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第二章 帝国編
第79話 商業区域③
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「ゲス・エスト殿とお見受けする」
「いかにも」
俺は欠伸をしながらそう答えた。
俺は学院の生活で、相手の醸し出す雰囲気からおおよその強さを量るすべを身に着けたと自負している。
数々の修羅場を潜ってきた強い奴は、堂々としていて一つひとつの言葉に信念がある。
堅実に努力を積み重ねてきたそこそこ強い奴は、自信はあっても慢心しない。
弱い奴は発言が強気だとしても態度に強い警戒心や怯えが見られる。
分類するとそんな感じだが、いちばん手強い奴は、相手に力量を推し量らせない奴だ。癪だがダースみたいな奴。自分に関する情報を他人に与えず、強力な魔法を持つのに自分の強さを隠す。
いま声をかけてきた男がどれに属するかといえば、そこそこ強い奴、といったところだろう。
髪も服も清潔で、俺の世界でいうサラリーマンみたいにカッチリとした正装をしている。
「私はショーウと申します。バウンティー・ハンターを生業としておりますゆえ、あなたを討たせていただきます」
賞金稼ぎか。
顔や手に傷などはないが、それでもただの努力家よりは多くの経験を積んでいそうだ。侮っていい相手ではない。が、ここは確実に打ちのめして格の違いというやつを見せつけてやろう。
「あー、はいはい。いつでもどうぞ、どこからでもどうぞ」
ショーウは少しムッとした。が、すぐに気を引き締めた様子。俺の戦略的挑発には乗らず、警戒して距離をとる。
「ゲス・エスト殿、私はね、バウンティー・ハンターでしてね、狩るのは魔導師ではなく賞金なのです。あしからず」
まるで勝ちを確信しているような台詞。
瞬間、俺の視界が真っ暗になった。身体が動かない。
いや、少し動く。しかし音はしない。臭いもしない。
五感を奪う魔術かと思ったが、皮膚の感覚だけは残っている。手を動かそうとすると、ゴツゴツとした固いものにあたる。頭を動かそうとしても同じ。
どうやら俺は固い何かに包まれたようだ。
「なるほどな」
ちょっとつぶやくと、自分の声が大きく反響した。
手のひらで壁の触感を確認する。どうもこれは岩らしい。ショーウは岩の発生型の魔導師のようだ。
固体発生型は俺のような気体操作型にとって相性の悪い相手だ。
発生型魔法は基本的に固体が優先される。固体は液体も気体も押しのけて発生し、液体は液体と気体を押しのけて発生し、気体は気体のみを押しのけて発生する。
俺は学院の風紀委員長、ルーレ・リッヒとの戦いで、固体発生型との戦闘は相性が悪く、特に閉じ込め系の技への対抗策が必要だと痛感した。その対抗策として、俺は帝国で宝石を購入したのだ。
まさかこんなに早く役に立つときがくるとは。
俺はダイヤモンドの一つひとつを空気で掴み、ポケットから取り出す。尖った部分を露出させ、円形に並べて岩に押し当て、高速に回転させる。
それをやれるだけの隙間があったことは幸いだ。岩はあっという間に削り取られ、円形の穴が形成された。
そこからさらにダイヤモンドを走らせ、同じところを高速で何往復もさせる。
すると岩に亀裂が入り、空気の圧力で簡単に砕くことができた。
俺の姿を確認したショーウは驚いていたが、すぐに次の岩を発生させてきた。
俺はすぐにその場を飛び退き、飛行状態に入った。
俺は即座にショーウの全身を包む空気を固めて操作した。
ショーウを床に這いつくばらせ、両手を後ろに捻り、顔を横に向けさせた。
俺の姿を見なければ俺を岩で包むことはできない。
「く、くそっ、体が動かん。どうなっている!」
勘のいい奴なら、この時点で俺が空気の操作型の魔導師だということに思い至る。このショーウという男はやはり二流だ。
「エスト」
これはショーウの声ではない。エアの声だ。姿はない。
エアは帝国内各所でほかのメンバーの動向を探っているのだ。
「どうした?」
「人助け」
「あ? だから俺はマーリンを助けに来てんだが」
「至急案件」
「学院生の誰かがピンチってことか?」
「学院生も劣勢だけど、帝国の一般人でもっと危機的状況の人がいる」
「おまえ、状況を分かって言ってんのか? 最優先で助けるべきはマーリンだし、何よりいま俺は戦闘中なんだよ」
こいつはどこまでいっても精霊だ。俺に人助けをさせて、助けた人に感謝してもらって、それで俺が喜んで、その感情をエアが糧とする。精霊との契約とはそういうものだ。
しかしエアは人型だ。感情もだいぶ備わってきているものと思っていた。
「状況は分かっている。無理ならいい」
「無理だと? 俺を挑発して助けにいかせようという魂胆か?」
「違う。嫌ならいい。……助けないの?」
いや、いちおう状況を把握してはいるのか。空気を読めているとはいえないが。それに、相変わらず抑揚のない喋り方をしている。
「チッ、分かったよ。助けに行ってやる」
俺はショーウの拘束を解いた。これから飛行と遠距離空間把握を同時におこなうので、さすがにそれ以上の魔法同時使用は厳しい。
この世界ではゲームのようにマジックポイントなるものは存在しないが、俺の想像力が限界なのだ。特に遠距離空間把握はとてつもない集中力を要する。
遠距離空間把握というのは、空気を操作して遮蔽物に当たるとそれが感覚として分かるのだが、それを利用した空間把握方法だ。
空気を遠距離広範囲に移動させ、遮蔽物に当たった場所に物質があることを認識する。魔法というのは基本的に目視できる場所でしか使えないが、そうやって空間を認識さえできれば、直接見なくても空気を操作できる。
そうやって空間を認識しながらどんどん遠方の空間を把握していくのだ。
人がいればどんな動きをしているかも掴めるし、声を出せば空気の振動を自分の耳元で再現して声を聞くこともできる。
この遠距離空間把握は最近編み出した技だが、まだエアのサポートなしには使えない。
「おい、バウンティー・ハンター。ちょっと用事ができた。戻ってくるからここで待っていろ」
俺は返事を聞かずに空へ上がった。ショーウの頭上を越えて、市街地の向こう側を目指す。
「逃げるのか!? 逃がすか!」
俺が足にまとっていた空気の操作リンクが切れた。
固体生成は気体より優先されるため、操作していてもそのリンクが切れて押しのけられる。だから、操作のリンクが切れたらそこに固体が生成されることが分かるのだ。
より広範囲の空気を操作していれば、どこにどんな形状でどんな大きさの物体が生成されるのか、ほぼ予知めいた感覚で把握することができる。
ショーウが俺の足に岩をまとわりつかせて重みで飛行妨害をしようとしていることを察知した。
俺は体を前方にくるりと回転させ、すばやく岩の発生位置から足を退避させた。
ショーウにとっては不幸、というか軽薄だったために、場所はちょうどショーウの頭上だった。自分の発生させた岩がショーウの頭上に落下する。
「う、うわぁあああああ!」
ショーウは慌てて自分を岩で覆った。
あーあ、自分で自分を閉じ込めちゃったよ、などと思っていたら、落下した岩がショーウを覆う岩を突き抜けた。
ショーウがどうなったかは分からない。
俺はそのままエアの導く方角へと飛行を続けた。
「いかにも」
俺は欠伸をしながらそう答えた。
俺は学院の生活で、相手の醸し出す雰囲気からおおよその強さを量るすべを身に着けたと自負している。
数々の修羅場を潜ってきた強い奴は、堂々としていて一つひとつの言葉に信念がある。
堅実に努力を積み重ねてきたそこそこ強い奴は、自信はあっても慢心しない。
弱い奴は発言が強気だとしても態度に強い警戒心や怯えが見られる。
分類するとそんな感じだが、いちばん手強い奴は、相手に力量を推し量らせない奴だ。癪だがダースみたいな奴。自分に関する情報を他人に与えず、強力な魔法を持つのに自分の強さを隠す。
いま声をかけてきた男がどれに属するかといえば、そこそこ強い奴、といったところだろう。
髪も服も清潔で、俺の世界でいうサラリーマンみたいにカッチリとした正装をしている。
「私はショーウと申します。バウンティー・ハンターを生業としておりますゆえ、あなたを討たせていただきます」
賞金稼ぎか。
顔や手に傷などはないが、それでもただの努力家よりは多くの経験を積んでいそうだ。侮っていい相手ではない。が、ここは確実に打ちのめして格の違いというやつを見せつけてやろう。
「あー、はいはい。いつでもどうぞ、どこからでもどうぞ」
ショーウは少しムッとした。が、すぐに気を引き締めた様子。俺の戦略的挑発には乗らず、警戒して距離をとる。
「ゲス・エスト殿、私はね、バウンティー・ハンターでしてね、狩るのは魔導師ではなく賞金なのです。あしからず」
まるで勝ちを確信しているような台詞。
瞬間、俺の視界が真っ暗になった。身体が動かない。
いや、少し動く。しかし音はしない。臭いもしない。
五感を奪う魔術かと思ったが、皮膚の感覚だけは残っている。手を動かそうとすると、ゴツゴツとした固いものにあたる。頭を動かそうとしても同じ。
どうやら俺は固い何かに包まれたようだ。
「なるほどな」
ちょっとつぶやくと、自分の声が大きく反響した。
手のひらで壁の触感を確認する。どうもこれは岩らしい。ショーウは岩の発生型の魔導師のようだ。
固体発生型は俺のような気体操作型にとって相性の悪い相手だ。
発生型魔法は基本的に固体が優先される。固体は液体も気体も押しのけて発生し、液体は液体と気体を押しのけて発生し、気体は気体のみを押しのけて発生する。
俺は学院の風紀委員長、ルーレ・リッヒとの戦いで、固体発生型との戦闘は相性が悪く、特に閉じ込め系の技への対抗策が必要だと痛感した。その対抗策として、俺は帝国で宝石を購入したのだ。
まさかこんなに早く役に立つときがくるとは。
俺はダイヤモンドの一つひとつを空気で掴み、ポケットから取り出す。尖った部分を露出させ、円形に並べて岩に押し当て、高速に回転させる。
それをやれるだけの隙間があったことは幸いだ。岩はあっという間に削り取られ、円形の穴が形成された。
そこからさらにダイヤモンドを走らせ、同じところを高速で何往復もさせる。
すると岩に亀裂が入り、空気の圧力で簡単に砕くことができた。
俺の姿を確認したショーウは驚いていたが、すぐに次の岩を発生させてきた。
俺はすぐにその場を飛び退き、飛行状態に入った。
俺は即座にショーウの全身を包む空気を固めて操作した。
ショーウを床に這いつくばらせ、両手を後ろに捻り、顔を横に向けさせた。
俺の姿を見なければ俺を岩で包むことはできない。
「く、くそっ、体が動かん。どうなっている!」
勘のいい奴なら、この時点で俺が空気の操作型の魔導師だということに思い至る。このショーウという男はやはり二流だ。
「エスト」
これはショーウの声ではない。エアの声だ。姿はない。
エアは帝国内各所でほかのメンバーの動向を探っているのだ。
「どうした?」
「人助け」
「あ? だから俺はマーリンを助けに来てんだが」
「至急案件」
「学院生の誰かがピンチってことか?」
「学院生も劣勢だけど、帝国の一般人でもっと危機的状況の人がいる」
「おまえ、状況を分かって言ってんのか? 最優先で助けるべきはマーリンだし、何よりいま俺は戦闘中なんだよ」
こいつはどこまでいっても精霊だ。俺に人助けをさせて、助けた人に感謝してもらって、それで俺が喜んで、その感情をエアが糧とする。精霊との契約とはそういうものだ。
しかしエアは人型だ。感情もだいぶ備わってきているものと思っていた。
「状況は分かっている。無理ならいい」
「無理だと? 俺を挑発して助けにいかせようという魂胆か?」
「違う。嫌ならいい。……助けないの?」
いや、いちおう状況を把握してはいるのか。空気を読めているとはいえないが。それに、相変わらず抑揚のない喋り方をしている。
「チッ、分かったよ。助けに行ってやる」
俺はショーウの拘束を解いた。これから飛行と遠距離空間把握を同時におこなうので、さすがにそれ以上の魔法同時使用は厳しい。
この世界ではゲームのようにマジックポイントなるものは存在しないが、俺の想像力が限界なのだ。特に遠距離空間把握はとてつもない集中力を要する。
遠距離空間把握というのは、空気を操作して遮蔽物に当たるとそれが感覚として分かるのだが、それを利用した空間把握方法だ。
空気を遠距離広範囲に移動させ、遮蔽物に当たった場所に物質があることを認識する。魔法というのは基本的に目視できる場所でしか使えないが、そうやって空間を認識さえできれば、直接見なくても空気を操作できる。
そうやって空間を認識しながらどんどん遠方の空間を把握していくのだ。
人がいればどんな動きをしているかも掴めるし、声を出せば空気の振動を自分の耳元で再現して声を聞くこともできる。
この遠距離空間把握は最近編み出した技だが、まだエアのサポートなしには使えない。
「おい、バウンティー・ハンター。ちょっと用事ができた。戻ってくるからここで待っていろ」
俺は返事を聞かずに空へ上がった。ショーウの頭上を越えて、市街地の向こう側を目指す。
「逃げるのか!? 逃がすか!」
俺が足にまとっていた空気の操作リンクが切れた。
固体生成は気体より優先されるため、操作していてもそのリンクが切れて押しのけられる。だから、操作のリンクが切れたらそこに固体が生成されることが分かるのだ。
より広範囲の空気を操作していれば、どこにどんな形状でどんな大きさの物体が生成されるのか、ほぼ予知めいた感覚で把握することができる。
ショーウが俺の足に岩をまとわりつかせて重みで飛行妨害をしようとしていることを察知した。
俺は体を前方にくるりと回転させ、すばやく岩の発生位置から足を退避させた。
ショーウにとっては不幸、というか軽薄だったために、場所はちょうどショーウの頭上だった。自分の発生させた岩がショーウの頭上に落下する。
「う、うわぁあああああ!」
ショーウは慌てて自分を岩で覆った。
あーあ、自分で自分を閉じ込めちゃったよ、などと思っていたら、落下した岩がショーウを覆う岩を突き抜けた。
ショーウがどうなったかは分からない。
俺はそのままエアの導く方角へと飛行を続けた。
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