十の結晶が光るとき

濃霧

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第一章 始動

入学翌日

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 鳥のさえずる音に、寮生の皆は起こされた。学校までわずか五分で行ける距離のため、多少寝坊しても遅刻することはない。しかし、緊張と不安とワクワクとが入り混じるこの時期において、皆が六時半に起きることは自然なことであった。
 「おはよう、鈴奈ちゃん」
松本が食堂に降りてきたとき、既に宝田はひとり食堂にいた。
「おはよう、早いね」
「早いってそっちの方が早いじゃん」
「私知ってるからね。松本さんが朝の五時に起きて一人庭で素振りしてたの」
松本はドキリとした。まさか人に見られているとは思わなかった。
「え、見てたの?」
「うん。こういうこと言うのあれだけど、私全然寝れなくてさ、それで早く起きちゃったんだよね。それで気分転換に窓の外見てみたら素振りしてるとこ見ちゃったの」
「えへへ、見られちゃったか」
「松本さんはなんでこの野球部に入ったの?」
宝田は急に話題を変えてきた。
「んー、なんでって単に高校でも野球やりたいなって思ったからだよ」
「松本さんの住んでるところって隣の県の方が近いし実績もあるよねって思ったけど」
松本にとって、宝田が自分の住んでいるところやその周辺の野球部の事情を知っていることに驚いた。
「あれ、言ったっけ。私が三田市に住んでること」
「いや、言ってないよ。私が夜の間眠れなかったから、みんなの中学時代がどうだったのかネット漁って調べてただけ」
「へえ、それに載ってるんだ。なんか鈴奈ちゃん凄いね」
「別に。素人でも見つけられるし。それで、なんで隣の県とかじゃなくてここ選んだの?」
「うーん、なんだろうな、そんなちゃんとした理由はないんだけど、中学までは自分の県でやってきたしお世話になったってところもあったから、恩返しの気持ちも多少あるのかな?」
少し曖昧な感じの返答に宝田は「ふーん」という感じで反応した。「あ、でもね」と一呼吸おいて松本は再び話した。
「新しい野球部でできるって今年しかないし、私たちだけしかない。だからさ、すごいワクワクする気持ちがあるな」
「そうなんだ。松本さんくらいの実力があれば、他のところから推薦とか来ててもおかしくないのになって思ったけど」
松本は再度ドキリとさせられた。
「う、うん・・・・・・推薦来てればそっちいってたかもね」
少ししどろもどろとした返答に宝田も何か察したのか「やっぱ推薦って厳しいんだね」と反応して話題を変えた。
「松本さんの中学時代の活躍とか、今日の素振りしてる様子とか見てて私も頑張りたいなって思えた。これからよろしくね」
最後、少し照れ臭そうに宝田は松本に言った。松本は、これまで宝田のことを只者じゃないなと思いつつも、少しとんがったようなそんな印象を持っていた。だからこそ、最後の「よろしくね」という言葉を聞いたときに、鈴奈ちゃんにも可愛いところがあるのだなと安心した。
「うん。よろしくね!」
 それから少し経って続々と皆が食堂に降りてきた。そして、全員が食堂に降りてきた頃に朝食が提供された。朝食はごはん、海苔、鮭、野菜炒め、みそ汁といったような簡素なメニューであったが皆には大盛りのご飯が提供された。大盛りのご飯であったが、それでもなお角や水岡はご飯を盛んにおかわりしていた。
 食事が終わった後、彼女たちは団体で高校へと向かっていった。

 入学の翌日というのもあり、午前中で授業が終わり午後から部活動の時間となった。通学生含め彼女たちは寮の食堂のところに集められた。
 内藤監督が入ってきて、彼女たちに言った。
「よし、今日は色々と決めることがあるからそれを決めていこう。まずは、部長を決めたい。十人しかいないが、部長と副部長、そしてキャプテンと副キャプテンは分けたいと思っている」
 部長とキャプテンの違いとしては、キャプテンは練習や試合におけるリーダー的な存在であり、部長はそれらを含めて総合的な部活のリーダー的存在ということになる。つまり、試合中はキャプテンがチームをまとめることになるが、遠征のときのまとめ役などは部長がチームをまとめることになる。このように分ける意図としては、内藤監督が彼女たちにより自発的にこの部活を作り上げていってほしいという願いからだ。そして、責任をなるべく分散させてのびのびと部活に励んでほしいという気持ちもあった。
 「部長をやりたいという人はいるかな?」
内藤監督が呼びかけたが誰からも手が挙がらなかった。部長の重みというものも確かにある。やはり、この新設一年目の部長というのは今後も女子野球部の伝統として語り継がれていくことになるかもしれない。そのことを考えると、安直に「やります」とは言えない空気が漂っている。
 「ふむ。もちろん、これについては僕の方から強制して言うことはしない。ただ、昨日の決めるやり取りとかも見ていて、水岡が適任なんじゃないかなと僕は思った。水岡はどうかな?」
「は、はい・・・・・・私ですか」
水岡は少し戸惑った。しかし、水岡が返答するよりも早く松本が「私も憐ちゃんが適任だと思います」と言った。人から言われるとそう簡単に断れなくなり、水岡は「やります、頑張ります」と言った。皆から喝采の大拍手が送られた。内藤監督はもう少し部長決定に時間がかかるのではないかと予想していたため、ある意味期待を裏切られる形で部長が即座に決定した。
 「水岡ありがとう。皆も水岡をしっかりと支えてあげてほしい。そのうえで、副部長も一人決めたい。副部長をやってくれる人はいるかな?」
すると、松本が手を挙げた。
 「はい。私がやります。憐ちゃんを推薦しといて私だけやらないのも違うなって思ったんで。全力で憐ちゃんを支えていきます」
 こうして早く部長と副部長が決まった。キャプテンと副キャプテンについては、今後一ヶ月の練習態度などを加味して判断するということが監督の口から告げられた。
 こうして決めるべき事項は決まった。そのあとは寮の庭、つまりグラウンドに出た。グラウンドは変わらず荒れ果てたような様子であり、整備には相当の時間がかかることが見込まれた。そこで、今日は半日使える時間があるものの、そのすべてをグラウンド整備の時間として使うことにした。
 もちろん、外部の業者に頼んでグラウンドを事前に整備してもらうことも可能であった。というより、外部の業者に委託しようという方針だったがそれを監督が断った。彼女たちにイチからグラウンドを作ることの大切さと大変さを身に染みて知ることで、グラウンドに対する感謝や練習が行えることに対する感謝がよりリアリティーを帯びて感じることができると考えたからである。
 「土は一袋だけ買ってきたから、これを使って土を作っていこう。内野に関しては生えている草を抜いていこう。外野は人工芝にしたいな。簡易的なベンチも作れるといいけどね」と監督の度重なる希望や構想に彼女たちは少し引き気味であったが、彼女たちは皆グラウンドを作り上げていこうという気概にあふれていた。
 そして、監督は敢えて土を一袋だけ用意した。一袋の土などすぐに使い切る量である。しかし、それによって彼女たちに土を買いにいかせるのである。土を買いにホームセンターまで走ることもトレーニングの一環としたいという監督の目論見がそこにはあった。また、草むしりの作業もトレーニングの一つになると思った。監督はこのグラウンド整備の期間中、「いいか、草は根本からしっかりと抜くんだぞ」と口癖のように口酸っぱく言っていた。
 土を買いに走る彼女たちは、中には角のように「なんで私たちが買いにいかされるんだよ」と文句を垂れ流している子もいたが、彼女たちの努力によってグラウンドは少しずつ完成に近づいていった。
 グラウンド整備初日はほぼ草を抜く作業だけで終わった。それほどまでに草が広がっており、また根本まで抜くとなると実は力が要る作業である。
 「草抜くだけでも結構きついね」
三塁側の草を抜いている銀杏田が、同じあたりの草を抜いている相馬に声をかけた。
「そうだね。なんか抜いても抜いても終わらないって感じ」
「特に、私はしゃがむだけでも辛いよ」
「そっか、背高いもんね。でも背高いの羨ましいな。ピッチャーとかやってたんでしょ?」
「そうだね。背高いおかげでピッチャーやってたね。まあ、それも過去形だけど」
相馬は銀杏田のその言葉に少し引っかかった。
「ん?過去形?」
「うん。私さ、肘故障しちゃって遠投もできなくなってさ、もう投手としてやっていくことは無理なんだよね」
「あ、そうなんだ・・・・・・なんかごめん」
「いや別に謝らなくて大丈夫だよ。むしろ謝られるとこっちがなんだか申し訳なくなるから」
銀杏田は笑って相馬の顔をじっと見た。
「まあ、肘故障したのも自業自得だって思ってるからさ。こればっかりはもうしょうがないなって。でも、野手としてはなんとかできるかなって感じ」
「そうなんだ。でもよく野球続けようと思ったね」
「あー、本当は私も野球辞めようと思ったんだ。怪我したとき。でも、そのときちょうどこの野球部ができるってニュースが来て、それで私は続けようって決意できたの。もし、この野球部ができてなかったら私はとっくに野球なんて辞めてたよ」
「なるほどね、私もなんか似てる感じかな」
「そうなの?」
「うん」
相馬は一呼吸おいてまた喋り始めた。
「私は男子に混じって中学で野球やってたんだけどさ、監督が厳しい人でさ、中学やり通すまででもう大変だったの。でも、私もこの新設野球部の存在を知ってさ、女子しかいない野球部ならなんとかやっていけるかなって」
「へえ。男子と混ざってやるの大変そう。なんか人権なさそうだよね」
「うん、そうだね。比喩とかじゃなくて本当の意味で人権なかったな」
「へえ、凄いな。そんな厳しい環境でやり通してきたってことは相当強いよね」
「そうなのかな・・・・・・いや、だから今も男恐怖症みたいなところあるんだよね」
「ああ、やっぱりそういうトラウマって残るもんね」
「うん。だから、あの監督も見た目とか声とかは優しそうだけど、本当にどんな人か分からないし、実際に野球の中になったら厳しくなる人とかもいるじゃん?」
「まあ、そうね。うちも監督はめっちゃ良い人だなって感じは思うけどさ、こうやって私たちが草抜いている中で監督は一人立ってみんなの様子見てるだけだよ、ほら」
二人は監督の方に目を向けた。一瞬、監督と二人と目が合い少し気まずくなりすぐに視線を逸らした。
「だからさ、なんか少しだけ違和感があるっていうか」
「うーん、私チームメイトとは仲良くやれるかなって感じはあるけど、監督とはちょっと馴染めないかも」
「まあ、これからだよ。まだどんな人だか分からないし」
銀杏田が言って、相馬は頷いた。
 日が暮れてきて監督は大きい声で皆に呼びかけた。
「よし、じゃあ日も暮れてきたし、キリの良いタイミングでみんなあがろうか」
正直草むしりにキリの良いも悪いもない。彼女たちはすぐに草むしりをやめてあがった。

 「ありがとう。皆のおかげでだいぶ作業が進んだ感じがするな。明日は水曜日で高校のグラウンドが使えるからみんなは野球道具を持ってきてほしい。まあ、寮生のみんなは野球道具を持ってきていると思うけど。一応、男子野球部のグラウンドを借りる形になるからそこだけは理解しておいてね。それじゃあ、今日はここで解散」
 監督がそう言い、今日の練習、ではなく草むしりは終了した。
 食堂では、草むしりだけしかしなかったことに対しての不満がちらほら聞こえてきた。草むしり自体に対しては別に問題ないが、それに対して監督が一切手伝わないという点があまり気に食わないという人もいた。「監督はなんで手伝わないの?」と松本が言い、それに対して数人が同意していた。しかし、こうした愚痴が吐けるのもひとつ大事なことであり、二日目にしてこの皆が集まる場でこういう話ができることは良い傾向といえるのかもしれない。もちろん、その愚痴が単に軋轢を生む帰結にならなければの話ではあるが。
 一方、通学生組の二人は今日も二人で帰っていた。
「果歩ちゃん、野球道具とか持ってる?もしよかったら私のを貸すよ?」
「いや、大丈夫だよ。友だちのおに、いや友だちが一緒に私の野球道具一式選んでくれたから」
「よかった!もう野球道具そろえてるなんていいね!私、果歩ちゃんの野球道具見れるの楽しみだな!」
「うん。まだ、野球道具の何がいいとか何が悪いとか何も分かってないけど、すももちゃんに見せてあげるね」
「やった!私に一番に見せてね!」
「う、うん・・・・・」

 一方、寮では食堂で愚痴を吐いていた彼女たちであったが、しかし明日はようやく練習ができるということでワクワク感が増していたのも事実であった。
 食堂でご飯を食べ終えたのち、それぞれの部屋へと戻ることになった。
 「春飛さん、ついに明日練習できるね。なんかワクワクしてきたな」
「うん。そうだね」
銀杏田と比石の部屋で交わされていた会話だ。銀杏田は少し興奮気味に話しかけたが、比石はそっけなく返した。こんな会話が昨日も行われており、銀杏田はその点が気がかりだった。
(私って、春飛さんに嫌われてるのかな・・・・・・)
そう思いながらも、どうしたら比石の心を掴めるのかを模索しながらの会話であった。しかし、常にそっけなく返してくる比石の様子を見るたびに、自分に対する自信が失われていった。
「ねえ、春飛さんってなんか趣味とかあるの?」
比石は読書をしていた。
「これ」
「読書?今何の本読んでるの?」
比石は本を閉じて本の表を銀杏田に見せた。
「『地熱発電が世界を変える』?なんか難しそうな本だね」
比石は無言のまま銀杏田を見つめた。数秒経って比石は口を開いた。
「別に、君に関係ないでしょ」
「え、こんな本読んでるけど将来何目指してるの?」
「将来?そんなのまだ考えてないよ。これはあくまで基礎教養。それに、あくまで趣味だからね」
銀杏田は「そっか」と返事するほかなかった。
銀杏田にとって、比石の存在がすごく気がかりであったが、比石と同室なのが少し気まずく感じられた。そこで、銀杏田は部屋を飛び出して他の部屋に飛び入ることにした。
「心音です。入っていい?」
彼女が入ろうと思ったのは、さっきの草むしりで少し話した相馬のいる部屋だった。「いいよー」という相馬の声が聞こえたので、ノックして部屋の中に入った。すると、相馬と角の二人が仲良く話してる姿が見えた。
「お、楽しそうにやってるね」と銀杏田が言うと、角が「マジでこいつ面白いよ」と相馬のことを指さした。「どこが面白いの?」と銀杏田が聞くと、角が「実はこいつさ、コーラを・・・・・・」と言いかけたところで相馬が角の口を塞ぎにいった。
「ダメ!これ以上話さないで!私が炭酸飲んだことなくて、コーラ思い切り振って噴き出したなんて言っちゃ」
「いや、全部言ってるじゃん」と銀杏田が言い、全員が爆笑した。
「ほらな、マジでこいつ面白いよな?」
たしかに角の言うことに同意だった。また、なにより面白いのは相馬が誰一人顔と名前が一致してないということだ。同部屋の角でさえ、名前をまだ覚えきれていないのだ。三人で会話してる中でも、「えっと、名前なんだっけしゅらんだっけ?」「ふらんだよ」という会話が何度も交わされた。同部屋の子でさえこの調子なのだから、銀杏田の名前など覚えるどころかかすりもしない程だった。
 ある意味でカオスな空間で三人の会話を楽しんでいた。相馬の風呂の番が回ってくるまで話していた。相馬の風呂の番になったタイミングで銀杏田は部屋をあとにした。
 二階にある歓談スペースを銀杏田は覗いてみると、そこには水岡と松本がいた。新部長と新副部長の二人である。
「あ、心音ちゃん」
水岡がいち早く気づいて反応した。
「お、早速部長陣で話し合ってるんだ。すごいね」
「まあ、話し合ってるっていってもまずは二人で仲良くならなきゃねって感じでそんな大した話してないけどね」と松本が言った。
「そっか、もしなんか困ったこととかあったら私にも言っていいからね」と銀杏田が二人に対して言った。しかし、それに対して水岡が「逆に心音さん困ってることないの?」と聞いてきた。
「あー、うん。まあ、心配するほどってことでもないけどさ、春飛さんとどういう風に接したらいいのか分からないなあって思って」
「ああ、春飛さんね」
水岡と松本二人が頷いた。しかし、水岡が次に言った一言が少し意外だった。
「あの子、面白い子だよ。取っ付きにくいかもしれないけど粘り強く接してあげて欲しいな」
「たしかに、読んでる本とか面白そうだなって思った」
「うーん、なんだろ、そういう意味じゃないんだけど、まああの子そっけない態度だけど別に悪気があるわけじゃないし、本当に面白い子だから。私から言うの勿体ないなって思うくらい」
「あれ?憐ちゃんって春飛ちゃんのこと知ってるの?」
松本が水岡に聞いた。
「うん、知ってるも何も中学同じチームだったからね」
「そうなんだ。道理で春飛ちゃんのことよく知ってるわけだ」
「そんなに憐さんが面白いっていうんだったらもっと粘り強くいこうかな」
「うん、そうするといいよ。多分、心音は気まずくなって部屋出てきたんでしょ?」
水岡に図星を突かれた彼女は、「そ、そうだね」と戸惑いながら答えた。
「私の予想が正しければ、多分春飛は今一人で笑ってると思うよ」
「笑ってる?」
松本が水岡に聞いた。それに対して水岡は意味ありげににっこりと頷いた。
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