みは果たされないよ。僕も本物じゃないんだ。ただの精霊。だから生の支配の力なんて持っていないんだ。僕には最初から君が見えていたけれど、その上でここへ降臨したんだよ」
紅い狂気は目を細めて少年をしばらく見ていたが、目を閉じてゆっくりと首を振った。
「用心深いわね、アイツ。生の力を与えないだけでなく、想力そのものを弱く設定するなんてね。あんたみたいな雑魚を何体刻んだって楽しくもないし意味もないってこと、よく分かっているじゃないの」
紅い狂気は両手を肩まで挙げて短い溜息をついた。そして、あっけなく踵を返した。
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エアが膝から崩れ落ち、両手を地に着いて肩で息をしている。
「大丈夫か、エア」
「これ、キツイ……」
エアの全身が汗でびっしょりになっていた。口から垂れるヨダレはいまだに拭われない。
「少し休憩してから話そうか」
少年は本殿まで歩いていき、階段に腰をかけた。脚を開き、両脚にそれぞれ腕を乗せ、目を閉じた。
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