127 / 302
第三章 共和国編
第126話 最強の魔導師②
しおりを挟む
精霊は最初は不定形のエレメントの要素が多いが、契約者から得た感情を食べることで、その精霊のモデルとなる生物に姿が寄っていく。
エアは空気の精霊で人型だ。
最初に出会ったときは顔の形もはっきりとしていなかったが、いまではまつ毛だって人間と同じように生えているし、手のひらには掌紋が見て取れるくらい本物の人と見分けがつかない。
いまのエアはそれくらいにはっきりと人の姿をしていた。
髪、眉、まつ毛だけは真っ白で幻想的な雰囲気を醸し出しているが、もはやそこにいるのは十代前半くらいのただの少女だ。
空気のように透きとおった綺麗な手が、ガッチリと固められた空気の壁に触れる。
空気の固定をほぼエアに委ね、俺は盲目のゲンへの攻撃を再開した。
先ほど俺は攻撃を一時中断したが、攻撃に使っている空気に対して操作リンクを切ったわけではない。ただ動きを止めただけだ。
再びスカイフォールが侵攻をはじめた。
盲目のゲンは長い長い水のムチを無数に走らせ、自身の周囲の空気を切り裂いた。まだスカイフォールのカラクリに気がついていないようだ。
そんな防衛行動を取りながら、彼は同時に攻撃の手も休めなかった。
水の龍がグングン伸びてこちらへと迫ってくる。そして大口を開けて俺たちを飲み込んだ。
膨大な量の水が俺とエアを空気の壁越しに完全に包み込み、圧力をかけてくる。それでも防御が割れないと悟ったか、今度は塊や杭の形状で何度も水を叩きつけてくる。
それでも、エアが固定した空気はビクともしなかった。
「うぐっ」
再び盲目のゲンによるゼロ・リップ。
絶対防御の内部にも空間把握モードで操作リンクを張っていた水分が存在した。
量としてはわずか。だが、俺の皮膚を切り裂くには少量の水で十分。もし俺が盲目のゲンなら、ゼロ・リップによって作った傷からそのまま水を血管内に侵入させ、内部から体を破壊する。
そんなことが起こる前に絶対防御内の水への操作リンクを切断しなければならない。
俺は絶対防御内の空気を一度全部固めた。そして急激に短時間の流動を起こす。
エレメントが予期せぬ方向へ動かされれば、その物質への操作リンクは断ち切られる。
果たして、俺は絶対防御内の空間を完全支配し、安全を手に入れた。
盲目のゲンは俺が籠城を決め込んでもう出てこないと察したか、空間把握モードに裂いていた水分を全部俺の周囲に集約してきた。
それは水量を増やしたいというよりも、魔法発動に対する思考リソースを攻撃に絞るためだろう。
俺とエアの絶対防御たる空気球を大量の水が覆い尽くした。
そして俺たちの前方に水の流動が生まれる。
水の流れはその場で回転している。これはドリルだ。空気が完全に追い出された空間、敵の邪魔が入らない状態で繰り出される超高回転のドリルだ。
さすがにこれは危険だ。
いくらエアのサポートがあるといっても、そのことが盲目のゲンより有利ということにはならない。
盲目のゲンの精霊は人成しているだろう。精霊が人成すると、契約していた魔導師は精霊がエレメントを司る力そのものを引き継ぐことになるそうだ。
つまり、契約精霊がすでに人成している魔導師は、常に精霊のフルサポートを受けているのと同じレベルの魔法を行使できるのだ。
少なくともE3の三人は全員が契約精霊が人成しているはずだ。
俺とエアが強い意志で固定する空気の分子が外力に耐えられず、俺の脳細胞が悲鳴をあげる。
もはやここ一帯の物量は水が空気を上回っている。
物質の位置取り優先度が空気より水のほうが高い事実は変えようがない。
絶体絶命の危機。
「エア、踏ん張れ! もう少し耐えろ!」
エアの返事はない。
エアは最初から全力で俺の要求に応えている。
余計な指図だった。
水のドリルは着実に空気の湾曲面に食い込み、侵攻を続けている。
だが攻撃を続けているのは俺も同じだ。盲目のゲンを押し潰さんと、ザハート周辺の空気は巨大なドームの縮小によってどんどん圧縮されている。
「エスト、あと一分しかもたない」
「現状維持だ! 俺もいま全力を出している。これ以上はほかにあがきようがない。その一分を確実に耐えろ」
防御しているのは盲目のゲンも同じだ。
盲目のゲンを苦しめる圧縮空気の魔法を壊すために、水の小球が無数にザハート周辺を飛びまわっている。
「エスト」
「分かっている。数えていた。あと五秒だな。四、三、二、一」
そしてエアが宣言していた一分が経過した。
分厚い空気の壁を突き進んでいた水のドリルが、ほぼその空気の厚み分を掘り進んでいた。
まさにいま、薄皮一枚の空気の層を突き破ってドリルの先端が顔を出そうとしている。
だが一分が経過してもその薄層を突き破ってはこなかった。
ドリルの回転は続いている。だがスピードが落ちている。
「エスト、まだ耐えているけれど、あと何秒もつかは不明」
「盲目のゲンも限界が近いらしい。空気の圧力が全身を押し潰そうとしているのだからな。まともに呼吸もできないはずだ。エア、これが最後の競り合いになる。耐えきったら勝ちだ」
そう言ったそのとき、俺はスカイフォールの空気ドームが破壊されたのを察知した。ついに盲目のゲンの探査水球がドームを探し当てたようだ。
ザハートに凝縮された空気はいっせいに解放され、爆弾が爆発したかのような強烈な暴風がザハートに隣接する三国を襲った。
その中心地にいた盲目のゲンは暴風の影響は受けない。
ただし、ここでもう一つの大魔法の効果が現われる。
俺はザハート一帯の酸素濃度を下げていた。下げつづけていた。盲目のゲンに気づかれないようにゆっくりと。
もし気づかれたら、水を分解して酸素を作り出すかもしれない。だから気づかれてはならないのだ。
ドームがその空気を圧縮していたことで、酸素量は不足しなかっただろう。
二酸化炭素量が多くて苦しくはなっていたはずだが、それ以上に空気の物理的圧力が強かったため成分変化には気づきにくかったはず。
そして、ドームが解放されて空気が一気に外へ流れ出たことにより、ザハートの酸素濃度も一気に低下した。
空気の圧力から解放されて、圧迫されていた肺が空気を吸い込みたいところに、酸素濃度が低く二酸化炭素濃度が高い空気しかない環境ができあがった。
「エスト!」
ついに水のドリルが空気の壁を突き破った。
俺とエアはとっさにドリルの進行方向から体を逸らしてドリルの突進を避けたが、その穴から空気球内に形のない水が入り込んでくる。
空気球内の空気がかき出される。それを操作しようとしたが、空気が泡状に散って間に合わなかった。
俺とエアは完全に水没した。いまの状態であれば、盲目のゲンがどんな攻撃をしても俺は死ぬだろう。
だが、水は攻撃してこなかった。
空中に浮いて俺とエアを包み込んでいた大量の水は、空中での魔法による浮力を失い、形を失って重力に従い落下する。
盲目のゲンが意識を失ったか。
だが、このままでは俺も地面に叩きつけられて死ぬ。浮こうにも空気がない。
「くそっ!」
万事休す。
海水が混じって濁った水越しには、地上まであとどれほどの距離があるのか分からない。
死の予感とはなんとおぞましいものか。
死神が背中にベッタリと張りついている感覚。
俺はなすがままにその冷たい抱擁を受けるしかない。
「エスト、空気ならあるよ」
ともに落下していたエアが、落下する水中内でも普段見せるように滑らかな動きで俺に近づいてきた。
そして、両手を俺の首に回し、そのまま俺に抱きついた。
温かい。まるで冷水から上がって吸い込む新鮮な空気のよう。
俺が両手を回すと、彼女の体が柔らかく形を崩し、俺を包み込んだ。
そうだ、エアは空気の精霊。人の姿に見えても彼女は空気なのだ。
俺が操作すると、その空気が俺の体をしっかりと支えている。これを操作できるということは、エアが完全に俺に身を委ねているということか。
俺は空気で自身の体を支え、これ以上落下しないよう体を固定した。
すべての水が落下し終えたとき、俺は一メートルとない距離で水浸しの地面を見つめていた。
エアは空気の精霊で人型だ。
最初に出会ったときは顔の形もはっきりとしていなかったが、いまではまつ毛だって人間と同じように生えているし、手のひらには掌紋が見て取れるくらい本物の人と見分けがつかない。
いまのエアはそれくらいにはっきりと人の姿をしていた。
髪、眉、まつ毛だけは真っ白で幻想的な雰囲気を醸し出しているが、もはやそこにいるのは十代前半くらいのただの少女だ。
空気のように透きとおった綺麗な手が、ガッチリと固められた空気の壁に触れる。
空気の固定をほぼエアに委ね、俺は盲目のゲンへの攻撃を再開した。
先ほど俺は攻撃を一時中断したが、攻撃に使っている空気に対して操作リンクを切ったわけではない。ただ動きを止めただけだ。
再びスカイフォールが侵攻をはじめた。
盲目のゲンは長い長い水のムチを無数に走らせ、自身の周囲の空気を切り裂いた。まだスカイフォールのカラクリに気がついていないようだ。
そんな防衛行動を取りながら、彼は同時に攻撃の手も休めなかった。
水の龍がグングン伸びてこちらへと迫ってくる。そして大口を開けて俺たちを飲み込んだ。
膨大な量の水が俺とエアを空気の壁越しに完全に包み込み、圧力をかけてくる。それでも防御が割れないと悟ったか、今度は塊や杭の形状で何度も水を叩きつけてくる。
それでも、エアが固定した空気はビクともしなかった。
「うぐっ」
再び盲目のゲンによるゼロ・リップ。
絶対防御の内部にも空間把握モードで操作リンクを張っていた水分が存在した。
量としてはわずか。だが、俺の皮膚を切り裂くには少量の水で十分。もし俺が盲目のゲンなら、ゼロ・リップによって作った傷からそのまま水を血管内に侵入させ、内部から体を破壊する。
そんなことが起こる前に絶対防御内の水への操作リンクを切断しなければならない。
俺は絶対防御内の空気を一度全部固めた。そして急激に短時間の流動を起こす。
エレメントが予期せぬ方向へ動かされれば、その物質への操作リンクは断ち切られる。
果たして、俺は絶対防御内の空間を完全支配し、安全を手に入れた。
盲目のゲンは俺が籠城を決め込んでもう出てこないと察したか、空間把握モードに裂いていた水分を全部俺の周囲に集約してきた。
それは水量を増やしたいというよりも、魔法発動に対する思考リソースを攻撃に絞るためだろう。
俺とエアの絶対防御たる空気球を大量の水が覆い尽くした。
そして俺たちの前方に水の流動が生まれる。
水の流れはその場で回転している。これはドリルだ。空気が完全に追い出された空間、敵の邪魔が入らない状態で繰り出される超高回転のドリルだ。
さすがにこれは危険だ。
いくらエアのサポートがあるといっても、そのことが盲目のゲンより有利ということにはならない。
盲目のゲンの精霊は人成しているだろう。精霊が人成すると、契約していた魔導師は精霊がエレメントを司る力そのものを引き継ぐことになるそうだ。
つまり、契約精霊がすでに人成している魔導師は、常に精霊のフルサポートを受けているのと同じレベルの魔法を行使できるのだ。
少なくともE3の三人は全員が契約精霊が人成しているはずだ。
俺とエアが強い意志で固定する空気の分子が外力に耐えられず、俺の脳細胞が悲鳴をあげる。
もはやここ一帯の物量は水が空気を上回っている。
物質の位置取り優先度が空気より水のほうが高い事実は変えようがない。
絶体絶命の危機。
「エア、踏ん張れ! もう少し耐えろ!」
エアの返事はない。
エアは最初から全力で俺の要求に応えている。
余計な指図だった。
水のドリルは着実に空気の湾曲面に食い込み、侵攻を続けている。
だが攻撃を続けているのは俺も同じだ。盲目のゲンを押し潰さんと、ザハート周辺の空気は巨大なドームの縮小によってどんどん圧縮されている。
「エスト、あと一分しかもたない」
「現状維持だ! 俺もいま全力を出している。これ以上はほかにあがきようがない。その一分を確実に耐えろ」
防御しているのは盲目のゲンも同じだ。
盲目のゲンを苦しめる圧縮空気の魔法を壊すために、水の小球が無数にザハート周辺を飛びまわっている。
「エスト」
「分かっている。数えていた。あと五秒だな。四、三、二、一」
そしてエアが宣言していた一分が経過した。
分厚い空気の壁を突き進んでいた水のドリルが、ほぼその空気の厚み分を掘り進んでいた。
まさにいま、薄皮一枚の空気の層を突き破ってドリルの先端が顔を出そうとしている。
だが一分が経過してもその薄層を突き破ってはこなかった。
ドリルの回転は続いている。だがスピードが落ちている。
「エスト、まだ耐えているけれど、あと何秒もつかは不明」
「盲目のゲンも限界が近いらしい。空気の圧力が全身を押し潰そうとしているのだからな。まともに呼吸もできないはずだ。エア、これが最後の競り合いになる。耐えきったら勝ちだ」
そう言ったそのとき、俺はスカイフォールの空気ドームが破壊されたのを察知した。ついに盲目のゲンの探査水球がドームを探し当てたようだ。
ザハートに凝縮された空気はいっせいに解放され、爆弾が爆発したかのような強烈な暴風がザハートに隣接する三国を襲った。
その中心地にいた盲目のゲンは暴風の影響は受けない。
ただし、ここでもう一つの大魔法の効果が現われる。
俺はザハート一帯の酸素濃度を下げていた。下げつづけていた。盲目のゲンに気づかれないようにゆっくりと。
もし気づかれたら、水を分解して酸素を作り出すかもしれない。だから気づかれてはならないのだ。
ドームがその空気を圧縮していたことで、酸素量は不足しなかっただろう。
二酸化炭素量が多くて苦しくはなっていたはずだが、それ以上に空気の物理的圧力が強かったため成分変化には気づきにくかったはず。
そして、ドームが解放されて空気が一気に外へ流れ出たことにより、ザハートの酸素濃度も一気に低下した。
空気の圧力から解放されて、圧迫されていた肺が空気を吸い込みたいところに、酸素濃度が低く二酸化炭素濃度が高い空気しかない環境ができあがった。
「エスト!」
ついに水のドリルが空気の壁を突き破った。
俺とエアはとっさにドリルの進行方向から体を逸らしてドリルの突進を避けたが、その穴から空気球内に形のない水が入り込んでくる。
空気球内の空気がかき出される。それを操作しようとしたが、空気が泡状に散って間に合わなかった。
俺とエアは完全に水没した。いまの状態であれば、盲目のゲンがどんな攻撃をしても俺は死ぬだろう。
だが、水は攻撃してこなかった。
空中に浮いて俺とエアを包み込んでいた大量の水は、空中での魔法による浮力を失い、形を失って重力に従い落下する。
盲目のゲンが意識を失ったか。
だが、このままでは俺も地面に叩きつけられて死ぬ。浮こうにも空気がない。
「くそっ!」
万事休す。
海水が混じって濁った水越しには、地上まであとどれほどの距離があるのか分からない。
死の予感とはなんとおぞましいものか。
死神が背中にベッタリと張りついている感覚。
俺はなすがままにその冷たい抱擁を受けるしかない。
「エスト、空気ならあるよ」
ともに落下していたエアが、落下する水中内でも普段見せるように滑らかな動きで俺に近づいてきた。
そして、両手を俺の首に回し、そのまま俺に抱きついた。
温かい。まるで冷水から上がって吸い込む新鮮な空気のよう。
俺が両手を回すと、彼女の体が柔らかく形を崩し、俺を包み込んだ。
そうだ、エアは空気の精霊。人の姿に見えても彼女は空気なのだ。
俺が操作すると、その空気が俺の体をしっかりと支えている。これを操作できるということは、エアが完全に俺に身を委ねているということか。
俺は空気で自身の体を支え、これ以上落下しないよう体を固定した。
すべての水が落下し終えたとき、俺は一メートルとない距離で水浸しの地面を見つめていた。
0
お気に入りに追加
200
あなたにおすすめの小説

職業・遊び人となったら追放されたけれど、追放先で覚醒し無双しちゃいました!
よっしぃ
ファンタジー
この物語は、通常1つの職業を選定する所を、一つ目で遊び人を選定してしまい何とか別の職業を、と思い3つとも遊び人を選定してしまったデルクが、成長して無双する話。
10歳を過ぎると皆教会へ赴き、自身の職業を選定してもらうが、デルク・コーネインはここでまさかの遊び人になってしまう。最高3つの職業を選べるが、その分成長速度が遅くなるも、2つ目を選定。
ここでも前代未聞の遊び人。止められるも3度目の正直で挑むも結果は遊び人。
同年代の連中は皆良い職業を選定してもらい、どんどん成長していく。
皆に馬鹿にされ、蔑まれ、馬鹿にされ、それでも何とかレベル上げを行うデルク。
こんな中2年ほど経って、12歳になった頃、1歳年下の11歳の1人の少女セシル・ヴァウテルスと出会う。凄い職業を得たが、成長が遅すぎると見捨てられた彼女。そんな2人がダンジョンで出会い、脱出不可能といわれているダンジョン下層からの脱出を、2人で成長していく事で不可能を可能にしていく。
そんな中2人を馬鹿にし、死地に追い込んだ同年代の連中や年上の冒険者は、中層への攻略を急ぐあまり、成長速度の遅い上位職を得たデルクの幼馴染の2人をダンジョンの大穴に突き落とし排除してしまう。
しかし奇跡的にもデルクはこの2人の命を救う事ができ、セシルを含めた4人で辛うじてダンジョンを脱出。
その後自分達をこんな所に追い込んだ連中と対峙する事になるが、ダンジョン下層で成長した4人にかなう冒険者はおらず、自らの愚かな行為に自滅してしまう。
そして、成長した遊び人の職業、実は成長すればどんな職業へもジョブチェンジできる最高の職業でした!
更に未だかつて同じ職業を3つ引いた人物がいなかったために、その結果がどうなるかわかっていなかった事もあり、その結果がとんでもない事になる。
これはのちに伝説となる4人を中心とする成長物語。
ダンジョン脱出までは辛抱の連続ですが、その後はざまぁな展開が待っています。

アイテムボックスの最も冴えた使い方~チュートリアル1億回で最強になったが、実力隠してアイテムボックス内でスローライフしつつ駄竜とたわむれる~
うみ
ファンタジー
「アイテムボックス発動 収納 自分自身!」
これしかないと思った!
自宅で休んでいたら突然異世界に拉致され、邪蒼竜と名乗る強大なドラゴンを前にして絶対絶命のピンチに陥っていたのだから。
奴に言われるがままステータスと叫んだら、アイテムボックスというスキルを持っていることが分かった。
得た能力を使って何とかピンチを逃れようとし、思いついたアイデアを咄嗟に実行に移したんだ。
直後、俺の体はアイテムボックスの中に入り、難を逃れることができた。
このまま戻っても捻りつぶされるだけだ。
そこで、アイテムボックスの中は時間が流れないことを利用し、チュートリアルバトルを繰り返すこと1億回。ついにレベルがカンストする。
アイテムボックスの外に出た俺はドラゴンの角を折り、危機を脱する。
助けた竜の巫女と共に彼女の村へ向かうことになった俺だったが――。

外れスキル?だが最強だ ~不人気な土属性でも地球の知識で無双する~
海道一人
ファンタジー
俺は地球という異世界に転移し、六年後に元の世界へと戻ってきた。
地球は魔法が使えないかわりに科学という知識が発展していた。
俺が元の世界に戻ってきた時に身につけた特殊スキルはよりにもよって一番不人気の土属性だった。
だけど悔しくはない。
何故なら地球にいた六年間の間に身につけた知識がある。
そしてあらゆる物質を操れる土属性こそが最強だと知っているからだ。
ひょんなことから小さな村を襲ってきた山賊を土属性の力と地球の知識で討伐した俺はフィルド王国の調査隊長をしているアマーリアという女騎士と知り合うことになった。
アマーリアの協力もあってフィルド王国の首都ゴルドで暮らせるようになった俺は王国の陰で蠢く陰謀に巻き込まれていく。
フィルド王国を守るための俺の戦いが始まろうとしていた。
※この小説は小説家になろうとカクヨムにも投稿しています

大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います
町島航太
ファンタジー
2022年2月20日。日本に住む善良な青年である泉幸助は大学合格と同時期に末期癌だという事が判明し、短い人生に幕を下ろした。死後、愛の女神アモーラに見初められた幸助は魔族と人間が争っている魔法の世界へと転生させられる事になる。命令が嫌いな幸助は使命そっちのけで魔法の世界を生きていたが、ひょんな事から自分の死因である末期癌はアモーラによるものであり、魔族討伐はアモーラの私情だという事が判明。自ら手を下すのは面倒だからという理由で夢のキャンパスライフを失った幸助はアモーラへの復讐を誓うのだった。
転生をしたら異世界だったので、のんびりスローライフで過ごしたい。
みみっく
ファンタジー
どうやら事故で死んでしまって、転生をしたらしい……仕事を頑張り、人間関係も上手くやっていたのにあっけなく死んでしまうなら……だったら、のんびりスローライフで過ごしたい!
だけど現状は、幼馴染に巻き込まれて冒険者になる流れになってしまっている……

学校ごと異世界に召喚された俺、拾ったスキルが強すぎたので無双します
名無し
ファンタジー
毎日のようにいじめを受けていた主人公の如月優斗は、ある日自分の学校が異世界へ転移したことを知る。召喚主によれば、生徒たちの中から救世主を探しているそうで、スマホを通してスキルをタダで配るのだという。それがきっかけで神スキルを得た如月は、あっという間に最強の男へと進化していく。

~最弱のスキルコレクター~ スキルを無限に獲得できるようになった元落ちこぼれは、レベル1のまま世界最強まで成り上がる
僧侶A
ファンタジー
沢山のスキルさえあれば、レベルが無くても最強になれる。
スキルは5つしか獲得できないのに、どのスキルも補正値は5%以下。
だからレベルを上げる以外に強くなる方法はない。
それなのにレベルが1から上がらない如月飛鳥は当然のように落ちこぼれた。
色々と試行錯誤をしたものの、強くなれる見込みがないため、探索者になるという目標を諦め一般人として生きる道を歩んでいた。
しかしある日、5つしか獲得できないはずのスキルをいくらでも獲得できることに気づく。
ここで如月飛鳥は考えた。いくらスキルの一つ一つが大したことが無くても、100個、200個と大量に集めたのならレベルを上げるのと同様に強くなれるのではないかと。
一つの光明を見出した主人公は、最強への道を一直線に突き進む。
土曜日以外は毎日投稿してます。

異世界転移「スキル無!」~授かったユニークスキルは「なし」ではなく触れたモノを「無」に帰す最強スキルだったようです~
夢・風魔
ファンタジー
林間学校の最中に召喚(誘拐?)された鈴村翔は「スキルが無い役立たずはいらない」と金髪縦ロール女に言われ、その場に取り残された。
しかしそのスキル鑑定は間違っていた。スキルが無いのではなく、転移特典で授かったのは『無』というスキルだったのだ。
とにかく生き残るために行動を起こした翔は、モンスターに襲われていた双子のエルフ姉妹を助ける。
エルフの里へと案内された翔は、林間学校で用意したキャンプ用品一式を使って彼らの食生活を改革することに。
スキル『無』で時々無双。双子の美少女エルフや木に宿る幼女精霊に囲まれ、翔の異世界生活冒険譚は始まった。
*小説家になろう・カクヨムでも投稿しております(完結済み
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる