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第一章 学院編
第14話 ダース・ホーク
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帰りはイーターに襲われることもなく、リムの照らす暗黒の道を徒歩の労力のみで渡りきることができた。
「お迎えありがとう。僕の寮はこっちだから」
「待て!」
数歩だけ進んだダースが俺の呼びかけに立ち止まり振り返った。
そのときのダースは、まるで呼びとめられることを予測していたかのように、自信に満ちた顔をしていた。
「おまえ、何者だ? と訊きたいところだが、おまえはさっきそれをはぐらかしたな。質問を変える。おまえの能力は何だ?」
道中で先にシャイルに確認したが、シャイルは知らないと言った。
「逆に訊くけど、君は嫌々ながらに僕を迎えに来たんだろう? それは僕に対する態度から分かるよ。それなのに、なぜ僕にそんなに興味を持つんだい? あ、質問に質問で返すな、なんて返事はなしにしてよ。これは質問に答える前に確認しておきたいからしている質問なんだ。それを理解せずに自分の質問の回答だけを要求するなんてことはナンセンスだと思うんだ」
「誰も『質問に質問で返すな』なんて言ってねえだろ。本当に鬱陶しいな、おまえ。じゃあ先に答えてやるよ。俺にはおまえが爪を隠す鷹に見えているんだ。爪を隠してヘラヘラ、ニヤニヤと地上の得物を狙っているようないけすかない奴にな。その高みに立つのは俺だけでいい。だからおまえが狩人なのか、得物なのか、それを確かめたいんだ。もしおまえが狩人ならば、いまここでおまえを撃ち落とす」
「僕はどう見ても人間じゃないか、なんて無粋なことは言わないよ。僕が鷹に見えるってのは例え話だよね。能ある鷹は爪を隠すという格言を踏襲した例えなんだよね」
「言ってんじゃねーか」
こいつのうんざりするほどくどい喋り方は、いかにも脇役の雑魚を想起させる。ラノベなんかではきっとそうに決まっている。
しかし、例外というのは必ずあるものだ。この俺が疑念を抱いたこいつが警戒するに値する人物だということだけは間違いない。
こいつの態度は自分の力に自信があり、どんな強者に相対しても余裕のある人間のものだ。
「君はすぐ人の揚げ足を取りたがるね。でも僕は君を許すよ。こう見えてお人好しだからね、僕は。で、肝心の答えだけれど、僕の能力は空間の切り取りだよ。実はあの門に開く黒い空間は僕が空間を切り取った結果できた穴なんだ」
「えらく限定的というか、複雑な能力だな。おまえの精霊は何の精霊だ? 精霊というのは火とか水とか単一の物質や現象、概念を司るわけじゃないのか?」
「たしかに複雑かもね。僕の精霊は距離という概念と切り取りという概念のハーフの精霊なんだ。ハーフっていうといいとこ取りのハイブリットだと思うかもしれないけど、精霊のハーフは逆なんだ。二つの異なる概念の共通する部分や連結可能な部分しか能力として発現できない。それとね、切り取りってことは、切り取った部分の存在はそのまま在るわけで、消失したりはしない。つまり、僕が切り取った部分は本当はそこにそのままあるんだ。ただ、切り取ったことを認識している僕たちだけが、その切り取り領域を存在しないものとして振舞うことができる。魔術師に近いかもしれないね。でも、これは物理的な干渉には違いないから、やっぱりハーフな彼の力は、精霊のそれだったといえるよ」
「シャイル、精霊にハーフがあるなんて知ってたか?」
「いいえ、知らなかったわ。先輩方からもそんな話を聞いたことがないし、学院で習う範囲外のことかしら」
シャイルは目を丸くして興味津々にダースの話を聞いていた。
「ほう……」
シャイルが優等生だということは知っている。そのシャイルが、この世界の理に関することで知らないということを、俺は見過ごしはしない。
「食えない奴だな」
「いやー、ありがとう。あ、『褒めてない』だなんてありきたりなツッコミはやめてくれよ。褒められてないのに喜ぶなんて、そんなありきたりなギャグを僕がしでかしたなんてことになったら、僕はナンセンスすぎる自分を悔いて泣いてしまうからね。僕は君の言葉を褒め言葉として受け取っておくよ」
「安心しろ。ちゃんと褒め言葉だ」
「へーっ! エスト君も人を褒めるんだね」
「うるさい」
そう言っておいて、ダース・ホークを油断させておくために褒めただけだ、とシャイルに耳打ちした。
ダースの語った能力も本当かどうか怪しい。空間を切り取る能力。空間の能力と切り取る能力、それぞれの単一の能力よりも遥かに応用方法が絞られてしまう。空間をどう切り取るかによってしか応用しようがない。
こんな限定的な能力の奴が強いはずがない。よほどの天才でないかぎり。
だが、こいつは天才ではないだろう。いや、さすがに違うだろう。
こいつが天才でないとしよう。こいつの能力の強さと、こいつの自信に満ちた態度とで、符号が合致しない。
つまり、こいつは能力説明で嘘をついたということにほかならない。
本当は、こいつはとても強力な能力を持っていて、それを隠しているに違いないのだ。
「あ、イーター」
シャイルが指を差して声をあげたが、その声にはあまり緊張感は感じられなかった。
そこにいたイーターは拳大ほどの小さい鼠の形をしていた。小指ほどの長さの尻尾を針のように尖らせ、こちらに向けて威嚇してくる。
さすがのイーターでも、圧倒的に巨大な三人の人間相手では食欲よりも生存欲が勝るらしい。
「きえええええええ!」
突如として発せられた奇声。それはダースのものだった。攻撃するために気合を入れたのかと思ったが、次の瞬間には、それがただの悲鳴だったと分かった。
「お、おい……」
ダースは俺の後ろに周りこみ、背中にしがみついてブルブル震えていた。
「え、エスト君。助けてくれ……」
こいつ、本当に弱いのか? さっきまでの厚かましい態度は、人間が相手であれば言葉で打ち負かせるとでも思っていたからか?
だとしたら軽率すぎる。いや、これすらも演技かもしれない。確かめておくべきだ。
「俺がおまえを助ける、だって? 絶対に嫌だね」
「じゃあ私が退治するよ。ちょっとかわいそうだけど、きっと寝込みを襲うタイプだろうし、学院の敷地内にいるイーターを放置しては危険だもの」
「駄目だ」
シャイルが意外そうな目を俺に向けた。
駄目と言ったからには、たとえシャイルが勝手にイーターを攻撃しようとしても、俺はそれを阻止する。
俺と過ごす中で、シャイルもそれを察することができるようになったようで、シャイルはあっさりと諦めて俺に譲った。
「おまえがやれ、ダース」
「無理だよ。言ったじゃないか。僕の能力は限定的で使いづらくて弱いんだって」
まあ、そう言うだろう。それは俺の想定どおりだ。
ここで、ダースの本性を暴くための一手を打つ。
「じゃあ、俺が代わりに退治してやる。その代わり、おまえは俺の奴隷になれ」
本当は無理矢理にイーターの前にダースを突き出したほうが本性を見るには確かな方法だが、もしこいつが本当に弱かったら俺がこいつを殺してしまうことになる。さすがにそこまではやれない。
「え、それはちょっと……」
「じゃあ、おまえがやれ」
「だから無理だってば」
こいつが涙声で訴えても嘘くさく聞こえる。
こいつは何をしてもうさんくさい。
「エスト君、ダース君をいじめちゃ……」
俺は言葉を遮るようにシャイルに向かって首を振った。
「勘違いするなよ、シャイル。これはダースのためなんだ。こんな雑魚イーターも倒せないようじゃ、この先、生きてはいけない。こいつは仮にも魔導師なんだぜ。倒せないはずがない。勇気がないだけなんだよ。その背中を押してやるのが俺たちの役目ってもんだろ?」
「それは……そうかもだけど……」
案外チョロイな、シャイルは。
だがいま重要なのは、シャイルのことよりダースのことだ。
こいつの本性を暴く。
「ダース、俺の奴隷になるか、死ぬかだ」
「じゃ、じゃあ、こうしよう。つき人で許してくれ……」
何が違う? 人権があるかないか、というところか? 奴隷、下僕、召使い、つき人、そういった言葉を並べてみると、いちばん軽いものをチョイスしているようだが、俺の子分になることは認めるということか。
「いいだろう。それで手を打ってやる」
こいつ、本当に弱いのか。
今日会ったばかりの俺個人の腰巾着になってまで能力を隠すとはさすがに思えない。
俺は手を縦に振ってみせた。必要のない動作だが、それが俺の能力をカムフラージュするのだ。
小鼠型イーターは縦に真っ二つに切断され、バサリとその場に崩れ落ちた。
「うう……」
思わず目を背けるシャイル。
一方のダースは俺の背後から出てきて安堵の吐息を吐き出した。
「ありがとう。助かったよ」
「忘れるなよ。おまえは俺のつき人だからな」
「……うん、分かっているよ」
俺が寮に戻ろうとしたとき、足音が一つ多くて俺が振り返ると、そこにはダースの顔があった。
「なんだよ、おまえ」
「つき人だから、ついていったほうがいいかと思って」
「いや、ついてくんな。おまえが近くにいたら鬱陶しくてかなわん。呼んだときだけ飛んでこい」
「あ、はい……」
ああ、しまった。こんな子分はいらなかったのに。
だが、ここでつき人の話をなかったことにすれば、俺が見返りなしにダースを助けたことになってしまう。
それはいただけない。
ダースがそれを見越した上で、自分の能力を隠すために弱いフリをしていたのならば、俺はこいつの思惑どおりに動いてしまったことになる。
こうなったら徹底的に子分として使ってやる。そうすれば耐えかねて本性を現すかもしれない。
だが、ダースに裏の顔がなかった場合の徒労を思うと憂鬱でさえある。ここまでくると俺のダースに関する好ましくない読みが当たっていてほしいとさえ思えてくる。
「お迎えありがとう。僕の寮はこっちだから」
「待て!」
数歩だけ進んだダースが俺の呼びかけに立ち止まり振り返った。
そのときのダースは、まるで呼びとめられることを予測していたかのように、自信に満ちた顔をしていた。
「おまえ、何者だ? と訊きたいところだが、おまえはさっきそれをはぐらかしたな。質問を変える。おまえの能力は何だ?」
道中で先にシャイルに確認したが、シャイルは知らないと言った。
「逆に訊くけど、君は嫌々ながらに僕を迎えに来たんだろう? それは僕に対する態度から分かるよ。それなのに、なぜ僕にそんなに興味を持つんだい? あ、質問に質問で返すな、なんて返事はなしにしてよ。これは質問に答える前に確認しておきたいからしている質問なんだ。それを理解せずに自分の質問の回答だけを要求するなんてことはナンセンスだと思うんだ」
「誰も『質問に質問で返すな』なんて言ってねえだろ。本当に鬱陶しいな、おまえ。じゃあ先に答えてやるよ。俺にはおまえが爪を隠す鷹に見えているんだ。爪を隠してヘラヘラ、ニヤニヤと地上の得物を狙っているようないけすかない奴にな。その高みに立つのは俺だけでいい。だからおまえが狩人なのか、得物なのか、それを確かめたいんだ。もしおまえが狩人ならば、いまここでおまえを撃ち落とす」
「僕はどう見ても人間じゃないか、なんて無粋なことは言わないよ。僕が鷹に見えるってのは例え話だよね。能ある鷹は爪を隠すという格言を踏襲した例えなんだよね」
「言ってんじゃねーか」
こいつのうんざりするほどくどい喋り方は、いかにも脇役の雑魚を想起させる。ラノベなんかではきっとそうに決まっている。
しかし、例外というのは必ずあるものだ。この俺が疑念を抱いたこいつが警戒するに値する人物だということだけは間違いない。
こいつの態度は自分の力に自信があり、どんな強者に相対しても余裕のある人間のものだ。
「君はすぐ人の揚げ足を取りたがるね。でも僕は君を許すよ。こう見えてお人好しだからね、僕は。で、肝心の答えだけれど、僕の能力は空間の切り取りだよ。実はあの門に開く黒い空間は僕が空間を切り取った結果できた穴なんだ」
「えらく限定的というか、複雑な能力だな。おまえの精霊は何の精霊だ? 精霊というのは火とか水とか単一の物質や現象、概念を司るわけじゃないのか?」
「たしかに複雑かもね。僕の精霊は距離という概念と切り取りという概念のハーフの精霊なんだ。ハーフっていうといいとこ取りのハイブリットだと思うかもしれないけど、精霊のハーフは逆なんだ。二つの異なる概念の共通する部分や連結可能な部分しか能力として発現できない。それとね、切り取りってことは、切り取った部分の存在はそのまま在るわけで、消失したりはしない。つまり、僕が切り取った部分は本当はそこにそのままあるんだ。ただ、切り取ったことを認識している僕たちだけが、その切り取り領域を存在しないものとして振舞うことができる。魔術師に近いかもしれないね。でも、これは物理的な干渉には違いないから、やっぱりハーフな彼の力は、精霊のそれだったといえるよ」
「シャイル、精霊にハーフがあるなんて知ってたか?」
「いいえ、知らなかったわ。先輩方からもそんな話を聞いたことがないし、学院で習う範囲外のことかしら」
シャイルは目を丸くして興味津々にダースの話を聞いていた。
「ほう……」
シャイルが優等生だということは知っている。そのシャイルが、この世界の理に関することで知らないということを、俺は見過ごしはしない。
「食えない奴だな」
「いやー、ありがとう。あ、『褒めてない』だなんてありきたりなツッコミはやめてくれよ。褒められてないのに喜ぶなんて、そんなありきたりなギャグを僕がしでかしたなんてことになったら、僕はナンセンスすぎる自分を悔いて泣いてしまうからね。僕は君の言葉を褒め言葉として受け取っておくよ」
「安心しろ。ちゃんと褒め言葉だ」
「へーっ! エスト君も人を褒めるんだね」
「うるさい」
そう言っておいて、ダース・ホークを油断させておくために褒めただけだ、とシャイルに耳打ちした。
ダースの語った能力も本当かどうか怪しい。空間を切り取る能力。空間の能力と切り取る能力、それぞれの単一の能力よりも遥かに応用方法が絞られてしまう。空間をどう切り取るかによってしか応用しようがない。
こんな限定的な能力の奴が強いはずがない。よほどの天才でないかぎり。
だが、こいつは天才ではないだろう。いや、さすがに違うだろう。
こいつが天才でないとしよう。こいつの能力の強さと、こいつの自信に満ちた態度とで、符号が合致しない。
つまり、こいつは能力説明で嘘をついたということにほかならない。
本当は、こいつはとても強力な能力を持っていて、それを隠しているに違いないのだ。
「あ、イーター」
シャイルが指を差して声をあげたが、その声にはあまり緊張感は感じられなかった。
そこにいたイーターは拳大ほどの小さい鼠の形をしていた。小指ほどの長さの尻尾を針のように尖らせ、こちらに向けて威嚇してくる。
さすがのイーターでも、圧倒的に巨大な三人の人間相手では食欲よりも生存欲が勝るらしい。
「きえええええええ!」
突如として発せられた奇声。それはダースのものだった。攻撃するために気合を入れたのかと思ったが、次の瞬間には、それがただの悲鳴だったと分かった。
「お、おい……」
ダースは俺の後ろに周りこみ、背中にしがみついてブルブル震えていた。
「え、エスト君。助けてくれ……」
こいつ、本当に弱いのか? さっきまでの厚かましい態度は、人間が相手であれば言葉で打ち負かせるとでも思っていたからか?
だとしたら軽率すぎる。いや、これすらも演技かもしれない。確かめておくべきだ。
「俺がおまえを助ける、だって? 絶対に嫌だね」
「じゃあ私が退治するよ。ちょっとかわいそうだけど、きっと寝込みを襲うタイプだろうし、学院の敷地内にいるイーターを放置しては危険だもの」
「駄目だ」
シャイルが意外そうな目を俺に向けた。
駄目と言ったからには、たとえシャイルが勝手にイーターを攻撃しようとしても、俺はそれを阻止する。
俺と過ごす中で、シャイルもそれを察することができるようになったようで、シャイルはあっさりと諦めて俺に譲った。
「おまえがやれ、ダース」
「無理だよ。言ったじゃないか。僕の能力は限定的で使いづらくて弱いんだって」
まあ、そう言うだろう。それは俺の想定どおりだ。
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「え、それはちょっと……」
「じゃあ、おまえがやれ」
「だから無理だってば」
こいつが涙声で訴えても嘘くさく聞こえる。
こいつは何をしてもうさんくさい。
「エスト君、ダース君をいじめちゃ……」
俺は言葉を遮るようにシャイルに向かって首を振った。
「勘違いするなよ、シャイル。これはダースのためなんだ。こんな雑魚イーターも倒せないようじゃ、この先、生きてはいけない。こいつは仮にも魔導師なんだぜ。倒せないはずがない。勇気がないだけなんだよ。その背中を押してやるのが俺たちの役目ってもんだろ?」
「それは……そうかもだけど……」
案外チョロイな、シャイルは。
だがいま重要なのは、シャイルのことよりダースのことだ。
こいつの本性を暴く。
「ダース、俺の奴隷になるか、死ぬかだ」
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こいつ、本当に弱いのか。
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俺は手を縦に振ってみせた。必要のない動作だが、それが俺の能力をカムフラージュするのだ。
小鼠型イーターは縦に真っ二つに切断され、バサリとその場に崩れ落ちた。
「うう……」
思わず目を背けるシャイル。
一方のダースは俺の背後から出てきて安堵の吐息を吐き出した。
「ありがとう。助かったよ」
「忘れるなよ。おまえは俺のつき人だからな」
「……うん、分かっているよ」
俺が寮に戻ろうとしたとき、足音が一つ多くて俺が振り返ると、そこにはダースの顔があった。
「なんだよ、おまえ」
「つき人だから、ついていったほうがいいかと思って」
「いや、ついてくんな。おまえが近くにいたら鬱陶しくてかなわん。呼んだときだけ飛んでこい」
「あ、はい……」
ああ、しまった。こんな子分はいらなかったのに。
だが、ここでつき人の話をなかったことにすれば、俺が見返りなしにダースを助けたことになってしまう。
それはいただけない。
ダースがそれを見越した上で、自分の能力を隠すために弱いフリをしていたのならば、俺はこいつの思惑どおりに動いてしまったことになる。
こうなったら徹底的に子分として使ってやる。そうすれば耐えかねて本性を現すかもしれない。
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