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王女様は僕にありがたい知識を授けてくれた……。
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「妊娠……」
僕は絶句する。
「そうよ、あなたにそれが、やれるの?」
「やれるか?ときかれれば、やるしかないじゃないですか! 奴隷にされて売られるよりはマシです……」
「聞いていいかしら? あなた何をするか分かっていて、わざと言っているの……」
僕は泣き崩れる……。
「ごめんなさい、どうか、どうか、できるだけ早く済ましたいです。どのぐらい時間かかるものなんでしょ」
「……あんたね……」
王女はあきれている。
「そもそもZランクの意味……わかっているのかしら……。一番初級の恋人ランクAってどういうことか……わかる?」
「……わからないです」
「キスしたことあるか……よ」
き、キス?一番初級でキス!! Zは一体なにをすればなれるというのか……。
「B、はなんでしょう……か。差し支えなければ、その。教えてください」
「Bはね、あなたの年には刺激が強すぎるわ……。そうね、あなたのわかる範囲でいうと、お互いをくすぐりあう行為よ……」
「くすぐりっこ!それなら僕にでもできそうです!!」
僕はちょっと喜んだ。なんだ……Bのほうが楽勝じゃん……と。
ひょっとしたらCはもっと楽なのかも……。
「Cは!Cはなんでしょうか!」
僕の声があまりに希望に満ちあふれていたのだろうアルジェ王女は。
「男って……、これだからキライよ。わたしのクチから言わしたい……ってこと。それを」
「はい、是非」
「最低……」
「はい、最低何をすれば……いいのでしょうか!Cは」
「Cはねぇ、下手をすると、あなたは、あなたが一番チェックを入れたくない箇所にチェックを入れざるえなくなるわ……」
「僕が一番チェックしたくない場所?」
「用紙の最後のチェックボックスよ……」
「!!!」
なめていた、まだ3段階目なのに、それかよ……。お父さんになる……可能性があるってことか!
しかし確かめなければならない……。
「可能性の問題ですよね?大丈夫なときもある、ってことですよね?」
「あんた……。うれしそうね……」
「はい、僕は、奴隷にならないためなら、そのぐらいの危険なら甘んじる覚悟、あります!」
僕は勇気をふりしぼってアルジェを真っ直ぐみて言う。
「あんたね……」
「で、Zランクについて……、そろそろ知りたいのですが……」
「あ、そうね、Zというのは、まず前提としてABC全部こなすのはもちろんのことDからあと全部制覇する必要が……あるわ……」
「Aだけは勘弁したいです……。僕は……Aは好きなひととしたいので。逆にBは誰とでもできます。Cだって好きじゃないひとだって構いません!」
アルジェは沈黙していた。
きっと僕の覚悟をやっと理解してくれたに違いない。
「……D以降はまだ聞いていませんけど……。とりあえず、AはスキップしてBから順番にやることって、できないでしょうか、アルジェ王女殿下……お願いします!」
と言って僕は王女殿下に土下座をした。
王女のただただ広い部屋は、しばらく静寂につつまれた……。
僕はずっと、ずっと頭を下げていた……。
僕は絶句する。
「そうよ、あなたにそれが、やれるの?」
「やれるか?ときかれれば、やるしかないじゃないですか! 奴隷にされて売られるよりはマシです……」
「聞いていいかしら? あなた何をするか分かっていて、わざと言っているの……」
僕は泣き崩れる……。
「ごめんなさい、どうか、どうか、できるだけ早く済ましたいです。どのぐらい時間かかるものなんでしょ」
「……あんたね……」
王女はあきれている。
「そもそもZランクの意味……わかっているのかしら……。一番初級の恋人ランクAってどういうことか……わかる?」
「……わからないです」
「キスしたことあるか……よ」
き、キス?一番初級でキス!! Zは一体なにをすればなれるというのか……。
「B、はなんでしょう……か。差し支えなければ、その。教えてください」
「Bはね、あなたの年には刺激が強すぎるわ……。そうね、あなたのわかる範囲でいうと、お互いをくすぐりあう行為よ……」
「くすぐりっこ!それなら僕にでもできそうです!!」
僕はちょっと喜んだ。なんだ……Bのほうが楽勝じゃん……と。
ひょっとしたらCはもっと楽なのかも……。
「Cは!Cはなんでしょうか!」
僕の声があまりに希望に満ちあふれていたのだろうアルジェ王女は。
「男って……、これだからキライよ。わたしのクチから言わしたい……ってこと。それを」
「はい、是非」
「最低……」
「はい、最低何をすれば……いいのでしょうか!Cは」
「Cはねぇ、下手をすると、あなたは、あなたが一番チェックを入れたくない箇所にチェックを入れざるえなくなるわ……」
「僕が一番チェックしたくない場所?」
「用紙の最後のチェックボックスよ……」
「!!!」
なめていた、まだ3段階目なのに、それかよ……。お父さんになる……可能性があるってことか!
しかし確かめなければならない……。
「可能性の問題ですよね?大丈夫なときもある、ってことですよね?」
「あんた……。うれしそうね……」
「はい、僕は、奴隷にならないためなら、そのぐらいの危険なら甘んじる覚悟、あります!」
僕は勇気をふりしぼってアルジェを真っ直ぐみて言う。
「あんたね……」
「で、Zランクについて……、そろそろ知りたいのですが……」
「あ、そうね、Zというのは、まず前提としてABC全部こなすのはもちろんのことDからあと全部制覇する必要が……あるわ……」
「Aだけは勘弁したいです……。僕は……Aは好きなひととしたいので。逆にBは誰とでもできます。Cだって好きじゃないひとだって構いません!」
アルジェは沈黙していた。
きっと僕の覚悟をやっと理解してくれたに違いない。
「……D以降はまだ聞いていませんけど……。とりあえず、AはスキップしてBから順番にやることって、できないでしょうか、アルジェ王女殿下……お願いします!」
と言って僕は王女殿下に土下座をした。
王女のただただ広い部屋は、しばらく静寂につつまれた……。
僕はずっと、ずっと頭を下げていた……。
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